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ここにあるのは、だれかが実際に調べ、考え、作ってきたことを集めたメモです。気になったら、ページの下の「参考にした情報源」から、もとの本や記事、それを生み出した人たちに、直接ふれてみてください。このメモには書ききれないおもしろさが、そこにあります。

ブレーキを ポンポン ふむのは、いまの 車でも しないと いけないの?

ポンピングブレーキは、ABSのある今の車でも必要なのか

ポンピングブレーキは今も必要か ── ロック防止の足の技と、後続車への合図

分野:技術

ブレーキを ポンポンと、何回かに 分けて ふむ。ところが、ABSの ついた 車で 急ブレーキを かける ときは、「ポンポンせずに、ずっと 強く ふみ つづけて」と 案内あんないされて います[5]。同じ ふみ方なのに、どうして 反対の ことを 言われるのでしょう。

ポンポンふみには ねらいが 2つ あって、ABSに 役目を わたした ほうと、いまも 使える ほうが あります。その わけが 分かります。

教習所で習う「ブレーキを何回かに分けて踏む」操作。ところが、ABSの付いた車で急ブレーキをかけるときは、逆に「ポンピングせず、できるだけ強く踏み続ける」よう案内されています[5]。同じ踏み方なのに、なぜ正反対のことを言われるのでしょう。

実は、ポンピングは「急ブレーキでのロック防止」と「ゆるやかな減速での後ろの車への合図」という、別々の使い方として紹介されています。ABSに役目を渡したものと、今も使えるものの分かれ目が分かります。

ブレーキを数回に分けて踏むポンピングは、ABS(アンチロック・ブレーキ・システム)車の急ブレーキでは、逆に「できるだけ強く踏み続ける」ことが求められる[5]。同じ「踏む・ゆるめる」が、なぜ正反対の指示に変わるのか。

理由は、この操作に別々の目的が二つ重なっていたことにある。ロックを避ける足の技としての役目がABSに移った経緯と、後続車への合図としての役目が残る理由が分かる。

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1. ポンポンふみには、どんな ねらいが あるの?

1. 同じ「ポンポン踏み」に、ねらいが二つ重なっていた

1. 一つの操作に、別々の目的が二つ重なっている

ポンピングブレーキは、ブレーキを 一気に ふみ つづけず、ふんで ゆるめて、また ふむ ことを くりかえす やり方です[1]。

ねらいは、ふたつ あります。ひとつ目は、ABSの ない 車で、タイヤが 回らなく なる「ロック」を さける こと。ふたつ目は、ブレーキランプを 何回か ひからせて、後ろの 車に「ゆっくり なるよ」と 知らせる ことです[2]。この ふたつは、べつの しごとです。

では、いまの 車では どうでしょう。ABSの ある 車で 急ブレーキを かける ときは、できるだけ 強く ふみ つづけるのが きほんです[5]。ロックを さける しごとは、ABSが 引き受けて いるからです。

そして、後ろの 車への 合図は、いまも 使えると 紹介しょうかいされて います。ランプが ちかちか すると 後ろの 車への 合図に なる、と 運転の ルールを まとめた 本に 書かれて いるそうです[2]。

ひとつ目の ロックを さける しごとは、なぜ 大事だったのでしょう。

ポンピングブレーキとは、ブレーキペダルを踏みっぱなしにせず、踏んでゆるめてをくり返して減速する操作です[1]。

この操作には、目的が二つあるとされます。一つは、ABS(急ブレーキでタイヤが止まるのを防ぐ装置)がなかった時代の車で、タイヤのロックを避けること。もう一つは、ブレーキランプを何度か光らせて、後ろの車に減速や停止を知らせることです[2]。この二つは別物として区別して説明する解説もあります。

今の車に当てはめると、答えは二つに分かれます。ABS付きの車で急ブレーキをかけるなら、ポンピングはせず、できるだけ強く踏み続けるのが基本です[5]。ロックを防ぐ役目は、ABSが引き受けているからです。

一方、それほど急ではない減速のときの、後ろの車への合図としての使い方は、今も紹介されています。教則には、ブレーキ灯が点滅して後続車への合図になるという趣旨の記述があると、報道の中で引用されています[2]。

