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ここにあるのは、だれかが実際に調べ、考え、作ってきたことを集めたメモです。気になったら、ページの下の「参考にした情報源」から、もとの本や記事、それを生み出した人たちに、直接ふれてみてください。このメモには書ききれないおもしろさが、そこにあります。

梅雨つゆは、どうして 長い あいだ 雨が ふりつづくの?

梅雨はなぜ何週間も雨が続くのか ── 二つの空気の「引き分け」と、動かない前線

梅雨前線はなぜ停滞するのか ── 気団の勢力の均衡と、チベット高原に由来するとされる背景(1993年の梅雨明けなしを例に)

分野:自然

梅雨つゆに なると、雨や くもりの 日が 多い 時期が なんしゅうかんも つづきます。ふしぎなのは、天気図の 上で、はれと 雨の 境目さかいめが、ほとんど 同じ ところに いつづける ことです。

どうして 動かないのでしょう。北と 南の 空気が、つなひきのように にらみあっている からだと いわれます。その 話を、気象庁きしょうちょうなどの 資料しりょうで 見て いきます。

梅雨の天気図には、東西に長くのびた線が、何週間も日本付近に居座るように描かれます。晴れと雨の境目が、同じあたりにとどまり続けるのです[1]。

なぜ、この線は動かないのでしょうか。北と南から来る二つの空気の力が、ほぼ引き分けになっているから、と説明されます。さらに、その背景にははるか遠いチベット高原が関わるとする説明もあります。この記事では、資料を照らし合わせながら、その筋道をたどります。

関東甲信の梅雨は、平年で6月7日ごろに入り、7月19日ごろに明ける。日数にして約6週間だ[5]。この間、日本付近の天気図には、東西にのびる梅雨前線という停滞前線が描かれることが多くなる[1]。

前線がほぼ同じ位置にとどまるのはなぜか。二つの気団の勢力が拮抗するためという説明があり、さらにその上流に、ジェット気流とチベット高原の関係があるとされる。確かな部分と、二次資料に基づく説明の段階の部分を分けて整理する。

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1. 梅雨つゆは、どのくらい つづくの?

1. 梅雨は約6週間 ── 目安としての「入り」と「明け」

1. 梅雨の定義と長さ ── 平年値は目安である

気象庁きしょうちょうは、梅雨つゆを「雨が ふえて、お日さまが 見えない 日が 多くなる 季節きせつ」と 説明せつめいして います[4]。

東京の あたりでは、梅雨入りつゆいりが 6月7日ごろ、梅雨明けつゆあけが 7月19日ごろです。数えると、6しゅうかんくらいです[5]。

この 日づけは、ぴたりと きまった 日では ありません。前後に 5日ほどの 「うつりかわり」が あって、およその 目やすです。

気象庁は梅雨を「春から夏に移る過程で、前後の時期に比べて雨が多く、日照が少なくなる季節現象」と定義しています[4]。

関東甲信の平年(1991〜2020年の平均)は、梅雨入りが6月7日ごろ、梅雨明けが7月19日ごろです。間を数えると42日、つまり約6週間です[5]。

ただし、この日付は「その日にぴたりと入る」という意味ではありません。入りにも明けにも平均で5日ほどの「移り変わり」の期間があり、掲載されている日付はその中日にあたります。発表される速報も、気象予測にもとづくものです。あとで実際の天候の経過を見て、確定値に見直されることがあります[5]。

気象庁は梅雨を「春から夏に移行する過程で、その前後の時期と比べて雨が多くなり、日照が少なくなる季節現象」と定義している[4]。また、梅雨は1か月余りに及ぶ時間スケールをもち、偏西風や太平洋高気圧の動向といった大規模な大気の流れの影響が大きい現象とされる[1]。

関東甲信の平年値(1991〜2020年の平均)は、梅雨入りが6月7日ごろ、梅雨明けが7月19日ごろで、間は42日、約6週間になる。ただし入り・明けの各日付は、平均5日程度の「移り変わり」の期間の中日にあたる目安だ。速報は予測にもとづき、のちに実際の天候経過で確定値へ見直される場合がある[5]。

雨の量にも特徴がある。南寄りの季節風が直接あたる九州・四国・近畿・東海では梅雨の降水量が多く、年によってはこの時期だけで年間降水量の3分の1程度に達するという。全国一律ではなく、地域と年によって違う[6]。

2. 天気図の「梅雨つゆ前線ぜんせん」って、なに?

