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ここにあるのは、だれかが実際に調べ、考え、作ってきたことを集めたメモです。気になったら、ページの下の「参考にした情報源」から、もとの本や記事、それを生み出した人たちに、直接ふれてみてください。このメモには書ききれないおもしろさが、そこにあります。

水が おちると、どうして 電気に なるの? ── すいりょくの ひみつ

落ちる水が電気になるまで ── 水車と発電機と、揚水のふしぎ

水力発電のしくみ ── 落差×流量、水車の使い分け、揚水発電、蹴上の130年

分野:技術

京都に、1891ねんに うごきはじめた 発電所が あります。いまも うごいて いると しょうかい されて います。

ただ 水が 上から 下へ おちる だけなのに、どうして 電気が できるのでしょう。水車の 形は なぜ いろいろ あるのか、電気を 水で ためる ほうほうは どんな ものか。ひとつずつ 見て いきます。

京都には、1891年に動き出した水力発電所があります。130年あまりたったいまも、動いていると紹介されています。

水が高いところから低いところへ流れるだけで、なぜ電気がつくれるのでしょうか。水車の形はなぜいくつもあるのか。電気を「水の形」でためる方法とは何か。しくみを順番に見ていきます。

1891(明治24)年に運転を開始した京都の蹴上発電所は、現在も稼働していると紹介されている。水が高いところから低いところへ落ちる力が、どうやって電気になるのか。

出力を決める落差と流量、落差ごとに水車の形が使い分けられる理由、発電機がモーターとしても働く揚水発電。この3点を、電力会社や業界団体の資料をもとに整理する。

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1. 130ねん まえの 発電所が、いまも うごいて いるの?

1. 蹴上発電所 ── 日本で初めて、町に電気を送った水力発電所

1. 蹴上発電所(1891年) ── 一般供給用としては日本初

京都の けあげ 発電所は、1891ねんに うごきはじめました[6]。日本で はじめて、まちの 人たちに 電気を おくる ための 水力の 発電所だ と いわれて います。

ここで つくった 電気は、みちの あかりや 工場に つかわれました。そのあと、日本で はじめて お客さんを のせて はしった 電車にも、この 電気が つかわれた と いわれて います[6]。

いま うごいて いる 発電所の たてものは、1936ねんの ものだ と いわれます[7]。水が おちて 電気に なる しくみは、130ねん あまり、つかわれて きました。

京都の蹴上発電所は、1891(明治24)年に運転を始めた、琵琶湖疏水の水を使う水力発電所です。文化庁の日本遺産の説明では、日本で初めての、一般に電気を供給するための水力発電所とされています[6]。

電気は京都の街灯や工場の動力に使われ、その後、日本で初めて営業を始めた電気鉄道(京都電気鉄道)にも使われました[6]。水が落ちる力が、町の明かりや電車になったわけです。

いま動いているのは、1936年に建てられた3期目の発電所だと紹介されています[7]。初期の設備の出力には資料によって差があるため、ここでは数字を挙げません。

蹴上発電所(京都)は、琵琶湖疏水を利用した日本初の一般供給用水力発電所で、1891(明治24)年に運転を開始した。電気は京都の街灯や工業用電力に使われたほか、日本で初めて営業を開始した電気鉄道(京都電気鉄道)にも供給された[6]。

現在稼働しているのは、1936年に完成した3期目の発電所とされる。最大出力は4,500kW、年間発電量は約1,670万kWh(2013〜2015年)と紹介されている[7]。百科事典の記述であり、数字の出どころは一次資料で確かめる必要がある。

なお、初期(1期)の設備の出力については資料ごとに数字が異なり、開始年との関係も整理できていない。ここでは「1891年に運転を開始した」までにとどめ、初期の出力は書かない。

2. 水は どうやって 電気に なるの?

