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前の 車りんが 大きい むかしの じてんしゃは、なぜ あぶなかったの

なぜ高輪自転車(ペニー・ファージング)は危険だったのか

なぜ高輪自転車(ペニー・ファージング)は危険だったのか

分野:技術

むかし、前の 車りんが おとなの せの たかさくらい 大きい じてんしゃが あった。

速く 走れる ために 作られた この じてんしゃは、でも、ブレーキを かけると、乗って いる 人が 前に なげ出されて しまう ことが あった。

昔、前の車輪が大人の背の高さくらい大きい自転車があった。

速く走るために作られたこの自転車は、でもブレーキをかけると、乗っている人が前に投げ出されてしまうことがあった。

19世紀後半のイギリスで人気を集めた「高輪自転車(ペニー・ファージング)」は、直径1.5メートルを超えることもある巨大な前輪を持つ、速さのための乗り物だった。

しかしブレーキをかけると、乗り手は高い位置から前方につんのめって投げ出された。この種の落下は、英語で「taking a header」と呼ばれるほどよく知られたものだった。

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1. 車りんを 大きく すれば、はやく 走れる

1. 車輪を大きくすれば、速く走れる

1. ペダル直結の車輪を大きくして速さをかせごうとした

1869年、フランスの 人が、じょうぶな はりがね(スポーク)で 作る 車りんの とっきょを とった。1870年ごろ、イギリスの ジェームズ・スターレーたちが、この 車りんを つかった「アリエルごう」と いう じてんしゃを 出した[1]

この じてんしゃは、ペダルが じかに 前の 車りんに くっついて いた。だから 前の 車りんを 大きく すれば する ほど、ペダルを 1かい まわす だけで、より とおくまで すすめた[1]

1869年、フランスの人が、じょうぶな針金(スポーク)で作る車輪の特許を取った。1870年ごろ、イギリスのジェームズ・スターレーたちが、この車輪を使った「アリエル号」という自転車を出した[1]

この自転車は、ペダルが直接前の車輪にくっついていた。だから前の車輪を大きくすればするほど、ペダルを1回まわすだけで、より遠くまで進めた[1]

1869年、フランスの発明家ウジェーヌ・マイヤーが、張力を個別に調整できるワイヤースポーク車輪の特許を取得し、それまでの木製車輪の重量制限を取り払った。1870年前後、イギリスのジェームズ・スターレーらがこの車輪を採用した「アリエル」を発表し、ヒット商品となった[1]

この自転車のペダルとクランクは前輪のハブに直接固定されており、変速の仕組みを持たなかった。ペダル1回転で進む距離は前輪の円周に比例するため、脚で回せる速さに限界がある以上、速度を上げる最も単純な方法は前輪を大きくすることだった[1]

2. 前の 車りんは、せの たかさより 大きく なった

2. 前の車輪は、背の高さより大きくなった

2. 前輪は乗り手の体格に応じて選ばれ、直径1.5mを超えることもあった

この じてんしゃの 前の 車りんは、大きい ものだと 1.5メートルを こえた。おおきい 車りんは、でこぼこ みちの ゆれを やわらげる やくめも あった[2]

この自転車の前の車輪は、大きい物だと1.5メートルをこえた。乗る人の背の高さに合わせて、車輪の大きさを選んで作られた。大きい車輪には、でこぼこ道のゆれをやわらげる役目もあった[2]

前輪の直径は乗り手の脚の長さに応じて選ばれ、大きな物では1.5メートルを超えることもあった。当時のイギリスの道路は舗装が不十分ででこぼこが多く、大きな車輪はある程度のたわみを持つため、路面の凹凸による振動をやわらげる効果もあったとされる[2]

4. のる ことじたいが、れんしゅうの いる わざだった

4. 乗ることじたいが、練習のいるわざだった

4. 座席が高いため、走りながら飛び乗る必要があった

せきが 高い ところに あるので、じてんしゃに のる ことじたいが むずかしかった。うしろに ついた ふみだいに 足を のせて、走りながら せきに とび乗る ひつようが あった[4]

席が高いところにあるので、自転車に乗ることじたいがむずかしかった。うしろについた踏み台に足をのせて、走りながら席にとび乗る必要があった。バランスをとるには、慣れと練習が必要だった[4]

座席が高い位置にあるため、乗車そのものが独特の技術を要した。後輪の車軸付近に取り付けられた小さな踏み台に片足を乗せ、自転車を押して走り出しながら、水平な場所でタイミングを合わせて座席へ飛び乗る必要があった[4]

5. くさりで うごく、あんぜんな じてんしゃが 生まれた

5. くさりで動く、安全な自転車が生まれた

5. 1885年、チェーン駆動の「安全型自転車」が登場する

1885年、ジョン・ケンプ・スターレーと いう 人が、くさり(チェーン)で うしろの 車りんを うごかす、あたらしい じてんしゃを 作った。前と うしろの 車りんの 大きさが おなじで、せきも ひくく、あんぜんだった[5]

1885年、ジョン・ケンプ・スターレーという人が、くさり(チェーン)でうしろの車輪を動かす、新しい自転車「ローバー安全型自転車」を作った。前とうしろの車輪の大きさが同じで、席もひくく、header(前への投げ出し)が起こりにくい、安全な作りだった[5]

1885年、ジョン・ケンプ・スターレーが「ローバー安全型自転車」を発表した。チェーンによる後輪駆動を採用することで、前輪を大きくしなくても、ペダルの回転数に対する速度を歯車の比率で調整できるようになった[5]