2. 天気図に居座る線 ── 停滞前線とは

2. 停滞前線の定義と梅雨前線

天気図には、あたたかい 空気と つめたい 空気の 境目さかいめを あらわす 線が 出て きます。これを 「前線ぜんせん」と いいます。

ふつうの 前線は、どんどん 動いて いきます。でも 梅雨つゆの ころは、ほとんど 同じ ところに とどまる 前線が 出ます。これが 「停滞前線ていたいぜんせん」で、その 一つが 「梅雨前線ばいうぜんせん」です[2]。

梅雨前線ばいうぜんせんの 南がわには、太平洋高気圧たいへいようこうきあつが 東から 大きく はり出して きます[1]。

気象庁の予報用語では、停滞前線は「ほぼ同じ位置にとどまっている前線」、梅雨前線は「春から盛夏への季節の移行期に、日本から中国大陸付近に出現する停滞前線」とされています[2]。秋の秋雨前線も、同じ停滞前線の仲間です[3]。

梅雨の時期の天気図では、東西にのびる梅雨前線が描かれることが多くなります。その南側には、太平洋高気圧が東から張り出してきます[1]。この高気圧は、資料によっては小笠原気団とも呼ばれます。

暖かく湿った空気が前線の下のほうに流れ込むと、活発な対流雲ができやすくなります[3]。前線がとどまるということは、雨雲の材料を運ぶ場所が固定される、ということでもあります。

予報用語では、停滞前線は「ほぼ同じ位置にとどまっている前線」、梅雨前線は「春から盛夏への季節の移行期に、日本から中国大陸付近に出現する停滞前線」と定義される。梅雨前線は沖縄付近から東北へと北上しながら、南北の振動を繰り返す[2]。

天気図解析の資料でも、梅雨前線と秋雨前線は停滞前線の一種とされる。暖候期の前線は、下層への暖湿気の流入により、活発な対流雲を伴うことが多い[3]。

梅雨の時期には、日本付近に東西にのびる梅雨前線が描かれることが多く、前線の南側には太平洋高気圧が東から張り出す[1]。この高気圧は、旧来の呼称では小笠原気団にあたる。現在の気象庁資料の表記は「太平洋高気圧」であり、以下でもこれを用いる。

3. 北と 南の 空気の、つなひき

3. 北の空気と南の空気の「引き分け」

3. 前線が停滞するしくみ ── 勢力の均衡

北の オホーツク海の あたりには、ひんやり しめった 空気の かたまり(高気圧こうきあつ)が あります。南には、あたたかく しめった 空気の 太平洋高気圧たいへいようこうきあつが あります[6]。

この 二つが 日本の 上で ぶつかる ところが、梅雨前線ばいうぜんせんです。

たとえば、つなひきを 思いうかべて ください。りょうほうの チームの 力が 同じ くらいだと、まんなかの 旗はたは あまり 動きません。梅雨前線ばいうぜんせんも、二つの 空気の 力が 同じ くらいなので、動きが おそく なると 説明せつめいされます[7]。

ただし 本当の 空気は、ひもを 引く わけでは ありません。ぶつかった ところに、雲が 東西に ながく ひろがり、長く 雨を ふらせます[7]。

梅雨前線は、北のオホーツク海高気圧から吹く冷たく湿った北東風と、南の太平洋高気圧から吹く暖かく湿った南寄りの風がぶつかって生まれる、と説明されます[6]。

この二つの空気の勢力がほぼ同じなので、前線は動きの遅い停滞前線になります。ぶつかった場所には東西に帯のように雲が広がり、長い期間の雨になります[7]。

綱引きを思い浮かべるとわかりやすいかもしれません。両チームの力が同じくらいなら、中央の旗は、ほとんどその場にとどまります。ただし、本物の空気は綱を引くのではなく、風と風がぶつかり合っているだけです。「完全に静止している」わけでもありません。前線は南北に揺れながら、ゆっくり動いています[2]。

梅雨前線は、北のオホーツク海高気圧からの冷湿な北東風と、南の太平洋高気圧からの暖湿な南寄りの風が衝突して形成される、と解説される[6]。

両者の勢力がほぼ同程度であるため、前線の移動は遅い。東西に帯状の雲域が広がり、長期にわたる降水をもたらす[7]。

ここで注意したいのは、「勢力が拮抗する」を「完全に静止する」と読まないことだ。気象庁の予報用語は、梅雨前線が南北に振動を繰り返しながら北上すると述べる[2]。停滞は、位置の変化が小さい状態を指す用語である。なお二つの高気圧による説明は企業・気象会社の解説によるもので、気象庁の資料が述べているのは「停滞前線」の定義までだ。

4. 前線ぜんせんが ゆれると、どうなる?

