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ここにあるのは、だれかが実際に調べ、考え、作ってきたことを集めたメモです。気になったら、ページの下の「参考にした情報源」から、もとの本や記事、それを生み出した人たちに、直接ふれてみてください。このメモには書ききれないおもしろさが、そこにあります。

ラーメンの めんは、どうして きいろいの?

うどんと同じ小麦粉なのに、ラーメンの麺はなぜ黄色いのか ── 「かん水」の働きとちぢれの理由

中華麺の黄色とコシ ── かん水(アルカリ塩水)の作用と、ちぢれ麺をめぐる見方(2026年)

分野:技術

ラーメンの めんは きいろくて、うどんは しろっぽい ですよね。どちらも こむぎこから できて いる のに、ふしぎです。

いろを かえて いるのは、「かんすい」という みずだと いわれて います。かんすいが めんに なにを して いるのか、ちぢれた めんは なぜ あるのか、いっしょに みて いきましょう。

うどんもラーメンも、材料の中心は小麦粉と水です。それなのに、ラーメンの麺だけが黄色いのは、卵が入っているからではないようです。

色を変えているのは、「かん水」というアルカリ性の塩水だと説明されています。黄色の仕組みと、コシや香りへの働き、そして「ちぢれ麺はスープがよく絡む」という定説に製麺所から別の見方が出ている話までを見ていきます。

中華麺は、小麦粉にアルカリ塩水溶液であるかん水(鹹水)を加えて作ることが大きな特徴で、色・味・食感がうどんなどと変わる[1]。黄色は、小麦粉中のフラボノイド系色素がかん水のアルカリ性に出会って淡黄色に発色するためと説明される[3]。

このメモでは、かん水の成分・色・コシ・香りへの作用、起源とされる話、ちぢれ麺とスープの関係をめぐる製麺所の見方の違いを、複数の資料を突き合わせて整理する。

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1. うどんと ラーメンは、なにが ちがうの?

1. 同じ小麦粉でも、「水」が違う

1. 中華麺の定義的な特徴 ── かん水の添加

ラーメンの めんは、こむぎこに 「かんすい」という みずを くわえて つくります[1]。うどんなどの めんは、ふつう かんすいを つかいません。

かんすいを いれると、いろも、あじも、かみごたえも かわります[1]。だから ラーメンの めんは、うどんと ちがう たべものに なるのです。

ちがいを生むのはかん水

中華麺の大きな特徴は、小麦粉にかん水を加えて作ることです。かん水はアルカリ性の塩水で、これを入れると、色も味も食感も、うどんなど他の麺とは違ってきます[1]。

つまり、かん水を使うことは、ラーメンの麺とうどんを分ける大きな特徴です。ただし、かん水を使わない中華麺や、別のアルカリ液を使う麺もあります[8]。

多くの中華麺は、小麦粉にアルカリ塩水溶液であるかん水を添加することが大きな特徴で、これにより色・味・食感がうどんなど他の麺類と異なってくる[1]。ただし、かん水の代わりに鶏卵などを用いる無かん水麺も存在する[8]。

本メモは、この一文を出発点とし、かん水が具体的に何を変えているのかを、製麺所・食品メーカーの解説(西山製麺[3]、オリエンタル酵母工業[2]、大和製作所[4])から順にたどる。これらは公的機関や大学の一次資料ではなく、事業者の解説である点は前提として読む必要がある。

2. きいろは、どこから きたの?

2. 黄色は、小麦粉の色素がアルカリで色づいたもの

2. 発色の機構 ── フラボノイド系色素とアルカリ

こむぎこの なかには、もともと、うすい いろの「しきそ」が はいって います[3]。ふだんは めだたない いろです。

ここに かんすいの アルカリが あたると、その しきそが、うすい きいろに かわると せつめいされて います[3]。ふつうの ラーメンの めんの きいろは、おもに この しきその いろです。たまごや いろを つける くすりを つかう めんも あります。

つまり、ふつうの きいろは、こなに もともと あった いろが、かんすいで めに みえる いろに なった ものです。

もともと粉の中にある色素

小麦粉には、フラボノイド系の色素が含まれています。かん水のアルカリ性に出会うと、この色素が淡い黄色に発色すると、製麺所の解説にあります[3]。大和製作所の解説も、かん水のアルカリ成分によって着色されると書いています[4]。

