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ここにあるのは、だれかが実際に調べ、考え、作ってきたことを集めたメモです。気になったら、ページの下の「参考にした情報源」から、もとの本や記事、それを生み出した人たちに、直接ふれてみてください。このメモには書ききれないおもしろさが、そこにあります。

でんちの 「500かい つかえる」って、なにを かぞえた 数字なの?

電池の「500回使える」は、何をどう数えた数字なのか

電池のサイクル寿命は、何を1回と数え、容量がどこまで落ちた時点を終点にするのか

分野:技術

スマホの でんちには、「500かい」や 「1000かい」と いう 数字が 出て きます。でも、500かい つかうと こわれる、と いう いみでは ありません。

では、なにを 500かい かぞえた 数字なのでしょう。おなじ でんちでも、つかい方で 回数が 20ばいも ちがう という 目安も あります。この ページを 読むと、1かいの かぞえ方と、回数の はかり方が わかります。

スマホの電池には「フル充電サイクル500回」「1000回」といった数字が出てきます。ところが、500回で使えなくなるという意味ではありません。さらに、ある資料の目安表では、同じ種類の電池でも、使い方の深さしだいで回数が300回から6000回まで開きます。ただし浅く使うと回数は20倍でも、DoDを掛けた放電量の換算では約2倍です[2]。

この数字は、いったい何を数えたものなのでしょうか。この記事を読むと、1回の数え方、「寿命」の線の引き方、そして何年も待たずに寿命を見積もる試験の考え方が分かります。

電池の仕様に書かれるサイクル寿命は、「その回数で壊れる」という値ではなく、容量が決められた割合を保つ回数として示される。Appleの説明では、iPhone 14以前は理想的な条件のフル充電サイクル500回後も容量80%を保つ設計とされる[1]。一方、同じNMC系の目安表では、浅く使うと回数は20倍になるが、DoDを掛けた放電量の換算では約2倍にとどまる[2]。

同じ「回数」が、なぜこれほど違う数字になるのか。この記事を読むと、1回の数え方、終点の線引き、使い方の深さが数字をどう変えるか、そして実時間で待たずに寿命を見積もる加速試験の考え方が分かる。

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1. 「500かい」は、500かいで おわり という こと?

1. 「500回」は、500回で寿命という意味なのか

1. 「500回」は寿命の宣告ではなく、容量を保つ回数である

スマホを ながく つかって いると、むかしより でんちが はやく へる ように なります。でんちは つかうほど、ためられる 電気が すこしずつ へって いくからです。

Appleの せつめいでは、iPhone 14 いぜんの でんちは、りそうてきな じょうけんで 500かい じゅうでんを くりかえした あとも、さいしょに ためられた 電気の 8わりを たもつ ように つくられて います。iPhone 15の なかまは、おなじ じょうけんで 1000かいと されて います[1]。

つまり 「500かい」は、「500かいで おわり」では ありません。「500かい つかっても、8わりは のこる ように つくった」と いう 数字です。のこりの 2わりは、へって いても ふしぎでは ない という ことです。

ここで 気に なる ことが 2つ あります。1かいって、どう かぞえるのでしょう。そして、なんで 「8わり」なのでしょう。

スマホを数年使うと、買ったころより電池の減りが速くなります。電池は充電と放電をくり返すうちに、ためられる電気の量が少しずつ小さくなっていくからです。

Appleのサポートページは、iPhone 14以前のバッテリーについて、理想的な条件で使われた場合、フル充電サイクルを500回くり返したあとも本来の蓄電容量の80%を保つよう設計されている、と説明しています。iPhone 15系は、同じ条件で1000回です[1]。

ここで大事なのは、「500回」が寿命の終点を示す数字ではないことです。「500回使っても80%は残るように作った」という約束の回数で、残りの2割が減っていても、約束の範囲に入っています。

