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ここにあるのは、だれかが実際に調べ、考え、作ってきたことを集めたメモです。気になったら、ページの下の「参考にした情報源」から、もとの本や記事、それを生み出した人たちに、直接ふれてみてください。このメモには書ききれないおもしろさが、そこにあります。

マシュマロは、どうして レンジで 大きく なるの?

マシュマロがレンジで大きくなるのは、小さな泡がふくらむから

マシュマロの電子レンジ加熱による膨張 気泡内の気体、水蒸気、糖の軟化

分野:技術

マシュマロを 電子レンジに 入れて、ようすを 見て いると、ぷくーっと 大きく なります。ところが、取り出して しばらく すると、また しぼんで しまいます。

中で なにが おきて いるのか、じゅんばんに たどって みましょう。

電子レンジに入れたマシュマロは、みるみる大きくなります。ところが、取り出して冷めると縮んでしまいます。

ふくらむのも縮むのも、マシュマロの中にある小さな泡が関係しているようです。食品や理科教育の資料を照らし合わせて、順番に見ていきます。

電子レンジで加熱したマシュマロが膨らむのは、内部の微小な気泡が温まって膨張し、水分の一部が蒸発して気泡内のガスが増え、さらに糖が軟化して伸びやすくなるためと説明されている[7][6]。冷めると気泡は縮み、糖は再び固くなる[7]。

このメモでは、食品成分表、菓子の解説、理科教育の資料、論文を突き合わせて整理する。どの要因がどれだけ効くかを定量した資料は今回は見つからなかったため、「複数の要因が同時に働く」という範囲で書く。

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1. マシュマロの 中は、どう なって いるの?

1. マシュマロは、泡を固めたお菓子

1. マシュマロは気泡を含んだ砂糖菓子である

マシュマロを 手で ちぎって みると、中は ふわふわ です。この ふわふわは、ちいさな あわが たくさん つまって いる からです。

あわの 大きさは、1ミリの 40ぶんの 1から 50ぶんの 1 ぐらいだと いう 資料しりょうが あります[3]。目には 見えません。

マシュマロの 半分ぐらいは 空気だと いわれます[4]。あわが ぬけない ように、さとうと ゼラチンが まわりを かためて います[3]。

気泡の大きさは0.02ミリ前後

マシュマロは、水と空気の泡を、砂糖と水あめの土台で支え、ゼラチンで安定させたお菓子です[3]。家庭向けのレシピでも、ゼラチンと卵白と砂糖を泡立てて、冷やして固める作り方が紹介されています[2]。

泡の平均の大きさは20〜25マイクロメートルほどと報告されています[3]。0.02ミリ前後なので、1ミリの40〜50分の1です。

体積の半分ほどが空気

泡立てで空気を入れて軽くしてあり[3]、体積の半分以上が空気だという説明もあります[4]。ここでは「半分ほど」と受け取っておきます。

食品成分表では、マシュマロ100gの水分は約18.5gです[1]。水分は2割弱で、意外と少ないお菓子だとわかります。

マシュマロは、砂糖と水あめが形づくる非晶質の土台(マトリックス)にゼラチンが保持され、ゼラチンが空気の気泡を安定化させた泡状の菓子である[3]。ゼラチンは起泡剤かつ安定剤で、糖のシロップに弾力を与えるという論文の記述もある[9]。家庭向けのレシピにも、ゼラチンと卵白と砂糖を泡立て、冷やし固める工程がある[2]。

密度は0.25〜0.7と報告され、平均の気泡径は20〜25 µm(約0.02 mm)である[3]。空気は体積の50%以上を占めるとする解説もあり[4]、ここでは「半分ほど」の目安として扱う。日本食品標準成分表では、可食部100 gあたりの水分は(18.5)g、炭水化物は(79.3)gで、括弧は推計値を示す[1]。水分は約18.5%と少ない。

2. でんしレンジは、なにを あたためて いるの?

2. レンジが温めるのは、主に水

2. マイクロ波は水に吸収されて熱になる

電子レンジは、目に 見えない 電気の なみを 出します。この なみは、水に すいこまれて、水を あつく します[5]。

マシュマロには、水が 2わりぐらい ふくまれて います[1]。この 水が あたたまって、まわりの ものにも ねつが つたわります。

ここで 大切なのは、水が すこししか なくても、あたたまると いう ことです。

周波数2.45ギガヘルツの電磁波

電子レンジは、周波数2.45ギガヘルツの電磁波(マイクロ波)を出します。そのエネルギーは水に吸収されやすく、熱に変わります[5]。

水が2割弱でも温まる

マシュマロの水分は2割弱でした[1]。この水が温まり、そこから周りの糖や空気にも熱が伝わっていく、と考えると、次の章の話につながります。

電子レンジは周波数2.45 GHzの電磁波(マイクロ波)を発生させ、そのエネルギーは水に吸収されやすく、熱になる。これを誘電損失という[5]。

マシュマロは水分が約18.5%と少ないが[1]、その水分が加熱の主役になると考えられる。糖や空気が直接マイクロ波を吸収するかどうかは、今回の資料では扱われていないため、ここでは「水が温まり、周囲へ熱が伝わる」という範囲にとどめる。

3. あわの 中では、なにが おきるの?

