1. 電話の 線に、音で のせる
1. 電話の線に、データを音の形にして載せる
1. モデムの役目 ── データを音声帯域の音に変える
むかしの インターネットは、家の 電話の 線を 使って つなぎました。電話の 線は、もともと 人の 声を 運ぶ ために 作られた ものです。声の 高さの はんいは 決まって いて、それより 高すぎる 音や ひくすぎる 音は、あまり 通りません[2]。
そこで、パソコンの 中の データを、電話の 線を 通る 音に かえる そうちが ありました。モデムと いいます[1]。
たとえば、糸電話を 思い出して ください。糸には 声しか 通れません。文字を そのまま 入れる ことは できないので、声の 高い・ひくいで 合図を 作る ようなものです。ただし 本当の モデムは、もっと 細かく、はやく 音を かえて います。
2. ピーと ガーは、きかいの 相談
2. 音は「つなぐ前の相談」だった
2. ハンドシェイク ── 応答音、変調方式の交渉、V.34の4段階
電話を かけると、相手の モデムが 出ます。まず 相手が、あいさつの ような 音を 出します。この 音は、回線の まん中に ある 「こだまを おさえる しかけ」などを 止める 音でも あると、かいせつ されて います[3]。
そのあと 二つの モデムは、「わたしは この 話し方が できるよ」と 教え合い、二人とも できる 話し方を さがします[3]。さらに、回線が どれくらい 音を よわめるかを、ためしの 音で しらべます[3]。
ある 決まりごとの モデム(V.34)では、この 相談が 4つの 場面に 分かれて いました。回線との やりとり、回線の しらべ、こだまを けす れんしゅう、さいごの ちょうせいです[4]。電話の 相手に 声で「聞こえますか」と たしかめて から、話す 速さを 決める ようなものです。
3. 音は、わざと 聞こえるように して あった
3. 音がスピーカーから聞こえたわけ
3. 初期設定でスピーカーが鳴った ── ATM0で消せた
どうして 音が スピーカーから 聞こえたのでしょう。ある かいせつでは、当時の モデムは、つなぐ あいだの 音を 出すのが はじめの せっていだったと 書かれて います[3]。
書いた 人は、まちがえて 人の 電話に かけて しまった ときも、音で 気づけて、電話に 出て あやまる 時間が あるからかも しれない、と 考えて います[3]。これは 書いた 人の 予想です。音を けす めいれいも ありましたが、ソフトや きしゅに よって ちがいます。
4. 電話代が かかる インターネット
4. つないでいる間は電話代がかかった
4. V.90の56kbpsと、時間課金の時代
電話の 線を 使うと、はやさには、これより 上には いけない かぎりが ありました。1998年に 決まった 世界の きまり(V.90)では、上りの 速さは 1秒に 多くて 33,600ビット、下りは 多くて 56,000ビットです[5]。「56K」と いわれた モデムの 数字は、一ばん 上の 数字で、いつも 出る わけでは ありません。
もっと 大きな ざんねんな ことが ありました。1996年ごろ、インターネットを 使う 人は、プロバイダ(つなぐ 会社)が 決めた 電話番号に 電話を かけて つなぎました。つなぐ 時間に 合わせて、電話代が かかりました[6]。
ずっと つなぎっぱなしに できる 家庭向けの サービスは、2000年の「フレッツ・ISDN」が はじまりの ほうでした。それまでは、つないだ 時間に おうじて 電話代が かかるのが ふつうでした[6]。
5. 夜の 11時に、電話を かける 人が ふえた?
5. 夜11時を待つ人たち? ── テレホーダイ
5. テレホーダイ ── 23時〜翌8時の定額と、23時に集中したとされる話
電話代を 気に する 人の ために、NTTには「テレホーダイ」と いう わりびきが ありました。夜の 11時から 朝の 8時までの あいだ、あらかじめ 決めた 電話番号(2つまで)への 電話が、きまった ねだんに なりました[7][8]。1995年に はじまったと されて います。
だから 夜の 11時ごろに、電話を かけて つなぐ 人が ふえたと つたえられて います[7]。この 話は 一つの ものに かかれた ことで、ほんとうに どのくらいの 人が いたかは 分かりません。
この わりびきは、電話の しくみが かわる ことに 合わせて、2023年の 終わりから 2024年の はじめに かけて おわりました[9]。
NTTには、「テレホーダイ」という割引がありました。夜11時から翌朝8時まで、あらかじめ登録した2つまでの電話番号への通話が定額になるものです[7][8]。1995年8月に始まったと説明されていますが、「1995年ごろ」と見ておくのが安全です。
プロバイダのアクセスポイントの番号を登録すれば、夜間は接続時間を気にせずにつないでいられます。そのため、23時ごろに接続が集中した、と伝えられています[7]。ウィキペディア1つに基づく話なので、断定はしません。
固定電話がIP網に移行し、通話料が一律の定額になることにあわせて、テレホーダイなどの割引サービスは終了すると、NTT東西が発表しました[9]。終了時期は2023年末〜2024年1月と、資料により書き方が分かれます。
テレホーダイは、NTTが1995年8月22日から提供したとされる割引で、23時〜翌8時に、あらかじめ指定した2つまでの電話番号への通話が定額になった[7]。NTT東の夜間定額のダイヤルアップ接続サービスとして、@ITも同じ時間帯(23:00〜8:00)を記す[8]。開始日はウィキペディアに基づく数字である。
夜間のみ定額なので、23時ごろにアクセスポイントへの接続が集中した、と伝えられる[7]。ウィキペディア単独の記述で、接続数の実測値ではない。
終了は、固定電話のIP網移行に伴う通話料のフラット化のためで、2022年にNTT東西が発表した[9]。報道は「2024年1月に終了」、ウィキペディアは「2023年12月31日まで提供」と書き方が異なり、同じ出来事の表し方の違いとみられる。