4. ゆれる前線と、梅雨の「中休み」

4. 前線の南北振動と中休み

前線は、ぴたりと 止まって いる わけでは なく、南や 北へ ゆれ動きます[2]。

前線が ゆれると、その 下の 天気も かわります。梅雨つゆの あいだに ときどき ある 「中休み」も、前線の ゆれと 関係かんけいが あると 考えられて います。

ただし、前線が どこに 来ると どんな 天気に なるかは、年や 場所で ちがいます。

前線が南北にゆれ動くと、その真下の天気が入れ替わります。梅雨のあいだに時々ある「中休み」も、こうした前線の動きと関係づけて語られることがあります。

ただし、前線がどの位置に来たら晴れて、気温はどうなるのか、という細かい対応は、ここでは確かめられていません。地域や年によっても変わるので、目安として読んでください。

確かなのは、前述のとおり梅雨前線が南北の振動を繰り返しながら北上するという予報用語上の記述だ[2]。中休みはこの振動と関連づけて語られることが多い。

一方、前線が南にあれば涼しく北にあれば蒸し暑い、といった位置と天気・気温の対応は、今回の出典では裏づけを取れていないため、本稿では扱わない。

5. とおい チベットの 山と、雨

5. 遠いチベット高原が、日本の雨に関わる?

5. ジェット気流とチベット高原 ── 背景の説明

空の 高い ところには、「ジェット気流きりゅう」と いう 強い 風が 西から 東へ ふいて います。

梅雨つゆの ころ、この 風が、チベット高原の 山に ぶつかると いわれます。風は 山を さけて、北と 南の 二つの 流れに 分かれます[6]。

分かれた 風が オホーツク海の 上で また ぶつかると、そこに 高気圧こうきあつが できて、二つの 空気の つなひきが はじまると 説明せつめいされて います[8]。

日本の 雨の もとに、とおい 山が かかわって いるかもしれない、という 話です。

梅雨前線が生まれる背景として、ジェット気流の動きが挙げられます。ジェット気流は季節とともに北上し、梅雨の時期にちょうどチベット高原にぶつかる位置へ移ります。気流は高原を避けるように、南北の二つに分かれます[6][8]。

分かれた二つの流れはオホーツク海の上空で再びぶつかり、下降気流を伴うオホーツク海高気圧ができる、と説明されます。この高気圧が太平洋高気圧とぶつかる境目に、梅雨前線が生まれます[6][8]。

この筋道は、企業の解説や民放の気象解説で説明されているものです。「〜と説明される」話として読んでください。

梅雨前線が形成される背景として、次の説明がある。ジェット気流が季節とともに北上してチベット高原にぶつかり、南北二つに分かれる。分かれた二つの流れがオホーツク海上空で合流して下降気流を伴い、オホーツク海高気圧が形成される[6]。宮崎の民放の気象解説も、ジェット気流が梅雨の時期にチベット高原にぶつかる位置へ移動して南北に分流し、この高気圧が太平洋高気圧とぶつかる境界に梅雨前線ができると述べる[8]。

二つの資料は同じ筋道を述べており、突き合わせでは一致している。ただしどちらも二次資料なので、定説と言い切らず、「そう説明されている」という書き方にとどめる。

6. 梅雨つゆが あけないと、どうなるの?

6. 梅雨明けと、明けなかった1993年

6. 梅雨明けの説明と、1993年の事例

梅雨つゆが あけるのは、北の 空気が よわく なり、南の 空気が 前線を 北へ おし上げる ころだと 説明せつめいされます[6]。

ところが 1993年の 夏は、7月の おわりに なっても 太平洋高気圧たいへいようこうきあつの 力が よわく、梅雨前線ばいうぜんせんが 長く 日本に とどまりました。一度 出た 梅雨明けつゆあけの 発表が とりけされ、梅雨つゆが あけた 日が きめられない 年に なりました[6]。

つなひきで、いつまでも 南の チームが 勝てなかった 夏、と 考えると わかりやすいかもしれません。

梅雨明けは、ジェット気流がチベット高原の上空からさらに北上し、オホーツク海高気圧が弱まって、太平洋高気圧が前線を北へ押し上げることで前線が消える流れとして説明されます。ただしこの因果は、いまのところ「関係していると考えられている」段階です[6]。

1993年の夏は、その反対の年でした。7月下旬になっても太平洋高気圧の勢力が弱く、梅雨前線が長く日本に停滞しました。一度出た梅雨明けの発表が撤回され、梅雨明けの日が特定されない年になったと、この資料は述べています[6]。

梅雨明けについては、ジェット気流がチベット高原上空からさらに北上してオホーツク海高気圧が弱まり、太平洋高気圧が前線を北へ押し上げて前線が消滅する、という流れで説明される[6]。ただしこの因果は、関係していると考えられている段階にとどまる。

