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ここにあるのは、だれかが実際に調べ、考え、作ってきたことを集めたメモです。気になったら、ページの下の「参考にした情報源」から、もとの本や記事、それを生み出した人たちに、直接ふれてみてください。このメモには書ききれないおもしろさが、そこにあります。

つめたい コップの そとがわに、みずは どこから きたの?

冷たいコップの外側の水は、どこから来たのか ── くもり始める温度は日によって違う

結露と露点 ── コップ・窓・雲に共通する水滴のでき方

分野:自然

つめたい ジュースを コップに いれると、そとがわに みずが つきます。コップから しみだした のでは ありません。

この みずは、へやの くうきの なかに いました。しかも、みずが あらわれる おんどは、ひに よって ちがう ことが あります。どうして なのか、この メモで わかります。

冷たい飲み物を入れたコップの外側には、水滴がつきます。この水は、中身がしみ出したのではなく、部屋の空気の中にあった水蒸気が姿を変えたものです。

しかも、水滴が出始める温度は、同じ20℃の部屋でも日によって違うことがあります。教材の例では、15℃の日もあれば18℃の日もあります。なぜ日によって変わるのか、そしてこの仕組みが窓の結露や雲とどうつながっているのかが分かります。

同じ20℃の部屋でも、教材のコップの実験では、15℃で曇った日と18℃で曇った日がある。水滴が出始める温度は、空気に含まれる水蒸気の量で変わる[2]。

コップの外側に水滴がつくのは、中の水が染み出すからではなく、周囲の空気に含まれていた水蒸気が凝結するからである[1]。では、なぜ空気は冷えると水蒸気を抱えきれなくなるのか。この記事では、飽和水蒸気量の温度変化や露点をたどり、窓の結露や雲のでき方まで同じ考え方で説明できることを確かめる。数値は教材の表の丸め値にもとづく。

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1. コップの みずは、どこから きたの?

1. コップの外側の水は、どこから来たのか

1. コップの外側の水滴 ── 出どころはどこか

つめたい コップの そとがわが、しっとり ぬれて います。まず、ふしぎに おもいませんか。コップには、あなは ありません。

その みずは、コップの なかから でて きたのでは ありません。まわりの くうきの なかに、みえない かたちで ういて いました。

くうきの なかの みえない みずを、すいじょうきと いいます。これが コップに ひやされて、みずつぶに かわったのです[1]。

では、くうきは どれだけの みずを、かくして おけるのでしょう。

冷えたコップの外側が、いつの間にかぬれている。そんな場面は、夏の飲み物でおなじみです。

ガラスに穴は開いていないので、中の水がしみ出したわけではありません。気象庁の用語集では、空気中の水蒸気が凝結して水滴になる温度を露点温度と呼びます[1]。つまり、コップにつくのは、もともと空気の中にあった水蒸気が姿を変えたものです。

ここで疑問が出ます。空気はいくらでも水蒸気を含めるのでしょうか。それとも、含める量に限りがあるのでしょうか。

冷えたコップの外側が濡れる現象について、ガラスは水を通さないので、水滴の主な出どころは、外の空気に含まれる水蒸気である。気象庁の予報用語では、露点温度は「相対湿度が100%となる温度」で、空気中の水蒸気が凝結して露を結ぶ温度とされる[1]。

この定義には、相対湿度という前提がある。相対湿度は、空気が実際に含む水蒸気量を、その気温での飽和水蒸気量と比べて百分率で表したものである[1]。では、飽和水蒸気量は気温によってどう変わるのか。

2. くうきに かくせる みずには、かぎりが ある

2. 空気が含める水蒸気には、上限がある

2. 飽和水蒸気量 ── 気温が10℃上がると約1.8倍前後

くうきは、あたたかいほど、たくさんの みずを かくせます。つめたく なると、かくせる りょうが ぐんと へります。

1m³(1りっぽうメートル)の くうきで くらべると、0どでは 4.8g、10どでは 9.4g、20どでは 17.3g、30どでは 30.4gです[2]。おおよその かずです。

20どから 30どに あがると、およそ 1.8ばい に なります。すこし あたたかく なるだけで、ずいぶん たくさん かくせる のです。

ただし、これは きょうしつで つかう ひょうの かずで、ほんの すこし ずれる ことも あります。

では、かくせる りょうを こえたら、どう なるのでしょう。

1m³の空気が水蒸気として含める最大の量を、飽和水蒸気量といいます。中学理科の教材の表では、0℃で4.8g、10℃で9.4g、20℃で17.3g、30℃で30.4gです[2]。

