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土星の ほかにも、わっかを もつ 星が あるの?

土星だけじゃない惑星の環 ── 木星・天王星・海王星の環が見つかったわけ

木星・天王星・海王星の環 ── 掩蔽観測(1977・1984年)とボイジャー(1979・1989年)から、暗さと寿命まで

分野:宇宙・天文

土星の わっかは、とても ゆうめいです。でも、木星にも 天王星にも 海王星にも、わっかが あります。

どうやって 見つかったのでしょう。それは、遠くの 星が いっしゅん 消えた ことが きっかけの 星も ありました。

惑星の環といえば土星ですが、実は木星、天王星、海王星にも環があります。どれも土星のように目立たず、見つかり方も意外でした。

遠くの星が一瞬消えたことから見つかった環、探査機がたまたま写した環、一か所に固まってしまった環。3つを比べると、環がなぜ残るのか、どれくらい続くのかが見えてきます。

土星以外の巨大惑星3つにも環がある。天王星(1977年)と海王星(1984年)は恒星の掩蔽観測、木星(1979年)は探査機ボイジャー1号で見つかり、海王星の環の全体像は1989年のボイジャー2号が確認した[1][5][7]。

本稿は、発見の経緯と各環の特徴、暗さと寿命の見積もりをNASAなどの資料で整理する。土星の環は比較のために取り上げる。

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1. 天王星を 見て いたら、星の 光が なんども 消えた

1. 天王星の観測中、星の光が何度も消えた

1. 天王星:1977年の掩蔽観測と予想外の環

1977ねん3がつ10か。アメリカの 天文学者たちが、飛行機ひこうきに のって、空の 上から 星を 見て いました。

天王星が、遠くの 星の 前を よこぎる ところです。すると、星の 光が、天王星に かくれる 前と 後に、なんども 消えました[1]。

たとえば、遠くの あかりの 前を、木の えだが 通ると、光が ちらちら 消えますね。天王星の まわりに 細い わっかが あって、それが 光を さえぎった と 考えられました。ただし 本当は、あかりと ちがって 星は とても 遠く、天王星は 動いて います。

この人たちは、わっかを さがして いた わけでは ありません。天王星の まわりの 空気の ようすを 調べる つもりでした[2]。

1977年3月10日、アメリカの天文学者エリオット、ダンハム、ミンクの3人は、空飛ぶ天文台と呼ばれる飛行機に乗っていました。天王星が遠くの星の前を通りすぎる現象を、観測するためです。地上では雲にさえぎられやすいので、雲の上に出られる飛行機から観測したと、天文学者が語っています[2]。

すると、天王星が星をかくす直前と直後に、星の光が何度も消えました。3人は、少なくとも5本の環がある、と結論づけました[1]。

探していたのは、環ではなかった

本当の目的は、星の光が天王星の大気を通るときの弱まり方から、大気の温度や圧力を調べることでした。環は予想外の発見です[2]。その後、データを詳しく解析すると、環は9本になったとされています[2]。

1977年3月10日、エリオット、ダンハム、ミンクは、カイパー空中天文台(航空機搭載の望遠鏡)で、天王星が恒星SAO 158687の前を横切る掩蔽を観測した。恒星は天王星に隠れる直前と直後に複数回暗くなり、3人は少なくとも5本の環の存在を結論づけた[1]。

観測の本来の目的は、恒星の光が天王星の大気で減光する様子から、大気の温度と圧力を求めることだった。環は予想外の副産物であり、その後の解析で本数は9本に増えた[2]。飛行機を使ったのは、地上では雲に遮られることが多いためと、取材で語られている[2]。

現在、天王星の環は13本が知られる。NASAは、内側の9本を細くて暗い灰色の環、外側の2本を、内側が赤みがかり外側が青い環と説明する[3]。外側の2本はハッブル宇宙望遠鏡が2003〜2005年に見つけ、環の系の半径はそれまでの約2倍に広がったという[4]。なお13という総数は、内側9本と外側2本のほかに塵の環などを数えた値とみられ、内訳は資料によって異なりうる。