では、ABSが引き受けた「ロックを防ぐ」とは、そもそも何を防いでいるのでしょうか。

ポンピングブレーキは、ブレーキペダルを踏み続けずに、踏む・ゆるめるをくり返して車の滑りを防ぎながら減速する操作とされる[1]。ただし、この一語で指される目的は一つではない。

解説によれば目的は二つある。一つは、ABSのない車で急ブレーキをかけたときにタイヤのロックを避けること。もう一つは、ブレーキランプを複数回点灯させて、後続車に減速や停止を知らせること(予備制動・予告制動)である[2]。前者はタイヤと路面の間の力の問題、後者は車どうしの情報伝達の問題で、両者を別物として区別する解説もある。

この区別が、冒頭の矛盾を解く。ABS車の急ブレーキで「踏み続ける」よう案内されるのは[5]、前者の役目をABSが引き受けているからだ。人の足でロックを避ける必要がなくなっただけで、後者の合図の役目は消えていない。教則には、ブレーキ灯の点滅が後続車への合図となる、という趣旨の記述があると、報道で引用されている[2]。

では、ABSが肩代わりした「ロックを避ける」の中身は、何なのか。

2. タイヤが 止まると、どうして こわいの?

2. 急ブレーキでタイヤが止まると、ハンドルが効かなくなる

2. ロックすると横向きの力が失われる ── 回りながら止めるほうがよく止まる

前の 道に 人や 物が とびだして きた とき、ブレーキを ぐっと ふむと、タイヤが 回らなく なる ことが あります。これが ロックです。

ロックした タイヤは、ハンドルを 切っても、横に 曲がる 力が 出にくく なります。ブレーキを かけて いるのに、よけたい ほうへ 曲がれなく なるのです[3]。

タイヤが 少し 回って いる ほうが、止まる 力は 強く なります。回る 力の 一部が のこって いる あたりで、いちばん 止まる 力が 大きく なる、という 目安が あります[3]。ただし 道の 様子で かわるので、きまった 数では ありません。

そこで、ABSの なかった 車では、ふんで ゆるめてを くりかえして、ロックの 手前に タイヤを もどす 足の わざが 使われて きました[1]。これが ポンピングの、ひとつ目の 役目です。

この 足の わざを、機械きかいに まかせたら、どう なるのでしょう。

前方に急に人や物が出てきて、思い切りブレーキを踏んだとします。タイヤの回転が止まる「ロック」が起きると、ハンドルを切っても横向きの力が出にくくなり、障害物を避けられなくなります[3]。止まりたいのに、曲がって避けることもできなくなるのが、ロックのこわさです。

しかも、完全に回転が止まったタイヤは、止める力の面でも最善ではありません。一般的なタイヤでは、タイヤが路面に対して滑る割合(スリップ率)が20%前後のあたりで、摩擦の大きさが最大になり、ロック(100%)に近づくほど下がるとされます[3]。この数字は路面やタイヤで変わる目安で、固定値ではありません。

つまり、「少し回りながら止まる」ほうが、よく止まりやすく、ハンドルも効きやすくなります。ABS以前の車では、運転者が足でペダルを踏んでゆるめ、ロックの手前にタイヤの状態を戻すことが、ポンピングの第一の役目でした[1]。

この足の技を、機械が代わりにやったらどうなるのでしょうか。

急ブレーキでタイヤがロックする、つまり回転が止まって路面を滑ると、ハンドルを切っても横向きの力(コーナリングフォース)が出にくくなり、危険を避けにくい[3]。止める力と曲がる力は、同じタイヤの限られた摩擦を分け合っているため、ロックでは曲がる力のほうが失われる。

止める力のほうも、完全なロックで最大になるわけではない。一般的なタイヤでは、スリップ率が20%前後で摩擦係数が最大になり、100%のロックに近づくほど下がるとされる[3]。この値は路面の状態やタイヤで変わる目安で、固定値として扱えない。要するに、ロックしない程度に回っているほうが、止める力も曲がる力も得やすいと考えられる。