この一文には、2つの決めごとが隠れています。何を1回と数えるのか。そして、なぜ80%という線なのか。順に見ていきます。

スマートフォンを数年使うと、電池の持ちが落ちる。充放電をくり返すうちに、蓄えられる電気の量が少しずつ小さくなるためである。Appleのサポートページは、iPhone 14以前のバッテリーが、理想的な条件下でフル充電サイクルを500回くり返した後も、本来の蓄電容量の80%を維持するよう設計されていると説明し、iPhone 15系は同じ条件で1000回としている[1]。

したがって「500回」は、500回目で使えなくなることを意味しない。「500回後に容量の80%を保つ」という設計上の目安であり、数字には回数と容量の割合と条件の3つが組みこまれている。ここから、何をもって1回とするか、容量が何%まで落ちた時点を終点とするか、どんな条件で試すか、という3つの問いが出てくる。

まず、1回の数え方から見る。

2. 1かいって、どう かぞえるの?

2. 「1回」は、どう数えるのか

2. 充電1回ではなく、使った電気の合計で数える

ひるまに 50%、よるに 50%、でんちを つかって、2かい じゅうでん した ひを 考えて みましょう。じゅうでんは 2かいですが、1かいと かぞえます。

Appleは、でんちに ためられる 100%ぶんの 電気を つかい きると、1かいの じゅうでんサイクルを おえた ことに なる、と せつめい して います。1かいの じゅうでんで 100%を つかい きらなくても いいのです[1]。ごうけいで 100%ぶんに なれば、1かいです。

いえに おく 大きな ちくでんちの せつめいでも、からっぽから まんたんまでを ただ 1かいと するのでは なく、じっさいの つかい方では、30〜50%ぐらいまでしか へらさない ことが おおいので、つかった 電気の ごうけいで かぞえる、と 書かれて います[4]。

ただ、この かぞえ方は、「どこでも ぜんぶ これ」と きまって いる わけでは ありません。Battery Universityという 電池の せつめいの ページは、なにを 1かいと するかに、はっきり きまった きまりは ない、と 書いて います[2]。

午前中に50%、夜に50%使って、1日に2回充電した日を考えてみます。充電は2回ですが、数え方によっては1回分です。

Appleは、バッテリー容量の100%に相当する電力を使い切ると、1回の充電サイクルを完了したことになる、と説明しています。1回の充電で100%使い切る必要はなく、合計で100%ぶんになれば1回です[1]。

家庭用蓄電池の解説にも、同じ考え方が出てきます。1サイクルは0%から100%まで充電して0%まで放電する1往復ですが、実際には完全に放電することはまれで、30〜50%程度までの放電が多いため、充放電量の積み上げで数える、とされています[4]。これは販売会社の解説記事で、家庭用蓄電池の場合の話です。

ただし、数え方が世界で1つに決まっているわけではありません。Battery Universityは、何をもって1サイクルとするかには明確に定められた標準がない、と述べています[2]。だから「500回」を見たら、その会社がどう数えているのかも見る必要があります。

では、数え終わったとき、どこで「寿命」とするのでしょうか。

午前に50%、夜に50%使って1日に2回充電した日は、サイクルとして何回か。Appleの定義では1回である。バッテリー容量の100%に相当する電力を使い切ると1回のサイクルを完了したことになり、1回の充電で使い切る必要はなく、合計で数える[1]。

家庭用蓄電池の解説も同じ発想をとる。1サイクルは0%から100%への充電と0%への放電の1往復だが、実際には完全放電はまれで30〜50%程度までの放電が多いため、充放電量の積み上げで数える、とされる[4]。ただし出典は販売会社の解説記事で、対象も家庭用蓄電池である。他の電池に当てはめてはならない。

Battery Universityは、1サイクルを何とするかについて、明確に定められた標準がないと述べ、表では満充電から指定の充電状態まで放電することを放電の深さ(DoD、depth of discharge)として扱っている[2]。つまり「1回」は、会社や試験ごとの約束事である。1回の中身が違えば、同じ「500回」でも、電池が経験した仕事量が違う。

では、その約束の次にある、容量が何%まで落ちたら終点とするのか、という線引きはどうなっているのか。

3. なん%まで へったら 「おわり」と するの?