2. 水車と発電機は、つながっている

2. 落下する水 → 水車 → 発電機 ── エネルギーの受け渡し

水力発電は、高い ところから ひくい ところへ おちる 水の 力を つかいます[1]。水が 水車に あたって、水車が 回ります。

水車には、電気を つくる きかいが まっすぐ つながって います。水車が 回ると、その きかいも 回って、電気が できます[2]。

水車は、1分間に 120かいから 1200かいも 回る ものが あると 電力会社は しょうかい して います[1]。1秒に 2かいから 20かいです。しゅるいに よって、回る はやさは ちがいます。

もとの 水の 力の うち、電気に なる わりあいは、水力では 100の うち 80ぐらい だと 電力会社は せつめい して います。火力は 100の うち 30から 40ぐらいで、水力の ほうが むだが 少ない と いわれます[1]。

水力発電の流れは、意外とシンプルです。取水口から入った水が水路を通って水車を回し、水車と直結した発電機が回転して電気がつくられます[2]。水が落ちる力→水車の回転→発電機の回転→電気、という受け渡しです。

水車の回転数は機種によって違い、電力会社の資料では1分間に120〜1,200回転とされています[1]。1秒あたりにすると、2〜20回転です。

エネルギーをどれだけ電気に変えられるかを示す変換効率は、水力で80%程度、火力で3〜4割ほどと、同じ電力会社の資料は説明しています。水力は火力の約2倍とされています[1]。ただし機種や条件で変わる、電力会社の説明値です。

水力発電は、水が高所から低所へ落下する力で水車を回し、水車と直結した発電機を回転させて電気をつくる[1]。取水口から入った水が水路を通って水車に当たり、発電機が回る。水の量が多いほど、また落差が大きいほど、大きな電気エネルギーが得られる[2]。

水車の回転数は機種により異なり、1分間に120〜1,200回転とされる(毎秒2〜20回転)[1]。この数字は電力会社の解説にあるもので、原典の表までは照合していない。

変換効率について、同社は水力を80%程度、火力を約3〜4割とし、水力は火力の約2倍だと説明する[1]。ただし電力会社の説明値であり、機種や運転条件で変わる。

4. 水車の 形は、みんな おなじ?

4. 落差と流量で型を選ぶ、3つの水車

4. ペルトン・フランシス・カプラン ── 落差と流量で使い分ける

水車は、水の 高さと りょうに あわせて えらびます[2]。

とても 高い ところから 水が おちる 発電所では、おわんの 形の はねを もつ 水車を つかう ことが あります。細く 出した 水を、はねに ぶつけて 回します[4]。

あまり 高く ない けれど 水が たくさん ながれる ところでは、プロペラの ような 水車が つかわれます[4]。その ちょうど 中くらいには、日本の 水力発電所の 7わりほどが つかって いる 水車が あると いわれます[4]。

おなじ 電気を つくる のでも、水の おち方が ちがえば、水車の 形も かわるのです。

水車は、落差と流量に応じて型式が選ばれます[2]。中部電力の解説をもとに、代表的な3つを見てみます[4]。

落差が大きい発電所には、ペルトン水車が向きます。ノズルから吹き出した水の勢いだけを、おわん形の羽根に当てて回す水車です。

中くらいの落差には、フランシス水車です。落差およそ10〜300m程度の広い範囲で使え、日本の水力発電所の約7割がこの水車だとされています。適用できる落差は資料によって差があり、40〜600mとする説明もあります。

落差が比較的低く、流量が多い発電所には、プロペラ水車や、羽根の角度が動くカプラン水車が使われます。1,000kW以下の小さな水力発電所では、クロスフロー水車が主に使われる、とも紹介されています。

同じ出力を得るにも、落差が低ければ、たくさんの水を通す形が必要になります。

水車は落差と流量の条件に応じて型式が選ばれる[2]。ペルトン水車は大落差、フランシス水車は広い落差の範囲、プロペラ水車やカプラン水車は低落差で流量の多い条件に向く。この対応は、中部電力の資料[4]と業界団体の説明[2]から確認した。