ポンピングも、後に出てくるABSも、この「ロックの手前に保つ」ことを狙いにしている点は共通する。ABS以前は、それを運転者の足の加減だけで実現するしかなかった[1]。足でペダルを踏んでゆるめれば、そのたびに車輪への制動力が減り、車輪が回転を取り戻す、という考え方である。ただし、どの程度の頻度で踏むのがよいかは路面で変わる。

では、同じ操作を機械が行うと、どこまで速く細かくできるのか。

3. ABSは、足の わざを どれくらい はやく やるの?

3. ABSはブレーキの圧力を毎秒最大40回調整する

3. ABSによる自動化 ── 毎秒最大40回の増減圧と、「踏み続ける」ことの意味

ABSは、ロックしそうな タイヤの ブレーキの 力を さげて、また あげる ことを、1びょうに 多い ときで 40回 くりかえします[4]。人が 足で する ポンピングを、もっと はやく 細かく、じどうで やって いる ようなものです。

40回は、1回が 0.025びょう(1÷40)の はやさです。人の 足で、これほど 細かく ふんだり ゆるめたり するのは むずかしいと 考えられます。

ドイツの ボッシュ社は、じぶんの 会社が、車の 会社と いっしょに 作った ABSを、1978年に 世界で はじめて 売りだした、と 説明せつめいして います[8]。

ABSが はたらくと、ペダルが ぶるぶる したり、「グググ」と 音が したり します。これは こしょうでは ありません。国土交通省こくどこうつうしょうは、そんな ときも できるだけ 強く ふみ つづける ように 案内あんないして います[5]。

つまり、ポンピングの ひとつ目の 役目は、ABSの ある 車では 機械きかいが 引き受けました。では、ポンポンふみは もう いらないのでしょうか。

ABSは、車輪がロックしそうになると、その車輪のブレーキの圧力を下げ、また上げる動作をくり返します。この回数は最大で毎秒40回と、メーカーのボッシュは説明しています[4]。人が足でするポンピングの「踏んでゆるめる」を、ペダルではなくブレーキの圧力で、より速く細かく自動で行うものと考えると分かりやすいでしょう。

「最大」毎秒40回ですから、いつも40回ではありません。仮に毎秒40回なら、1回は1÷40で0.025秒です。人の足でこれほど細かく調節し続けるのは難しいと考えられます。ABSの開発には、この速さを機械の側に任せる意味があります。ボッシュは、1978年に自動車業界と開発したABSを世界で初めて市場に出した供給者だと述べています[8]。

ABS付きの車では、踏み方の指示が逆になります。国土交通省は、ABSが働いたときのペダルの振動や「グググ」という音は故障ではなく、ABSを効果的に働かせるために、できるだけ強く踏み続けることが必要だと案内しています[5]。

これでロックを避ける役目はABSに移りました。それでもポンポン踏みが教習所で話題になるのは、もう一つの役目が残っているからです。

ABSは、車輪がロックしそうになるとそのブレーキ圧を下げ、再び上げる動作をくり返す。ボッシュの説明では、この増減は最大で毎秒40回に及ぶ[4]。人がペダルを踏みかえて行うポンピングの代わりに、ABSはブレーキの圧力そのものを、より速く細かく自動で調整する。ここでの「最大」は上限値であって、常に毎秒40回という意味ではなく、メーカー自身の説明でもある点に注意したい。

仮に毎秒40回なら、1回の周期は1÷40=0.025秒、つまり25ミリ秒だ。足でペダルを踏みかえて、この周期で圧力を調節し続けることは、人には難しいと考えられる(これは本稿の推論である)。

実用化の時期について、ボッシュは1978年に、自動車業界と開発したABSを世界で初めて市場に出した供給者だと述べている[8]。

ABS車での操作の指示は、ポンピングとは逆になる。国土交通省は、ABS作動時のペダルの振動や「グググ」という音は故障ではなく、ABSを効果的に働かせるにはできるだけ強く踏み続けることが必要だと案内している[5]。これは、ABSが車輪ごとの圧力調節を担うので、運転者はペダルから足を離さず、最大限の踏力を保つ役割に徹する、という分担と読める。

では、ロックを避ける足の技としての役目が終わったあと、ポンピングには何が残るのか。

4. ブレーキランプの ちかちかは、後ろの 車に 何を つたえるの?