卵や着色料を使う麺もある

つまり、一般的な中華麺の黄色は、主に粉にもともとあった色素が、かん水で目に見える色になったものです。卵や着色料を使う製品もあります。黄色の一部は小麦にふくまれるルテインという色素にも由来するとする資料があるので、フラボノイドだけで説明するのは避けたいところです。

西山製麺は、小麦粉中に存在するフラボノイド系色素が、かん水のアルカリ性と出会い淡黄色に発色すると説明している[3]。大和製作所も、かん水のアルカリ成分による着色として同様の説明をしている[4]。したがって一般的な中華麺の黄色は、主に粉の色素の呈色による。卵や着色料を使う製品もある。

これらは製麺・機械メーカーの解説である。黄色の一部が小麦由来のルテインにもよるとする資料もあるため、フラボノイドだけで説明するのは避け、「主に」という強さにとどめる。

3. かんすいって、なにで できて いるの?

3. かん水の正体と、中国の塩湖の話

3. かん水の組成と起源とされる伝承

かんすいの ちゅうしんは、「たんさんナトリウム」と「たんさんカリウム」という、ふたつの しおの なかまです[2]。ときどき、「リンさんえん」という ものも くわわります。

むかし、ちゅうごくの うちモンゴルという ところに、しおを ふくむ みずうみが ありました。その みずで めんを つくったら、ふつうの みずと ちがう たべごこちに なった、と つたえられて います[5]。

いつの ことかは、わかって いません。むかしは、くさや きを もやした はいから とった あくも つかわれた そうです[5]。

基本は二種類の炭酸塩

かん水の基本は、炭酸ナトリウムと炭酸カリウムの混ぜ合わせで、リン酸塩が加わることもあります[2][5]。決まりの上では、炭酸カリウム・炭酸ナトリウム・リン酸塩などを1種類以上含むものと説明されています[2]。配合の割合は用途でちがうので、「この比率」と決まった数字はありません。

塩湖の水で麺をつくると

起源としては、中国の内モンゴル自治区で、塩湖のアルカリ性の塩水を使って麺を作ったところ、ふつうの水とは違う食感と風味になった、という話が伝えられています。この技法は麺類の広がりとともに日本にも広がったと伝えられています[5]。昔は、湖や沼のアルカリ水や、草木を燃やした灰の灰汁も使われたそうです[5]。

年代がはっきりしない、伝承のような説明なので、「そう伝えられている」という強さで受け取るのがよさそうです。

オリエンタル酵母工業の解説では、かん水は炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、リン酸塩の1種以上を含むものとされる[2]。Wikipediaの「かん水」の項は、炭酸ナトリウムと炭酸カリウムの混合物を基本とし、リン酸塩が混ぜられる場合もあると記す[5]。配合比は用途によって異なるため、固定した数値としては扱わない。

起源については、内モンゴル自治区で偶然、塩湖のアルカリ塩水を使った製麺技法が見つかり、麺類の伝播とともに日本にも広がったと記述されている[5]。昔は湖沼のアルカリ水や草木灰の灰汁も用いられた。年代を特定した資料は今回の範囲では見つからず、伝承的な説明として扱う。

4. かんすいは、あじや かたさも かえるの?

4. コシと香り ── かん水が麺の中で働くこと

4. グルテンへの作用・風味・弱アルカリ性

かんすいは、いろだけでなく、めんの「コシ」にも かかわると いわれて います。こむぎこの なかの たんぱくしつ(グルテン)に はたらいて、ひっぱると のびて、かむと はねかえす ちからが ふえます[3]。

もう ひとつ、ラーメンの めんには とくべつな においが あります。かんすいを つかった ときに でる かおりだと いわれて います[2]。すきな 人も、にがてな 人も います。

ゆでた おゆが すこし アルカリせいに なる ため、ゆでても めんが とけにくい、という せつめいも ありますが、これは ひとつの しりょうだけの はなしです[4]。

グルテンが引き締まる

かん水を小麦粉に加えると、たんぱく質のグルテンに作用して、弾力と伸びのよさが増し、食べたときのコシとなめらかさが出ると説明されています[3]。アルカリの量が多いほど、引き締める力は強くなるそうです[2]。

独特の香りは、種類でも変わる

中華麺らしい香りも、かん水によるものです。炭酸ナトリウムは香りの成分が多く出て風味が強く、炭酸カリウムはおだやかとされています[2]。この風味は、好みが分かれるものだとも書かれています。