10℃ごとの増え方を計算すると、10℃から20℃で約1.84倍、20℃から30℃で約1.76倍になります。ざっくり言えば、10℃上がるごとに1.8倍前後です。気温が上がると、空気は水蒸気をぐんと抱えられるようになります。

表の値は丸めてあるので、教材によって20℃が17.2gだったり17.3gだったりします。記事では「約17g」くらいの感覚で読んでください。

この上限は、逆に言えば、冷えると上限が急に下がるということです。上限より多く水蒸気が入っていたら、どうなるのでしょうか。

教材の表では、飽和水蒸気量は0℃で4.8、10℃で9.4、20℃で17.3、30℃で30.4 g/m³である[2]。10℃ごとの比を計算すると、それぞれ約1.96倍、約1.84倍、約1.76倍で、上昇率は少しずつ小さくなるが、温度が上がると急に増える曲線であることは変わらない。

この値を、気象学で広く使われる近似式であるマグヌス式で筆者が計算し直すと、0℃で4.8、10℃で9.4、20℃で17.2、30℃で30.3 g/m³となり、教材の表と0.1以内で一致した(出典本文の引用ではなく、照合の結果である)。20℃の値が17.2と17.3で教材ごとに揺れるのは、丸めの違いによると考えられる。公的な数値表そのものは今回参照できていないため、本文の数値には「約」を付ける。

だから、空気が冷えると飽和水蒸気量が急に小さくなり、実際の水蒸気量が上限を超える場面が生まれる。その温度が露点である。

3. どのくらい ひやすと、みずが でて くるの?

3. 何℃まで冷やすと、水滴が出るのか

3. 露点は空気の水蒸気量で決まる

くうきを ひやして いくと、かくせる りょうが へって いきます。かくして いた みずと、ちょうど おなじに なった おんどが、ろてんです[1]。

ろてんより ひくく なると、かくしきれない ぶんが、みずつぶに なります。

しかも、ろてんは くうきによって ちがいます。みずが おおい くうきは たかく、すくない くうきは ひくいのです[2]。

コップの みずの おんどを さげて、くもり はじめた おんどを はかる じっけんが あります。おなじ 20どの へやでも、15どで くもる ひと、18どで くもる ひが あります。これは きょうしつの れいの かずです[2]。

空気を冷やしていくと、飽和水蒸気量が下がります。中に含まれている水蒸気の量と、飽和水蒸気量がちょうど等しくなる温度が露点です[1]。それより冷やすと、入りきらない分が水滴になります。

露点は、空気に含まれる水蒸気の量で決まります。1m³に17.3g含む空気の露点は20℃、9.4gなら10℃です[2]。水蒸気が多い空気ほど露点は高く、少ないほど低くなります。

ここが一番話したくなるところです。教材のコップの実験では、氷水で水温を少しずつ下げて、表面がくもり始めた温度を測ります。同じ20℃の部屋で、結露した温度が15℃だった日と18℃だった日が例として挙げられています[2]。この数字は教材の例で、いつでもそうなるという値ではありません。それでも、部屋の温度が同じでも露点は日によって違う、と分かります。

露点は、空気の温度を下げていったとき、含まれる水蒸気量が飽和水蒸気量に等しくなる温度であり、水蒸気量が多い空気ほど高く、少ない空気ほど低い[2]。教材の例では、1m³に17.3gを含む空気の露点は20℃、9.4gなら10℃である。この対応は、前章の飽和水蒸気量の表を逆向きに読んだものにあたる。

コップに氷水を加えて水温を下げ、表面が曇り始めた温度を読むと、露点を実測できる。教材の実験例では、室温20℃で曇った温度が15℃と18℃の二通りあり、露点が空気によって変わることの根拠として示されている[2]。15℃と18℃は教材の例示であり、一般値ではない。

温度が同じでも露点が違うということは、湿度が違うということでもある。では、露点から湿度を数字で表せるのか。

4. ろてんが わかると、しつども わかる

4. 露点から、湿度を計算してみる

4. 露点から相対湿度を求める

へやが 20どで、コップの みずが 10どで くもり はじめたと します。ろてんは 10どです。

20どの くうきは 17.3g かくせて、いまは 10どの ぶん、9.4g しか ふくんで いません。9.4を 17.3で わると、およそ 0.54。しつどは、54ぱーせんとくらいです。

ひきざんも できます。25どで 20gの すいじょうきを ふくむ くうきを、10どまで ひやすと、およそ 10gが みずつぶに なります[3]。10どの かくせる りょうを、10gと おおまかに した けいさんです。

露点が分かると、湿度も計算できます。部屋が20℃で、水滴がつき始めたのが10℃だったとします。空気が実際に含む水蒸気量は、露点での飽和量、つまり9.4gです。20℃の飽和量は17.3gなので、9.4÷17.3×100で約54%です。

