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レジの「ピッ」には、どんな しくみが あるの?

POSシステムとはどんなしくみか ── 不正を防ぐレジから、コンビニの工夫まで

POSシステムとはどんなしくみか ── 不正防止のレジから、コンビニの「単品管理」まで

分野:技術

おみせで、店の 人が バーコードを「ピッ」と 読みとる。この いっしゅんの うごきの うらには、じつは 長い れきしが かくれて いる。

アメリカの 酒場から、日本の コンビニまで、レジは どんな 道を たどって きたのだろうか。

レジで店員さんがバーコードを「ピッ」と読み取る。この一瞬の動作の裏には、140年以上前のアメリカの酒場から、日本のコンビニが生み出した独自の工夫まで、意外に長い歴史が隠れている。

POS(ポス)システムとは、いったいどんなしくみなのだろうか。

レジで店員がバーコードを「ピッ」と読み取る。この一瞬の動作の裏には、140年以上前のアメリカの酒場から、日本のコンビニが生み出した独自の発注術まで、意外に長い歴史が隠れている。

POS(Point of Sale、販売時点情報管理)システムとは何なのか、その正体をたどる。

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1. 酒場の 人が 作った「ごまかせない レジ」

1. 1879年、酒場の主人が作った「不正のできないレジ」

1. 1879年、酒場の主人が作った「不正のできないレジ」

1871年、アメリカの まちで さかばを ひらいた ジェームズ・リッティは、こまって いた。じゅうぎょういんが、お客から あずかった お金を、こっそり ぬすんで いるのでは ないかと うたがって いたのだ[1]。

1878年、ヨーロッパへ 行く 船の 中で、リッティは、船の エンジンの まわる かいすうを きろくする そうちに 目を とめた。この しくみを、さかばの うりあげを きろくする きかいに つかえないかと 考えたのだ[1]。おとうとと いっしょに つくった この きかいは、1879年に とっきょを とり、「ごまかせない お金あずかり(インコラプティブル・キャッシャー)」と 名づけられた[1]。

この レジの しごとは うまく いかず、リッティは 1881年に けんりを てばなして しまう。1884年、あたらしい もちぬしの もとで、会社は「ナショナル・キャッシュ・レジスター(NCR)」として 生まれかわり、レジは せかいじゅうの 店に 広がって いった[1]。

1871年、アメリカのオハイオ州で酒場を開いていたジェームズ・リッティは、悩みを抱えていた。従業員が、客から受け取ったお金の一部をこっそりぬすんでいるのではないかと疑っていたのだ[1]。

1878年、ヨーロッパへ向かう船の旅の途中、リッティは、船のエンジンの回転数を数える装置に目をとめた。この仕組みを、酒場の売上を記録する機械に応用できないかと考えたのである[1]。弟のジョンといっしょに開発したこの機械は、1879年に特許を取り、「不正のできないお金あずかり係(インコラプティブル・キャッシャー)」と名づけられた[1]。

このレジの事業はうまくいかず、リッティは1881年に権利を手放してしまう。1884年、新しい持ち主のもとで会社は「ナショナル・キャッシュ・レジスター(NCR)」として生まれ変わり、レジは世界中の店に広まっていくことになる[1]。

1871年、アメリカ・オハイオ州で酒場を営んでいたジェームズ・リッティは、悩みを抱えていた。従業員が、客から受け取った代金の一部を着服しているのではないかと疑っていたのだ[1]。

1878年、ヨーロッパへ向かう船の旅の途中、リッティは船のエンジンの回転数を記録する装置に目をとめた。この仕組みを、酒場の売上を記録する機械に応用できないかと考えたのである[1]。弟のジョンとともに開発し、1879年に特許を取得したこの機械は、「不正のできない金銭出納係(インコラプティブル・キャッシャー)」と名付けられた[1]。

このレジ事業は軌道に乗らず、リッティは1881年に権利を手放してしまう。1884年、新たな所有者のもとで会社は「ナショナル・キャッシュ・レジスター(NCR)」として生まれ変わり、レジは世界中の店に広まっていくことになる[1]。