ゆで汁は弱アルカリ性

かん水を使うと、麺とゆで汁は弱アルカリ性(pH9〜10)になり、この範囲では麺がゆで汁に溶け出す量が比較的少ないと、大和製作所の解説にあります[4]。ただし数値は一つの資料のもので、いつも必ずこの範囲になる、とまでは言えません。

かん水を小麦粉に加えるとタンパク質(グルテン)に作用し、弾力も展延性も増して食味としてはコシ・なめらかさが増すと西山製麺は説明する[3]。オリエンタル酵母工業の解説によれば、アルカリ量が高いほど引き締める力は強い[2]。

風味については、炭酸ナトリウムは香気成分が多く風味が強く、炭酸カリウムは穏やかとされる[2]。中華麺特有の風味は、好みの分かれる要素でもある。

大和製作所の解説では、かん水使用時に麺・ゆで汁は弱アルカリ性(pH9〜10)となり、この範囲で茹で溶けは比較的少ないとされる[4]。pH値・茹で溶けの記述はこの単一の事業者資料に依るため、確定した数値とはせず、この資料の説明として引用するにとどめる。かん水の作用を扱った学術論文(日本家政学会誌 57巻7号、2006年)の存在は把握しているが、本文は確認していない。

5. ちぢれた めんは、どうやって つくるの?

5. まっすぐな麺と、ちぢれた麺

5. ストレート麺と縮れ麺 ── 成形の違い

ラーメンの めんには、まっすぐな ものと、ちぢれた ものが あります。ちぢれた めんは、てで もんで つくる ほうほうと、きかいで ちからを かけて つくる ほうほうが あると いわれて います[8]。

ゆるやかな なみの かたちの はで きると、ちぢれた めんに なる やりかたも あります[6]。

おなじ こなと かんすいの めんでも、まがって いると、かんじる かたさが ちがう、と せつめいする しりょうも あります[6]。かたちも、たべごこちに かかわる ようです。

切ったままか、波をつけるか

麺の形は、切り出したままのストレート麺と、波状のちぢれを出した縮れ麺に大きく分けられます。縮れ麺は、手で揉みほぐしたり、機械で圧力をかけたりして作ります[8]。ゆるやかな波形の刃を通して切る方法もあります[6]。

形が食感を変える

ちぢれは、見た目だけでなく食感にも関わります。製麺の解説は、曲がりによって力のかかり方や弾力の感じ方が変わるため、同じ配合でも食感が大きく違ってくると説明しています[6]。

麺の形状は、切り出したままのストレート麺と、手で揉みほぐす、あるいは機械で圧力をかけて波状の縮れを出す縮れ麺とに分けられる[8]。縮れ麺は、緩やかな波形の刃(ウェーブ用切り刃)で麺線にする方法もある[6]。

COOKPITの解説は、曲がりによる「応力の分散や弾性の感じ方の変化」で、同じ配合でも全く異なる食感が生まれると述べている(専門的な説明はCOOKPITの言い方のままで、ここでは検証していない)[6]。ちぢれは、単なる見た目の違いではなく食感の設計に関わる要素として説明されている。ただし、この記述の実測データは本メモでは確認していない。

6. ちぢれた めんは、ほんとうに スープが からむの?

6. 「ちぢれ麺はスープが絡む」は本当か

6. 定説と反対の見方 ── 表面張力と味の感じ方

「ちぢれた めんは、スープが よく からむ」と よく いわれます[6]。ところが、ある せいめんじょの ひとは、まっすぐな めんの ほうが スープを おおく もちあげる、と かいて います[7]。

その ひとは、ちぢれた めんは かるく かんじて、めんの あじが わかりにくい ぶん、スープの あじが はっきり わかる、とも せつめいして います[7]。

どちらが ただしい、と いう はなしでは なく、スープとの くみあわせ しだいだと かんがえられて います。すきな ラーメンを ふたつ くらべる ときの ヒントに なります。

よく言われる説明

ちぢれ麺は表面の凹凸でスープが絡みやすい、と説明されることが多いです[6]。ラーメン店でもよく聞く話です。

製麺所の別の見方

ところが、なかざわ製麺は、実際にはストレート麺のほうがスープを多く持ち上げると書いています。理由は表面張力です。ちぢれ麺は口の中で軽く感じられ、麺の味を感じにくいので、同じスープでもスープの味がはっきり伝わる、という説明もあります[7]。

