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ここにあるのは、だれかが実際に調べ、考え、作ってきたことを集めたメモです。気になったら、ページの下の「参考にした情報源」から、もとの本や記事、それを生み出した人たちに、直接ふれてみてください。このメモには書ききれないおもしろさが、そこにあります。

しもばしらは、じめんの どこから のびて くるの?

霜柱の氷は、どこから来て、なぜ柱になるのか

霜柱は地中の水が毛管現象で上がって凍る ── 微粒子の役割と凍上との関係

分野:自然

さむい あさ、ふむと ザクッと おとが する しもばしら。あの 氷は、空から ふって きたのでは ありません。

では、どこから きて、どうして 一本ずつ 立つのでしょうか。しらべた 人たちの やりかたを、いっしょに みて いきましょう。

霜柱は、空から降った霜ではありません。氷の水はどこから来たのかという疑問に、地面に印をつけるという単純な方法で答えを出した研究が紹介されています。

水が地中から上がる仕組み、赤土でよく立ち砂や粘土では立たない理由、そして土が持ち上がる「凍上」との共通点まで、資料をつき合わせて見ていきます。

霜柱は、直径2〜3mm、長さ数mm〜数cmの細い氷柱が密集して地面から伸びたもので、土中の水分が地表にしみ出て凍ったものとされる[1]。氷の水は空気中の水蒸気ではなく地中の水だ、という点は、途中に印をつけて確かめた研究の紹介がある[4]。

このメモでは、発生条件、毛管現象による水の上昇、土の種類による違い、アイスレンズと凍上との関係を、辞典・学会発表・大学の資料を突き合わせて整理する。

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1. しもばしらって、どんな 氷?

1. 細い氷の柱が、地面にびっしり立っている

1. 霜柱の形状 ── 直径数mmの氷柱の集合

しもばしらは、とても ほそい 氷の はしらが、たくさん あつまった ものです[1]。一本の ふとさは 2〜3ミリ ほど。えんぴつの しんより すこし ふとい くらいです。

ながさは、ふつう 数ミリから 数センチ。ときには 10センチを こえる ことも あると いわれます[1]。ほぼ まっすぐ 上に むかって 立ちます。

氷の柱が集まったもの

辞典では、霜柱は、冬の夜に土の中の水分が地表にしみ出して凍り、細い氷柱が集まったものと説明されています[1]。1本の直径は2〜3mm、長さは数mmから数cmです。氷柱はほぼ鉛直に立ち、ときには10cmを超えることもあります。

ふつうは数cmで、10cm超は「ときには」の長さです。

霜柱は、直径2〜3mm、長さ数mm〜数cmの細い氷柱が密集して地面から伸びたものである。氷柱はほぼ鉛直に立ち、長さが10cmを超えることもあるが、ふつうは数cmまでとみてよい[1]。

ここで基本になる問いは、氷の水はどこから来て、なぜ氷が横に広がらず柱になるのか、である。以下、水の出どころ、発生条件、土との関係の順に整理する。

2. 水は 空から? 土から?

2. 途中に印をつけて、水の出どころを確かめた

2. 水の出どころ ── 印が伸び上がる観察

しもばしらの 水は、空の 空気から くるのか、土の 中から くるのか。むかし、この ふしぎを ためした 人たちが います。

しもばしらが のびて いる とちゅうで、しるしを つけて おきます。すると、しるしが 上へ ぐんぐん もちあげられて いきました[4]。

これは、水が 下から あがって きて、根もとで 氷に なって いる しょうこだと 考えられました。

空気からか、地中からか

霜柱の氷の水は、空気中の水蒸気が凍ったものなのか、土の中の水なのか。千葉大学が紹介している物理学者・中谷宇吉郎の文章によると、高校生たちとの共同研究で、この点が確かめられたといいます[4]。

印が伸び上がった

方法は、霜柱が育つ途中で印をつけておくことでした。印が上に持ち上げられていくことから、氷は土中の水が凍って伸び出たものだと結論づけられたと紹介されています[4]。印が伸び上がったことから、氷は土の中の水が凍って伸びたものだと考えられたのです。

千葉大学の資料は、中谷宇吉郎の文章をもとに、霜柱の発達の途中に印をつけると、その印が伸び上がることから、土中の水が凍って伸び出るものだと確かめられたと紹介している[4]。

印が伸び上がったという観察から、水源は地中だと結論されたことになる。

3. どんな 朝に できるの?

