1. ふうとうの 字を、だれが よんで いるの?
1. 手紙の宛先は、ただの文字と番号にすぎない
1. 問い ── 文字だけの宛先で、なぜ届くのか
ふうとうに かいて あるのは、住所と 名前と、たいてい 7つの 数字です。ちずも、電話ばんごうも ありません。
それでも、ポストに 入れた てがみは、なん日か あとに 遠くの 家の 前に つきます。だれかが ぜんぶ おぼえて いるわけでは ありません。
ひみつは、人と 機械が やくわりを わけて いる ところに あります。まず、むかしの ゆうびんから 見て みましょう。
封筒の表には、住所、名前、そして多くの場合は7桁の郵便番号が書かれています。地図も、経路の指示もありません。それでも、ポストに入れた手紙は、数日後に遠くの家に着きます。
配達の人が日本中の住所を暗記しているわけではありません。人と機械が役割を分けて、宛先を段階的に読み替えていく仕組みがあります。その入口は、明治の初めまでさかのぼります。
封筒に書かれる情報は、住所、氏名、多くは7桁の郵便番号にすぎない。経路の指示はない。それでも書状は全国のどこへでも届く。
この記事では、制度(1871年)、番号(1968年)、機械(区分機とバーコード)の3つを順に見る。宛先の文字が、機械の読める情報へと段階的に変換されていく過程が、答えの中心になる。
2. まえじまさんが、切手と ポストを 作った
2. 1871年、切手とポストと「同じ料金」の郵便が始まる
2. 近代郵便の成立(1871〜1873年)── 切手・ポスト・全国均一料金
日本で、今の 形の 郵便が はじまったのは、1871年です。明治4年に あたります。まえじま ひそかさんという 人が、力を つくしたと されて います[1]。
「ゆうびん」や「切手」という 名前も、まえじまさんが 考えたと つたえられて います[1]。
そのころ、手紙は 国が はこぶ 仕組みでした。お金を さきに はらって 切手を はり、ポストに 入れると、あて先の 家まで はこんで くれます。はじめは、どこへ 送るかで りょうきんが ちがって いましたが、2年 あとの 1873年に、遠くても 近くても 同じ りょうきんに する ことが はじまったと されます[1]。
たとえば、バスに のる とき、どこで おりても 同じ りょうきんだったら、行き先を 気に せずに のれますよね。手紙も 同じです。ただし 本当は、りょうきんの 話で、手紙の はこび方の 話では ありません。
3. ゆうびんばんごうは、しわけを 早く ただしく する 番号だった
3. 1968年、仕分けを能率的で正確にするための郵便番号
3. 郵便番号制度の導入(1968年)── 区分作業の能率化と正確さが目的
ゆうびんばんごうが できたのは、1968年です。さいしょは 5けたで、ところに よっては 3けたでした[2]。
この 番号の ねらいは、てがみの しわけを 早く、まちがいなく する ことでした[2]。
同じ 年の 7月1日、東京中央ゆうびんきょくで、番号を 読みとって しわける 機械が うごき はじめました。人が 手で やる ときの 7ばいくらいの はやさだったと いわれて います[3]。
「番号」は、しわけを 早く まちがいなく する ための あいずで、きかいの しわけにも つかわれます。
4. 住所は、見えない バーコードに なる
4. 住所を透明なインクのバーコードに置き換える
4. 区分機とバーコード ── 住所全体を透明インクで印字する
今の ゆうびんばんごうは 7けたです。1998年に、5けたから ふえました[2]。3けた目と 4けた目の あいだに、ハイフンを 入れます[4]。
しわけの 機械は、番号と あて名を いっしょに 読みとります。そして、住所ぜんぶを あらわす バーコードを、とうめいな インクで ふうとうに いんじします[5]。
そのあとの しごとは、この バーコードを 読んで すすめます[5]。ふうとうの あて名の 字を、なんども 読み直す わけでは ありません。
ふつうの 目には 見えない インクなので、いつもの ふうとうに、じつは こっそり しるしが ついて います。
5. 配たつする 人の 手もとまで、きかいが ならべる
5. 配達する人の手元まで、機械が順番を並べる
5. 配達順への並べ替えと、OCRの処理能力
バーコードを 読んだ きかいは、てがみを 行き先ごとに わけます。さいごの ゆうびんきょくでは、てがみを くばる じゅんばんに ならべる ところまで、きかいが します[5]。
だから、くばる 人は、頭の 中で みちすじを 考えなくても、ならんだ じゅんに 家を まわれます。ただし、この 仕組みが つかわれるのは、バーコードが つけられた てがみです。まだ ついて いない ものは、くばる がわで いんじします[5]。
ひとつの きしゅでは、1時間に さいだい 4万通も しわけられると 書かれて います[6]。日本じゅうの へいきんでは ありません。
6. 番号が ないと、どうなるの?
