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ゲームきの「しゅっかだいすう」と「うれた かず」は、どう ちがうの?

ゲーム機の「出荷台数」と「売れた数」は、何がちがうのか ── Switch 2の2つの数字から

ゲーム専用機の出荷(sell-in)と消費者への販売(sell-through)── Switch 2・PS5・ファミ通推定の数え方の差

分野:技術

ゲームきの ニュースで、ふしぎな ことが ありました。はつばいから 7しゅうかんで「600まんだい こえ」と いわれたのに、しばらくして 出た かいしゃの かずは「582まんだい」でした。あとから 出た かずの ほうが、ちいさく 見えます。

まちがいでは ありません。この 2つは、ちがう ものを かぞえた かずだからです。この きじでは、「店に おくった かず」と「おきゃくさんが 買った かず」の ちがいが わかります。

任天堂のSwitch 2は、発売から7週間ほどで「世界で600万台を超えた」と発表されました。ところが、決算の数字は「6月30日までに582万台」。あとから出た数字のほうが小さく見えます。

実は、この2つは別のものを数えています。ゲーム機の「出荷」と「売れた」がどうちがい、同じ会社が両方を使い分けることもある理由が、この記事で分かります。

Switch 2の世界販売は、発売後約7週間(2025年7月24日ごろ)で600万台超とされた一方、2025年6月30日までの決算上の累計は582万台だった[3]。時期の遅いほうが大きいのは当然に見えるが、話はそう単純ではない。前者は消費者に売れた数(sell-through)、後者は会社が数える販売数量(sell-in)で、数える段階が違う[2]。

この記事では、Switch 2、PS5、ファミ通の国内推定という3つの例から、出荷と販売の差、そして数字を読むときに確かめるべき「時点・範囲・数え手」が分かる。

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1. どうして 2つの かずが 出たの?

1. 発売の翌週と決算に、別々の数字が出た

1. Switch 2に出た2種類の数字 ── 4日で350万、7週で600万超、決算で582万

Switch 2が 出た あと、ニンテンドーの かいしゃは、うれた かずを いくつか はっぴょうしました。はつばいから 4かで 350まんだい いじょう。7しゅうかんで 600まんだい いじょうです[2]。

それとは べつに、けっさんの しりょうでは、6がつ30にちまでの かずが 582まんだいと 出ました[3]。

600まんの ほうが、おおきいのに、おそく 出た 582まんの ほうが ちいさい。これは ふしぎです。

任天堂は2025年8月の決算発表で、Switch 2の販売について、二種類の数字を出しました。一つは、発売後4日間で350万台超、発売から7週間ほど(7月24日ごろ)で600万台超という数字です[2]。もう一つは、決算資料にある、6月30日までの582万台という数字です[3]。

数字だけを並べると、600万超のほうが大きいのに、決算の582万のほうが「あとから出た資料」に載っています。どちらかが間違いなのでしょうか。

そうではありません。任天堂の注記が、この二つは「別の数え方」だと書いているからです。

任天堂は2025年8月の決算発表で、Switch 2について二系統の数字を示した。一つは、発売後4日間で350万台超、約7週間(7月24日ごろ)で600万台超という、世界での「sell-through」の数字。もう一つは、決算資料にある2025年6月30日までの累計582万台という販売数量である[2][3]。

発表の順序だけを見ると、600万超のほうが大きく、決算の数字のほうが小さい。では、どちらかが誤りなのか。そうではなく、任天堂自身が注記で、前者は「当社の販売数量(sell-in)とは異なる」と断っている[2]。

2. 「おくった かず」と「買った かず」って?

2. 数えているのは、荷物の「どこ」なのか

2. sell-inとsell-through ── 数える段階の違い

おもちゃやさんを おもい うかべて ください。ゲームきを つくった かいしゃは、まず たくさんの ゲームきを おもちゃやさんに はこびます。これが「しゅっか」です。

その あと、おきゃくさんが 店で 買います。これが「うれた かず」です。

はこんだ かずと、買われた かずは、おなじ とは かぎりません。はこんだ ゲームきが、店の たなに のこって いる ことも あるからです。お店に おくった ゲームきが、まだ 店や そうこに のこって いる ことも あります。

任天堂にんてんどうは、うれた かずを 「店や ネットの 店で、おきゃくさんに 売れた かず」と せつめいして います[2]。

おもちゃ屋さんを思い浮かべてください。メーカーは、まずゲーム機を店に送ります。これが「出荷(sell-in)」です。そのあと、お客さんが店やネット通販で買います。これが「売れた数(sell-through)」です。