3. 地面は冷たく、地中はぬれていて凍らない

3. 発生条件 ── 地表は氷点下、地中は0℃以上で湿潤

しもばしらが できるのは、地面の すぐ 上が 0度より さむく、その 下の 土の 中は 0度より あたたかい ときです[1]。

もうひとつ、土に 水が たっぷり ふくまれて いる ことも だいじです。土の 中に 水が ないと、氷に なる ざいりょうが たりません。

高校の 人たちが きかいで つくった ときは、−10度に して 4時間ほど かかりました[2]。

上は凍り、下は凍らない

辞典は、地面近くの気温が0℃以下で、その下の地中は0℃以上、土壌の含水量が30%以上という場合に発生しやすいとしています[1]。30%は「発生しやすい」目安で、ここから先は必ず、という境目ではありません。

高校生の学会発表も、地表が氷点下で、地中は湿っていて氷点下以上であることが必要だと述べています[2]。

人工的に作ると4時間

この発表では、冷却器を−10℃に設定して霜柱を作り、4時間ほどかかったそうです[2]。これは装置と設定での数字で、自然の霜柱の所要時間ではありません。

発生の条件は、地面近くの気温が0℃以下、その下の地中の温度が0℃以上、土壌の含水量が30%以上、と辞典に整理されている[1]。30%は「発生しやすい」場合の目安であり、境界値ではない。

高校の研究でも、地表が氷点下で地中が湿っていて氷点下以上であることが必要とされ、冷却器を−10℃に設定した人工的な発生には4時間ほどかかった[2]。この時間は実験条件での値で、自然の霜柱の成長時間とは別である。

4. 水は、土の すきまを のぼる

4. 土のすきまを、水は上へ上へとのぼる

4. 毛管現象 ── 土中の水は細い空隙を上昇する

土は、大きさの ちがう すきまで できて います。その すきまを、水は つながって、下から 上へ のぼって いきます[3]。

キッチンペーパーの はしを 水に つけると、水が じわじわ のぼる ことが ありますね。土の 中でも、にた ことが おきて います。ただし、土の すきまは もっと ふくざつです。

のぼる はやさは、土の しゅるいで ちがいます[3]。

すきまを通って、水は上がる

東京大学の土壌の講義スライドでは、土はいろいろな大きさのすき間でできていて、土の中の水はつながっており、水はすき間を昇っていくと説明されています[3]。これが毛管現象です。上がる速さは土の種類によって異なるとも書かれています。

霜柱の根もとには水が運ばれる

霜柱ができる場所では、凍った氷の根もとに、この仕組みで下から水が届き続けると考えられます。届いた水が根もとで凍ることで、氷柱はその分だけ押し上げられます。

土は多様な大きさの空隙で構成され、土中の水は連続しており、水は空隙を上昇する。その速さは土の種類によって異なる[3]。これが毛管現象である。

資料の説明を霜柱に当てはめると、根もとの氷に下から水が供給され続けることで、氷柱が持ち上げられていくと理解できる。ただし、氷がなぜ1本ずつの柱になるのかという細部は、ここでは断定しない。

5. すなや ねんどでは、どうして できにくい?

5. 霜柱の立ちやすい土、立ちにくい土

5. 土の種類による違い ── 微粒子と赤土

どんな 土でも しもばしらが 立つ わけでは ありません。すなや ねんどには できにくく、かんとうの 赤土には できやすいと いわれます[1]。

赤土は、ちょうど いい ほそい すきまが できる 土で、地中の 水が あがって きやすいからです[1]。

ふしぎな じっけんも あります。すなを にゅうばちで すって とても こなに して、でこぼこを つくると、しもばしらが できたのです[4]。

赤土で立ちやすく、砂や粘土では立ちにくい

辞典は、砂地や粘土にはできにくく、関東に多い赤土にはできやすいとしています。赤土は、適度な毛細管ができる性質の土で、地中の水が上がってきやすいからです[1]。

大切なのは細かい粒

千葉大学の資料が紹介する中谷宇吉郎の研究では、土のかわりにベンガラ・でんぷん・ガラス粉を使うと霜柱はできず、全体が凍りました。砂や粘土でもできず、関東平野の赤土に限られたそうです。そこで「微粒子が存在すること」が必須条件だと結論されました[4]。

砂やガラス粉を乳鉢でとても細かくすり、表面に凹凸を作ると霜柱ができた、とも紹介されています。土の種類の名前そのものより、微粒子があることと、表面に小さな凹凸ができることが関係しているようです。

辞典は、砂地や粘土では霜柱ができにくく、関東の赤土(関東ローム)ではできやすいとし、その理由を適当な毛細管ができる土で地中の水が上がりやすいことに求めている[1]。

千葉大学の資料が紹介する中谷宇吉郎の研究では、ベンガラ・でんぷん・ガラス粉では霜柱はできず粉全体が凍った。砂や粘土でもできず、関東平野の赤土に限るとわかり、必須条件は微粒子の存在と結論された。一方で、砂やガラス粉を乳鉢で非常に細かくして表面に凹凸をつけると霜柱ができたという。木箱の底に土を入れ、上にドライアイスの箱を置く方法で人工的に立てたとも紹介されている[4]。

これらは要約された紹介文経由の内容で、粘土や砂が「できにくい」詳しい理由は断定できない。

6. 土を もちあげる ちから

6. 土の粒を乗せたまま、地面ごと持ち上がる

6. 凍上とアイスレンズ ── 水を引き寄せる氷

しもばしらの 上には、土の つぶが のった まま です[3]。氷が のびて、その 上の 土を もちあげて いるのです。

二かい、三がいだての しもばしらも あると、大学の しりょうには あります[3]。

土が こおって もりあがる ことを「とうじょう」と いいます。しもばしらと にた ところが ある できごとです[5]。

土の粒が氷の上にのっている

東京大学のスライドは、霜柱の上には土の粒がのっていること、2階・3階建ての霜柱もあること、霜柱のできやすい土があること、土の中の熱と水分の移動が大切であることを挙げています[3]。