3. 泡の中で、水蒸気と空気が増えて押し広げる

3. 気泡内では水蒸気の増加と気体の膨張が同時に起こる

あたたまると、マシュマロの 中の 水の 一部が、水じょうきに なります[6]。この 水じょうきや、あたたまった 空気が、あわを 中から おし ひろげます。

あわの 中に もとから ある 空気も、あたたまると、まわりを つよく おします[6]。

ふうせんに ドライヤーの 風を あてると、ふくらむ ことが ありますね。あわの 中も それに にて います。ただし 本当は、ふうせんは ゴムで、あわは さとうの かべです。

「水じょうきが ふえる」ことと、「空気が あたたまる」ことの 2つが、いっしょに はたらいて いると 考えられます。

水が蒸発して泡にガスが加わる

マシュマロの中の水分の一部が蒸発し、泡の中にガス(水蒸気)が加わります。さらに、温まった気体は外向きにより強く押します[6]。温まった水蒸気は、糖もあたためると説明されています[7]。

空気の熱膨張という考え方

気体は温度が上がると膨らもうとします(シャルルの法則)[6]。泡の中の空気も同じなので、水蒸気が増えることと合わせて、泡が押し広げられます。

水蒸気が増えることと、空気が温まることの両方が、泡を押し広げます。

加熱により、マシュマロ内部の水分の一部が蒸発して気泡にガスが加わる。さらに、温められた気体はより強く外向きに押す[6]。熱い水蒸気は、糖を温めて少し軟化させると同時に、気泡を温めて膨張させる[7]。

気体は圧力などの条件が一定なら、温度上昇で体積が増える(シャルルの法則)[6]。ただし、膨張の主因が水蒸気の増加か、既存の空気の熱膨張かを定量した資料は今回は見つからず、「両方が寄与する」とするにとどめる。なお、参照した解説の一つは法則名の扱いが不正確な部分があるため、本文では気体の量と温度の関係に言い換えて書いた。

4. かべの さとうは、どうして のびるの?

4. 糖の骨組みがやわらかくなり、泡といっしょに伸びる

4. 糖が軟化すると気泡は伸びる――ガラス転移の目安

あわの まわりの かべは、さとうで できて います。ふだんは かたいので、あわが ふくらもうと しても、あまり のびません。

けれど、あつく なると、さとうは すこし やわらかく なります[7]。すると、あわが ふくらむのに あわせて、かべも のびて いきます。

ねんどの ように、つめたいと かたくて のびにくく、あたためると やわらかく なる ものが あります。さとうの かべも、すこし それに にて います。ただし 本当は、ねんどとは ちがう ざいりょうです。

ふくらむには壁もやわらかくならなければ

泡が押し広げようとしても、まわりの糖が固いままなら、あまり伸びません。温められて糖が少しやわらかくなると、泡の膨張に合わせて壁が伸びます[7]。

ガラス転移という目安

糖の混合物には、固いガラスのような状態から、やわらかい状態に変わる温度(ガラス転移温度)があります。ゼラチン入りのマシュマロで測った研究では、この変化が終わる温度は約57℃前後と報告されています(論文の要約に書かれた値で、詳しい数値は本文では確かめていません)[9]。ただしこれは研究で作った配合の値で、市販のマシュマロの温度とは限りません。

糖は、温まると少し軟化する[7]。気泡が膨張しても、周囲の糖が硬いままなら伸びにくいが、軟化すると気泡とともに伸展できると考えられる。

糖の混合物には、ガラス状態から軟化状態へ移るガラス転移温度がある。ゼラチン入りの対照サンプルで転移の終了温度(T_end)を測った研究では、約57 ℃前後と報告されている[9](論文の要約に書かれた値で、小数点以下を含む詳細は本文では確かめていない)。これは同研究の実験配合の値であり、市販のマシュマロの温度に一般化できない。市販品のガラス転移温度は今回は確かめられなかった。

5. マシュマロは、さめると どう なるの?

5. マシュマロは冷めると縮むが、その後は資料で記述が違う

5. マシュマロは冷めると縮むが、その後の状態は資料で異なる

電子レンジから 出して さめて くると、あわの 中の 空気や 水じょうきも ひえて、あわは ちぢみます[7]。

さとうの かべは、また かたく なります[7]。しぼんで しまう ことも あるようです。

ある 資料しりょうは、かりっと かたく なると 書いて いて、べつの 資料しりょうは、しぼんで べたべたに なると 書いて います[7][8]。あたためる 時間や、マシュマロの しゅるいで ちがうのかも しれません。

気泡は縮み、糖はまた固くなる

取り出して冷めると、泡は縮み、糖は再び固くなります[7]。電子レンジで加熱したマシュマロは、水分が減って、かりっと固くなるという説明もあります[7]。

資料で表現が違う

別の資料は、大きくなったマシュマロは冷めるとしぼんで、べたべたした塊になると述べています[8]。加熱の時間や状態で結果が変わりうるため、固いかべたつくかは、ここでは決められません。

加熱後に取り出して冷めると、気泡は縮み、糖は再び硬化する[7]。また、電子レンジで加熱したマシュマロは、冷めると水分が減ってかりっと硬くなるとも説明される[7]。

一方、別の資料は、膨らんだマシュマロが冷めるとしぼんで、べたついた塊になると述べる[8]。両者の記述は一致しない。加熱時間や試料の状態によって結果が異なる可能性があり、冷却後の性状については断定しない。

6. あつく しなくても、ふくらむの?