2. 探査機たんさきが「あれ?」と 気づいた 木星

2. 木星の環は、探査機が偶然写した

2. 木星:1979年ボイジャー1号と、衝突でできる塵

木星の わっかは、1979ねんに、アメリカの 探査機たんさきボイジャー1ごうが 見つけました[5]。NASAは、これを「おどろきだった」と 書いて います。

この わっかは、とても 小さくて くらい つぶで できて います。太陽の 光を うしろから あびて、ななめに 見ないと、ほとんど 見えません[5]。

つぶの もとは、木星の 近くを まわる、小さな 衛星えいせいです。そこへ いん石が ぶつかると、ちりが とびだすと 考えられて います[6]。

わっかの 中の ちりの つぶは、100ねんから 1000ねん ほどで なくなると 見つもられて います。だから、衛星えいせいから ちりが たされないと、わっかは 今の すがたを たもちにくく なります[6]。

たきの 水は 入れかわり つづけて いるのに、たきの 形は かわらないのと、にています。ただし 本当は、たきの 水は 上から 下へ 落ちるだけで、わっかの ちりとは 動きが ちがいます。

木星の環は、1979年に、NASAの探査機ボイジャー1号が発見しました。NASAは「驚きだった」と書いています。小さくて暗い粒でできているので、太陽を背にした逆光の位置からでないと見えにくいそうです[5]。

粒は衛星の「かけら」

環は、主環、ハロ、2本のごく薄い環(ゴッサマー環)の4つの部分に分けられます。主環は半径約12万2500〜12万9000kmの範囲にあり、幅は約6500kmです[6]。

この環の塵は、小さな内側の衛星メティスやアドラステアなどに、隕石が高速でぶつかって飛び出したものと考えられています[5][6]。環の中の塵の粒の寿命は100〜1000年とされ、環は衛星から補われ続けることで保たれている、と説明されています[6]。

木星の環は1979年にボイジャー1号が発見した。NASAは「驚き(a surprise)」と記述し、粒は小さく暗く、太陽を背にした逆光でなければ見えにくいとしている[5]。

環は主環・ハロ・2本のゴッサマー環(アマルテアとテーベ由来)からなる。主環は半径約122,500〜129,000km、幅約6,500kmである[6]。主環とハロの塵は、メティス、アドラステアなどの衛星に、微小な天体が高速で衝突して放出されたものと説明される[6]。

塵の粒径はマイクロメートル単位で、環の中の塵の粒の寿命は100〜1000年とされる。このため、環が現在まで見えているのは、衛星から塵が絶えず供給されているからだ、という解釈になる[6]。二次資料に依る数値であり、原論文は未確認である。

3. 海王星の わっかには、ちりが あつまった ばしょが ある

3. 海王星の環には「弧」がある

3. 海王星:1984年の掩蔽、1989年の確認、弧の謎

海王星の わっかも、まず 星が またたく ことから 見つかりました。1984ねん、ちきゅうから 見て いた 人たちが、海王星が 遠くの 星の 前を 通る とき、星が よぶんに またたくのを 記ろくしました[7]。

でも、わっかの 全体は はっきり しませんでした。そのため、一部だけかもしれない、と 考えられました。1989ねんに、探査機たんさきボイジャー2ごうが 近くを 通って、たしかめました[7]。

NASAによると、海王星には、少なくとも 5本の 大きな わっかが あります。その 中に、ちりが かたまった 「弧こ」と いう ぶぶんが、4つ 知られて います[8]。

弧こは、わっか 全体に ひろがらず、一か所に かたまって います。近くにある 衛星えいせいガラテアの 重力じゅうりょくが、弧こを 安定させて いるらしい と せつめいされて います[9]。

海王星の環も、最初は星の光が消える現象で気づかれました。1984年、地上からの観測で、海王星が遠くの星の前を通る前後に、星の光が余分にまたたきました[7]。ただし、環がぐるりと一周しているのか、一部だけなのかは、はっきりしませんでした。1989年にボイジャー2号が近づいて、環の全体が確かめられました[7]。

塵が一か所に固まった「弧」

NASAは、海王星には少なくとも5本の主要な環と、4つの目立つ弧があると説明しています。弧は、環の一部に塵が固まってできた部分です。フランスの標語にちなんで、リベルテ(自由)、エガリテ(平等)、フラテルニテ(博愛)、クーラージュ(勇気)と名づけられています[8]。

弧が広がらずに保たれるのは、内側の衛星ガラテアの重力がはたらいているためらしい、と考えられています。しかも弧は変化しており、クーラージュの位置が大きく飛んだり、リベルテがほとんど消えたりしたと報告されています[9]。