千葉県教育委員会の学習プリントの解答では、同じ場面を飽和量17.2gで計算して58.1%としています[3]。10℃の水蒸気量を10gに丸めた計算なので、数%ずれます。表の丸め方で数字が変わるだけで、考え方は同じです。

水滴の量も計算できます。25℃で1m³に20gの水蒸気を含む空気が10℃まで冷えると、10℃の飽和量(約10g)を超えた約10gが水滴になる、と同じプリントは説明しています[3]。10℃の飽和量を9.4gにすれば、約10.6gです。

露点が10℃、室温が20℃の空気では、実際の水蒸気量は10℃の飽和水蒸気量に等しい。表の値で計算すると9.4÷17.3×100で約54%になる。千葉県教育委員会の学習プリントの解答は、10÷17.2×100=58.1%と、水蒸気量を10gに丸めた値で計算しているため、数%の差が出る[3]。丸めの前提を書かずに数字だけ比べると、食い違っているように見える。

冷やして出る水の量は、冷やす前の水蒸気量から、冷やした後の飽和水蒸気量を引けばよい。25℃で1m³に20gを含む空気を10℃まで冷やすと、教材は20−10=10gが水滴になると計算する[3]。10℃の飽和量を9.4gとすれば約10.6gになるので、約10gは丸めの結果である。

温度と水蒸気量の関係が分かれば、部屋の窓が濡れる理由にも使える。

5. まどが ぬれるのは、なぜ?

5. 窓のくもりも、同じ仕組みで起きる

5. 窓の結露 ── 内側の表面温度と露点の関係

ふゆの あさ、まどが ぬれて いる ことが あります。へやの なかの あたたかくて しめった くうきが、つめたい まどに ふれて、ひやされるからです[4]。

コップと おなじ しくみです。まどの ひょうめんの おんどが、へやの くうきの ろてんより ひくいと、みずつぶが つきます。

なつは、はんたいの ことも おきます。あつくて しめった そとの くうきが、れいぼうで ひえた かべに ふれて、ぬれる ことも あります[4]。

冬の朝、窓ガラスがびっしょり濡れていることがあります。東京都の資料では、結露を、空気が冷たい面に触れて温度が下がり、含まれる水蒸気が水滴になることと説明しています[4]。冬は室内の温かく湿った空気が冷たい窓や壁に触れて起こります。

夏にも、結露はあります。高温で湿った外の空気が、冷房で冷えた壁などに触れると、同じように水滴が出ます[4]。冷たいコップを持ち出した夏の日と、根っこは同じです。

窓が濡れるかどうかは、窓の内側の表面温度が、室内の空気の露点より低いかどうかで決まります。北海道立総合研究機構の相談事例では、室内が20℃で湿度60%のとき、露点は12℃です。外が−10℃のとき、窓の内側表面が12℃になり、結露が始まると計算しています[5]。これは窓の断熱性能などを仮定した計算例で、外が−10℃なら必ず結露する、という意味ではありません。

窓の結露は、窓の内側表面の温度が室内空気の露点以下になると起こる。北海道立総合研究機構の建築技術相談の例では、室内20℃・湿度60%で露点は12℃である。窓の内側表面温度を12℃と置くと、外気温が−10℃のときに条件が満たされるという計算が示されている[5]。この計算は熱貫流率などの条件を仮定した例であり、外気が何℃なら結露するかという一般則ではない。

東京都の資料は、結露を空気が冷たい面に触れ、温度が下がって水蒸気が水滴になることと定義し、冬の室内側のほか、高温多湿の外気が冷房で冷えた壁に触れて起こる夏型も挙げている[4]。冬型と夏型は、温かく湿った空気側と、冷たい面側の位置が逆になるだけで、露点を下回るという条件は共通である。

同じ考え方は、地上の窓にとどまるだろうか。

6. そらの うえでは、どうなるの?

6. 空の上では、雲になる

6. 空気が上昇してできる雲 ── コップの結露と共通する仕組み

くうきが うえに のぼって いくと、まわりの きあつが さがって、くうきが ふくらみ、おんどが さがります。そして ろてんに とどくと、みずつぶが できます。この ちいさな みずつぶが たくさん あつまった ものが くもです[6]。

そらに うかぶ くもと、コップの そとがわは、おなじ しくみです。ちがうのは、ひやされる ものが、コップでは なく、のぼって いく くうきだと いう ところです。

雲のでき方も、露点で説明されます。空気が上昇すると、まわりの気圧が下がって空気が膨らみ、温度が下がります。露点に達すると水蒸気が凝結して水滴になります。その小さな水滴が集まって見えているのが雲です[6]。