2. しま もようの ふごう が生まれた 日

2. バーコードの誕生 ── 1974年、最初にスキャンされた商品

2. バーコードの誕生 ── 1974年、最初にスキャンされた商品

レジは 長い あいだ、店の 人が きんがくを 手で うちこむ きかいの ままだった。この じょうきょうを かえたのが、しょうひんごとに いんさつされた しま もようの ふごう、バーコードだ。1973年、アメリカの IBMしゃの ジョージ・ローラーと いう 人が、12けたの すう字を あらわす しかくい バーコード「UPC」を かんがえた[2]。

1974年6月26日 ごぜん8じ1ぷん、アメリカ・オハイオしゅうの スーパーマーケットで、ガムの ふくろが、UPCバーコードで よみとられた、せかい さいしょの しょうひんに なった[3]。たんとうしゃは、どんなに 小さな しょうひんでも バーコードが つかえる ことを しめす ために、あえて ガムを えらんだと いう[3]。

バーコードと レジが むすびついた ことで、店は お金を けいさんするだけで なく、「いつ、何が、いくつ 売れたか」を じどうで きろくできるように なった。これが、POSしすてむの もとに なる かんがえかただ。

レジは長いあいだ、店員さんが金額を手で打ちこむ機械のままだった。この状況を変えたのが、商品ごとに印刷されたしま模様の記号、バーコードだ。1973年、アメリカのIBM社の技術者ジョージ・ローラーが、12けたの数字を表す長方形のバーコード「UPC(ユニバーサル・プロダクト・コード)」を考えた[2]。

1974年6月26日午前8時1分、アメリカ・オハイオ州の食料品店で、ガムの10個入りパックが、UPCバーコードでスキャンされた、世界初の商品となった[3]。担当者は、どんなに小さな商品でもバーコードが使えることを示すために、あえてガムを選んだという[3]。

バーコードとレジが結びついたことで、店はお金を計算するだけでなく、「いつ、何が、いくつ売れたか」を自動的に記録できるようになった。これが、POSシステムのもとになる考え方だ。

レジは長いあいだ、店員が金額を手で打ち込む機械のままだった。この状況を変えたのが、商品ごとに印刷された縞模様の記号、バーコードである。1973年、アメリカのIBM社の技術者ジョージ・ローラーが、12桁の数字を表す長方形のバーコード「UPC(ユニバーサル・プロダクト・コード)」を考案した[2]。

1974年6月26日午前8時1分、アメリカ・オハイオ州トロイの食料品店で、リグレー社のジューシーフルーツガムの10個入りパックが、UPCバーコードでスキャンされた世界初の商品となった[3]。担当者のクライド・ドーソンは、どんなに小さな商品でもバーコードが使えることを証明するために、あえてこの商品を選んだという[3]。

バーコードとレジが結びついたことで、店は単に代金を計算するだけでなく、「いつ、何が、いくつ売れたか」を自動的に記録できるようになった。これが、POS(Point of Sale、販売時点情報管理)システムの土台である。

3. 日本の コンビニが かえた「レジの いみ」

3. 日本のコンビニが変えた「レジの意味」

3. 日本のコンビニが変えた「レジの意味」

日本の セブン-イレブンは、1982年に POSしすてむを 入れた[4]。それまで、POSは 多くの 店で、レジうちの まちがいを ふせぐ ための きかいと して つかわれる ことが 多かった。しかし、セブン-イレブンは、入れて 分かった じょうほうを もとに、「この しょうひんは、こういう りゆうで 売れる はずだ」と よそうして はっちゅうし、じっさいの うれゆきという けっかを たしかめて、つぎの はっちゅうに いかすという、たんぴんかんりの やりかたを つくって いった[4]。この やりかたは、せかいでも めずらしい こころみだったと される[4]。

日本のセブン-イレブンは、1982年にPOSシステムを導入した[4]。それまで、POSは多くの店で、レジ打ちの間違いを防ぐための機械として使われることが多かった。しかし、セブン-イレブンは、導入して得られたデータをもとに、「この商品は、こういう理由で売れるはずだ」と予想して発注し、実際の売れ行きという結果を確かめて次の発注に生かすという、単品管理のやり方を作っていった[4]。このやり方は、世界でも珍しい試みだったとされる[4]。

