このサイトは、ほんの入り口です

ここにあるのは、だれかが実際に調べ、考え、作ってきたことを集めたメモです。気になったら、ページの下の「参考にした情報源」から、もとの本や記事、それを生み出した人たちに、直接ふれてみてください。このメモには書ききれないおもしろさが、そこにあります。

れいとうこの しもは、どこから きたの?

冷凍庫の霜は、主に外の空気からできる ── 扉のまわりに付きやすい理由

冷凍庫の霜の水分源と付着位置 ── 外気の流入、水蒸気の昇華、食品由来の水分

分野:技術

れいとうこの とびらを あけたら、ふちに しろい しもが ついて いました。つめたい ものが ちゃんと ひえて いる しょうこ、では ありません。

この しもは、れいとうこの なかで うまれた ものでは ないようです。おもな もとは、とびらから はいった そとの くうきと いわれます。どうして そとの くうきが、しもに なるのでしょう。この メモを よむと、しもが できる みちすじと、ふやさない くふうが わかります。

冷凍庫にできる霜の水分は、庫内の氷が増えたものではなく、主に扉の開け閉めなどで入ってくる外の湿った空気だ、と家電メーカーは説明しています。

では、外の空気は、なぜ霜という白いふわふわの氷になるのでしょうか。扉のまわりに付きやすいのはなぜでしょうか。この記事を読むと、霜ができる道すじ、付きやすい場所、食品から出る水分、増やさない工夫が分かります。

冷凍庫内の霜は、庫内にもともとあった水が増えたものではなく、主に扉の開閉やすき間から入る外気中の水蒸気が原因とされる[1]。しかも霜は、露が凍ったものではなく、水蒸気が液体を経ずに氷の結晶になったものと定義される[4]。

では、その外気はなぜ扉の近くで氷になるのか。この記事では、メーカー各社の案内と辞書の定義を突き合わせ、霜の水分の出どころ、付きやすい場所、食品由来の水分、増やさない手入れが分かるようにする。「なぜ扉の近くか」を直接説明する資料は見当たらず、その部分は推論として区別する。

読み方を切り替えられます。画面の上にある「よみかた」のボタンで、小学校低学年むけ・小学校高学年むけ・中学生むけの3つの書き方に切り替わります。むずかしいと思ったら、いつでもやさしい方に戻ってください。選んだ読み方はブラウザが覚えているので、次に別の記事を開いたときも同じ読み方で始まります。

1. しもは、どこに ついて いる?

1. 霜はどこに付いているか

1. 霜はどこに付きやすいか ── 扉まわり・吹き出し口・レール

れいとうこの なかを、よく 見て みます。しもは、どこにでも ついて いるわけでは ありません。

とびらの ふちや、ひきだしの ふち、れいきが でて くる あなの まわりに、しろく つく ことが おおいようです[2]。

どうして その ばしょなのでしょう。まず、しもの もとを かんがえて みます。

冷凍庫を開けて中をのぞくと、霜は庫内のどこにでも均一に付いているわけではありません。扉の内側のふち、引き出しの縁、冷気が出てくる穴のまわりなどに、白く厚く付いているのをよく見ます。

三菱電機は、発生しやすい場所として、冷気の吹き出し口のまわり、庫内の壁や天井、金属製の引き出し、ドアのフレームを挙げています[2]。シャープも、冷凍ケースのまわりやレールに霜が付く例を紹介しています[3]。

付く場所には、傾向がありそうです。その理由を探るために、まず霜の正体から見ていきます。

三菱電機は、霜や露が発生しやすい箇所として、冷気の吹き出し口周囲、庫内の壁や天井、金属製の引出し、ドアのフレームを挙げる[2]。シャープの案内にも、冷凍ケースの周辺に霜が付く例や、レールに付いた霜で開閉時に異音が出る例がある[3]。

つまり霜は庫内に均一に付くのではなく、付きやすい場所に偏る。なぜ偏るのかを考えるには、霜が何でできていて、水分がどこから来るのかを先に押さえる必要がある。

2. しもは、みずが こおった もの?