6. 番号がなくても届くのか、読めない字はどうなるのか
6. 残る問い ── 番号なし・判読不能の宛先の処理
ここまでで、「番号を 書くと、きかいが しわける」ことは わかりました。では、番号が ない てがみや、読みにくい 字は どうなるのでしょう。
この 記事で 使った しりょうには、その くわしい やり方は 書かれて いませんでした。だから、ここでは 答えを 決めません。
ここまでで、番号と住所を機械が読み、バーコードに置き換えて仕分けることが分かりました。では、郵便番号のない宛先や、乱れた字の手紙はどうなるのでしょうか。
今回使った資料には、その処理手順の説明がありません。番号を書けば機械が読み、番号がない場合の処理は、今回確認した資料では分かりません。答えを知りたいときは、日本郵便の説明を読むとよいでしょう。
本記事の資料では、郵便番号のない宛先や判読不能な手書きの処理手順は確認できていない。番号なしでも届くのか、機械が読めなかった場合に人が読む手順があるのかは、日本郵便の公式説明で確かめる必要がある。
ここまでの整理では、宛先の文字は郵便番号・あて名の読み取りを経て、透明インクのバーコードに変換され、配達順の並べ替えまで機械が担う、という流れがある。ただし、番号なしの処理まで同じ流れに乗るかは、資料の範囲外だ。
7. じぶんの ちかくで、たしかめて みよう
7. 手元の封筒と資料で、確かめてみる
7. 出口 ── 手元の郵便物を観察する/実物を見る
おうちに とどいた ふうとうや はがきを 見せて もらいましょう。ゆうびんばんごうの わくと、あて名が どこに かいて あるか 見て みます。
つぎに、ばんごうを 1つ えらんで、日本ゆうびんの 「ゆうびんばんごうを さがす」ページ(日本語)に 入れて、どの 町か たしかめます。ちかくの 友だちの 家の ばんごうと 数字が どこまで 同じか、くらべても おもしろいです。
ふうとうに ある 数字を 見る だけで、おとなの人に きいたり、しらべたり できます。
家に届いた封筒やはがきを見せてもらい、郵便番号の欄と宛名の位置を見てみてください。透明なインクは肉眼では見えませんが、その手紙が機械に通されていることは、手元の封筒に想像できます。
そのうえで、自分の家の郵便番号を、日本郵便の郵便番号検索(日本語のページ)に入れ、どの町域が表示されるか確かめます。隣の町の番号と、数字がどこまで同じで、どこから違うかを比べると、番号が地域をどう区切っているかが見えてきます。
実物を見るなら、郵政博物館は、1996年製の「郵便物あて名自動読取区分機」を収蔵している資料として、文化遺産オンラインで紹介されています[8]。
しらべた もとの じょうほう
参考にした情報源
参考にした情報源と、その使い方
出典について:コトバンクの2項目、現代ビジネスの記事、日本郵便の郵便番号マニュアル2章、総務省の資料、LogiToday、文化遺産オンラインを使った。均一料金制の年と「約7倍」は、コトバンクと報道記事に基づく。
- コトバンク「前島密」。https://kotobank.jp/word/前島密-121430 (創設への尽力、名称の考案、全国均一料金について)
- コトバンク「郵便番号」。https://kotobank.jp/word/郵便番号-144882 (1968年の導入と目的、1998年の7桁化について)
- 現代ビジネス「郵便番号制度が始まる(1968年)」。https://gendai.media/articles/-/55962 (東京中央郵便局での区分機の運転開始と速さについて)
- 日本郵便「郵便番号マニュアル」第4章。http://www.post.japanpost.jp/service/search/zipcode/zipmanual/p04.html (7桁の構成について)
- 日本郵便「郵便番号マニュアル」第6章。http://www.post.japanpost.jp/service/search/zipcode/zipmanual/p06.html (バーコードの印字と配達順の並べ替えについて)
- LogiToday「TT-2000 区分機」の記事。https://www.logi-today.com/919420 (OCR区分機の処理能力について)
- 総務省 郵政関係資料。https://www.soumu.go.jp/yusei/pdf/h18_d01.pdf (1871年の近代郵便の開始について)
- 文化遺産オンライン「郵便物あて名自動読取区分機」(郵政博物館所蔵)。https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/180087 (実物の収蔵について)
なおした ところ
更新履歴
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