3. 容量が何%まで落ちたら「寿命」なのか

3. 終点の線は、試験や製品によって違う

Appleの 8わりは、「それ いじょう たもつ ように つくった」と いう 線でした。でも、この 線は、どこでも おなじでは ありません。

Battery Universityの ひょうは、さいしょの 70%まで へる までの 回数を のせて います[2]。日本でも、国の しんぎかいの ぶんしょに、60%いじょうを たもつ はんいで 回数を きめる、と 出て いると されます[3]。いえに おく ちくでんちでは、会社に よって 50%いじょう、60%いじょうなど、ちがいが あり、はかり方も 会社ごとに ちがう、と 書かれて います[4]。

たとえば 「1000かい」と 「1000かい」でも、一つは 「8わり のこる」、もう一つは 「5わり のこる」かも しれません。線が ひくいほど、おなじ 電池でも 回数は ながく なります。

だから 数字を くらべる ときは、まず 「なん%の 線か」を 見ると いい のです。

「寿命」という言葉は、電池が突然使えなくなる瞬間のように聞こえますが、実際は「容量がここまで落ちたら終点とする」という線を人が引いています。そして、その線は試験や製品によって違います。

Battery Universityの表は、容量が70%まで落ちるまでの回数で比べています[2]。経済産業省の審議会資料には、電力量の維持率60%以上の範囲で寿命の回数を決める、と示されているとされます[3]。家庭用蓄電池でも、メーカーによって保証する容量が50%以上や60%以上と分かれ、寿命の計測方法がメーカーごとに違う、と注記されています[4]。

線が低いほど、同じ電池でもそこへ届くまでの回数は多くなります。だから、同じ「1000回」でも、80%を保つ1000回と、50%まで使った1000回では、中身がまったく別です。

数字だけを並べて比べるのは危険で、まず「何%の線か」を見る。これが、この記事で一番持ち帰ってほしいことです。次は、同じ電池の回数が使い方でどう変わるかを見ます。

終点の線を、国や企業はそろえているのか。実際には、そろっていない。Battery Universityの表は、容量が70%まで落ちるまでのサイクル数で示している[2]。経済産業省の審議会資料(車載電池パックの生涯電力供給量の算出)では、電力量維持率60%以上の範囲内で生涯サイクル数を設定する、とされる[3]。家庭用蓄電池でも、保証容量がメーカーにより50%以上と60%以上に分かれ、計測方法も違うと注記されている[4]。

線が低いほど、その線に届くまで長くかかる。そのため、80%を保つ1000回と、50%まで使った1000回は、電池の状態がまるで違う。さらに、Appleの数字は80%を保つ「設計」であり、Battery Universityの数字は70%まで落ちる回数の「目安」である。種類の違う数字を、回数だけで比べることはできない。

規格の本文にあたる終了基準(JISやIECの試験が容量の何%・何回を終点とするか)は、有償資料で本記事では扱えない。扱えたのは、線引きが資料によって違うことを示す上の例までである。

では、同じ電池の同じ線でも、使い方を変えると回数は変わるのか。次の章で、Battery Universityの表を計算し直す。

4. あさく つかうと、なぜ 回数が 大きく ふえるの?