4. 後ろの車に知らせる「合図」としての役目は残っている

4. 予備制動・予告制動 ── 役目が「足の技」から「合図」へ移った

道を 走る 車の 後ろに、もう 1台 いる ところを 思いうかべて みましょう。前の 車が 急に 止まったら、後ろの 車は あわてます。

ブレーキを 強く ふむ 前に、軽く 何回か ふんで ランプを ひからせると、後ろの 車に「もうすぐ 止まるよ」と 知らせられます。これを「よびせいどう」「よこくせいどう」と よぶ ことが あります[1][2]。

ランプが ちかちか すれば、後ろの 運転手は 気づきやすい、と いう 考え方です。運転の ルールを まとめた 本にも、後ろの 車への 合図に なると 書かれて いるそうです[2]。

同じ 「ポンポン」でも、ロックを さける ためなら ABSの 車では いらず、後ろへの 合図なら いまも 役に 立ちます。同じ 足の 動きが、時代で 役目を かえたのです。

けれど、ABSの ない 車や、雪の 道では どう なるのでしょう。

道路を走る車の後ろに、もう1台いる場面を考えてみましょう。前の車が急に止まると、後ろの車の運転者は慌てます。急ブレーキをかけてしまってからでは、後ろの車が間に合わないかもしれません。

そこで、強く踏む前に、軽く何度か踏んでブレーキランプを点灯させると、後続車に「減速や停止が近い」と予告できます。この使い方を予備制動・予告制動と呼ぶ解説があります[1][2]。ランプが何度か点滅すれば、後ろの運転者が気づきやすいという考え方です。

この役目は、ABSがあってもなくても変わりません。タイヤのロックとは別の問題で、車どうしの意思疎通の問題だからです。ABSが働くような急ブレーキの場面では強く踏み続け、それほど急ではない減速のときは、ランプで知らせる、と使い分けるイメージになります。

こうして見ると、ポンピングの役目は、時代で次のように動いてきたと考えられます。ABS以前は、ロックを避ける足の技が中心でした。ABS車では、その役目を機械が引き受け、後続車への合図としての役目が主に残っています。同じ「踏む・ゆるめる」が、道具の進歩で役目を変えた例です。

ところで、ABSの付いていない車や、雪道の場合はどうなるのでしょうか。

ロックを避ける役目をABSが引き受けたとき、ポンピングに残るのは、後続車への情報伝達である。ブレーキランプを複数回点灯させることで、後ろの運転者に減速や停止の予告を与える使い方は、予備制動・予告制動と呼ばれる[1][2]。

この役目がABSの有無に左右されない理由は、問題の種類が違うからだ。ロック回避は、タイヤと路面の間の摩擦を保つという力学の問題であり、ABSがあれば機械が圧力を調整する。これに対して予告制動は、前の車と後ろの車の運転者の間の意思疎通の問題で、ブレーキランプという信号を使う。ABSは前者を自動化したが、後者は運転者が行う判断に残る。

実際には、ABSが作動するような急ブレーキの場面と、通常の減速とでは、望ましい踏み方が違う。前者では強く踏み続けることが求められ[5]、後者では、教則の趣旨とされるように、ランプの点滅が後続車への合図になる[2]。この使い分けは、資料の記述を組み合わせた本稿の整理である。

要するに、「ポンピング」の役目は、時代によって重心を移した。ABS以前は足の技としてのロック回避が中心で、ABS以後は合図としての役目が主に残る。同じ踏む・ゆるめるが、道具の変化に合わせて意味を変えてきた、と整理できる。

この整理が当てはまらない場面は、ないのか。

5. ABSの ない 車や 雪道では、どう なるの?

5. ABSがない車、警告灯の点灯、雪や砂利の道では事情が変わる

5. 例外と限界 ── ABS非搭載・警告灯点灯・雪や砂利のとき

ABSの ない 車では、ロックを さける ために 自分で ポンピングを する、と 説明せつめいする 記事が あります[7]。ABSの けいこくの ランプが ついた ときは、車の 説明せつめいの 本で たしかめて、おうちの 人に 相談そうだんしましょう。