日本のセブン-イレブンは、1982年にPOSシステムを導入した[4]。それまで、POSは多くの小売店で、レジの打ち間違いを防ぐための機械として使われることが多かった。しかし、セブン-イレブンは、導入して得られたデータをもとに、「この商品は、こういう理由で売れるはずだ」という仮説を立てて発注し、実際の売れ行きという結果を検証して次の発注に生かすという、単品管理のサイクルを築いていった[4]。このサイクルは、世界でも例のない試みだったとされる[4]。

4. お店が「売れる もの」を 見分ける しくみ

4. 売れ筋と死に筋を見分ける ── 「単品管理」という手法

4. 売れ筋と死に筋を見分ける ── 「単品管理」という手法

この やりかたは、のちに「たんぴんかんり」と よばれるように なる。しょうひんを「おにぎり」や「おべんとう」と いった 大きな なかまで まとめず、1つ 1つの しょうひんごとに、うれゆきを きろく・分せきする 考えかただ[5]。

POSの きろくには、その しょうひんを 買った お客の せいべつ・年れい・買った 時こく・その 日の 天気までが のこされた[4]。本だなに たくさんの 本を ならべた とき、よく 読まれる 本は のこして、だれも 読まない 本は べつの 本と いれかえるように、たんぴんかんりは、店に ある しょうひんの 中から「売れる もの」と「売れない もの」を、より 早く 正かくに 見分ける ことを かのうに した[4]。セブン-イレブンでは、1年で およそ 7わりの しょうひんが 入れかわると いい、売れる ものを 切らさないように しながら、売れない ものを 早く たなから 外せるように なった[4]。

このやり方は、のちに「単品管理(たんぴんかんり)」と呼ばれるようになる。商品を「おにぎり」や「弁当」といった大きな分類でまとめず、1つひとつの商品ごとに、売れ行きを記録・分析する考え方だ[5]。

POSの記録には、その商品を買った客の性別・年齢・買った時刻・その日の天気までが残された[4]。本だなにたくさんの本を並べたとき、よく読まれる本は残し、だれも読まない本は別の本と入れかえるように、単品管理は、店にある商品の中から「売れ筋商品」と「死に筋商品」を、より速く正確に見分けることを可能にした[4]。セブン-イレブンでは、1年でおよそ7割の商品が入れかわるといい、売れ筋商品を切らさないようにしながら、売れない商品を早く棚から外せるようになった[4]。

この手法は、後に「単品管理(たんぴんかんり)」と呼ばれるようになる。商品を「おにぎり」や「弁当」といった大きな分類でなく、1つひとつの商品ごとに、売れ行きを記録・分析する考え方だ[5]。

POSのデータには、その商品を買った客の性別・年齢・購入した時刻・その日の天候までが記録された[4]。本だなにたくさんの本を並べたとき、よく読まれる本は残し、だれも読まない本は別の本と入れかえるように、単品管理は、店にある商品の中から「売れ筋商品」と「死に筋商品」を、より速く正確に見分けることを可能にした[4]。セブン-イレブンでは、年間でおよそ7割の商品が入れ替わるといい、売れ筋商品の欠品を防ぎながら、売れない商品を棚から早く外すことができるようになった[4]。

5. 今の レジは、どこまで すすんだの

5. 今のPOSは、どこまで進化したのか

5. 今のPOSは、どこまで進化したのか

今の POSしすてむは、レジでの けいさんだけで なく、インターネットの さきに ある コンピューターに じょうほうを おくって ためて おく「クラウドPOS」として つかわれる ことが 多く なって いる[6]。お客が じぶんで しょうひんを 読みとる セルフレジも、POSしすてむが すすんだ すがたの 1つだ[6]。1879年、たった 1台の さかばの きかいから はじまった「うりあげを きろくする」と いう かんがえは、今では せかいじゅうの 店の けいえいを ささえる しすてむへと すがたを かえて いる。

今のPOSシステムは、レジでの計算だけでなく、インターネットの先にあるコンピューター(クラウド)に情報を送ってためておく「クラウドPOS」として使われることが多くなっている[6]。お客が自分で商品を読み取るセルフレジも、POSシステムが進化した姿の1つだ[6]。1879年、たった1台の酒場の機械から始まった「売上を記録する」という考えは、今では世界中の店の経営を支えるシステムへと姿を変えている。

