1. 10月14日に、なにが あったの?
1. 1872年10月14日、新橋で開業式
1. 10月14日に起きたのは、開業か、開業式か ── 1872年(明治5年)の新橋・横浜間
いまから 150ねん いじょう まえ、1872ねんの 10月14日に、新橋と 横浜を むすぶ てつどうの かいぎょうしきが ありました[1]。
てんのう へいかが のった おめしれっしゃが、新橋から 横浜まで いって、また 新橋に もどって きたと いわれます。ふつうの おきゃくさんが のれるのは、つぎの 日からと する 本が あります[3]。
だから 10月14日は、「てつどうが 走りはじめた 日」と いうより、「かいぎょうを みんなで おいわいした 日」と 言うほうが、ぴったりです。
日本で最初の鉄道は、新橋と横浜を結ぶ路線でした。国土交通省は、1872年(明治5年)10月14日に新橋・横浜間に最初の鉄道が開通したと説明しています[1]。
この日にあったのは開業式です。明治天皇と建設に関わった人たちを乗せたお召し列車が、新橋から横浜まで往復したとされます(往復運転はWikipediaの記述による[3])。国立公文書館の資料の紹介では、天皇は朝9時ごろに新橋の鉄道館に馬車で着き、各国の公使と会ったうえで列車に乗ったと説明されていて、イタリア、アメリカ、フランス、イギリスなどの公使や領事も式に加わったとされます[2]。
一般の乗客を乗せた営業運転は、翌10月15日からとする資料があります[3]。資料によって言い方が揺れるため、この記事では10月14日を「開業式の日」として書きます。
10月14日は、鉄道が走りはじめた日なのか。国土交通省は、明治5年(1872年)10月14日に新橋・横浜間に最初の鉄道が開通したと説明している[1]。この日に行われたのは開業式で、明治天皇と建設関係者を乗せたお召し列車が新橋から横浜まで往復したとされる。往復運転や、一般の営業運転が翌10月15日からとされる点は、Wikipediaの記述による[3]。
国立公文書館の資料紹介によれば、天皇は朝9時に新橋の鉄道館へ馬車で臨み、各国公使と面会したのち列車で横浜へ向かった。イタリア、アメリカ、フランス、イギリスなどの公使・領事が列席したとされる[2]。
資料によって言い方が揺れるため、以下、10月14日は「営業開始日」ではなく「開業式の日」に限定して扱う。では、その開業式が、なぜ9月ではなく10月14日なのか。
2. 雨で のびた 日と、こよみの ふしぎ
2. 9月9日の予定が、雨で9月12日に
2. 9月の予定が、なぜ10月14日になったのか ── 雨天延期と太陽暦への切りかえ
かいぎょうしきは、はじめ 9月9日に やる よていでした。この日は「ちょうよう」という せっくの 日です。ところが 雨が ふって、しきは 3日、のびました[2]。
うんどうかいが 雨で のびて、あとから やった 日が、ずっと「うんどうかいの 日」に なるような ものです。ただし てつどうの日は、のびた 日を そのまま きめたのでは なく、あとから きめられた 日です。
ここで ふしぎなのは、9月12日が なぜ 10月14日に なるのかです。この 9月は、いまとは ちがう 旧暦の 9月でした。この 年の 11月に、こよみが 太陽暦に かわりました[4]。かいぎょうしきは、その 少し 前だったのです。
もし 晴れて いたら、しきは 9月9日で、いまの こよみでは 10月11日ごろ でした。すると きねんびも 10月11日に なって いたかもしれません。これは、この 記事の 計算からの そうぞうです。
開業式は、もともと重陽の節句にあたる9月9日に行う予定でした。ところが雨で延期され、9月12日に行われたことが、国立公文書館の資料から読み取れます[2]。
ここで気をつけたいのは、この9月9日も9月12日も旧暦の日付だということです。日本は明治5年11月9日のおふれ(布告)で、明治5年12月3日を明治6年1月1日とする太陽暦に切りかえました[4]。開業式はその約2か月前で、旧暦9月12日が太陽暦の10月14日にあたります。
同じ計算で数えると、予定どおり旧暦9月9日に式を行っていたら、太陽暦では10月11日ごろになります。雨が降らなければ、記念日は別の日になっていた可能性があります。ただし、記念日が開業式の日付を基準に決まったかは、資料からは断定できません。上の話は、あくまで計算にもとづく想像です。
開業式は当初、重陽の節句の9月9日に予定されていたが、雨天のため延期され、9月12日に行われた。国立公文書館の資料紹介からこの延期が見て取れる[2]。この9月9日と12日は、いずれも旧暦(太陰太陽暦)の日付である。
では、9月12日がなぜ10月14日と呼ばれるのか。手がかりは暦にある。改暦は明治5年11月9日に布告され、明治5年12月3日を明治6年1月1日とした。開業式はその約2か月前にあたる。国立天文台の資料展示による[4]。旧暦9月12日が太陽暦10月14日に対応することは、国土交通省の報道発表の日付と合わせて確認できる[1]。
では、雨が降らなかったら、どうなっていたのか。同じ対応で逆算すると、旧暦9月9日は太陽暦の10月11日にあたる。予定どおりなら祝う日は変わっていた可能性があるが、記念日制定の理由が開業式の日付そのものだったかどうかは、この記事で用いた資料からは断定できない。
3. 29キロが 53分。なにが すごかったの?