前後の車輪の大きさがほぼ同じになったことで、座席の位置は大きく下がり、乗り手の重心も前輪の真上から離れた。この形式は「セーフティ(安全型)自転車」と呼ばれた[5]

6. くうき入りの タイヤが、大きな 車りんを ひつようなく した

6. 空気入りのタイヤが、大きな車輪を必要なくした

6. 1888年の空気入りタイヤで、高輪自転車は姿を消した

1888年、空気を 入れた ゴムの タイヤが 生まれた。これで、小さい 車りんでも、大きな 車りんと おなじくらい らくに 乗れる ように なった。こうして、大きな 前の 車りんの じてんしゃは、すこしずつ 見かけなく なって いった[6]

1888年、ジョン・ダンロップが、空気を入れたゴムのタイヤを実用化した。これで、小さい車輪でも、大きな車輪とおなじくらいらくに乗れるようになった。こうして、危険で乗りにくい大きな前の車輪の自転車は、急速に見かけなくなっていった[6]

1888年、ジョン・ボイド・ダンロップが空気入りタイヤを実用化した。そのおかげで、チェーン駆動の安全型自転車でも、大きな車輪に頼らずに快適な乗り心地が得られるようになった[6]

速さも乗り心地も安全型自転車が上回るようになると、高速だが危険で扱いにくい高輪自転車は急速に姿を消していった[6]

じぶんでも しらべて みる

自分でも調べてみたくなったら

自分でも調べてみたくなったら

三りん車や 一りん車が あったら、車りんに テープなどで しるしを つけて、ペダルを 1かい まわして みよう。しるしが 1しゅう する あいだに、どのくらい すすんだか メジャーで はかって みよう。

三輪車や一輪車があったら、車輪にテープなどで印をつけて、ペダルを1回まわしてみよう。印が1周するあいだに、どのくらい進んだかメジャーで測ってみよう。車輪の大きさ(直径)も測って、大きさと進む距離の関係をたしかめてみよう。

三輪車や一輪車のように、ペダルが車輪に直結した乗り物があれば、車輪にテープで印をつけ、ペダルを1回転させたときに進む距離をメジャーで測ってみよう。車輪の直径も測り、直径と進む距離の関係を確かめれば、高輪自転車の前輪が巨大化していった理由を実感できるはずだ。

しらべた ところ

参考にした情報源

参考にした情報源

  1. フリー百科事典『ウィキペディア』「ペニー・ファージング」、英語版ウィキペディア「Penny-farthing」。 https://ja.wikipedia.org/wiki/ペニー・ファージング https://en.wikipedia.org/wiki/Penny-farthing (1869年にフランスのウジェーヌ・マイヤーがワイヤースポーク車輪の特許を取得したこと、1870年前後にジェームズ・スターレーらが「アリエル」を発表したこと、ペダルとクランクが前輪のハブに直接固定される直接駆動方式であり、前輪を大きくするほど1回転あたりの走行距離が伸びることは日本語版・英語版ウィキペディア双方による)
  2. フリー百科事典『ウィキペディア』「ペニー・ファージング」。 https://ja.wikipedia.org/wiki/ペニー・ファージング (前輪の直径が乗り手の体格に応じて選ばれ、大きな物では1.5メートルを超えることがあったこと、大きな車輪が路面の凹凸による振動をやわらげる効果を持っていたことはウィキペディア「ペニー・ファージング」による)
  3. フリー百科事典『ウィキペディア』「ペニー・ファージング」、英語版ウィキペディア「Penny-farthing」、Lane Motor Museum「High-wheeler replica」。 https://ja.wikipedia.org/wiki/ペニー・ファージング https://en.wikipedia.org/wiki/Penny-farthing https://www.lanemotormuseum.org/collection/bicycles/item/high-wheeler-replica-1870s/ (乗り手の重心が高く前輪の真上に近い位置にあったこと、ブレーキ時や障害物との衝突時に車体の慣性で乗り手が前方に投げ出される事故が起きたことは日本語版ウィキペディアによる。高い重心と短いホイールベースにより前方転倒が起きやすく、これが"taking a header"と呼ばれたことはLane Motor Museumの解説による)
  4. 英語版ウィキペディア「Penny-farthing」。 https://en.wikipedia.org/wiki/Penny-farthing (座席が高い位置にあるため乗車が独特な技術を要したこと、踏み台に足を乗せて走り出しながら座席へ飛び乗る必要があったことは英語版ウィキペディアによる)
  5. フリー百科事典『ウィキペディア』「安全型自転車」、「ペニー・ファージング」、Science Museum Group「Rover Safety Bicycle, 1885」。 https://ja.wikipedia.org/wiki/安全型自転車 https://ja.wikipedia.org/wiki/ペニー・ファージング https://collection.sciencemuseumgroup.org.uk/objects/co25833/rover-safety-bicycle-1885- (1885年にジョン・ケンプ・スターレーが「ローバー安全型自転車」を発表したこと、チェーンによる後輪駆動を採用し前後の車輪が同サイズになったことはScience Museum Groupの所蔵資料による。座席位置が下がり重心が前輪の真上から離れたことはウィキペディア「安全型自転車」「ペニー・ファージング」による)
  6. 英語版ウィキペディア「Penny-farthing」。 https://en.wikipedia.org/wiki/Penny-farthing (1888年にジョン・ボイド・ダンロップが空気入りタイヤを実用化したこと、これにより小さな車輪でも大きな車輪と同等の乗り心地が得られるようになったこと、その後高輪自転車が急速に姿を消していったことは英語版ウィキペディアによる)

なおした ところ

更新履歴

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