凍上と、水を引き寄せる氷

三重大学の資料によると、土が凍ると、凍った面の近くに水が引き寄せられ、土の粒を含まない氷の結晶として現れることがあります。これがアイスレンズで、土を持ち上げる凍上の原因になります[5]。その場の水が凍ってふくらむだけではありません。

霜柱と凍上には、地中から水が届いて氷が育つという共通点があります。ただ、両者の関係や「霜柱=アイスレンズ」かどうかは、資料からは言い切れません。

凍上は、土が凍る際、凍結面の近くに水が引き寄せられ、土粒子を含まない氷の結晶(アイスレンズ)として析出し、土の体積膨張や地盤の隆起を引き起こす現象である。その場の水が凍って膨張するだけではない[5]。

実験室の冷却実験(シルト土、−6℃)では、アイスレンズへ向かう水の流れが1日0.1cm(1mm)、凍上速度が1日約0.09cm(0.9mm)と見積もられた[5]。これは実験室の値で、自然の霜柱の伸び方とは別に読むべきだ。

霜柱については、氷の上に土粒が載って持ち上がり、2階・3階建てのものもあるとされる[3]。霜柱と凍上には、地中から水が供給されて氷が成長するという共通点があるが、辞典は凍上を霜柱とは異なる現象として区別しており、両者の関係は資料からは断定できない。

自分でも しらべて みたく なったら

自分でも調べてみたくなったら

自分でも調べてみたくなったら

今日 できること

校ていの すなと、花だんの 土を すこし とって、水で しめらせます。ゆびで つまんで、こなの こまかさを くらべて みましょう。どちらが なめらかでしょうか。

キッチンペーパーの はしを、色を つけた 水に つけて、水が のぼる ようすも みられます。水に ぬれる ばしょ には、手や ふくを よごさない ように、しんぶんしなどを ひいて おきます。

しりょうを 読む なら

しもばしらの ことを のせて いる 大学の スライド[3]などが あります。むずかしい ところは とばして、しゃしんや ずを みるだけでも たのしめます。

今日できること

校庭の砂と、花壇の土を少しずつ取り、水でしめらせて、指でつまんで粒の細かさを比べてみてください。霜柱が立つ土には、どちらが近そうでしょうか。予想を書いておくと、あとで資料と見比べられます。

キッチンペーパーの端を色水につけると、水が紙のすき間を上がる様子が見られます。土の毛管現象の様子を想像する手がかりになります。机がぬれるので、新聞紙などを敷いてください。

資料を読むなら

東京大学の講義スライド[3]には、霜柱の写真と、土の中の水の動きの説明があります。三重大学の資料[5]は、凍上の仕組みを詳しく扱っています。

資料にあたる

  • 千葉大学の「霜柱の研究」紹介[4]は、中谷宇吉郎の文章を要約したもの。原文(青空文庫などにある)と読み比べると、要約で省かれた実験の細部が分かる。
  • 三重大学の資料[5]は、アイスレンズ近傍の水分・熱移動を扱っており、凍上の数値が載っている。
  • 日本地球惑星科学連合の高校生の発表[2]は、人工霜柱の発生条件を扱っている。

残っている問い

自然の霜柱が1晩で何cm伸びるのか、氷が1本ずつの柱になる詳しい物理は、まだ読めていない。ここから先は、自分で資料を探して読む余地がある。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

本文の事実は、次の資料をつき合わせて書きました。数値は資料によって条件が違うため、本文で条件を添えています。

  1. コトバンク「霜柱」(デジタル大辞泉・日本大百科全書・世界大百科事典・ブリタニカ国際大百科事典) https://kotobank.jp/word/霜柱 (定義・大きさ・発生条件・土の種類)
  2. 日本地球惑星科学連合2021年大会 O07-P54(市川高校) https://www.jpgu.org/meeting_j2021/publicPDF/O07-P54.pdf (発生条件・人工的な発生時間)
  3. 東京大学 溝口勝ほか 土壌圏講義スライド(2021-12-15) https://www.iai.ga.a.u-tokyo.ac.jp/mizo/lecture/soilsphere/2021/211215.pdf (毛管現象・霜柱に載る土粒・2〜3階建て)
  4. 千葉大学「霜柱の研究」紹介(中谷宇吉郎の文章の要約) https://www.cfs.chiba-u.jp/koudai-renkei/information/files/shimobashira.pdf (印の観察・微粒子・人工霜柱。要約経由)
  5. 三重大学 佐伯知香「アイスレンズ近傍の水分・熱移動」 https://soilphys.bio.mie-u.ac.jp/pdf/h30a_saeki.pdf (凍上・アイスレンズ・実験値)

なおした ところ

更新履歴

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