この二つは、同じとは限りません。店に送られたものの、まだ棚や倉庫に残っている分があれば、出荷のほうが多くなります。その差がどれくらいかは、この記事の資料には出ていません。

任天堂は、sell-throughを「小売店や直販サイトで、個人のお客さんに売れた数」と説明し、「当社の販売数量(sell-in)とは異なる」と書きました[2]。会社が数える数と、お客さんが手にした数は、別のものとして扱われています。

ゲーム機の数字は、流れのどこで数えるかで意味が変わる。メーカーが小売や流通に送り出した数がsell-in(出荷)、小売店や直販サイトで個人の消費者に売れた数がsell-through(販売)である。任天堂はsell-throughを「小売店や直販サイトで個人客に売れた数で、当社の販売数量(sell-in)とは異なる」と定義している[2]。

では、なぜ二つが別になりうるのか。出荷された機器が、まだ店頭や流通の在庫として残っていれば、出荷のほうが売れた数より大きくなる。その差の大きさを示す数字は、今回の資料にはない。

さらに注意したいのは、任天堂の公式の実績ページ(2026年6月末時点)が、Switchの全世界累計1億5659万台、Switch 2の2368万台と載せつつ、注記は「全世界での連結累計販売数量」とだけ書いていることである[1]。この注記に「出荷」とは書かれていない。そのため、ここでは会社が数える販売数量と呼び、sell-inと断定しない。

3. 582まんと 600まんは、くらべて いいの?

3. 582万と600万超は、大小を比べられない

3. 二つの数字は、数え方と時点の両方が違う

くらべる まえに、「いつまでの かず」かを 見ましょう。582まんは 6がつ30にちまで。600まんいじょうは、7しゅうかん たった 7がつ24にちごろです[3]。

ひづけが ちがう。かぞえかたも ちがう。だから、どちらが おおきいか だけで、くらべては いけません。

「なにを、いつまで かぞえたのか」。ニュースで かずを 見たら、まず これを 見るのが よいでしょう。

二つの数字を比べる前に、まず日付を見ます。582万台は6月30日までの数字、600万台超は7月24日ごろの数字です[3]。約3週間分の時間の差があります。

さらに、数え方も違います。582万は決算上の販売数量、600万超はお客さんに売れた数です。この二つは、日付も数え方も違うので、大きい・小さいで優劣をつけられません。

単純な大小で比べてしまうと、「発売から時間がたつほど数が減る」という、おかしな読み方になってしまいます。数字を見たら、「いつまで」と「誰が、どの段階で数えたか」の二つを確かめると、迷いにくくなります。

582万台は2025年6月30日まで、600万台超は約7週間後の7月24日ごろの数字で、時点が約3週間ずれている[3]。さらに、前者は決算上の販売数量、後者は小売店・直販サイトでの個人客への販売であり、数える段階が違う[2]。

そのため、単純に大小を比べることはできない。ここでも、時点と数え手が違う二つの数字を同じ物差しで並べると、発売後に数が減ったような誤読が生まれる。数字を読むときは、少なくとも「いつまでか」と「誰が、どの段階で数えたか」を対にして確認する必要がある。

4. ソニーは、なんて かぞえて いるの?

4. PS5は「出荷」と書かれている

4. PS5の出荷台数 ── 累計と四半期を取り違えない

ソニーの ゲームき、プレイステーション5は、2026ねんの 6がつ30にちまでに 9530まんだいを「しゅっか」した、と けっさんで 出ました[4]。

この かずは、はじめから ずっと あわせた かずです。おなじ けっさんで、4がつから 6がつの 3か月だけを 見ると、160まんだいでした。まえの ねんの おなじ じきは 250まんだいです[4]。

ソニーの ページにも「95ミリオン(9500まん)だい いじょう」と あり、ひょうの なまえに「Sell-in」と 書いて あります[5]。

ソニーグループの決算では、PS5は2026年6月30日までの累計で9530万台を出荷(shipped)したとされています。同じ決算の中で、4〜6月の3か月だけの出荷は160万台でした。前の年の同じ時期は250万台で、そこから減っています[4]。

ここで、二つの数字を混ぜないことが大切です。9530万は、発売からずっとの累計。160万は、3か月だけの数字です。

ソニー・インタラクティブエンタテインメントの公式ページも、累計を「9500万台超(2026年6月30日時点)」と載せ、欄の名前に「Sell-in」の語を使っています。その欄の定義は、この記事では説明しません。「返品・整備品を含む」という注記があります[5]。

