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ここにあるのは、だれかが実際に調べ、考え、作ってきたことを集めたメモです。気になったら、ページの下の「参考にした情報源」から、もとの本や記事、それを生み出した人たちに、直接ふれてみてください。このメモには書ききれないおもしろさが、そこにあります。

つららは どうして、さきが とがるの?

つららが先細りに伸びるわけ ── 水が流れ続けているから凍る

つららは水の膜からどう伸びる? ── 潜熱・先端の管・先細りの形・リップル

分野:自然

やねの のきさきに、ぶらさがる つらら。かたい 氷なのに、そだつ ときには 水が ながれつづけて いると いわれます。

どうして さきが とがるのでしょう。氷が そだつ ようすを、しりょうから たどって みます。

雪の積もった家の軒先に、つららが下がっていることがあります。固い氷の棒のように見えますが、伸びているあいだ、その表面を水が流れ続けていると説明されています。

凍っているものに、なぜ水が要るのでしょうか。水はどこから来て、先はなぜ細くなるのか。資料をたどります。

つららは、屋根の雪が融けた水が軒先で再び凍ってできる[1]。だが成長の条件は「凍ること」だけではなく、氷の表面を薄い水の膜が流れ続けていることだと説明される[1][3]。

水の供給、潜熱の放出、先端の構造、先細りの理論形、波模様の実験結果を、複数の資料を突き合わせて整理する。分かっていない部分も区別して書く。

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1. つららの 水は、どこから くるの?

1. つららの水は、屋根の雪から来る

1. 融け水の供給 ── 屋根の雪と暖房

つららの 水は、やねに つもった 雪が とけた ものです。雪は、おうちの 中の ねつが やねに つたわって、下の ほうから ゆっくり とけると いわれます[1]。

とけた 水は、やねの かたむきに そって、のきさきへ ながれます。そとの 空気が 0℃より ひくいと、その 水が また こおります。

つららは、雪が おおく、ひると よるの 気温の さが 大きい ときに そだちやすい とも いわれます[2]。

つららの水は、屋根に積もった雪が融けたものです。建物の中は暖房で暖かく、その熱が屋根を伝わって、積もった雪を下側からゆっくり融かすと説明されています[1]。

融けた水は屋根の傾きに沿って軒先へ流れ、氷点下の外気にふれて再び凍ります。日中は気温や日射で雪が融け、夜や早朝の冷え込みで凍る、という組み合わせもあります。日本気象協会は、積雪が多く寒暖差が大きいと、つららは成長しやすくなると解説しています[2]。

つららの水源は、屋根の雪の融け水である。暖房のある建物では、屋根を伝わった熱が積雪を下側から融かし、融け水が屋根の傾きに従って軒先へ流れる[1]。これが氷点下の外気で再び凍る。

日本気象協会の解説では、日中の気温上昇・日射・建物の暖房で雪が融け、夜間や早朝の氷点下で凍ることが、つららの成長条件として挙げられている。積雪量が多く寒暖差が大きいほど成長しやすい[2]。

2. こおって いるのに、水が ながれて いる

2. 氷の表面には薄い水の膜がある

2. 薄い水の膜と潜熱の放出

のきさきに ついた 水は、ぜんぶが すぐに こおるのでは ありません。つららが 大きく なる ときには、氷の 上に、うすい 水の まくが かならず できて いなければ ならない と、「雪の 科学館」は 説明せつめいします[1]。

水が こおる ときには、ねつが 出ます。この ねつを、うすい 水の まくを とおして、まわりの 空気に にがす。この はたらきが、つららの そだつ はやさを きめると、けんきゅうで 説明せつめいされて います[3]。

こおる ときの ねつが たまると、それいじょう こおれません。ねつが にげた ぶんだけ、氷が ふえる、と 考えて みて ください。

つららが大きくなるとき、氷の表面には必ず薄い水の膜ができていなければならない、と中谷宇吉郎の雪の科学館は説明しています[1]。凍った棒に水がかかるのではなく、水の膜をまとった氷が伸びていく、という見方です。

水が凍るときには、潜熱と呼ばれる熱が出ます。この熱が氷のまわりにたまると、それ以上は凍れません。つららの成長は、この熱を薄い水の膜を通して周りの空気に逃がす速さで決まる、とアメリカの研究チームは論文にまとめています[3]。

膜は、重力に引かれて流れ、粘り気や表面張力の影響も受けて、先端で水滴になって落ちます[3]。

つららが成長するとき、表面には必ず薄い水の膜が存在していなければならない、と中谷宇吉郎 雪の科学館は述べる[1]。この膜は表面のでこぼこの凸にも凹にも同じようにできているはず、という説明も添えられている。

Chen と Morris(2010、arXiv)は、氷の成長は凍るときに出る潜熱(融解熱)の除去で制御され、その熱は氷表面を流れる薄い水の膜を通して周囲の空気へ移ると述べる。膜は重力・粘性・表面張力を受けて流れ、先端で水滴になって落ちる[3]。