4. 電池を浅く使うと、回数は大きく伸びる

4. 放電の深さで回数は変わるが、取り出せる電気の合計は変わるのか

Battery Universityの ひょうに、おどろく 数字が あります。リチウムイオンでんちの 一つ(NMCと いう しゅるい)では、100%まで つかい きる つかい方だと 300かい ぐらいで 70%まで へります。ところが 10%だけ つかっては じゅうでん する つかい方だと、6000かいぐらい もつ という 目安です[2]。

回数は 20ばい。ここで、「つかう 大きさ×回数」で 放電した りょうを、名目上の 計算として 出して みます。100%ぶんの 300かいは、100%×300で、100%ぶんの 300かい ぶん。10%ぶんの 6000かいは、10%×6000で、100%ぶんの 600かい ぶんです。つまり、20ばいも 回数が ふえても、この 計算での 放電りょうは 2ばいぐらいです。

ただし、1回の 大きさが ちがう 数え方どうしは、回数だけでは くらべられません。つかった 電気の ごうけいも 見ないと いけません。

ただし、この ひょうは 目安で、電池の しゅるいや 会社で かわります。それでは、こうした 回数は、どうやって はかるのでしょうか。

Battery Universityの表Table 2は、NMC系のリチウムイオン電池で、放電の深さ(満充電からどこまで使うか)と、容量が70%に落ちるまでの回数の目安を示しています。100%使い切る場合は約300回、80%で約400回、40%で約1000回、20%で約2000回、10%で約6000回です[2]。

この表では、浅く使うほど回数が伸びます。では回数が20倍になったとき、DoDを掛けた名目上の放電量の換算ではどうなるでしょうか。100%を300回なら、フル充電換算で300回ぶん。10%を6000回なら、10%×6000=600回ぶんです。回数は20倍でも、この表の数字では、放電量の換算値は約2倍です。40%で1000回なら400回ぶん、20%で2000回なら400回ぶんで、ここは同じくらいです。

前の章で見た「1回の数え方」が、ここで効いてきます。Appleのように使った電力の合計で数える方法は、この表のような「浅い1回」と「深い1回」を、同じ物差しに乗せるための工夫と読めます。

この表はNMC系の目安値で、メーカーや電池の種類によって数字は変わります。では、実際に電池を何百回も使って測るのは、どれくらい大変なのでしょうか。

終点の線と数え方を決めても、使い方の深さで回数は動く。Battery Universityの表(Table 2)は、NMC系について、放電の深さ(DoD)が100%のとき約300回、80%で約400回、60%で約600回、40%で約1000回、20%で約2000回、10%で約6000回としている。いずれも容量が70%に落ちるまでの目安である[2]。

浅く使うほど回数が伸びるが、電池が1回あたりにこなす仕事は小さくなる。そこで、DoDに回数をかけた名目上の放電量を、フル充電換算の回数で出す。100%×300回は300回分、40%×1000回は400回分、20%×2000回は400回分、10%×6000回は600回分、80%×400回は320回分になる。DoD100%と10%を比べると、回数は20倍だが、換算した仕事量は約2倍である。浅い使い方ほど有利にはなるが、回数ほどの差にはならない。

この計算は、表を使った検算であり、原典が示した結論ではない。表は、NMC系の目安であり、他の電池やメーカーでは別の数字になる。また、1回の数え方が定まっていない(Battery Universityの指摘)以上、表のDoDも一つの約束事である。

ここまでで数え方と線引きが分かった。では、その回数を、どうやって試験で出すのか。電池を何百回も使うには、時間がかかりすぎないのか。

5. なんねんも まてない とき、どうやって しらべるの?

5. 何年も待たずに、寿命を見積もる試験

5. 実時間で待たずに、温度で劣化を速めて見積もる

まいにち 1かい じゅうでんして、500かいに なるまでには、500にち、およそ 1ねん 4か月 かかります。1000かいなら、2ねん 9か月ぐらいです。そんなに ながい あいだ まって いては、新しい でんちを すぐには 売れません。

そこで、電池を しらべる 会社は、じゅうでんと ほうでんを くりかえす しけんを します。そして、その あとの 数字から、どれぐらい もつかを 見つもります[5]。しけんの ほうほうの 一つが、おんどを あげる こと。あつい ところでは、でんちが はやく へる ためです。

