1. 地震の 日、電話は どれくらい あつまったの?
1. 地震の日、被災地にふだんの50倍の電話が集まった
1. 阪神・淡路大震災:電話の輻輳が約5日続いた
1995ねんの じしんの 日の ことです。じしんの あった ばしょへ、ふだん いちばん こむ ときの 50ばいの 電話が、いっぺんに かかりました。つぎの 日も、電話は 20ばいでした[1]。
みんなが 「だいじょうぶ?」と かぞくの 声を ききたくて、電話を かけたのです。けれど、電話の みちは、たくさんの 電話を いっぺんには とおせません。つながりにくい 日は、5日ほど つづきました[1]。
この こみすぎを、むずかしい ことばで 「ふくそう」と いいます。道が こんで 車が すすまない 「じゅうたい」と にています。ただし 本当は、車では なく、電話が ぎょうれつを つくって います。
では、電話が こんだ ときに、ほかに どんな やり方が あるのでしょう。その 前に、知って おきたい ことが もう 1つ あります。
1995年の阪神・淡路大震災の日、被災地には、ふだんのピーク時の50倍もの電話が集まりました。翌日も20倍でした。電話がつながりにくい状態は、およそ5日間続いたと、消防庁の教材は伝えています[1]。
家族や知人の無事を知りたい人が、同じ時間に同じ場所へ電話をかけたのです。一度につなげる電話の数には限りがあるので、安否の確認が難しくなりました。この混みすぎを、「ふくそう」と呼びます。道路の渋滞に近い状態ですが、実際に並んでいるのは車ではなく、電話をつなぐ要求です。
この経験から、あとで見る災害用伝言ダイヤル171などが開発されました[1]。ただ、東日本大震災では、混みすぎのほかに、もう一つ別の理由が加わります。
2. 電話が つながらないのは、わざと の ことも ある?
2. 混みすぎたら、通話を「わざと」絞る
2. 東日本大震災:混雑に加えて通信規制が行われた
2011ねんの 東日本大しんさいでも、電話は こみました。携帯電話では、会社に よっては、ふだんの 50ばいから 60ばい以上の 電話が あつまりました[2]。
そこで 電話の 会社は、つながる 電話の かずを、わざと へらしました。これを 「つうしんきせい」と いいます。きんきゅうの つうほうなどを まもる ためだと、そうむしょうの しりょうは せつめいして います[2]。
へらした りょうは 大きく、携帯電話では 多い ときで 70パーセントから 95パーセント、家の 電話では 多い ときで 80パーセントから 90パーセントでした。これは 「いちばん へらした ときの かず」で、ずっと その わりあいだった わけでは ありません。家の 電話の きせいは すぐ おわり、携帯電話の きせいは、とぎれとぎれに 数日 つづきました[2]。
つまり、つながらない ときには、こわれて いる だけでなく、わざと へらして いる ことも あります。では、電話の 線に ならばずに、ぶじを つたえる 方ほうは ないのでしょうか。
2011年の東日本大震災でも、混雑は起きました。総務省の報告では、携帯電話事業者によっては平常時の50〜60倍以上の通話が集中しています。そこで事業者は通信規制を行いました。緊急通報などを守るため、つながる通話の数を意図的に絞る仕組みです[2]。
絞った量は、最大で固定電話が80〜90%、携帯電話が70〜95%でした。固定電話の規制は比較的短時間で解除され、携帯電話の規制は断続的に数日間続きました[2]。ただし、これは「最大で」の数字です。ずっとその割合で止まっていたわけではなく、全通話のうち何割が通じたかを表す数字でもありません。
電話がつながらないとき、壊れているだけではなく、混雑と意図的な規制が重なっていることがあります。この日の経験は、「電話の列に並ばない道」を用意する理由にもなりました。その一つ目が、声を預ける171です。
東日本大震災では、携帯電話事業者によって平常時の50〜60倍以上の通話が集中した。緊急通報などを確保するため、固定電話で最大80〜90%、携帯電話で最大70〜95%の通信規制が実施されている。固定電話の規制は比較的短時間で解除されたが、携帯電話の規制は断続的に数日にわたった[2]。
数字の読み方には注意がいる。「最大」は規制が最も強かった時点の値であり、期間全体の平均でも、通話が通じた割合でもない。固定の80〜90と携帯の70〜95も、取り違えやすい。
混雑に、事業者側が通話を絞る操作が重なったことになる。相手に直接つなぐ通話だけに頼ると、何十倍もの要求が来る日に家族の無事を伝えにくい。この問題への一つの答えが、阪神・淡路大震災の経験から開発された171である。
3. 「声の でんごんばん」171は どう できて いる?