2. 霜は、露が凍ったものではない

2. 霜は水蒸気からどうできるか ── 液体を経ない氷の結晶

しもは、みずが こおった もの、と おもいがちです。でも、ちがう かんがえが あります。

くうきの なかには、めに 見えない みずが、ガスの すがたで まざって います。この ガスが、こおるほど つめたい ものに ふれると、みずに ならずに、そのまま こおりの つぶに なります[4]。これが しもです。

つめたい コップの そとに みずてきが つく ことが ありますね。それに にて いますが、しもは みずてきが こおった ものでは ありません。

では、その ガスは、どこから くるのでしょう。

霜は、水が凍ったもの、露が凍ったものだと思われがちです。辞書では、氷点下に冷えた物の表面に、空気中の水蒸気が触れて、直接できる氷の結晶と説明されます[4]。

水蒸気は、目に見えない気体の水です。それが液体の水にならず、気体から一気に固体の氷になります。この変化は、辞書で「昇華」(凝華ともいう)と呼ばれます。

冷たい麦茶のコップの外側につく水滴とは、似ていますが少し違います。水滴は液体、霜は氷の結晶です。

では、材料の水蒸気はどこから庫内に来るのでしょうか。

デジタル大辞泉は、霜を、氷点下に冷却した物体に空気中の水蒸気が触れ、昇華してできる氷の結晶と説明する[4]。露が凍ったものではなく、気体から固体へ直接変わる過程でできる。ここでの「昇華」は、気体から固体への向きにも使う辞書上の用法で、凝華とも呼ばれる。

一方、日立の案内は、外気と庫内の温度・湿度の差で結露が起き、その水分が冷やされて霜になる、と書く[1]。辞書の定義と、家電メーカーの説明とでは、途中の描き方が異なる。本稿では、どちらの資料も「外の湿った空気が冷たい面で霜になる」という点では一致する、という範囲にとどめる。

では、その水蒸気は、どこから冷凍庫に入ってくるのか。

3. そとの くうきは、どこから はいる?

3. 外の空気が入ってくる道 ── 開け閉めと半ドア

3. 外気の流入経路 ── 開閉、半ドア、夏の湿度

さがして いた もとは、とびらの むこうに ありました。とびらを あけると、へやの しめった くうきが、なかに はいります[1]。

なんども あけると、そとの くうきが はいる きかいが ふえます。あけっぱなしに すると、そのあいだ くうきが はいります。

ふくろが ドアに はさまって いたり、ものを つめこみすぎて しっかり しまらなかったり しても、すきまから はいります[1]。

なつなど、へやが あつくて しめっぽい じきは、しもが つきやすいと いいます[3]。

日立の案内では、冷凍室の霜は、扉を開け閉めするときに入る、湿った外の空気が原因だとされます。外気と庫内の温度や湿度の差で結露が起き、その水分が冷やされて霜になる、という説明です[1]。

開け閉めが多いほど、外気が入る機会が増えます。開けっぱなしでも同じです。食品の袋がはさまっていたり、詰め込みすぎて半ドアになっていたりすると、すき間から外気が入り続けます[1]。

シャープは、部屋の気温や湿度が高い時期は、開け閉めで温かい空気が入り、霜が付きやすいとしています[3]。同じ開け閉めでも、湿った夏のほうが、水蒸気がたくさん持ちこまれるからだと考えられます。

入ってきた水蒸気は、庫内のどこで氷になるのでしょう。

日立は、扉の開閉で外の湿った空気が入り、温度・湿度の差で結露が起き、その水分が冷やされて霜になる、と説明する[1]。そのため、開閉が多いほど、また開けっぱなしの時間が長いほど、持ちこまれる水蒸気の量は増える。

侵入経路は開閉だけではない。食品の袋のはさまりや詰めすぎで半ドアになると、すき間から外気が入り続ける[1]。この場合は開け閉めの回数と関係なく、閉まっている間も水分が入る点が違う。

部屋の気温・湿度が高い時期には、庫内に入る空気そのものが含む水蒸気が多い。シャープは、この時期に開閉すると冷凍ケース周辺に霜が付くことがあると述べる[3]。空気が含みうる水蒸気量は気温が低いほど小さいので、庫内へ入った湿った空気の水蒸気の多くは、冷たい面で保てなくなる。ただし、庫内の温度での具体的な量を、本稿では確かめていない。

4. どうして とびらの ちかくに つくの?