おんどが 10℃ 高いと、へる はやさが 2ばいに なる、という 目安が あります(10℃2ばいそく)。20℃ 高ければ、そのまま のばして 考えると 4ばいです。ただし、これは かんたんに した 目安で、電池や おんどに よっては あてはまらない ことも あります[5]。

日本の じどうしゃの けんきゅうじょ(JARI)は、ふつうの 大きさの 電池を 0℃・25℃・45℃で しけんしました。45℃では 回数が すすむほど はやく へり、はじめに まんたんだと もっと はやく へった、と 書いて います[6]。これは 1しゅるいの 電池の けっかです。

毎日1回充電するとして、500回に届くまで約500日、およそ1年4か月かかります。1000回なら約2年9か月です。電池を作る会社が、結果が出るまでこれだけ待つのは現実的ではありません。

そこで、電池の寿命評価では、初期性能を測ったうえで、充放電サイクル試験(くり返し動作を模擬した試験)や、高温で保存する試験を一定期間行い、得られた結果から寿命を推定します[5]。

温度を上げて劣化を速める考え方の目安が、「10℃2倍則」です。一定期間の試験で、試験温度が10℃高いと劣化が2倍になる、という近似で、アレニウス則という化学反応の法則が背景にあります。単純に延ばせば、20℃高いと4倍の速さです。ただし近似なので、電池や温度の範囲によっては成り立ちません[5]。

自動車研究所(JARI)の研究では、市販の18650型セルを0℃・25℃・45℃でサイクル試験しました。45℃では容量の低下が速く、試験を始める充電状態が高いと、45℃での劣化はさらに速くなりました。0℃では、開始時の充電状態が0%のとき、容量の低下と内部抵抗の増加が速まりました[6]。1種類のセルの結果なので、すべての電池にそのまま当てはめることはできません。

こうした試験は、実際にどう組み立てられているのでしょうか。

毎日1回の充電で500サイクルに届くには約500日、1000サイクルなら約2年9か月かかる。サイクル寿命を実時間で確かめると、製品の開発が間に合わない。そのため寿命評価では、初期性能を測ったうえで、充放電サイクル試験(くり返し動作を模擬した試験)や、任意の充電状態での高温保存試験を一定期間行い、その結果から寿命を推定する[5]。

温度で加速できるのは、劣化の速さが温度で変わるためである。JFEテクノリサーチの資料は、アレニウス則が適用される温度加速試験を行うと説明し、一定期間の試験では試験温度が10℃高いと劣化が2倍になるとされる「10℃2倍則」に触れている[5]。この則を単純に延ばせば20℃で4倍になるが、あくまで近似であり、電池や温度範囲によって成り立たない場合がある。

JARI Research Journalの試験は、市販の18650型セルを0℃・25℃・45℃でサイクルさせた。45℃では放電容量の低下が速く、開始時の充電状態(SOC、state of charge)が高いと、45℃での低下がさらに速くなった。0℃では、開始時SOCが0%のとき、容量低下と内部抵抗の増加が速まった[6]。これは抜粋で読んだ範囲で、1種類のセルの結果である。

試験の手順にも、標準がある。ポータブル用リチウム二次電池のIEC 61960:2011(第2版)は、サイクル耐久試験に、0.2 ItAの通常の手順に加えて、0.5 ItAの加速手順を追加した[7]。米オークリッジ国立研究所の論文は、休止時間、充放電の速さ、温度を変えた試験の手順を、温度を保った恒温槽で検証したと述べる[8]。温度、充電状態、速さ、休止が、結果を動かす条件になっている。

終了基準や回数は、有償の規格本文にあるため、ここでは扱わない。つまり、寿命の数字は、数え方、線引き、深さ、温度という条件つきの値である。最後に、自分の使い方でこれを確かめる。