3. 171は、相手につながなくても声を残せる「声の伝言板」
3. 災害用伝言ダイヤル171の設計:30秒・20件・被災地優先
「171」は、災害の ときに つかう 電話番号です。ふだんは 使えず、災害で 電話が つながりにくく なった ときに、はじまります[1][3]。
しくみは 「声の 伝言板」です。じしんの あった ばしょの 人が、171に 電話して、声を 録音します。ほかの ばしょの かぞくは、あとから その 声を きく ことが できます[1]。
1つの 声は 30秒までです。1つの 電話番号に、1こから 20こまで のこせます[1]。20こ ぜんぶ 30秒なら、ぜんぶで 10分(30秒×20こ)です。みじかく 話す ことが、たくさんの 人の 声を あずかる くふうの 1つと 考えられます。
もう 1つ、おもしろい きまりが あります。じしんの あった 直後は、ほかの ばしょから 声を 録音する ことが できない ときが あります。じしんの あった ばしょの 人の 声を、先に のこす ためです[1]。
声は、電話一本で のこせます。では、文字なら どうでしょう。
阪神・淡路大震災の教訓から開発された災害用伝言ダイヤル171は、被災地の人が声を録音し、全国から再生して聞ける「声の伝言板」です[1]。相手に直接つなぐのではなく、いったん伝言として預けるので、相手が電話に出られなくても、あとから聞いてもらえます。
決まりを見ると、設計の考え方が見えてきます。1つの伝言は30秒以内、1つの電話番号につき1〜20件まで。限られた設備に多くの人の伝言を預かるための数字と読めます。20件すべてを30秒で使えば、合計で最大10分(30秒×20件)の計算です[1]。災害直後は、被災地からの録音を優先するため、他の地域からの録音が規制されることもあります。
171は、災害で電話がつながりにくくなったときに提供が始まります。ふだんは使えませんが、毎月1日と15日、防災週間(8月30日〜9月5日)、正月三が日、防災とボランティア週間(1月15日〜21日)には体験できます[3]。
声は、短くても残せます。では、文字なら、混雑の中でもっと通りやすいのでしょうか。
171は、被災地の人が音声を録音し、全国から再生して聞ける「声の伝言板」だ[1]。伝言として預ける形のため、相手が電話に出られなくても、あとから聞いてもらえる。仕様は、1伝言が30秒以内、1電話番号あたり1〜20伝言。20件すべてを30秒で使えば最大10分(30秒×20件)で、短くまとめて多くの人の伝言を預かる設計と読める。
もう一つの特徴は、被災地からの録音を優先するため、災害直後は他地域からの録音を規制することがある点だ[1]。被災地の側が先に伝言を残せるよう、録音の入り口を調整している。
提供は、災害によって電話がつながりにくくなったときに始まる。ふだんは提供されないが、体験できる日が決まっている。毎月1日・15日、防災週間(8月30日9時〜9月5日17時)、正月三が日、防災とボランティア週間(1月15日9時〜21日17時)である[3]。
声の伝言は、預ける仕組みだった。文字で預けるものは、混雑や規制に対してどれほど強いのか。
4. 文字の れんらくは、どうして とどきやすいの?