すなわち「水が流れ続けていること」は、水を供給するだけでなく、熱を運び出す経路でもあると読める。ただし、この解釈は研究の枠組みから筆者が整理した言い方である。

3. さきの ぶぶんは、くだに なって いる

3. 先端は、水をためた管になっている

3. 先端の構造 ── 中空の管と水滴

つららの さきを よく 見ると、水の つぶが ぶらさがって います。天気の サイトの 説明せつめいでは、さきの ぶぶんは 管くだの ように なって いて、そとがわだけ こおり、水の つぶが ぶらさがった ふしぎな つくりです[2]。

水の つぶが おちそうに なるとき、つめたい 空気に ふれる そとがわが こおる、と せつめい されます。これを くりかえして、つららは のびます。

けんきゅうでも、つららは さきに 水を とじこめた 中が 空っぽの 管くだとして のびると する モデルが 1988年に 出されました。ただ、この ぶぶんは けんきゅうの まとめを 見ただけなので、くわしい ことは いえません[4]。

つららの先端は、中身の詰まった棒ではなく、管のような形をしています。日本気象協会は、外側だけが凍って水滴がぶらさがった状態の、不思議な構造だと説明します[2]。水滴が落ちようとするとき、冷たい空気に触れた外側が凍り、こうして少しずつ伸びていく、というのが一般向けの解説です。

研究では、フィンランドの研究者マッコネンが1988年に発表したモデルがよく知られています。つららは、先端に液体の水を閉じ込めた中空の管として伸びる、という考え方です。成長は気温や風などの大気の条件と水の供給量に敏感で、複雑だとされます[4]。ただし、筆者は論文の要旨を見ただけで、本文は読んでいません。

先端の構造について、日本気象協会は「管のようになっていて、外側だけが凍って水滴がぶら下がった状態」と解説する[2]。水滴が落ちる際、冷たい外気に触れた外側が凍り、内側へ向かって凍りながら伸びるという説明である。この内側の凍り方は一般向け解説の説明であり、研究論文の枠組みとは区別して読む必要がある。

Makkonen(1988、J. Glaciology 34(116))のモデルでは、つららは先端に液体の水を閉じ込めた中空の氷の管として伸び、成長は大気条件と水の供給量に非常に敏感で複雑になる。[4]。

4. どうして 先へ いくほど ほそいの?

4. 先へ行くほど細くなる形の理論

4. 先細りの理論形と実験

つららは、上が ふとくて、さきが ほそい 形です。この 形は、どうして できるのでしょう。

けんきゅうの 人たちは、つららの 形が、ほら あなの 天じょうから 下がる しょうにゅうせきに にた 形に なると、けいさんで 予想しました[3]。そして 水の ながれと ねつの にげ方を 考えた しきで、つららの 形を あらわしました。

じっさいに つららを つくって しらべると、一部の つららは、この 形に とても よく あいました。ぜんぶでは ありません[3]。

「どうして さきが ほそいのか」を 一つの 文で いい切る 説明せつめいは、今回の しりょうの 中では 見つかりませんでした。

つららの形について、アメリカの研究チームは、水の流れと熱の逃げ方から理論を組み立てました。理論は、つららの形が鍾乳石(洞窟の天井から下がる石)に関係する相似形になり、先へ行くほど細くなる極限の形は、無次元化した半径ρと先端からの距離ζを使うと ρ = (4/3)ζ^(3/4) という式で表せると予測しました[3]。

実際に冷やした部屋でつららを作って調べると、一部のつららはこの形に非常によく合ったと報告されています。すべてのつららが合うわけではありません[3]。

「なぜ先が細いか」を直接一文で述べた資料は、今回は見つかりませんでした。水の量と熱の逃げ方で形が決まる、という理論の結果として読むのが、資料に沿った理解です。

Chen と Morris は、つららの形が鍾乳石に関連する自己相似形になり、その極限の形が、無次元化した半径ρと先端からの距離ζを使って ρ = (4/3)ζ^(3/4) で表されると理論から予測した。実験では、一部のつららがこの相似形に「非常によく」合った[3]。

ここで注意すべきは、合うのは一部(原文は some)であって、すべてではない点である。また、「なぜ先が細くなるか」を直接述べる一文は、今回の資料には無かった。理論式は、薄い水の膜の流れ(重力・粘性・表面張力)と潜熱の除去を組み合わせた結果であり、直感的な説明は断定しない。

5. つららの よこじまは、なに?