ペルトン水車は落差の大きい発電所向けで、ノズルから吹き出した水の速度だけを、おわん形の羽根に当てて回す(衝動水車)[4]。

フランシス水車は約10〜300mの広い範囲の落差で使え、日本の水力発電所の約7割を占めるとされる[4]。適用落差の数字は資料で差があり、40〜600mとする説明もあるため、目安の幅として受け取るべきである。

落差が比較的低く流量が多い発電所には、プロペラ水車(羽根の角度が動くものがカプラン水車)が採用される。主に1,000kW以下の小水力発電所で採用されるクロスフロー水車もある[4]。前章の積の形のとおり、落差が低いところで出力を得るには、流量を稼ぐ形が要る。

5. 水を 上に もどして、電気を ためられるの?

5. 揚水発電 ── 発電機がモーターにもなる

5. 揚水発電 ── 同じ機械が逆向きにも働く

電気は、そのままでは たくさん ためて おけません。そこで 水で ためる ほうほうが あります。「ようすいはつでん」と いいます。

山の 上と 下に 池が あります。昼は、上の 池から 下の 池へ 水を おとして、電気を つくります。夜は、下の 池の 水を 上の 池へ くみあげて おきます[5]。水を 上に もどす ことで、電気を ためて いるのと おなじです。

ふしぎな のは、電気を つくる きかいが、水を くみあげる ときには モーターとして はたらく ことです。夜は 電気を もらって 水を 上げ、昼は 水車に 回されて 電気を つくります[5]。同じ きかいが、はんたい向きにも 使えるのです。

水力発電所の方式には、流れ込み式、調整池式、ダム式、揚水式があります。ダム式は大容量(100万kW級)で、電気の使用が多い時間帯向けとされています[3]。

揚水式は、上池と下池の2つをもちます。昼間は上池から下池へ水を落として発電し、夜間は下池から上池へ水をくみ上げます[5]。電気を「水の形」でためる蓄電池の役割だと説明されています。

おもしろいのは、発電機が、水をくみ上げるときはモーターとして働くことです。夜間は電気を受け取ってモーターとして動き、昼間は水車に回されて発電します。発電を始めると、数分で最大の出力に達するともいわれます[5]。ただし、水をくみ上げるときには電気の一部が失われます。往復でどれだけ戻るかは、設備や条件で変わります。

水力発電の方式には、流れ込み式・調整池式・ダム式・揚水式がある。ダム式は大容量(約100万kW級)で、ピーク需要向けとされる[3]。

揚水式は上池と下池をもち、昼間は上池から下池へ水を落として発電し、夜間は下池から上池へ水をくみ上げる。電気を水の形でためる蓄電池の役割を果たす[5]。発電機は、揚水運転では電気を受け取ってモーターとして働き、発電運転では水車に回されて発電する。数分で最大出力に達するとされる[5]。

揚水では、くみ上げる際に電気の一部が損失となる。往復の総合効率は設備や運転条件で変わる。

6. 日本の 電気の どれくらいが 水力なの?

6. 日本の電気の、どれくらいが水力か

6. 2023年の発電電力量に占める水力の割合

2023ねんに 日本で つくられた 電気の りょうを 100と すると、水力は 7.5でした。前の 年は 7.1です[8]。

多いとは いえませんが、130ねん まえの けあげから、水力は 日本の 発電を ささえて きました。

環境エネルギー政策研究所(ISEP)のまとめでは、2023年の日本の発電電力量のうち、水力は7.5%でした。前年の7.1%から増えています[8]。約13分の1にあたります。

数字は、何を分母にするかで変わります。電力需要量を基準にすると、同じ年の水力は7.8%と示されています[8]。

ISEPによると、2023年の日本の発電電力量に占める水力の割合は7.5%で、前年の7.1%から増加した[8]。約13分の1である(1÷7.5%≒13.3)。

同じ資料では、電力需要量を基準にすると水力は7.8%となる。分母が違うため、どちらが正しいというより、基準を見て比べる必要がある[8]。

7. じぶんでも たしかめて みたく なったら

7. 自分でも調べてみたくなったら

7. 自分でも調べてみたくなったら

おふろばや にわで、水を おとす 高さを かえて みましょう。ぬれても よい ところで、手のひらを 上に むけます。手の ひらの 上10センチの 高さから 紙コップの 水を ゆっくり おとして、あたる 感じを おぼえます。つぎに、うでを のばした 高さから、同じ 紙コップの 水を 同じ ように おとして、くらべます。高い ほうが、水が 手に あたる 力や、水の はね方が 大きく 感じられる でしょうか。

