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ここにあるのは、だれかが実際に調べ、考え、作ってきたことを集めたメモです。気になったら、ページの下の「参考にした情報源」から、もとの本や記事、それを生み出した人たちに、直接ふれてみてください。このメモには書ききれないおもしろさが、そこにあります。

うるう年は、どうして あるの?

うるう年はなぜあるのか ── 4年に1度でも足りなかった、1年の長さ

閏年はなぜ必要で、なぜ足しすぎたのか ── 1582年に10日が飛ばされるまで

分野:歴史・文化

1582ねん10月4日の つぎの 日は、10月5日では ありませんでした。10月15日です。暦こよみから 10日ぶんが、そっくり きえたのです[3]。

ひみつは、うるう年に あります。4年に 1回 日を ふやして いたのに、それでも ずれが たまって いました。どうして ふやすのか、ふやしすぎると どう なるのか、たどって みます。

1582年10月4日(木)の翌日は、10月5日ではなく10月15日(金)でした。暦から10日ぶんの日付が、まとめて消えたのです[3]。

原因は、うるう年にありました。4年に1度、日を1日足していたのに、それでも足しすぎてずれがたまっていたのです。そもそもなぜ日を足すのか、足しすぎるとどうなるのか。2月29日生まれの人は平年にいつ歳をとるのかまで、順にたどります。

1582年10月4日(木)の翌日は、10月15日(金)と定められ、暦から10日が飛ばされた[3]。ユリウス暦の閏年(4年に1回)は、太陽年の約365.2422日に対して1年を365.25日と見積もったもので、毎年わずかな超過が積もり、1500年ほどで約10日になったためである(差の計算は本文で示す)。

ここでは、太陽年と暦年の関係、カエサルの暦、1582年の改暦、100年・400年の例外規則、2月29日生まれの年齢の扱い(法律上の説明)を、国立天文台などの資料を突き合わせてたどる。

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1. きえた 10日は、どこへ いったの?

1. 10月4日の次が10月15日 ── 消えた10日

1. 1582年の改暦 ── 10月4日(木)の翌日が10月15日(金)

1582ねん、ローマの きょうこうの グレゴリウス13せいは、あたらしい 暦こよみを きめました。この 年の 10月4日の つぎの 日を、10月15日と する ことに したのです[3]。

曜日は、木ようびの つぎが 金ようびで、つながって います。かわったのは 日づけだけです。10日ぶんの 日づけを、とばしました。

まちがって いた 暦こよみを、なおすための ことでした。どこが まちがって いたのか。まずは 1年の 長さから 見て いきましょう。

1582年、教皇グレゴリウス13世は新しい暦を定め、この年の10月4日(木)の翌日を10月15日(金)としました[3]。

曜日は木曜から金曜へ続いていて、ずれていません。飛んだのは日付だけで、10日ぶんです。ただ、この切り替えを全部の国が同じ日に行ったわけではありません。

直したかったのは、それまでの暦が少しずつ季節からずれていたことでした。まず、1年の長さから確かめます。

グレゴリオ暦は、教皇グレゴリウス13世が1582年2月24日に制定した。同年10月4日(木)の翌日を10月15日(金)とし、10日間を飛び越えた[3]。曜日の並びは保たれており、動かしたのは日付だけである。

切り替えの時期は国によって異なる。日本がグレゴリオ暦へ移ったのは1873年(明治6年)1月1日で、明治改暦と呼ばれる[5]。

なぜ10日なのか。次章以降で、太陽年の長さから遡って計算する。

2. 1年は、ほんとうに 365日?

2. 1年は365日ちょうどではない

2. 太陽年約365.2422日と暦年365日の差

カレンダーの 1年は 365日です。でも 地球が 太陽の まわりを 1まわりして、きせつが ひとめぐりするまでは、365日と 6時間ちかく かかります。くわしく いうと 365.2422日、つまり 365日と 5時間49分ほどです[1]。

暦こよみを 365日の ままに すると、毎年 6時間ちかく(5時間49分ほど)の ずれが たまって いきます。暦こよみが こわれて いるのでは ありません。地球が 1まわりする 時間が、ちょうど 365日では ない だけです。

ずれを ほうって おくと、春分の 日づけなどが、少しずつ かわって いきます[2]。そこで 4年に 1回、1日 ふやして、ずれを もどします。これが うるう年です。