このように、製麺の側でも意見が分かれています。麺の形は、スープの量だけでなく、口に入れたときの軽さや、スープの味の出方も考えて選ばれているようです。

ちぢれ麺は表面の凹凸でスープが絡みやすい、という説明は一般に広く見られる[6]。これに対し、なかざわ製麺のnote記事は、実際にはストレート麺のほうがスープを多く持ち上げる(表面張力による)と主張し、ちぢれ麺は軽く感じられ麺自体の味を感じにくいため、同じスープでもスープの味がはっきり感じられると説明している[7]。

本メモでは、どちらが正しいかは決められない。持ち上げるスープの量を実際に測定した資料は、確認できた範囲にはなかった。したがって「ちぢれ=必ずスープが絡む」とも「ストレートのほうが必ず多い」とも書かず、麺の形はスープの絡み・口当たり・味の感じ方の組み合わせで選ばれている、という程度の整理にとどめる。

自分でも しらべて みたく なったら

自分でも調べてみたくなったら

自分でも調べてみたくなったら

きょう できること

おうちの 人と いっしょに、ふくろに はいった ラーメンの めんを 見て みましょう。げんりょうの ひょうじを みて、「かんすい」と かいて あるか さがして みます。

きいろい ラーメンの めんと、しろい うどんを ならべて、いろを くらべて みても おもしろいです。ゆでる ときは、あついので、おとなに して もらって ください。

もっと しりたく なったら

まっすぐな めんと ちぢれた めんを、おなじ スープで たべくらべて、どちらが スープの あじを つよく かんじるか、ひとに きいて みても いいですね。

今日できること

袋入りのラーメンや、スーパーで売っている生麺の原材料の表示を見て、「かん水」や「かんすい」と書いてあるかを探してみましょう。同じ棚のうどんの表示と比べると、材料の違いが分かります。

ゆでるときは火とお湯を使うので、大人と一緒にしてください。ゆでた麺の色を、うどんと並べて見比べてみるのもよいでしょう。

もっと知りたくなったら

ストレート麺とちぢれ麺の袋麺を同じスープで食べて、どちらのほうがスープの味をはっきり感じるかを、家族と感想を出し合ってみるのも手です。「軽く感じた」「麺の味がしっかりした」など、感想を麺の形や口当たりと結びつけて話すと、第6章の二つの説明のどちらに近いかが見えてきます。

身近な麺で確かめる

市販の中華麺・うどんそれぞれの原材料表示を見て、かん水(かんすい)の有無を確かめる。ゆでるときは大人と一緒に火と湯を扱い、ゆで上がった麺の色を並べて比べる。ストレート麺とちぢれ麺を同じスープで食べ比べ、第6章の二つの説明のどちらに近い感じ方かを、自分の口で確かめられる。感じ方には個人差があるため、一回の結果で決めつけない。

資料を読むなら

Wikipediaの「ラーメン」「かん水」の項に加え、オリエンタル酵母工業の「かんすいコラム」が、成分と作用を平易にまとめている。製麺所の実際の見方は、西山製麺(ramen.jp)や、なかざわ製麺のnote記事が参考になる。いずれも事業者や一般向けの解説なので、複数を読み比べたい。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

本文の参照番号は、下のリストの番号に対応します。多くは製麺所・食品メーカーの解説で、公的機関や論文の原文は確認していません。

  1. Wikipedia「ラーメン」 https://ja.wikipedia.org/wiki/ラーメン (中華麺の特徴・ちぢれ麺の作り方)
  2. オリエンタル酵母工業「かんすいコラム」 https://www.oyc.co.jp/food-for-all/column/column_kansui/ (かん水の成分・風味・グルテンへの作用)
  3. 西山製麺 ramen.jp「麺の秘密」 https://www.ramen.jp/oyakudachi/secret/men/ (黄色の発色・コシ)
  4. 大和製作所「ラーメンの具-かん水など」 https://www.yamatomfg.com/info/ramen-noodle-ingredients-kansui-etc/ (着色・弱アルカリ性。単一の事業者資料)
  5. Wikipedia「かん水」 https://ja.wikipedia.org/wiki/かん水 (組成・起源とされる話。伝承的な説明)
  6. COOKPIT「ちぢれ麺の作り方」 https://cookpit.jp/ramen/ramen/men/men-guide/tijiremen-make/ (ちぢれ麺の作り方・食感)
  7. なかざわ製麺 note https://note.com/nakazawamen/n/nb50243ebb694 (ストレート麺のほうがスープを持ち上げるという見方)
  8. Wikipedia「中華麺」 https://ja.wikipedia.org/wiki/中華麺 (かん水を使わない麺・縮れ麺の作り方)

なおした ところ

更新履歴

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