4. 声より文字のほうが、混雑の中でも通りやすかった
4. web171とパケット通信:音声とは別の道を通る
171には、文字で のこす 「web171」も あります。パソコンや スマホから、電話番号を 入れて、あんぴを 書きます。100文字まで、20こまで 書けて、6か月 のこります[1]。
東日本大しんさいでは、メールの ような つうしんは、電話より つながりやすい ようすでした。電話の きせいが 70パーセントを こえた ときも、メールの きせいは なかったか、あっても 多くて 30パーセントで、すこしの あいだでした[2]。
電話の 会社は、声の つうしんと、文字などの つうしんを わけて あつかい、伝言板の ような サービスが つかえるように しています[7]。
ただし、メールが すぐ ついた わけでは ありません。サーバーが こんで、いつもより 時間が かかりました[2]。長い メールを たくさん おくると、携帯電話の 電池が へる という 声も ありました。そうむしょうは、あんぴの れんらくは みじかく するように よびかけて います[2]。
では、電池が なくなったら、どうなるのでしょう。
171には、文字で安否を残すweb171もあります。パソコンやスマートフォン、携帯電話から電話番号を入れて登録・確認でき、1伝言は全角100文字以内、1つの伝言板に20件、保存期間は最大6か月です。171と原則同時に提供されます[1]。声の20件が最大10分なら、文字の20件は最大2000字(100字×20件)の計算です。
では、文字は電話より混雑に強いのでしょうか。東日本大震災の携帯電話では、メールなどのパケット通信の規制は、なかったか、あっても最大30%で一時的でした。音声の最大70〜95%と比べると、メールのほうが通じやすい状況でした[2]。通信事業者は、音声とパケット通信を分けて制御し、災害用伝言板などが使えるようにしています[7]。
ただし、届くのが速かったわけではありません。メールサーバーの混雑で、到達には通常より時間がかかりました[2]。長文や大量の安否確認メールは、被災者の携帯電話の電池を減らす面から望ましくないという意見もあり、総務省は、手短な連絡と、不要不急の電話・リダイヤルを控えることを呼びかけています[2]。
文字なら通りやすい。けれど、端末の電池が切れたら、この道は使えません。
web171は、電話番号を入力して文字(全角100文字以内)の安否を登録・確認する伝言板だ。保存は最大6か月、1伝言板に20件で、171と原則同時に提供される[1]。声は最大10分(30秒×20件)、文字は最大2000字(100字×20件)と、どちらも「短く、少数」を前提にした作りである。
音声より文字が通りやすい理由は、携帯電話の通信の中身にある。東日本大震災では、メールなどのパケット通信は規制がなかったか、あっても最大30%で一時的であり、音声の最大70〜95%とは差が大きかった[2]。通信事業者は、通信量に応じて音声通話とパケット通信を分離し、災害用伝言板などが使えるように制御している[7]。音声とパケット通信を分けて制御することで、音声通話が混雑したときもデータ通信を使える場合がある。
限界もある。メールの到達時間は、メールサーバーの輻輳で通常より延びた[2]。長文や大量のメールは、被災者の携帯電話の電池の消耗の点で望ましくないという意見もあり、総務省は手短な連絡と、不要不急の電話・リダイヤルの自粛を呼びかけている[2]。道が増えても、使う側の工夫がいる。
端末の電源が尽きれば、ここまでの道はどれも使えない。そこで次は、端末を必要としない手段を見る。
5. 公衆電話は、ていでんでも つかえるの?
5. 公衆電話は、規制の対象外で、停電でもかけられる
5. 公衆電話:優先扱いと給電方式、避難所への事前配備
公衆電話は、災害の ときの つよい みかたです。つうしんきせいの たいしょうに ならず、先に あつかって もらえます[4]。
それに、ていでんしても つかえます。電話の 線を とおして、NTTの ビルから 電気が おくられて いるからです[4]。
ひなんじょなどで、むりょうで つかえる 「災害よう 公衆電話」を、先に おいて おく 取り組みも あります。NTT東日本の 地いきでは、2011ねんに 約7000台、2019ねんには 約4万6000台に なったと ほうじられました[5]。これは NTT東日本の 地いきだけの 数字です。
でも、つかった ことが ない 子の ほうが 多い という 調査も あります。2018ねんの 北海道の じしんの あとの アンケートで、思いつく れんらくの やり方に 公衆電話を あげた 人は 12.8パーセントでした。小学生の おうちの 人に きいた 調査では、77パーセントの 小学生が、公衆電話を つかった ことが ありませんでした[5]。ネットで きいた 調査の 一れいで、ぜんこくの 子の ようすと までは いえません。
おいて あっても、つかい方を 知らないと、役に 立ちません。つぎは、電話の 線とは ちがう 電波の みちを 見ましょう。
端末の電池が切れたとき、頼りになるのが公衆電話です。総務省の資料によると、公衆電話は通信規制の対象外として優先的に扱われます。NTTの通信ビルから電話回線を通じて電力が送られるため、停電でも使えます[4]。携帯電話の規制が強いときでも、別の扱いを受ける電話があるということです。