ABSの ある 車でも、ねらいは いちばん 早く 止まる ことより、止まりながら ハンドルを きかせる ことです。道が ぬれて いると 止まる 長さが みじかく なり、新しい 雪や じゃりの 道では 長くなる ことも あります[5]。

雪道では、いったん ゆるめて ふみ直すと、一しゅん ロックして、タイヤの みぞが 雪や 氷に ひっかかって 止まりやすくなる、という 運転する 人の 経験けいけんだんを のせた 記事も あります。ただ、くわしい 人の あいだでも 意見が 分かれる 話で、まねを すすめる ものでは ありません[6]。

ブレーキは 道の 様子で きき方が かわる、と いう ことです。

ABSの付いていない車では、ロックを避けるために自分でポンピングをする、と説明する記事があります[7]。ABSの警告灯が点灯したときは、車の取扱説明書で確認し、整備工場などに相談しましょう。自分の車がABS付きかどうかで、基本の考え方が変わるわけです。

ABS付きの車でも、万能ではありません。国土交通省の資料などの記述として、ABSを使っても停止距離は通常ほとんど変わらず、濡れた路面などでは短くなる一方、新雪・砂利・タイヤチェーンのときは伸びる場合がある、という整理があります[5]。ABSの狙いは、最短距離で止めることよりも、止まりながらハンドルを効かせることにあります。

雪道などでは、一度ブレーキをゆるめて踏み直すと、ABSでも一瞬ロックして、タイヤの溝が雪や氷の出っ張りに引っかかり、減速につながることがある、という運転者向けの経験則を紹介する記事もあります。ただし、専門家の間でも評価が分かれる話題で、一般的な操作として勧めるものではありません[6]。

道の状態でブレーキの利き方が変わる以上、ふだんの運転ではABSの有無と道路の状態を意識する意味があります。

ここまで、役目が移り変わるようすを見てきました。最後は、家の外で確かめられることを考えます。

ABS非搭載車では、ロック回避のために自分でポンピングを行う、と説明する記事がある[7]。ABS警告灯が点灯した場合の対応は、車の取扱説明書で確認し、整備工場などに相談するのがよい。ABSの有無が、基本操作の分かれ目になる。

ABS車でも、効果は路面で変わる。国土交通省の資料などの整理として、ABSによる停止距離は通常大きく変わらず、濡れた路面などでは短くなる一方、新雪・砂利・タイヤチェーンでは伸びる場合がある[5]。つまりABSの狙いは、最短で止めることではなく、止まりながらハンドルを効かせることだ。

雪道などでは、運転者の経験則として、いったんブレーキをゆるめて踏み直すと、ABSでも一瞬ロックしてタイヤの溝が雪氷の出っ張りに引っかかり、減速につながることがある、と紹介する記事がある。ただし専門家の間でも評価が分かれ、一つの記事の主張にとどまるので、一般的な操作としては扱わない[6]。

ここから見えるのは、ポンピングが「古い技」として終わったのではなく、役目ごとに有効な条件が分かれたことだ。ロック回避は、ABSのない車で自分が担うと説明される。合図は、ABSの有無に関係なく使える。そして雪のような特殊な路面は、評価が分かれる領域として残る。

では、この話を手元の観察につなげるには、どうすればよいか。

6. 町で ブレーキランプを 見て みよう

6. 歩道から、前の車のブレーキランプを観察する

6. 出口 ── ブレーキランプの光り方を観察する・一次資料を読む

おうちの 人と いっしょに、歩道から 車の ブレーキランプを 見て みましょう。車道には 出ないで、信号しんごうの ある こうさてんなどで、止まる 車の うしろすがたを 見ます。

ランプは、ぱっと ついて ずっと 光る 車も あれば、何回か ちかちか する 車も あるかも しれません。どんな 光り方で 後ろに 知らせて いるのか、考えて みます。