現在のPOSシステムは、レジでの会計だけでなく、インターネットを介してデータをクラウドサーバーに保存する「クラウドPOS」として使われることが増えている[6]。セルフレジも、POSシステムが進化した形の1つとされる[6]。1879年、たった1台の酒場の機械から始まった「売上を記録する」という発想は、いまや世界中の店の経営を支える情報システムへと姿を変えている。

つぎに 「ピッ」を 聞いたら、思い出して みよう

自分でも調べてみたくなったら

自分でも調べてみたくなったら

つぎに 店で バーコードが「ピッ」と 読みとられる 音を 聞いたら、その じょうほうが どこへ 送られて いるのか、すこし そうぞうして みよう。近くの コンビニで、きせつや 天気によって しょうひんの ならびかたが かわって いる ことに 気づいたら、それも たんぴんかんりの せいかかも しれない。

次に店でバーコードが「ピッ」と読み取られる音を聞いたら、その情報がどこに送られているのか、少し想像してみよう。近所のコンビニやスーパーで、季節や天気によって商品の並べ方が変わっていることに気づいたら、それも単品管理の成果かもしれない。興味を持ったら、セブン-イレブンやPOSの歴史について、図書館で調べてみるのもいい。

次に店でバーコードが「ピッ」と読み取られる音を聞いたら、その情報がどこに送られ、何に使われているのか、少し想像してみよう。近所のコンビニやスーパーで、季節や天気によって商品の並べ方が変わっていることに気づいたら、それも単品管理の成果かもしれない。興味を持ったら、セブン-イレブンやPOSの歴史について、図書館や博物館のウェブサイトで調べてみるのもいい。

しらべた ところ

参考にした情報源

参考にした情報源

  1. English Wikipedia「James Ritty」。 https://en.wikipedia.org/wiki/James_Ritty (1871年にオハイオ州デイトンで酒場を開いたこと、従業員による着服を疑ったこと、1878年の蒸気船旅行中に船の推進器の回転数を数える装置を見て着想を得たこと、1879年11月4日に特許を取得したこと、「不正のできないお金あずかり係」という名称、1881年に権利を売却し1884年にナショナル・キャッシュ・レジスター社になったことは同出典による)
  2. English Wikipedia「Barcode」。 https://en.wikipedia.org/wiki/Barcode (IBMの技術者ジョージ・ローラーがUPCのデザインを設計したこと、1973年4月3日にIBM方式のUPCが業界標準として選ばれたことは同出典による)
  3. HISTORY「Pack of Chewing Gum Becomes First-Ever Item Scanned With a UPC Barcode」。 https://www.history.com/this-day-in-history/june-26/barcode-scanner-invention-first-use (1974年6月26日午前8時1分、オハイオ州トロイのマーシュ・スーパーマーケットでリグレー社のジューシーフルーツガム10個入りパックがUPCバーコードでスキャンされた世界初の商品になったこと、担当者クライド・ドーソンがどんなに小さな商品でもバーコードが使えることを示すためにこの商品を選んだことは同出典による)
  4. 日本産業技術史学会「戦後日本のイノベーション100選:コンビニエンスストア」。 https://koueki.jiii.or.jp/innovation100/innovation_detail.php?eid=00025&age=high-growth&page=keii (1982年にセブン-イレブンがPOSシステムを導入したこと、導入して得られたデータをもとに仮説を立てて発注し結果を検証する「単品管理」のサイクルを築いていったこと、それが世界的にも例のない試みだったとされること、顧客の性別・年齢・購入時刻・天候まで記録・分析されたこと、年間およそ7割の商品が入れ替わることは同出典による)
  5. 日本語版 Wikipedia「単品管理」。 https://ja.wikipedia.org/wiki/単品管理 (単品管理が、商品をブランド・サイズ・色などで識別される1品ごとに、売上・在庫・利益を管理する手法であることは同出典による)
  6. スマレジ「POSレジの歴史 レジスターとPOSシステム」。 https://smaregi.jp/learn/pos_history.php (クラウド型のPOSシステムが端末にソフトウェアを入れてクラウドサーバーにデータを保存する形態であり市場で成長していること、セルフレジがPOSレジの進化形態の1つとされることは同出典による)

なおした ところ

更新履歴

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