5. 水道水のつららにできる波模様

5. 波模様(リップル)と不純物

つららの 表面には、よこに 細かい しまの ような 波が ついて いる ことが あります。

アメリカの けんきゅうでは、水道水で つくった つららは 53本中 48本に、はっきり した 波が でました。ところが、ほかの ものが ほとんど まざって いない、きれいな 水で つくった つららは 23本中 2本だけでした[3]。

この 実験じっけんでは、ほかの ものが まじった 水の つららで、波が たくさん 見られました。波の 中には、ほかの ものが こく なった 三日月の 形の 水が あると 見られて います[5]。

波が できる しくみは 一部 分かって きましたが、その 大もとに ある 水の ふあんていさの 理由は、まだ 分かって いません[5]。

つららの表面に、横向きの波模様が並ぶことがあります。アメリカの実験では、水道水で作ったつらら53本のうち48本に規則的な波模様が出ました。一方、蒸留水(不純物をほとんど含まない水)で作った23本では、波が出たのは2本だけでした[3]。

この実験では、不純物を含む水で作ったつららに波模様が多く見られました。波のあるつららの内部には、表面の波とつながるV字状の構造があり、不純物が濃くなった三日月形の液体が観察されています。波ができる仕組みの一部は分かってきましたが、その根底にある不安定性の原因と、波の間隔を決める要因は、まだ分かっていません[5]。

日本科学未来館のブログでは、水の量や気温の変化で表面に小さな凸凹ができ、出っ張りは冷えやすいので優先して成長する、という説明が紹介されています[6]。ただし、これは分かりやすい説明の一つで、原因が決着したわけではありません。

Chen と Morris の実験では、水道水で作った53本のうち48本に規則的なリップルが現れ、蒸留水の23本では2本のみだった[3]。この実験では、不純物を含む水で作ったつららでリップルが多く見られた。APS Physics の解説によれば、リップルのあるつららの内部には表面の波に連なるV字状(chevron)の構造があり、不純物が濃縮された三日月形の液体が観察されている。形成の仕組みは明らかになりつつあるが、根底にある不安定性の原因と波長を決める要因は未解明である[5]。

波長は環境条件や水の供給量にあまり左右されず、およそ8〜12mmで、波は成長につれてゆっくり上へ移動するとされる[7]。日本語の一般向け解説では、表面にできた小さな凸が冷えやすく熱が逃げやすいため優先して成長する、という説明が見られる[6]が、原因が未解明である点は変わらない。

6. つららを 見つけたら、とおくから 見て みよう

6. 軒先のつららを、離れて観察してみる

6. 出口 ── 観察の視点と資料の読み方

つららを 見かけたら、つららの 下には 立たないで、はなれた ところから 見て みましょう。おちて くると あぶないので、さわらない ことも たいせつです。

見る ところは 3つ。つららの 先で、水の つぶが ぶらさがって いるか。上から 下へ、ほそく なって いるか。よこじまの 波が ついて いるか。

この 記事の 話が どこまで あてはまるか、じぶんの 目で たしかめて みてください。

つららを見かけたら、下に立たず、離れたところから観察してみてください。落ちてくると危ないので、触らないことも大切です。

見るポイントは、先端に水滴がぶらさがっているか、太さは上から先へ向かって細くなっているか、表面に横向きの波模様があるか、の3点です。記事の内容がどこまで当てはまるか、目で確かめてみてください。写真に撮って比べるのもよい方法です。

観察するなら、つららの下には入らず、離れた位置から見る。注目点は、先端の水滴の有無、上から先端へ細くなっているか、表面の波模様の有無である。

資料を読むなら、成長のしくみは Chen と Morris の論文[3]、波模様の内部構造は APS Physics の解説[5]、水の供給と成長条件は雪の科学館[1]と日本気象協会[2]が入口になる。日本語で読めるものなら、雪の科学館[1]と日本科学未来館のブログ[6]から入るとよい。軒先で、波模様の間隔が実際にどのくらいか、定規なしでも比べてみると面白い(出典の確認範囲は出典欄に記した)。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

出典について:雪の科学館と日本気象協会の解説、アメリカの研究論文と要旨、日本科学未来館のブログを使いました。[4][7]は要約だけを確認しています。

  1. 中谷宇吉郎 雪の科学館「つららの不思議」。 https://yukinokagakukan.kagashi-ss.com/oshiete/ (融け水の供給と、薄い水の膜について)
  2. tenki.jp(日本気象協会)「つららはなぜできる?」。 https://tenki.jp/suppl/m_seta/2025/12/16/32746.html (成長しやすい条件と、先端の管状の構造について)
  3. Chen & Morris, "Experiments on the morphology of icicles", arXiv:1008.1922。 https://arxiv.org/html/1008.1922 (潜熱と水の膜、相似形の理論、波模様の実験について)
  4. Makkonen, "A model of icicle growth", Journal of Glaciology 34(116), 1988。 https://cris.vtt.fi/en/publications/a-model-of-icicle-growth (中空の管モデルの抄録の要約)
  5. APS Physics, "Icicle Structure Reveals Growth Dynamics"。 https://physics.aps.org/articles/v15/s153 (波模様の内部構造と未解明の点について)
  6. 日本科学未来館 科学コミュニケーターブログ「つららに隠された秘密」。 https://blog.miraikan.jst.go.jp/articles/20130401content-10.html (波模様のやさしい説明の紹介)
  7. "On the origin and evolution of icicle ripples", New Journal of Physics 15 (2013) 103012。 https://iopscience.iop.org/article/10.1088/1367-2630/15/10/103012 (波長の目安の要約)

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