海王星の環は、1984年に地上から行われた掩蔽観測で、恒星の減光が前後で非対称に記録されたことが最初の手がかりとなった。この観測では環の一部(弧)が示唆された[7]。1989年、ボイジャー2号が環系を確認した。発見者や日付は出典によって記述が異なるため、ここでは年にとどめる。

NASAによれば、海王星には少なくとも5本の主要な環(ガレ、ルヴェリエ、ラッセル、アラゴ、アダムズ)と、アダムズ環の中に塵が固まった4つの弧(リベルテ、エガリテ、フラテルニテ、クーラージュ)がある[8]。

弧が環全体に拡散しない理由として、内側の衛星ガラテアとの42:43の共鳴による安定化が挙げられる。近年の観測では弧は変化しており、クーラージュの位置が8度移動したこと、リベルテがほぼ消えたことが報告されている[9]。消失の年は資料によって2003年・2009年とずれるため、ここでは断定しない。

4. どの わっかも くらくて、長もちしない?

4. 共通するのは暗さ。寿命の見方はそれぞれちがう

4. 暗さと寿命:土星との比較、ハッブルとウェッブ

土星の わっかは、水の こおりと 岩の かけらが 何十おくも あつまって できて います。土星から 282000キロメートル ほど はなれた ところまで ひろがりますが、あつさは 主な わっかで 10メートルほどです[11]。

それに くらべて、天王星の わっかの つぶは、とても くらいと 言われます。光を 反しゃする わりあいは、5〜6パーセント いか だと いう しりょうが あります[4]。

しかも、天王星の わっかは 6おく年より わかい、とされて います[4]。海王星の わっかも、NASAは 「わかくて 長もちしないかもしれない」と 考えて います[8]。

2022ねん、ウェッブ宇宙うちゅう望遠鏡ぼうえんきょうが、海王星の わっかを 30年いじょう ぶりに くっきり うつしました[10]。

土星の環は、水の氷と岩のかけらでできた何十億もの粒で、土星から約282,000kmの距離まで広がりますが、厚さは主環で約10mです[11]。木星、天王星、海王星の環は、それと比べてずっと細く暗いのが特徴です。

とても暗い粒、若い環

天王星の環の粒は、反射率が5〜6%以下で、とても暗いとされます[4]。環の年齢も比較的若く、6億年以内と考えられています。「6億年ちょうど」ではなく上限の見積もりです[4]。海王星の環も、NASAは「比較的若く、寿命が短い」とみています[8]。木星では、環の中の塵の粒の寿命が100〜1000年とされ、環の年齢とは別の話です[6]。

天王星のイプシロン環は、内側と外側にある衛星(コーデリアとオフィーリア)が両側から支え、広がるのを防いでいるとされます[4]。

2022年には、ウェッブ宇宙望遠鏡が海王星の環を30年以上ぶりの鮮明さで写しました。ボイジャー2号以来見えていなかったかすかな塵の帯が、赤外線で初めて撮影されました[10]。

土星の環は、水の氷と岩の破片を主とする数十億の粒からなり、土星から約282,000kmの距離まで広がるが、厚みは主環で約10mとされる[11]。他の3惑星の環は、これに比べて細く暗い。

天王星の環の粒は、幾何アルベドが5〜6%以下、ボンドアルベドが2%以下と報告される[4]。年齢は6億年以内で、上限を示す見積もりである[4]。海王星の環は塵の割合が高く、NASAは「比較的若く、寿命が短い」とみる[8]。木星の環は塵の寿命が100〜1000年で、供給によって維持される[6]。

2022年、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡は、海王星の環を30年以上ぶりの鮮明さで撮影した。ボイジャー2号以来見えていなかった淡い塵の帯が、赤外線で初めて撮影された[10]。

5. どうして 木星の わっかは 目立たないの?

5. 木星の環が目立たない理由は、まだ仮説

5. 未解決:木星の環が貧弱な理由

木星は 太陽の まわりで いちばん 大きい 惑星わくせいなのに、わっかは 土星より ずっと 目立ちません。どうしてでしょう。

2022ねんの けんきゅうで、木星の 大きな 衛星えいせいたちが つくる 力が、わっかを こわす ほうに はたらくのでは、という 考えが 出ました[6]。でも、まだ 予想で、はっきり した 答えでは ありません。