カレンダーの1年は365日ですが、季節がひとめぐりする長さ(太陽年)は約365.2422日で、365日と6時間弱です。細かく言うと、約5時間49分ぶんが毎年余ります[1]。

1年を365日のままにすると、毎年約5時間49分(6時間弱)ぶんの差が積もります。暦が壊れているわけではありません。地球の1周が365日きっちりではない、というだけです。

差を放っておくと、春分などの日付が少しずつ変わっていきます[2]。そこで日を足して、暦を季節に合わせ直します。約0.2422日を4年ぶん集めると約0.97日、つまりほぼ1日になります。「4年に1度、1日足す」という決まりは、ここから来ています。

太陽年(季節が一巡する長さ)は約365.2422日で、365日より6時間弱長い。0.2422日は約5時間49分に当たる[1]。ぴったり6時間ではない点に注意したい。

暦年を365日に固定すると、毎年約0.2422日の遅れが積もり、暦と季節がずれて春分などの日付が動いてしまう。これを補正するために、うるう日を入れる[2]。

0.2422×4≒0.97日。4年分でほぼ1日になるため、4年に1回1日を足す方式が素朴な近似になる。次章のユリウス暦は、これを1年365.25日として運用した。

3. 4年に 1回、だれが きめたの?

3. カエサルの暦 ── 4年に1度、2月に足す

3. ユリウス暦 ── 365.25日と4年周期の閏日

4年に 1回 日を ふやす 暦こよみは、古い ローマの カエサルの もとで つくられました。「ユリウス暦こよみ」と いう 名前は、この 人の 名前、ユリウス・カエサルから きて います[4]。

1年を 365日と 4分の 1日と みなして、4年に 1回、1日 ふやします。紀元前きげんぜん46年に きめられ、紀元前きげんぜん45年の 1月1日から つかわれた、といわれます[4]。

ふやした 日は、2月に 入れました。むかしの ローマの 暦こよみでは、2月が 1年の さいごの 月だったから、と せつめい される ことが あります[6]。こうして 2月29日が うまれました。

4年に1度日を足す暦は、古代ローマのカエサル(英語ではシーザー)のもとで制定されました。「ユリウス暦」の名は、ユリウス・カエサルという名前に由来します[4]。

この暦では、1年を365日と4分の1日(365.25日)とみなし、4年に1度、2月に1日を足しました。紀元前46年に制定され、紀元前45年の1月1日から使われたと説明されています[4]。資料によって「制定」と「施行」の書き方が異なるため、分けて書きました。

足す日が2月に置かれたのは、古代ローマの暦で2月が1年の最後の月だったから、と説明されることがあります[6]。年の終わりに、余った日を置いたという考え方です。

ユリウス暦は、カエサルのもとで紀元前46年に制定され、前45年1月1日に施行された。1年を365.25日(365日と4分の1)とし、4年に1度、2月に閏日を置く暦法である[4]。名称は、ユリウス・カエサル(ユリウスは氏族名)に由来する。制定年・施行年は資料で表現が分かれるため、区別して記した。

閏日が2月に置かれるのは、古代ローマ暦で2月が年末の月だったためと説明されることがある[6]。

4. ふやしすぎて、ずれて しまった

4. わずかな「足しすぎ」が、1500年で10日になる

4. ユリウス暦の誤差と、復活祭を巡る改暦の動機

けれども、ここに 小さな まちがいが ありました。本当の 1年は 365.2422日、ユリウス暦こよみは 365.25日。ユリウス暦こよみの ほうが、毎年 0.0078日 だけ 長いのです。

0.0078日は、1分ちょっとです。でも、これが 128年 つづくと 1日に なります。1500年ほど たつと、およそ 10日です[3]。

むかしの きょうかいは、春分の あとの はじめての まんげつの つぎの 日曜日に、ふっかつさいと いう おいわいを する ことに なって いました(325年の 会ぎの ころ)[5]。ところが 1500年代には、本当の 春分は ユリウス暦こよみの 3月11日ごろに なって いました。暦こよみの 日づけが うごいたのでは なく、空の 春分の ほうが、暦こよみの 日づけより 10日ほど 早く きて いたのです。おいわいの 日が、空の 本当の ようすと 合わなく なって いました。