国土交通省こくどこうつうしょうの ABSの ページも、おうちの 人と 読めます。「ぐぐぐ」と いう 音の ことも 書かれて います。

ポンピングが いつごろ、だれから 広まったのかは、わたしが 読んだ 資料しりょうには 書かれて いませんでした。これも 気になる 問いです。

家の人と一緒に、歩道から車のブレーキランプを観察してみましょう。車道には出ず、信号のある交差点などで、止まる車の後ろ姿を見ます。

ランプは、ぱっと点いたままの車もあれば、何度か点滅する車もあるかもしれません。その光り方が、後ろの運転者に何を知らせようとしているのか、考えてみます。見える光り方だけから、運転者の意図まで決められるわけではありません。

もっと知りたいなら、国土交通省の自動車アセスメントのページ(ABS)を読んでみてください。作動時の振動や音のことが、公式に説明されています[5]。警察庁の「交通の方法に関する教則」には、ブレーキの使い方が書かれていると報じられているので、原文を読み比べる手もあります。

残った問いもあります。ポンピングがいつごろ、どのように教えられるようになったのかは、今回の資料には出てきませんでした。ABS登場の前後で、教習所の教え方がどう変わったのかを探すのも、一つの道すじです。

観察としては、歩道から(車道には出ず、保護者と一緒に)、止まる車のブレーキランプの光り方を見るとよい。一度に点いてそのまま点き続ける車と、短い間隔で点滅する車を見比べ、点滅が後続車への予告制動にあたるかを考える。ただし、見かけの光り方から運転者の意図まで断定することはできない。

一次資料としては、国土交通省の自動車アセスメント「ABS」のページが、作動時の振動や音は故障ではないという点を案内している[5]。ボッシュのABS解説は英語で、増減圧が最大で毎秒40回であることを述べている[4]。警察庁の「交通の方法に関する教則」は、ブレーキの使い方を示しているとされ、本稿は報道の引用に基づくので、原文での照合が次の一歩になる。

開いたままの問いも残る。ポンピングがいつ、どのように教えられるようになったのか、またABS導入の前後で教則がどう改訂されたのかは、今回の材料にはなかった。教則の改訂履歴をたどれば、「足の技」から「合図」へという重心の移動が、制度の側でどう扱われたかが見えてくるかもしれない。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

出典について:自動車の解説記事、報道記事、メーカー(ボッシュ)の説明、国土交通省の案内を使った。何に使ったかは、それぞれの項目の最後に書いている。

  1. くるまのニュース「ポンピングブレーキは必要?不要?」。 https://kuruma-news.jp/post/473464 (ポンピングブレーキの定義、予備制動・予告制動について)
  2. 乗りものニュース「教習所で習ったけど…ポンピングブレーキしなきゃダメ?」。 https://trafficnews.jp/post/126891 (ポンピングの二つの目的と、後続車への合図としての役目について)
  3. MONOist「いまさら聞けないシャシー設計入門(9)」。 https://monoist.itmedia.co.jp/mn/articles/1007/29/news102_2.html (ロックすると横向きの力が出ないこと、スリップ率と摩擦の関係について)
  4. Bosch Mobility「Antilock braking system」(英語)。 https://www.bosch-mobility.com/en/solutions/driving-safety/antilock-braking-system/ (ABSが圧力を下げて上げる動作を最大で毎秒40回行うことについて)
  5. 国土交通省「ABS」(自動車アセスメント)。 https://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/02assessment/car_h23/safetydevice/abs.html (ABS作動時の振動や音、強く踏み続ける案内、停止距離の傾向について)
  6. ベストカーWeb「ポンピングブレーキは死なず!?」。 https://bestcarweb.jp/feature/column/588083 (雪道などでの運転者向けの経験則と、評価が分かれる点について)
  7. car-me.jp「ポンピングブレーキ」の解説。 https://car-me.jp/articles/10932 (ABS非搭載車や警告灯点灯時の扱いについて)
  8. Bosch Media Service「40 years of Bosch ABS」(英語)。 https://www.bosch-presse.de/pressportal/de/en/40-jahre-antiblockiersystem-abs-von-bosch-169700.html (ABSを1978年に市場に出したというボッシュの説明について)

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