備えも進んでいます。自治体と協力して、災害時に無料で使える災害時用公衆電話(特設公衆電話)を避難所などへ事前に配備する取り組みで、報道によると、NTT東日本の管内では2011年に約7000台、2019年には約4万6000台まで増えました(約6.6倍)[5]。これはNTT東日本の管内だけの、2019年時点の数字で、全国の台数や今の台数ではありません。
気がかりなのは、使い方が知られていないことです。NTT東日本が2018年の北海道胆振東部地震の被災者に行ったアンケートで、思いつく連絡手段に公衆電話を挙げた人は12.8%でした。小学生の親への調査では、小学生の77%が公衆電話を使ったことがなかったそうです[5]。どちらも各400人のネット調査で、全国の子どもの実態とは言い切れません。それでも、置いてあるだけでは足りず、使い方を知っているかどうかが、設備と同じくらい大切だと分かります。
電話回線を使う道は、ここまでです。次は、回線とは別の、電波の道を見ます。
携帯電話の端末が使えなくなったとき、選択肢の一つになるのが公衆電話だ。通信規制の対象外として優先的に扱われ(災害時優先電話)、NTT東日本・西日本の通信ビルから電話回線を通じて給電されるため、停電中もかけられる[4]。携帯電話の規制が最大70〜95%に及んだ日にも、別の扱いを受ける電話があったことになる。
備えも進む。自治体と協力して避難所などに災害時用公衆電話(特設公衆電話、無料で使える)を事前配備する取り組みで、NTT東日本の管内の台数は、2011年の約7000台から2019年には約4万6000台(約6.6倍)に増えたと報じられた[5]。この台数はNTT東日本管内に限る2019年時点の値で、全国値や現在の台数ではない。
課題は認知である。NTT東日本が2018年11月に実施した北海道胆振東部地震の被災者アンケートでは、思いつく連絡手段に公衆電話を挙げたのは12.8%だった。小学生の親への調査では、77%の小学生が公衆電話を使ったことがなかった[5]。各400人のネット調査で、77%は親の回答による値だから、全国の子どもの実態とまでは言えない。ただ、設備が増えても、使い方が知られていなければ強みは活きない。
電話回線を使う手段は、ここまでだ。回線とは別に、電波そのものの道がどう用意されたかを見る。
6. ふだんは おかねが かかる Wi-Fiが、災害の とき つかえるの?
6. 災害のとき「00000JAPAN」のWi-Fiが無料で開かれる
6. 00000JAPAN:公衆無線LANを災害時に開放する取組
おみせや えきなどの Wi-Fiには、ふだんは おかねが かかる ものが あります。それを、災害の ときだけ、むりょうで つかえる ように する 取り組みが あります。
なまえは 「00000JAPAN」です。ゼロが 5こ ならんで、あとに JAPANが つきます。災害の とき、会社などが、この なまえで Wi-Fiを ひらきます[6]。
きっかけは、東日本大しんさいでした。大きな 電話の 会社が、それぞれ Wi-Fiを むりょうで ひらきました。けれど、どんな ときに ひらくかの きまりが なく、使い方も わかりにくいと いわれました。そこで 2014ねんに、きまりが つくられました[7]。
くまもと地震で、はじめて 00000JAPANが つかわれました。5000回 以上 つながった 日も ありました[7]。これは 1日の いちばん 多い 一れいで、ぜんぶの 数では ありません。
でも、電波が とどかなければ、Wi-Fiも 電話も つかえません。次は、電波を とどける くふうを 見ます。
携帯電話の規制が数日続くとき、公衆無線LAN(Wi-Fi)は別の道になります。災害用統一SSID(Wi-Fiの名前のこと)「00000JAPAN」は、ふだんは有料の公衆無線LANを、災害時に事業者が無料で使えるようにする民間の取組です。無線LANビジネス推進連絡会(Wi-Biz)のガイドラインに基づいています[6]。
この仕組みは、東日本大震災の経験から生まれました。当時、大手の通信事業者がそれぞれ独自に公衆無線LANを無料で提供しましたが、開放の基準がなく、使い方も分かりにくいと指摘されました。そこでWi-Bizが2014年にガイドラインを発表し、熊本地震で初めて00000JAPANが運用されました。5000回以上のアクセスを記録した日もあり、情報収集や通信手段として役立ったと、情報通信白書は述べています[7]。
名前を全国で統一しておけば、災害のたびに接続先を探し直さなくてすみます。ただし、5000回は1日あたりの最大の例で、全国で使われた総数ではありません。
Wi-Fiの先にも、結局は設備があります。次は、基地局と放送を見ます。
携帯回線の規制が数日続いたとき、無料のWi-Fiは別の道になりうる。東日本大震災では、大手通信事業者がそれぞれ公衆無線LANを無料開放したが、開放の基準がなく使い方も分かりにくいと指摘され、無線LANビジネス推進連絡会(Wi-Biz)が2014年にガイドラインを発表した[7]。これが「00000JAPAN」(ファイブゼロ・ジャパン)の土台である。
災害用統一SSID「00000JAPAN」は、平時は有料の公衆無線LANを、災害時に事業者が無料で使えるようにする民間の取組で、Wi-Bizのガイドラインに基づく[6]。名前を統一したのは、災害のたびに接続先を探し直さなくてよいようにするためと読める。熊本地震で初めて運用され、5000回以上のアクセスを記録した日もあった[7]。この5000回は1日の最大例で、全国での延べ回数ではない。
Wi-Fiも、事業者の設備が動いていることで成り立つ。では、肝心の基地局が停電したときは、どう動かし続けるのか。
7. でんぱを とどけ つづける くふうは?