6. じぶんの でんちを かぞえて みよう

6. 1週間、自分の充電を数えてみる

6. 自分の使い方で「1回」を数え、資料に当たる

きょう できる こと

たとえば、1日に 50%を 2かい つかった 日は、Appleの 数え方では 何かいでしょう。ごうけいが 100%に なるので、1かいです。

では、この 日が 7日 つづくと、何かい ぶんでしょう。1年(52しゅうかん)では 何かいに なるかも、かけ算で 考えて みましょう。500かいや 1000かいが、何年分に あたるかも わかります。これは おおまかな 計算で、日に よって つかう りょうは ちがいます。

かぞえなおして みよう

もう ひとつ。10%だけ つかう 使い方で 6000かいは、100%ぶんの 何かい ぶんでしょう。10%×6000を 計算して、100%の 300かいと くらべて みましょう。

1日の使い方を仮に決めて数える

たとえば1日に50%を2回使う人は、Appleの数え方では1日で1サイクルです。これが毎日続くと仮定して、500回、1000回が何年分に当たるかを計算してみてください。日によって使う量は違うので、あくまで概算です。

深さをそろえて比べる

本文の表で、100%の300回と10%の6000回を、「DoD×回数」でフル充電換算に直して比べてみてください。回数は20倍なのに、換算値は何倍になるでしょうか。さらに40%の1000回と20%の2000回も換算して、結果を見比べてみましょう。

自分の数字で確かめる

残量の差だけで数えると、途中で充電した分が抜けて過小評価になる。実際に記録するなら、放電した分と途中で充電した分を分けて書き、使った%を合計する。合計を100%ごとに1サイクルと数え、1週間分を52倍すれば、1年のサイクル数の概算になる。500回、1000回が何年分に当たるかを計算すれば、仕様の数字の長さが見えてくる。ただし日による差や充電の取りこぼしがあるため、あくまで目安にとどまる。

資料を読むなら

1回の定義と80%の約束は、Appleのサポートページ[1]が日本語で読める。深さと回数の表(Table 2)はBattery University[2]にあり、本文の検算の元になった。蓄電池の数え方と保証容量の違いは[4]、温度加速と寿命推定の流れは日本語のJFEテクノリサーチ資料[5]、温度と充電状態の影響はJARI Research Journal[6]、試験手順の標準はIEC 61960[7]、試験条件を変える手順はORNLの論文[8]が出発点になる。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

本文で使った資料です。

  1. Apple サポート「バッテリーと性能」. https://support.apple.com/ja-jp/101575 (充電サイクルの定義/80%を保つ設計の回数)
  2. Battery University BU-808 How to Prolong Lithium-based Batteries. https://batteryuniversity.com/article/bu-808-how-to-prolong-lithium-based-batteries (サイクルの標準がないこと/放電の深さと回数の表)
  3. 経済産業省 蓄電池サステナビリティに関する審議会資料. https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/chikudenchi_sustainability/pdf/004_06_02.pdf (電力量維持率60%以上の範囲で生涯サイクル数を設定)
  4. エネマネックス「蓄電池の寿命」. https://enemanex.jp/tikudenchi-jumyo/ (家庭用蓄電池の数え方・保証容量の違い。販売会社の解説)
  5. JFEテクノリサーチ リチウムイオン二次電池の寿命評価試験. https://www.jfe-tec.co.jp/download/pdf/3S2J-159-00.pdf (寿命の推定方法/10℃2倍則)
  6. JARI Research Journal 2015年4月号. https://img.jari.or.jp/v=1641526830/files/user/pdf/JRJ20150402_q.pdf (温度と充電状態の影響。抜粋で読んだ範囲)
  7. IEC 61960:2011 ed2 概要. https://webstore.ansi.org/preview-pages/IEC/preview_iec61960%7Bed2.0%7Db.pdf (サイクル耐久試験に加速手順を追加)
  8. Oak Ridge National Laboratory, Protocol for conducting advanced cyclic tests in lithium-ion batteries. https://impact.ornl.gov/en/publications/protocol-for-conducting-advanced-cyclic-tests-in-lithium-ion-batt/ (休止・レート・温度を変えた試験手順)

なおした ところ

更新履歴

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