4. なぜ扉の近くに付きやすいのか

4. 付着位置の説明 ── 先に触れる冷たい面に付くという推論

そとの くうきは、とびらから はいって、まず ふれた つめたい ところで、こおりの つぶに なるのかもしれません。これは ひとつの かんがえです。そとの くうきが、とびらの ちかくの つめたい ところに ふれるからかもしれません。そう かんがえると、とびらの ちかくに つきやすい わけが せつめいできそうです。

ただし、これは かんがえで、「かならず そうだ」と いう せつめいは、見つけて いません。きしゅに よって、しもの つき かたも ちがうようです。

ここまでで、もとは そとの くうきと わかりました。でも、ほかに もとは ないのでしょうか。

入ってきた空気は、庫内をぐるぐる巡る前に、まず扉のまわりや、入り口に近い冷たい面に触れる、と考えられます。冷気の吹き出し口のように、とりわけ冷たい場所もあります。そこで水蒸気が氷になれば、扉の近くや吹き出し口に霜が集まる、という説明が成り立ちそうです。

ただし、これは、三菱電機やシャープの挙げる発生しやすい場所[2][3]から、私が組み立てた推論です。「扉の近くだけ」を直接説明する資料は見つからず、機種によっても霜の出方は違うようです。断定はしないでおきます。

ここまでの話では、霜の水分は扉から来ることになっています。それだけでしょうか。

推論として、こう考えられる。入ってきた外気は、庫内の空気と混ざりきる前に、扉まわりや吹き出し口のように冷えた面に先に触れる、と考える。そこで水蒸気が氷として付着すれば、発生しやすい箇所として挙げられた場所[2][3]と矛盾しない。

ただし、この説明は資料の記述から組み立てたもので、「扉の近くに偏る」理由を直接述べた資料は見当たらない。冷却方式や機種によって、霜が付く位置が変わる可能性もある。だから、ここは仮説の段階にとどまる。

次の疑問は、霜の水分が扉からの外気だけなのか、という点である。

5. とびらの せいだけ なの?

5. 食べ物から出る水分 ── 扉以外の水分源

5. 食品由来の水分 ── 外気だけでは説明しきれない

いれる たべものの ほうにも、みずが あります。あつい ものや、みずけの おおい ものを いれると、たべものの みずが しもの もとに なる ことが あると いわれます[6]。

だから、あたたかい たべものは、さましてから いれます。みずけを ふいて、ラップで つつんでから いれる ほうほうも しょうかいされて います[6]。

しもの もとは、とびらの そとから きたものだけでは、ないのです。

霜の水分が、扉から入る空気だけとは限りません。温かい食品や水分の多い食品を入れると、食品の水分が霜の原因になることがある、という説明があります[6]。

そのため、温かい食品は室温まで冷ます、水気をしっかり切る、ラップで包んでから入れる、といった工夫が紹介されています[6]。この情報は育児情報誌の記事で、メーカーの案内ほど強い根拠ではありませんが、方向は同じです。

扉から入る空気も、食品から出る水蒸気も、行き着く先は同じ、冷たい面の氷です。では、霜を増やさないために、私たちに何ができるのでしょう。

霜の水分は扉から入る外気だけではない。温かい食品や水分の多い食品の水分が霜の原因になることがある、という説明がある[6]。対策として、室温まで冷ます、水気を切る、ラップで包む、が挙がる。

この資料は育児情報誌の解説で、メーカーの一次的な案内ではない。ただ、水蒸気の供給源が庫内の食品にもあるという方向性は、外気説と矛盾しない。「霜は扉が原因」と単純に言い切らず、複数の水分源があると考えるのがよい。

水分源が複数あるなら、対策も複数になる。次章では、メーカーが挙げる手入れを見る。

6. しもを ふやさない ために、なにが できる?

6. 霜を増やさない工夫 ── ドアパッキンと開け方

6. 霜を減らす手入れ ── 密閉・開閉・食品の扱い

とびらの まわりの ゴムを、パッキンと いいます。ここが よごれたり きずが ついたり すると、すきまが できて、そとの くうきが はいりやすく なります。

よごれて いたら、かたく しぼった ぬので ふきます。きずが あれば、おみせの ひとに そうだんします[1]。

とびらは、ながく あけっぱなしに しません。ものを つめこみすぎて、とびらが ちゃんと しまる ように します。

とびらから しめった くうきが はいると、れいとうこの なかに しもが つきやすく なります。

日立は、ドアパッキン(扉のまわりのゴム)が汚れているときは、固くしぼった布で拭くよう案内しています。傷があれば、販売店に相談するよう勧めています[1]。

サムスンの公式ページ(英語)は、扉を開ける時間が長いほど暖かい空気が入るとして、平均の目安として開けるのは1分未満にすること、ガスケット(パッキン)の汚れや傷を点検することを勧めています[5]。