7. 停電した基地局を動かし続ける工夫と、臨時の放送局
7. 基地局の電源確保・臨時基地局と、臨時災害放送局
スマホが つながるには、近くの 基地局から 電波が 出て いる ひつようが あります。災害で ていでんすると、基地局も とまって しまいます。
そこで、バッテリーを ふやしたり、はつでんきを おいたり、たいようの 光と ちくでんちを 組み合わせた 基地局を 作ったり しています。電気を とどける でんげん車も あります[7]。
いそいで つかう とくべつな 基地局も あります。車に のせた もの、船に のせた もの、ドローンを とばす ものが 開発されて います。ドローンの ものは、10キロ ほどの はんいに 電波を とどけ、多くて 2000人ほどが つなげられると いいます。ただし、これは 開発された 一れいで、どこにでも ある わけでは ありません[7]。
もう 1つは、ラジオです。災害の とき、町が FMラジオの 放送を はじめる ことが できます。東日本大しんさいと くまもと地震では、めんきょの てつづきを 口で できるように しました[7]。ラジオは、1人ずつ 電話を かけなくても、同じ 話が みんなに とどきます。
ネットで ラジオを きける サービスも、じょうほうを 手に 入れる 方ほうを ふやして います[7]。
ここまでに、たくさんの みちが 出て きました。どう つかえば いいのでしょう。
携帯電話の基地局は、停電すると止まります。そこで、バッテリーの増設、発電機、太陽光と蓄電池を組み合わせた基地局、移動電源車などの対策が取られています[7]。
応急のために作られた臨時の基地局には、車載型・船舶型・ドローン型があります。ドローン型は半径約10kmに電波を飛ばし、最大2000人程度が接続できるものが開発されています[7]。白書に載った開発例であって、全国に標準装備されているわけではありません。
通信が一対一をつなぐ道なら、放送は同じ情報を一度に届ける道です。災害時に自治体は、FM放送の臨時災害放送局を開設できます。東日本大震災と熊本地震では、免許手続きが口頭でできるようになりました。総務省は送信機を総合通信局に配備し、平時は訓練に使い、災害時は自治体に貸し出します。radikoのようなインターネットの同時配信も、情報を得る手段を増やしています[7]。
手段は、ここまでで数多く出てきました。どれも万能ではありません。では、どう備えればよいのでしょうか。
停電すると、携帯電話の電波を送る基地局も止まることがある。そのため、バッテリーの増設、発電機、太陽光と蓄電池を組み合わせる基地局、移動電源車の配備が進む。応急の臨時基地局には、車載型・船舶型・ドローン型が開発され、ドローン型は半径約10kmに電波を飛ばして最大2000人程度が接続できるとされる[7]。この数字は白書が紹介する開発例の性能で、全国の標準装備ではない。
通信の復旧と並んで、放送も複線化されている。自治体はFMの臨時災害放送局を開設でき、東日本大震災と熊本地震では、各総合通信局が「臨機の措置」として免許手続きを口頭で可能にした。総務省は送信機を総合通信局に配備し、平時は訓練に、災害時は自治体への貸与に使う。インターネット同時配信(radikoなど)も手段を増やした[7]。通信が一対一の連絡なら、放送は一対多の情報提供で、役割が重ならない。
ここまでの手段は、いずれも万能ではない。171は預ける仕組み、メールは遅れる、公衆電話は存在と使い方を知っていることが前提になる。では、備えとして、どう使いこなすのか。
8. 「つながらない」日の みちを、1つ ためして みよう
8. つながらない日のために、道を一つ試しておく
8. 出口:複数の手段を平時に試す/原典に当たる
消防庁の きょうざいは、1つの 方ほうだけでなく、いくつかの 方ほうを ふだんから ためして おく ことが 大切だと のべて います[1]。どれが つかえるかは、その ときに ならないと わからないからです。
おうちの 人と、ためして みませんか。171は、毎月 1日と 15日に たいけん できます[3]。おうちの 人と いっしょに、171の かけ方を しらべて、やって みましょう。
おでかけの ときは、公衆電話が どこに あるか 見て みましょう。駅や 学校の 近くに あるかも しれません。
この 記事では、えいせい電話や ぼうさいぎょうせいむせんは 入れて いません。気に なったら、しらべて みましょう。