岐阜県教育委員会の教材には、線香の煙などを核にして雲をつくる実験が紹介されています[6]。飽和水蒸気量を超えた分が、目に見える水滴になる、という点は、コップの外側と同じです[6]。

冷たいコップと窓と雲は、水蒸気が冷えて水滴に変わるという、ひとつの考え方でつながっています。

空気が上昇すると気圧が下がって膨張し、温度が下がる。露点に達すると水蒸気が凝結して水滴になり、その水滴(上空の条件によっては氷の粒)の集まりが雲である[6]。教材は、空気の温度が下がると飽和水蒸気量が小さくなり、露点に達したときに飽和水蒸気量を超えた分が水滴として目に見えるようになる、と整理している[6]。

コップの外側の結露と雲の違いは、空気が冷える原因にある。前者は冷えた面に触れて冷え、後者は上昇して膨張することで冷える。冷えた結果、露点を下回るという条件は同じである。線香の煙などを核にして雲をつくる実験教材があることも、この出典に紹介されている。なお、雲の粒の核の役割については今回の資料では深く扱っていない。

自分でも しらべて みたく なったら

自分でも調べてみたくなったら

自分でも調べてみたくなったら

今日できること

ガラスの コップに みずと こおりを いれて、そとがわを よく 見て みましょう。さいしょに コップを かわいた ふきんで ふいて おきます。こおりを すこしずつ ふやして、いつ くもり はじめるか 見ます。おんどけいが あれば、みずの おんどを はかります。べつの ひにも やって、くらべて みましょう。

出かけてできること

ふゆの あさに、まどの どこから ぬれて いるか 見て みましょう。

こうしきの じょうほう

きしょうちょうの ホームページに、しつどや ろてんの ことばの せつめいが あります。

今日できること

ガラスのコップに水と氷を入れ、外側の様子を観察します。先にコップの外側を乾いた布で拭いておくと、あとでつく水滴が中の水ではなく、空気から出たものだと確かめられます。氷を少しずつ足していき、くもり始めたときの水温を温度計で読みます(温度計がなければ、くもり方の変化を見るだけでも十分です)。別の日にも同じ部屋でやると、くもり始める温度が変わるか比べられます。

出かけてできること

冬の朝、家や学校で、窓のどこから濡れているかを見てみましょう。冷えやすい場所と、そうでない場所の違いが見えてきます。

公式情報

気象庁の予報用語や、教育委員会の理科の教材に、湿度や雲の解説があります。

今日できること

ガラスのコップの外側を乾いた布で拭き、氷水で水温を下げて、曇り始めた水温を温度計で読む。日を変えて繰り返し、露点の変化を比べる。得られた露点から、この章の計算で相対湿度を求めてみる。

出かけてできること

冬の朝に、窓ガラスの結露が最初に出る位置を観察する。窓枠に近い側と中央側で違うか、外気の温度との関係を考えてみる。

公式情報

気象庁の予報用語、および出典に挙げた教育委員会・北海道立総合研究機構の資料を読む。飽和水蒸気量の公的な数値表(理科年表など)を探し、教材の表と照らし合わせるのもよい。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

露点の定義は気象庁の用語集、飽和水蒸気量の値と実験例は教材、結露の説明は東京都と北海道立総合研究機構、雲は岐阜県教育委員会の教材による。飽和水蒸気量の公的な数値表は確認できておらず、教材の表とマグヌス式による自前の計算の照合にとどまる。

  1. 気象庁「予報用語 気温・湿度」 https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/yougo_hp/kion.html (露点温度と相対湿度の定義)
  2. 教育ネットワーク 中学理科教材(サンプル) https://www.edu-network.jp/download/サンプル(02544_25).pdf (飽和水蒸気量の表、露点と水蒸気量の関係、コップの実験例)
  3. 千葉県教育委員会 理科「気象とその変化」学習プリント解答 https://www.pref.chiba.lg.jp/kyouiku/shidou/gakuryoku/yaruki/rika/documents/21r02.pdf (露点からの湿度、水滴の量の計算)
  4. 東京都保健医療局「室内環境(結露)」 https://www.hokeniryo1.metro.tokyo.lg.jp/allergy/pdf/indoor02.pdf (冬型・夏型の結露)
  5. 北海道立総合研究機構 建築技術相談Q&A https://www.hro.or.jp/upload/50471/1041204.pdf (窓の表面温度と露点の計算例)
  6. 岐阜県教育委員会 中2理科 見届け資料 https://www.gifu-net.ed.jp/ssd/sien/gakusyuzyoukyou/h26_mitodoke/rikatyuu2.pdf (雲のでき方、水滴が見える理由)

なおした ところ

更新履歴

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