6. 音が 聞こえなく なった あと
6. ADSLと光ファイバーへ ── 音が消えていく
6. ブロードバンドへの交代 ── DSLの急増とFTTHの逆転
2000年代に 入ると、電話を かけずに ずっと つながる サービスが ふえました。2002年3月の DSL(電話の 線を 使う べつの つなぎ方)の 数は 238万こで、1年で 34ばいくらいに なりました[10]。
その あと 光ファイバー(ガラスの ほそい 線)も ふえます。2005年から ふえ、2008年には DSLの 数を 上回りました[11]。
パソコンの ある 家の うち、2002年は 70.6%が 電話の 線を 使った つなぎ方でした。2010年には 77.9%が ブロードバンド(はやい つなぎ方)に なりました[11]。これは 家に 聞いた 調べで、つないだ 数では ありません。
音の わけを 知ると、「ピー・ガー」が、電話の 決まりに 合わせて つないで いた ころの 声だったと 思えて きます。
2000年代に入ると、電話をかけ直す必要のない常時接続が広がります。平成14年(2002年)3月時点のDSL回線は238万件で、1年間で約34倍に急増したと、総務省の白書は書いています[10]。
その後、光ファイバー(FTTH)が2005年以降に増え、2008年にはDSLの契約数を上回りました[11]。
パソコンを持つ世帯で見ると、2002年は70.6%が、電話線のダイヤルアップなど狭い帯域の接続(ナローバンド)を使っていました。2004年には、ナローバンドとブロードバンドが並びます。2010年には77.9%がDSL・光・ケーブルのブロードバンドです[11]。これは世帯調査の割合で、契約数ではありません。
「ピー・ガー」は、電話網の決まりに合わせてデータを音にしていた時代の、接続の声でした。その声が聞こえなくなったころには、つなぎ方そのものが変わっていました。
7. 自分でも 調べて みたく なったら
7. 自分でも調べてみたくなったら
7. 自分でも調べてみたくなったら
やって みよう。声の 高い・ひくいで、合図を 送る あそびです。家の 人や 友だちと 二人で やります。
「高い 声は ○、ひくい 声は ×」と 決めます。1人が 高い・ひくいを 5回 ならべて、声だけで 5つの こたえを つたえます。もう 1人は 見ないで 聞いて、紙に ○と ×を 書きとります。合って いましたか。
声を 大きく しすぎない こと。かぜを ひいて いる ときは やめましょう。モデムは、この 高い・ひくいの 合図を、目に 見えない ほど はやく 音で して いました。
しらべた もとの じょうほう
参考にした情報源
参考にした情報源と、その使い方
出典について:ウィキペディア、大学の講義資料、モデム技術の解説、ITUの勧告、報道記事、総務省の白書を使った。何に使ったかを、それぞれの後ろに書いた。
- ウィキペディア「Dial-up Internet access」。https://en.wikipedia.org/wiki/Dial-up_Internet_access (モデムがデータを音の信号に変えることについて)
- University of Calgary 講義資料(音声周波数帯域)。https://cspages.ucalgary.ca/~unger/441/lectures/2.2/tsld033.htm (電話回線が通す音の範囲について)
- windytan「The sound of the dialup, pictured」(2012年)。https://www.windytan.com/2012/11/the-sound-of-dialup-pictured.html (接続音の順番と、音が聞こえた理由について)
- 3AM Systems「V.34 handshake & modulation」。https://www.3amsystems.com/Technical_library/V34 (V.34の4段階について)
- ITU-T 勧告 V.90。https://www.itu.int/rec/T-REC-V.90/en (56kモデムの規格の上限値について)
- INTERNET Watch 30周年特集。https://internet.watch.impress.co.jp/docs/special/30th/2081494.html (1996年当時の接続と、常時接続の登場について)
- ウィキペディア「テレホーダイ」。https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%86%E3%83%AC%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%80%E3%82%A4 (テレホーダイの内容と23時への集中について。この1資料に基づく)
- @IT。https://atmarkit.itmedia.co.jp/icd/root/02/5787602.html (夜間定額のダイヤルアップ接続の時間帯について)
- INTERNET Watch(2022年)。https://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/1382244.html (テレホーダイなどの割引の終了について)
- 総務省『平成14年版 情報通信白書』。https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h14/html/E1013000.html (DSL回線数の急増について)
- 総務省『平成23年版 情報通信白書』。https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h23/html/nc212110.html (ナローバンドからブロードバンドへの移り変わりと、光がDSLを上回ったことについて)
なおした ところ
更新履歴
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