ここに、小さな誤差がありました。本当の太陽年は約365.2422日、ユリウス暦は365.25日です。暦のほうが1年につき約0.0078日長く、1分ちょっと余計に進みます。

1分ちょっとでも、積もります。約128年で1日、16世紀には約10日のずれになりました。実際、天文現象としての春分は、ユリウス暦の3月21日ごろから、3月11日ごろへと早まっていました[3]。暦の日付が動いたのではなく、空の春分と暦の日付がずれたのです。

これが困ったのは、教会の行事のためです。325年の公会議を経て、復活祭は春分(ユリウス暦の3月21日)のあとの最初の満月のあとの日曜日を基準に決められることになりました[5]。春分が暦の日付より早く来るようになると、祝う日が空の様子と合わなくなります。これが改暦の動機と説明されています。

ユリウス暦の1年(365.25日)は太陽年(365.2422日)より0.0078日長い。1/0.0078≒128であるから、約128年で1日進む。325年から1582年までの約1257年では、0.0078×1257≒9.8日、つまり約10日である[3]。

実際、16世紀後半には天文現象としての春分がユリウス暦3月21日ではなく3月11日頃に到来していた[5]。暦の日付が動いたのではなく、春分という天文現象と暦の日付とのずれである。325年時点の3月21日から3月11日頃までは約10日で、上の約9.8日の計算とも合う。

この10日が問題になったのは復活祭の算定のためである。325年の第1ニカイア公会議を経て、春分(ユリウス暦3月21日)後の最初の満月のあとの日曜を基準に復活祭を算定することになった。春分が暦の日付より前に来ると、復活祭が天文の実際とずれる。これが改暦の動機とされる[5]。

5. うるう年の 「れいがい」

5. 補正の補正 ── 100年と400年の例外

5. グレゴリオ暦の規則 ── 400年に97回

あたらしい 暦こよみは、うるう年の きまりを 少し かえました[1]。

  1. 4で わりきれる 年は、うるう年。
  2. ただし、100で わりきれる 年は、うるう年に しない。
  3. ただし、400で わりきれる 年は、やっぱり うるう年。

だから 2000年は うるう年ですが、1900年は ちがいます。400年の あいだに、うるう年は 100回では なく 97回に なります[3]。

これで 1年の 長さの へいきんは 365.2425日。本当の 1年との ちがいは、たんじゅんに 計算すると 1日ぶんに なるのに 3000年いじょう かかる ほど、小さく なりました[3]。

グレゴリオ暦は、うるう年の決まりを次のように変えました[1]。

  1. 4で割り切れる年はうるう年
  2. ただし、100で割り切れる年は平年
  3. ただし、400で割り切れる年はうるう年

だから2000年はうるう年で、1900年は平年です[1]。決まりから考えると、2100年は平年になります。補正した後の補正、という形です。

400年のうるう年は、4の倍数100回から100の倍数4回を引き、400の倍数1回を足して97回です。すると平均の1年は365.2425日になり、太陽年との差は年に約0.0003日。単純計算では、1日ずれるまで3000年以上かかります[3]。この年数は見積もりに幅があり、資料によってもっと長い数字も出てきます。

グレゴリオ暦の閏年規則は、4で割り切れる年を閏年、ただし100で割り切れる年は平年、ただし400で割り切れる年は閏年とする。2000年は閏年、1900年は平年である[1]。規則を適用すれば2100年は平年になる(規則からの導出であり、資料が個別に明示した記述ではない)。

400年間の閏年は、4の倍数100回−100の倍数4回+400の倍数1回=97回。400年は365×400+97=146097日で、平均1年は365.2425日になる。太陽年との差は365.2425−365.2422=0.0003日で、単純計算では1日の誤差が生じるまで3000年以上かかる[3]。ただし、この年数は見積もりの取り方で幅があり、資料によって異なる数字も示される。

6. 2月29日うまれの 人は、いつ 年を とる?