3. 歩いて7〜8時間の道が、53分に
3. 歩けば7〜8時間の約29kmは、どう変わったか ── 所要時間の比較
新橋から 横浜までは、およそ 29キロです。とまらずに 行くと、53分でした[3]。
やすまずに あるくと、7〜8じかんは かかると いわれる きょりです[9]。歩く 人と 列車では、すすむ 早さが まったく ちがいました。
「お昼まえに 出て、夕方までに ついて いる」と 思えば、家族の 一日の すごし方が ちがって みえます。
4. 50ねんの おいわいと、「てつどう きねんび」
4. 50周年の祝典から「鉄道記念日」へ
4. 開業の日は、いつ記念日になったのか ── 1921年の50周年祝典と1922年の制定
1921ねん、10月14日に、東京駅の あたりで、てつどうが はじまって 50ねんの おいわいが ありました。同じ 日に、はじめての 博物館も ひらきました[6]。
その つぎの 年、1922ねんに、てつどうを あつかう 国の やくしょが、10月14日を「てつどう きねんび」と きめました[5]。
この 日づけが えらばれた くわしい わけは、ここでは わかりません。
5. 名前が 「てつどうの日」に かわった わけ
5. 1994年、「鉄道の日」へ
5. 名前が変わると、何が変わったのか ── 1994年、「鉄道記念日」から「鉄道の日」へ
1994ねんに、10月14日は「てつどうの日」に なりました。くにの てつどうの しごとを する やくしょは、「てつどうが 生まれ、はってんした ことを いわうために 決めた」と 話して います[7]。
このとき、国や、いろいろな てつどうの 会社、りょこうの 会社などが あつまって、「てつどうの日 実行委員会」を つくりました[8]。
名前が かわった とき、すべての てつどうの 会社が いわう 日に しようと した、と いわれます[5]。
1994年(平成6年)、毎年10月14日は「鉄道の日」と定められました。国土交通省は、鉄道の誕生と発展を記念する日だと説明しています[7]。同じ年に、旧運輸省、JR、民営鉄道、日本旅行業協会などが「鉄道の日実行委員会」を立ち上げ、前後の期間は鉄道旬間として行事が開かれます[8]。
「鉄道記念日」から「鉄道の日」に変わったとき、すべての鉄道事業者が祝う記念日にする、という位置づけになったと説明されています[5]。1987年の国鉄の分割民営化の後の話です。
ふつうの鉄道好きの目からは、名前の1字ちがいに見えます。しかし、国鉄一社の記念日から、いろいろな会社が一緒に祝う日へ変わったと読むと、日付は同じでも意味が広がったことが分かります。
自分でも しらべて みたく なったら
自分でも調べてみたくなったら
自分でも調べてみたくなったら
今日 できること
家の人と、いちばん ちかくの 駅が「いつ できたか」を しらべて みましょう。てつどうの 会社の ホームページや、市の 本に のって いることが あります。
開業した 年と、この お話の 1872ねんを くらべると、その 町の れきしが すこし みえて きます。
出かけて できること
駅に 行ったら、かべや 柱に 開業の きねんの 石や 板が ないか、さがして みましょう。せんろには 近づかず、ほかの 人の じゃまに ならない ところで 見ます。
公式の じょうほう
国の やくしょの「てつどうの日」の ページに、いまの 行事が のって います[7]。日づけや 場所は 年で かわるので、さいしょに たしかめて ください。
今日できること
いちばん近い駅の開業年を、鉄道会社のホームページや市の資料で調べます。1872年の新橋・横浜間からどれくらい後に、その町に鉄道が来たのかを比べると、路線ごとの歴史の違いが見えてきます。
出かけてできること
駅の構内や周辺に、開業を記念する碑や案内板がないか探します。線路には近づかず、通行のじゃまにならない場所から見ます。
公式の情報
国土交通省の「鉄道の日」のページに、鉄道フェスティバルや日本鉄道賞など、現在の行事が紹介されています[7]。開催日や場所は年ごとに変わるので、最新の案内で確かめてください。
しらべた もとの じょうほう
参考にした情報源
参考にした情報源と、その使い方
日付・名称の由来は複数の資料を突き合わせた。二次資料に頼った箇所は本文で断り書きを入れた。
- 国土交通省「鉄道開業150周年」報道発表 https://www.mlit.go.jp/report/press/tetsudo01_hh_000180.html (開業日)
- 国立公文書館 アーカイブス・コレクション(新橋横浜間鉄道之図) https://www.archives.go.jp/learning/archive_collection_3/collection_7/ (雨天延期・開業式の様子)
- 日本の鉄道開業(Wikipedia) https://ja.wikipedia.org/wiki/日本の鉄道開業 (営業開始・所要時間)
- 国立天文台 貴重資料展示室014「暦(3) 江戸から現在まで」 https://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/exhibition/014/ (太陽暦への切りかえ)
- JR東日本 media https://media.jreast.co.jp/articles/1644 (鉄道記念日の制定・改称)
- 鉄道の日(Wikipedia) https://ja.wikipedia.org/wiki/鉄道の日 (1921年の祝典・改称理由)
- 国土交通省「鉄道の日」について https://www.mlit.go.jp/tetudo/tetudo_tk1_000004.html (1994年の制定・現在の行事)
- 日本民営鉄道協会「鉄道の日」 https://www.mintetsu.or.jp/knowledge/term/16430.html (実行委員会・鉄道旬間)
- serai.jp 記事 https://serai.jp/hobby/1094122 (徒歩の目安)
なおした ところ
更新履歴
更新履歴(改版の記録)
- 初版を公開。
このサイトでは、公開した記事の本文は原則として書き直しません。誤りが見つかったときや、内容が古くなったときだけ手を入れ、その理由をこの欄に残します。