1. けした 字は、どこへ いったの?
1. 字は「なくなる」のか、「移る」のか
1. 鉛筆の字は、紙にのった黒鉛の粒
鉛筆で 字を 書くとは、黒鉛という 黒い ものの つぶを、紙の 表面に くっつける ことです[2]。
つまり、字は 紙の 上に ちいさな つぶが ならんで できています。けしゴムは、その つぶを どこかへ もって いく のでしょう。
鉛筆で字を書くというのは、紙の表面に黒鉛の粒をくっつけていくことだと説明されています[2]。紙に色がしみこむインクとちがい、粒が表面にのっているイメージです。
そうだとすると、消えた字は「なくなった」のではなく、粒がどこかへ移ったことになります。消しゴムのすることは、粒の引っ越しの手伝いなのかもしれません。
2. くっつきやすさの くらべっこ
2. 紙と消しゴム、粒はどちらにくっつきやすいか
2. 付着力の差 ── 紙より消しゴムに粒がつく
鉛筆を 作る 会社の せつめいでは、黒鉛の つぶは、紙より けしゴムの ほうが くっつきやすいのだそうです[1]。
ふたつの ものが 「つぶを うばいあう」と 思って みましょう。けしゴムの ほうが つよいので、こすると つぶが けしゴムに うつります。ただし、ほんとうの ようすは もっと ふくざつです。
くっつく 力の 正体は、ものの ちいさな ちいさな ぶぶんが ひきあう 力だと、せつめいされる ことが あります[3]。
3. けしかすは、つぶを つつんで はこぶ
3. 消しかすは、粒を包んで新しい面を出す
3. 消しかすによる包接と表面の更新
けしゴムに くっついた つぶは、そのあと、けしかすに つつまれて、紙からも けしゴムからも はなれて いくと いわれます[1]。
こすると けしゴムの 表面が すこし けずれて、かすに なります。すると、あたらしい 面が 出て きて、また つぶを あつめられます[2]。
たとえば、ガムテープを 思い出して ください。ほこりが つくと、ねばりが へって、つかなく なります。けしゴムは、よごれた 面を かすと して すてて、かすに なって 表面が とれ、あたらしい 面が 出て くる ようです。ただし ほんとうは、ガムテープと 同じ しくみとは かぎりません。
4. こする 力も、やくに たつ
4. 「くっつく」だけではない ── こする力のはたらき
4. 摩擦による剥離の寄与
けしゴムを こする 力にも、やくめが あると いわれます。こすった ときの まさつで、つぶが 紙から はずれる ことも あるのだそうです[3]。
けしゴムに よっては、紙の 表面を ほんの すこし けずる はたらきも あると 書かれて います。だから、つよく こすりすぎると 紙が やぶれる ことが あるのでしょう。
「くっつきやすさ」だけで、すべてが説明できるわけではないようです。Popular Science の記事では、こすったときの摩擦で粒がはがれる、わずかな研磨のはたらきもあるとされています[3]。
つまり、消える仕組みは1本ではなく、くっつきやすさとこする力が重なっていると考えられます。強くこすると紙をいためやすいのも、この研磨のはたらきと関係があるのかもしれません。
同じ Popular Science の記事は、付着力の差に加え、消しゴムの種類によっては摩擦で粒を引きはがす、ごくわずかな研磨作用(abrasion effect)もあるとする[3]。消字は付着力の差だけの現象ではなく、複数の作用の重なりとして説明されている。
ただし、両者の寄与の大きさの比は、今回確認できた資料には示されていない。強く擦ると紙が傷むことの説明として研磨作用が紙を傷めることに関係する可能性がある。
5. パンで けして いた ころ
5. パンから天然ゴムへ ── 1770年の発見
5. 小麦パン、プリーストリーの天然ゴム(1770年)、日本への輸入
むかし、黒鉛が つかわれ はじめた 400年 いじょう 前には、よい けすものが なくて、小麦の パンで けして いたと いわれます[4]。
1770ねんに、イギリスの 化学者 プリーストリーが、天然ゴムで 字が けせると 発見しました。これが けしゴムの はじまりと いわれます[4]。
日本には、明治23ねん(1890ねん)に 輸入されたと いわれ、日本で 作られた さいしょの ものは、大正の はじめの 三田土ゴムです[5]。
6. プラスチックの けしゴムが 出て きた
6. 1952年、プラスチック消しゴムの登場
6. 塩化ビニール樹脂と可塑剤 ── 1952年のプラスチック消しゴム
いまの けしゴムは、昭和27ねん(1952ねん)に 出た プラスチックの けしゴムが もとに なって います[5]。ゴムより 字を きれいに けせると いわれました。
原料の 中心は、塩化ビニールという 樹脂です。そこへ、やわらかくする ざいりょうなどを まぜて、けしゴムに します[2]。
7. じぶんでも たしかめて みたく なったら
7. 自分でも調べてみたくなったら
7. 自分でも調べてみたくなったら
やってみよう。鉛筆で 紙に こい 線を 書いて、けしゴムで こすって みましょう。白い 紙の 上に 出た けしかすを、よく 見て みてください。かすは、どんな 色を して いますか。
もう 1つ。よごれた 面と、あたらしい 面で、同じように けして みましょう。けしやすさは、ちがう でしょうか。
次のようなことを、試したり調べたりできそうです。
しらべた もとの じょうほう
参考にした情報源
参考にした情報源と、その使い方
本文で使った資料の一覧です。用途は各項目の末尾に書きました。
- 三菱鉛筆「えんぴつなんでもQ&A 消しゴムで消せる原理」。https://www.mpuni.co.jp/customer/pencil/qa_03.html (付着力の差と消しかすによる除去の説明)
- 三井化学 MOLp「なぜ消しゴムで字を消せるの?」。https://jp.mitsuichemicals.com/jp/molp/article/detail_20210930/index.htm (表面の更新の流れ、塩化ビニール樹脂と可塑剤。要約で確認した部分あり)
- Popular Science「How do erasers actually work?」。https://www.popsci.com/science/how-do-erasers-work/ (化学者の談話による付着と研磨作用の紹介。英語)
- トンボ鉛筆「消しゴムの歴史」。https://www.tombow.com/mamechishiki/e83/ (パンで消していた話、1770年のプリーストリー、1950年代)
- ヒノデワシ「消しゴムの歴史」。https://www.hinodewashi.co.jp/history/ (日本への輸入、国産品、1952年のプラスチック消しゴム)
なおした ところ
更新履歴
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