6. 2月29日生まれの誕生日 ── 法律ではどう数えるか

6. 2月29日生まれの年齢計算 ── 民法143条と年齢計算ニ関スル法律

2月29日に うまれた 人は、うるう年で ない 年の たんじょう日を、どう すごすのでしょう。「4年に 1回しか 年を とらない」わけでは ありません。

日本の 法律ほうりつの 決まりでは、年れいは、たんじょう日の 前の 日が おわる ときに 1つ ふえます。2月29日うまれの 人は、うるう年で ない 年には、2月28日の おわりに 年を とる、と 国立天文台は せつめいして います[7]。

これは 法律ほうりつの 上での 数え方です。ふだんの おいわいを いつ するかは、家ごとに 決めて いいことです。

2月29日に生まれた人は、平年には誕生日がありません。それでも「4年に1度しか歳をとらない」わけではありません。

日本の法律(年齢計算ニ関スル法律と民法143条)では、年齢は誕生日の前日が終わるときに1つ加わります。平年の2月29日生まれの人は、2月28日が終わるときに歳をとる、と国立天文台の解説は説明しています[7]。誕生日は毎年あるものとして扱われます。

これは法律上の年齢の数え方で、日常の祝い方を決めるものではありません。

年齢計算ニ関スル法律と民法143条により、年齢は誕生日の前日の終了時に加わる。平年における2月29日生まれは、月末の2月28日の終了時に加齢する(誕生日は毎年あるものとして扱われる)と、国立天文台の暦Wikiは説明している[7]。

これは法律上の年齢計算の話であり、日常の祝い方の決まりではない。条文そのものは、e-Govの法令検索で「年齢計算ニ関スル法律」を引けば読める。

7. じぶんでも たしかめて みたく なったら

7. 自分でも調べてみたくなったら

7. 自分でも調べてみたくなったら

うるう年か どうかは、わり算で たしかめられます。家の 人が うまれた 年や、きねんの 年を 4で わって みましょう。まず 4で わって みて、わりきれたら、つぎに 100で わりきれるかを 見ます。100で わりきれる 年は、400で われるか どうかも たしかめます。

2100年は、うるう年でしょうか。決まりに あてはめて、答えを 出して みましょう。

好きな年を選んで、うるう年かどうかを決まりどおりに判定してみましょう。1900年・2000年・2100年のように100で割り切れる年は、400で割れるかも見ます。

もう1つ、自分で計算してみましょう。365×400+97が146097になることを確かめ、それを400で割ると、平均の1年が365.2425日になることを確かめます。

国立天文台の暦Wikiには「うるう」「グレゴリオ暦」「年齢の数え方」のページがあります。本文の数字がどこに書いてあるか、探してみてください[2]。

資料を読むなら、国立天文台の暦Wiki「うるう」「グレゴリオ暦」「年齢の数え方」[2][3][7]が入口になる。本稿では、ユリウス暦の誤差を約10日とする数え方(国立天文台の飛ばし日数と一致)に統一したが、資料によって11〜12日など別の数え方もある。それぞれの起点をたどると、数字の違いの理由が見える。

また、うるう秒(原子時計の時刻と地球の自転に基づく時刻のずれを調整する、閏年とは別の仕組み)も、続けて調べる価値がある。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

出典について:国立天文台の暦Wiki・暦の話題、世界史の窓、Wikipediaを突き合わせて使った。数字の計算(0.0078日、約128年、約10日、146097日など)は、資料の値から本稿の筆者が計算したもの。日付の切り替えの年月日は複数の資料で表現が異なる。

  1. 国立天文台 暦の話題「2012年2月」(うるう年の説明). https://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/topics/html/topics2012_2.html (太陽年の長さ・うるう年の規則)
  2. 国立天文台 暦Wiki「うるう」. https://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/wiki/B1BC.html (うるうの目的)
  3. 国立天文台 暦Wiki「グレゴリオ暦」. https://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/wiki/A5B0A5ECA5B4A5EAA5AACEF1.html (1582年の10日の飛ばし・400年97回)
  4. 世界史の窓「ユリウス暦」. https://y-history.net/appendix/wh0103-169_1.html (カエサルの暦の内容)
  5. ウィキペディア「グレゴリオ暦」. https://ja.wikipedia.org/wiki/グレゴリオ暦 (改暦の動機・日本の明治改暦)
  6. ウィキペディア「閏年」. https://ja.wikipedia.org/wiki/閏年 (うるう日が2月にある理由)
  7. 国立天文台 暦Wiki「年齢の数え方」. https://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/wiki/CDD7C1C72F1C7AFA4C8A4CFA1A92FC7AFCEF0.html (2月29日生まれの年齢)

なおした ところ

更新履歴

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