反例とされるのが1993年だ。同資料によれば、7月下旬になっても太平洋高気圧の勢力が弱く、梅雨前線が長く日本に停滞した。一度出た梅雨明けの発表が撤回され、梅雨明け日が特定されない年となった[6]。速報が予測にもとづき、のちに確定値へ見直されうるという性質[5]を示す事例とも読めるが、この年の経緯は同社の記述による。

7. 前線ぜんせんが どこに いるか、見て みよう

7. 前線の居場所を、自分の目で追ってみる

7. 出口 ── 天気図で前線の位置を追う/資料を読む

気象庁きしょうちょうの ホームページや 新聞には、その日の 天気図が のっています。いえの 人と いっしょに 見て、つぎの 梅雨つゆの ころに、梅雨前線ばいうぜんせんの 線が どこに あるかを、ノートに 小さく かいて みましょう。

1しゅうかん つづけると、線が ほとんど 動かない 日と、少し 南や 北に ゆれた 日が 見つかるかも しれません。そのころの 天気も、いっしょに 書いて おくと、くらべられます。

気象庁きしょうちょうの「梅雨つゆについて」という ページに、もっと くわしい 説明せつめいが あります[1]。

次の梅雨の時期に、気象庁の天気図か、新聞の天気図で、梅雨前線の位置を数日おきに紙に写してみてください。だいたいの緯度がわかれば十分です。

数週間続けると、「ほぼ同じ位置にとどまる」日と、南や北へ揺れる日が見えてきます。その日の天気を書き添えると、前線の位置と晴れ間・雨の関係が、自分のデータになります。

原典をたどるなら、気象庁の「梅雨について」[1]と、過去の梅雨入り・梅雨明けの一覧[5]が入り口になります。

天気図で前線の位置を継続的に追い、南北振動を確かめる。次の梅雨を待たなくても、気象庁のサイトで過去の日付の天気図を1日ずつ開き、梅雨前線のおおよその緯度を表に書き写していけば、前線が「ほぼ同じ位置にとどまる」期間と、南北にゆれる期間を見分けられる。

また、1993年など梅雨明けが遅れた年の天気図と、平年並みの年を比べてみるとよい。本稿では、太平洋高気圧の強さが梅雨の長さを左右するという説明を紹介したが、天気図から実際にどこまで読み取れるかは、自分で検討する価値のある問いである。

資料を読むなら、気象庁「梅雨について」[1]、気象庁「予報用語」[2]、「過去の梅雨入りと梅雨明け」[5]が一次資料にあたる。ジェット気流とチベット高原の関係は、日本気象学会の文献も探してみたい。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

出典について:気象庁の公開ページ(FAQ・予報用語・天気図解析の資料・過去の梅雨入りと梅雨明け)を主な根拠に、企業と気象会社、民放の解説記事を補助に使った。ジェット気流とチベット高原の説明は二次資料のみで、「〜と説明される」として書いている。

  1. 気象庁「梅雨について」。 https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/faq/faq33.html (梅雨前線と太平洋高気圧、梅雨が大規模な流れの影響を受けることについて)
  2. 気象庁「予報用語 前線に関する用語」。 https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/yougo_hp/haichi3.html (停滞前線・梅雨前線の定義と南北振動について)
  3. 気象庁「天気図解析の定義」。 https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/expert/pdf/tenkizu/04_teigi.pdf (梅雨前線・秋雨前線が停滞前線の一種であることと、対流雲について)
  4. 気象庁「過去の梅雨入りと梅雨明け」。 https://www.data.jma.go.jp/cpd/baiu/index.html (梅雨の定義について)
  5. 気象庁「過去の梅雨入りと梅雨明け(関東甲信)」。 https://www.data.jma.go.jp/cpd/baiu/kako_baiu09.html (平年の梅雨入り・梅雨明け、移り変わりの期間、速報と確定値について)
  6. 東京海上研究所「Express 梅雨のメカニズム」(2013年)。 https://www.tmresearch.co.jp/sensor/pdf/express3_02.pdf (二つの高気圧、ジェット気流とチベット高原、梅雨明け、1993年、降水量について)
  7. 日本気象協会 tenki.jp(Weather X)「梅雨とは何か」。 https://weather-jwa.jp/news/topics/post12715 (二つの空気の勢力がほぼ同じであることと、停滞前線について)
  8. UMK テレビ宮崎「なぜ梅雨前線はできるのか」(2026年)。 https://www.umk.co.jp/news/tenki/2026/06/post-22.html (ジェット気流がチベット高原で南北に分かれる説明について)

なおした ところ

更新履歴

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