おうちの 人と、近くの 川や ダムに 発電所が あるか、電力会社の ページで しらべる ことも できます。

水を落とす高さで、手に当たる感じは変わるでしょうか。ぬれてもよい場所で、紙コップの水を、手の上10cmと、腕を伸ばした高さから、ゆっくり落として比べてみてください。高いほど勢いを強く感じるかどうか、自分の手で確かめられます。

資料にあたってみるなら、次の3つがあります。

  • 電力会社の水車の解説[4]。3つの水車の形を、図で見比べられます。
  • Jパワーの揚水発電の説明[5]。上池と下池の仕組みが分かります。
  • 文化庁の日本遺産のページ[6]。蹴上発電所の歴史を読めます。

問い。式P=9.8QHηtηgのうち、落差Hと流量Qを、自分の住む地域の発電所で調べるとどうなるか。電力会社の発電所紹介ページで、水車の型式と落差の関係が、本稿の整理と合うかを確かめられる[4]。

資料にあたるなら、次の3点が入口になる。

  • 日本電気技術者協会の解説[3]。出力の式と、流れ込み式・調整池式・ダム式・揚水式の区別を読む。
  • Jパワーの揚水発電の説明[5]。発電機がモーターにもなる運転の切り替えと、蓄電池としての役割を確かめる。
  • 文化庁「日本遺産」の蹴上発電所のページ[6]。日本初の一般供給用水力発電所とされる根拠を読む。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

出典について:電力会社(関西電力、中部電力、Jパワー)の解説、業界団体(JEMA、日本電気技術者協会)の資料、文化庁の日本遺産のページ、環境エネルギー政策研究所の集計、百科事典の記述を使った。何に使ったかは、それぞれの項目の最後に書いている。

  1. 関西電力「水力発電の概要」。 https://www.kepco.co.jp/energy_supply/energy/newenergy/water/shikumi/ (水が落ちる力で電気をつくる流れ、水車の回転数、変換効率について)
  2. 日本電機工業会(JEMA)「水力発電とは」。 https://www.jema-net.or.jp/energy/hydro.html (水車と直結した発電機、落差と水量、水車を条件に応じて選ぶことについて)
  3. 日本電気技術者協会「水力発電所の発電方式と運用」。 https://jeea.or.jp/course/contents/12142/ (出力の式、水力発電の方式の種類について)
  4. 中部電力「水車の種類」。 https://www.chuden.co.jp/energy/renew/ren_shikumi/wat_shikumi/suisha/ (ペルトン・フランシス・カプラン・クロスフロー水車の特徴について)
  5. Jパワー「奥清津発電所 発電所の仕組み」。 https://www.jpower.co.jp/okky/knowledge/ (揚水発電の昼と夜の運転、発電機がモーターにもなることについて)
  6. 文化庁 日本遺産ポータルサイト「琵琶湖疏水 蹴上発電所」。 https://japan-heritage.bunka.go.jp/ja/culturalproperties/result/5146/ (蹴上発電所の運転開始年と、電気の使いみちについて)
  7. 「蹴上発電所」フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』。 https://ja.wikipedia.org/wiki/蹴上発電所 (現在も稼働していること、3期目の発電所の出力と発電量について)
  8. 環境エネルギー政策研究所(ISEP)「2023年の自然エネルギー電力の割合」。 https://www.isep.or.jp/archives/library/14750 (2023年の日本の発電電力量に占める水力の割合について)

なおした ところ

更新履歴

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