詰め込みすぎない、袋をはさまない、温かい食品を冷ましてから入れる。それだけでも、外の水分と食品の水分、両方の入り口を減らせそうです。

身近な冷凍庫を、もう一度のぞいてみたくなります。

日立は、ドアパッキンの汚れは固く絞った布で拭き、損傷があれば販売店へ相談するよう案内する[1]。パッキンは、閉まっている間のすき間を減らし、外気の流入を防ぐ部品である。

サムスン(マレーシア向け公式ページ)は、平均の目安として開ける時間を1分未満にする、ガスケットの汚れ・傷を点検する、と勧める[5]。同ページは、庫内に懐中電灯を入れて扉を閉め、光が漏れるかで密閉を確かめる方法も紹介するが、家庭で試す前に取扱説明書を確認するほうがよい。

水分源は複数あるため、対策も、外気の流入(開閉時間・詰めすぎ・パッキン)と、食品由来(冷ます・水気を切る・包む)の両面になる。なお、霜が冷却効率を下げるという記述は、本稿で使った資料の範囲では確認できていない。

自分でも しらべて みたく なったら

自分でも調べてみたくなったら

自分でも調べてみたくなったら

今日できること

おうちの ひとと いっしょに、れいとうこを あけて、しもが ついて いる ばしょを 見つけます。とびらの ふち、ひきだしの ふち、れいきの でる あなの まわり、どこに おおいでしょう。あけっぱなしに しないで、見たら すぐ しめます。

おうちの ひとに きいて みよう

れいとうこの とりあつかい せつめいしょに、しもの ことが のって いるか、きいて みましょう。

こうしきの 情報じょうほう

いえの れいとうこを つくって いる かいしゃの サポートの ページに、しもの ことが のって います。

今日できること

大人と一緒に冷凍庫を開け、霜が付いている場所を確かめ、扉から入った空気が先に触れそうな場所と比べてみます。扉の縁、引き出しの縁、冷気の出る穴のまわりのどこに多いかを見てください。庫内が冷えているので、長く開けたままにせず、素手で氷を触りすぎないようにします。

取扱説明書を開く

使っている冷凍庫の取扱説明書やメーカーのサポートページに、霜についての記述があります。今回の記事の内容と比べてみると、機種による違いが見つかるかもしれません。

公式情報

日立・三菱電機・シャープの冷蔵庫サポートページに、霜の原因と対策が載っています。

今日できること

大人と一緒に、庫内で霜が付いている位置を扉まわり・吹き出し口・レール・引き出しなどで分類して観察する。仮説(空気が先に触れる冷たい面に付く)と合うかを検討し、合わない場合は冷却方式や機種の違いを取扱説明書で調べる。長く開けたままにしない。

取扱説明書と公式情報

メーカー各社のサポートページを読み比べ、霜の原因の書き方の違いを見る。この記事で取り上げたメーカーは外気の流入を挙げているが、開閉回数・半ドア・パッキンなど強調点は異なる。

もっと調べるなら

水蒸気圧と飽和水蒸気量の関係を、気象庁や理科の資料で調べると、なぜ冷たい面で水蒸気が氷になるのかを、数字で検算できる。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

今回は、家電メーカー各社の公式案内で原因と対策を、国語辞典の定義で霜の性質を確認した。「なぜ扉の近くか」を直接述べた資料は見当たらず、その部分は推論とした。食品由来の水分は育児情報誌の記事による。

  1. 日立 冷蔵庫よくあるご質問(冷凍室の霜) https://kadenfan.hitachi.co.jp/support/rei/q_a/a34.html (外気の流入・半ドア・パッキンの手入れ)
  2. 三菱電機 冷蔵庫の霜・露の原因と対策 https://www.mitsubishielectric.co.jp/club-me/howto/memo/2305/index.html (発生しやすい箇所)
  3. シャープ 冷蔵庫サポート(霜のポイント) https://jp.sharp/support/refrigerator/doc/point_shimo.html (夏の湿度・レールの霜)
  4. 霜(デジタル大辞泉・ニッポニカ、コトバンク) https://kotobank.jp/word/霜 (霜の定義・昇華)
  5. Samsung Malaysia: How to prevent frost in the freezer or fridge https://www.samsung.com/my/support/home-appliances/frost-in-the-freezer/ (開ける時間の目安・ガスケットの点検)
  6. HugKum 冷凍庫の霜取り https://hugkum.sho.jp/235846 (食品由来の水分)

なおした ところ

更新履歴

更新履歴(改版の記録)

  •  初版を公開。

このサイトでは、公開した記事の本文は原則として書き直しません。誤りが見つかったときや、内容が古くなったときだけ手を入れ、その理由をこの欄に残します。