6. 温度でなく気圧でも、泡は広がる

6. 減圧による膨張 圧力変化の実験例

びんに マシュマロを 入れて、ポンプで 空気を ぬくと、マシュマロは ふくらみます。空気を もどすと、もとの 大きさに もどります[8]。

これは、あつく しなくても、まわりの 空気の 力が へると、あわの 中の 空気が ひろがるから です。あわは、どんな ときに ふくらむのかを 教えて くれます。

空気を抜くと大きくなる

瓶にマシュマロを入れ、ポンプで空気を抜くと、マシュマロの中の空気が広がって、マシュマロがふくらみます。空気を戻すと、元の大きさに戻ります[8]。

温度を上げなくても、周りの気圧が下がれば泡の中の空気は広がる、という別の例です。電子レンジの場合は、温度の上昇と水蒸気の増加が重なって起こると考えられます。

真空ポンプで容器内の空気を抜くと、マシュマロ内部の空気が膨張してマシュマロが膨らみ、空気を戻すと元の大きさに戻る[8]。この例は、温度でなく圧力の低下によっても気泡が膨張することを示す。電子レンジでは、温度上昇と水蒸気の増加が重なると整理できるが、圧力変化の関与は扱われておらず、ここでは対比の例として挙げるにとどめる。

自分でも しらべて みたく なったら

自分でも調べてみたくなったら

自分でも調べてみたくなったら

いま できる こと:マシュマロを 手で ちぎって、中を 見て みましょう。あなの ような ものが 見えるか、ゆびで おすと どう なるかを 見ます。

電子レンジで ためす ときは、大人が そうさを して、そばで 見て いて もらいましょう。子どもだけでは やりません。あつく なった さとうは、さわらない ように します。

今日できること:マシュマロを手でちぎり、断面に小さな穴のようなものが見えるか、指で押すとどう戻るかを観察します。ふくらみ方を知りたいときは、大人が電子レンジを操作し、加熱は短い時間にして、加熱中はずっとそばで見守ってください。子どもだけでは行いません。加熱した糖はとても熱くなるので、十分に冷めるまで触りません。

調べるなら:食品成分表で水分を確かめたり、種類のちがうマシュマロがあれば、ちぎって断面を比べたりできます。日本語の資料では、電磁界情報センターの電子レンジの解説(参考にした情報源[5])が読みやすいです。

今日できること:マシュマロを手でちぎり、断面の気孔の様子と、押したときの戻り方を観察する。加熱後も観察したいなら、大人が操作して短時間だけ加熱し、加熱中はそばで見守り、十分に冷めてから同じ観察をして、加熱前と比べる。加熱した糖は高温になる。

資料を読むなら:食品成分表[1]で水分を確かめ、理科教育の資料[7][8]で加熱・減圧の実験の書き方を見比べ、論文[9]でガラス転移の測り方を追うとよい。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

本文の参照番号は、下の資料の番号に対応しています。

  1. 文部科学省 食品成分データベース「マシュマロ」 https://fooddb.mext.go.jp/ (水分と炭水化物の値)
  2. 森永製菓「マシュマロのレシピ」 https://www.morinaga.co.jp/recipe/detail/318 (ゼラチン・卵白・砂糖で作る家庭向けの工程)
  3. Candy Mentor "Marshmallow" https://www.candymentor.com/article/marshmallow (泡の構造、砂糖とゼラチンの役割、密度、気泡の大きさ)
  4. Science ABC "Why do marshmallows blow up in microwave oven" https://www.scienceabc.com/eyeopeners/why-do-marshmallows-blow-up-in-microwave-oven (体積の半分以上が空気という説明)
  5. 電磁界情報センター「電子レンジから発生する電磁界」 https://www.jeic-emf.jp/public/web_mag/explanation/1012.html (2.45ギガヘルツのマイクロ波と水の加熱)
  6. Scientific American "Puffing Up Marshmallows" https://www.scientificamerican.com/article/puffing-up-marshmallows/ (水分の蒸発と気体の膨張)
  7. AACT "Mega Marshmallows" https://teachchemistry.org/classroom-resources/mega-marshmallows (糖の軟化と、冷めたときの収縮)
  8. Smithsonian Magazine "Marshmallows: the perfect media for demonstrating principles of physics" https://www.smithsonianmag.com/science-nature/marshmallows-the-perfect-media-for-demonstrating-principles-of-physics-12406806/ (冷めたあとの様子、真空ポンプの例)
  9. PMC "Gelatin-Free Marshmallow (Gellan Gum and Aquafaba)" https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC13239071/ (ゼラチンの役割、ガラス転移温度の測定)

なおした ところ

更新履歴

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