消防庁の教材は、特定の手段だけでなく、複数の安否確認サービスを平時から使えるよう訓練しておくことが望ましいとしています[1]。どれが通じるかは、そのときの状況で変わるからです。
今日できることとして、171は毎月1日と15日に体験できます[3]。家族と一緒に、171のかけ方を調べて、練習してみてはどうでしょうか。声の伝言が最大何分になるか、実際に30秒を数えてみると、数字の感覚がつかめます。
出かけたときは、駅や学校の周りで公衆電話を探してみてください。見つけた場所を家族と話しておけば、使う日に迷いません。
令和3年版情報通信白書[7]は、基地局、Wi-Fi、放送の対策をまとめて読めます。この記事では、衛星電話と防災行政無線は扱っていません。気になった人は、そこから調べてみてください。
消防庁の教材は、どの手段が通じるか分からないため、複数のサービスを平時から訓練しておくことが望ましいとする[1]。これを自分で確かめるなら、171の体験日(毎月1日・15日)に練習するのが最も手軽だ[3]。声は30秒以内という制限を、実際に30秒を数えて体感すれば、最大10分という数字の意味が分かる。
外では、公衆電話の設置場所を一つ確かめておく。公衆電話の優先扱いと、避難所への事前配備については、資料[4][5]で読める。
原典に当たるなら、消防庁の「安否の確認」[1]が171とweb171の仕様、総務省の報道資料(平成24年8月29日)[2]が規制率の数字、令和3年版情報通信白書[7]が基地局・Wi-Fi・放送の対策を日本語で読める。本稿が扱わなかった衛星電話、防災行政無線、携帯各社の災害用伝言板は、次の問いになる。
しらべた もとの じょうほう
参考にした情報源
参考にした情報源と、その使い方
出典について:消防庁の防災教材、総務省の報道資料と資料2点、情報通信白書、NTT東日本の報道発表、INTERNET Watchの記事を使いました。
- 消防庁 防災・危機管理eカレッジ「安否の確認」。 https://www.fdma.go.jp/relocation/e-college/cat65/cat64/cat70/1-40.html (阪神・淡路大震災の電話の集中、171とweb171の仕様、複数手段の訓練について)
- 総務省 報道資料(平成24年8月29日)。 https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01kiban05_02000026.html (東日本大震災の通話の集中、通信規制の割合、パケット通信、連絡の呼びかけについて)
- NTT東日本 報道発表資料(2022年1月31日)。 https://www.ntt-east.co.jp:443/chiba/news/detail/__icsFiles/afieldfile/2022/01/31/20220131.pdf (171の体験できる日について)
- 総務省 資料(公衆電話の特徴)。 https://www.soumu.go.jp/main_content/000254463.pdf (公衆電話の優先扱いと停電時の給電について)
- INTERNET Watch「災害時用公衆電話」の記事(2019年3月8日)。 https://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/1173550.html (特設公衆電話の台数と、公衆電話の認知についての調査について)
- 総務省「公衆無線LANの無料開放(00000JAPAN)」。 https://www.soumu.go.jp/menu_seisaku/ictseisaku/public_wi-fi/freewifi_00000japan.html (00000JAPANの仕組みについて)
- 総務省 令和3年版情報通信白書。 https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r03/html/nd135220.html (00000JAPANの経緯、音声とパケットの分離、基地局の電源対策、臨時災害放送局について)
なおした ところ
更新履歴
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