天王星や 海王星の わっかが わかくて 長もちしないなら、今の わっかも 昔からずっと あった わけでは ないのかもしれません。

木星は太陽系で最大の惑星なのに、環は土星よりずっと貧弱です。2022年の研究で、木星の大きな衛星(ガリレオ衛星)がつくる共鳴が、環を不安定にしているためではないか、という説が示されました[6]。ただし、これは仮説の段階です。

天王星の環が6億年以内、海王星の環も若いとされることから、環は土星のようにずっと続くとは限らず、できたり消えたりするものなのかもしれません。

木星の環が土星に比べて貧弱な理由として、2022年の研究は、ガリレオ衛星がつくる共鳴が環を不安定化させている可能性を挙げた。ただしこれは仮説段階にあり、元論文は本稿では未確認である[6]。

天王星(6億年以内)や海王星(寿命が短いとされる)の環の年齢の見積もりは、環が惑星の永続的な特徴ではなく、衛星の破壊や衝突塵の供給で変わる一時的な構造でありうることを示唆する。

自分でも しらべて みたく なったら

自分でも調べてみたくなったら

自分でも調べてみたくなったら

今日できること:くらい へやで、遠くの あかりを 見ます。目の 前で、指を ひろげて ゆっくり ふって みましょう。光が かくれる ようすを 見られます。

公式の ページ:NASAの 木星、天王星、海王星の ページに、わっかの せつめいが あります[5][3][8]。

今日できること:夜、部屋の明かりを消して、離れた電灯や窓の光を見ます。目の前で指を広げてゆっくり振ると、光が隠れる様子を観察できます。天王星の環の観測で光が消えたことの、ごく簡単なイメージづくりです(実際の見え方とは同じではありません)。

出かけてできること:科学館やプラネタリウムに、惑星の環を紹介する展示や番組があるか、公式サイトで調べてみましょう。

公式情報:NASAの木星・天王星・海王星のページ[5][3][8]、ウェッブ宇宙望遠鏡の海王星の画像の解説[10]。

今日できること:暗い部屋で、離れた電灯を光源にし、目の前で細い紙片や指を動かして光の遮られ方を見る。紙片の幅や動かす速さを変え、光が隠れる時間がどう変わるかを記録する。掩蔽観測が「光が隠れる回数とタイミング」から環を見積もる考え方の、身近な模型になる(実際の観測とは規模も条件も異なる)。原資料に当たるなら、Physics Today[1]とSky at Night[2]、海王星の弧はarXiv論文[9]の要旨がある。

公式情報:NASA Science の Jupiter/Uranus/Neptune Facts[5][3][8]、およびウェッブの海王星画像の解説[10]。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

数値の多くは二次資料(Wikipedia)に依っています。NASAの各惑星の環専用ページが見つからなかったため、Factsページと報道記事で補いました。ページの内容は今後変わることがあります。

  1. Physics Today「Discovery of Uranus's rings」 https://physicstoday.aip.org/news/discovery-of-uranus-rings (1977年の発見)
  2. BBC Sky at Night Magazine「40 years of Uranus's rings」 https://www.skyatnightmagazine.com/space-science/40-years-of-uranuss-rings (目的・9本・飛行機の理由)
  3. NASA Science「Uranus Facts」 https://science.nasa.gov/uranus/facts/ (現在の環の構成)
  4. Wikipedia「Rings of Uranus」 https://en.wikipedia.org/wiki/Rings_of_Uranus (外側の環・暗さ・年齢。二次資料)
  5. NASA Science「Jupiter Facts」 https://science.nasa.gov/jupiter/jupiter-facts/ (1979年の発見)
  6. Wikipedia「Rings of Jupiter」 https://en.wikipedia.org/wiki/Rings_of_Jupiter (塵の起源・寿命・2022年の仮説。二次資料)
  7. EarthSky「The definitive discovery of Neptune's rings」 https://earthsky.org/space/this-date-in-science-the-definitive-discovery-of-neptunes-rings/ (海王星の発見)
  8. NASA Science「Neptune Facts」 https://science.nasa.gov/neptune/neptune-facts/ (環と弧)
  9. arXiv:1906.11728 https://arxiv.org/abs/1906.11728 (海王星の弧の変化)
  10. NASA Science「New Webb image captures clearest view of Neptune's rings in decades」 https://science.nasa.gov/missions/webb/new-webb-image-captures-clearest-view-of-neptunes-rings-in-decades (2022年の画像)
  11. NASA Science「Saturn Facts」 https://science.nasa.gov/saturn/facts/ (土星との比較)

なおした ところ

更新履歴

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