ソニーグループの決算では、PS5は2026年6月30日までに累計9530万台を出荷(shipped)した。同じ決算の2026年4〜6月の出荷は160万台で、前年同期の250万台から減っている[4]。前年同期比は、160÷250=0.64なので、約36%の減少にあたる(この記事での計算値)。

ここで、累計9530万と四半期160万は、範囲が違う数字である。四半期の出荷が減ったからといって、店頭でお客さんが買った数が同じだけ減ったとは、出荷の数字だけでは分からない。

公式ページ(Sony Interactive Entertainment)も、累計を「More than 95 million(2026年6月30日時点)」と載せ、注記に「返品・整備品を含む」と記す。欄名にsell-inの語が含まれるが、その定義はここでは扱わない[5]。

5. 日本の店で 売れた かずは、だれが かぞえるの?

5. 日本の店の売れた数を、外から推定する

5. ファミ通の国内推定販売 ── 範囲・時点・方法の限界

日本の 店で 売れた かずを、ゲームの ざっしの 人たちが しらべて いる ことが あります。ファミつうの ホームページでは、日本の Switchが 2017ねん 3月3日の はつばいから 2020ねん 9月6日までに 1507まんだい ほど 売れた、と のって います[6]。

これは 日本だけの かずです。しかも、ファミつうが 日本の 売れた かずとして まとめた、見つもりの かずです。

だから、ニンテンドーの 世界の かずと、たしたり ひいたり しては いけません。

ファミ通の記事では、日本国内のSwitch(Switch Lite含む)が、2017年3月3日の発売から184週後の2020年9月6日までに、15,073,025台(約1507万台)売れたと推定されています[6]。

この数字は、ファミ通が国内の推定累計販売台数としてまとめたものです。日本国内だけで、世界全体ではありません。しかも、2020年9月時点の数字です。

任天堂の世界累計(2026年6月末時点でSwitchは1億5659万台)とは、範囲・時点・数え手のすべてが違います[1]。だから、足したり引いたりしても、意味のある答えにはなりません。

ファミ通.comの記事は、日本国内のSwitch累計を、2017年3月3日の発売から184週後の2020年9月6日までで15,073,025台(Switch Lite含む)と推定している。この数字は、ファミ通が国内推定累計販売台数としてまとめたもので、実際の全店の販売数そのものではない[6]。

これを任天堂の世界累計(2026年6月末時点で1億5659万台)と並べると、範囲(国内か世界か)、時点(2020年9月か2026年6月か)、数え手(ファミ通の国内推定か、会社の連結の販売数量か)の三つがすべて違う[1]。したがって、一方を他方から引いて「国外での数」を得るような計算はできない。

自分でも しらべて みたく なったら

自分でも調べてみたくなったら

自分でも調べてみたくなったら

今日できること

ニュースで 「〇〇まんだい」と いう かずを 見たら、その ちかくの ちいさな もじを さがして みましょう。「いつまで」「どこの」「だれが かぞえた」の 3つが 書いて あるか、見て みます。

出かけてできること

ゲームの うりばで、ランキングの ひょうや 「うりきれ」の はりがみを 見つけたら、ちいさな ちゅうい書きが あれば よんで みましょう。なければ「なんの かずかな」と かんがえて みましょう。

こうしきの 情報じょうほう

任天堂にんてんどうの ホームページの 「ゲームせんようき はんばい じっせき」の ページに、かずと ちゅうい書きが のって います。

今日できること

ゲーム機の台数がのったニュースを見つけたら、数字の近くの小さな注記を探してください。「いつまでの数字か」「どの地域か」「誰が、どの段階で数えたか」の三つが書いてあるかを確かめます。書いていなければ、その数字が何を表すかは、はっきりしないままです。

出かけてできること

ゲームの売り場で、ランキング表や「売り切れ」の貼り紙を見かけたら、注記があれば読んでみてください。なければ、それは「いつまでの、どこの数字だろう」と考えてみるのもおもしろいです。

公式情報

任天堂やソニーの企業情報のページには、日本語で読める「ゲーム専用機販売実績」や決算の資料があります。数字の横の注記を、自分の目で確かめてみてください。

今日できること

ゲーム機の台数が載ったニュースや発表を選び、数字の「時点・範囲・数え手」が書かれているかを確かめる。書かれていないものと、書かれているものを比べると、数字の重みの違いが実感できる。

出かけてできること

売り場のランキング表や品切れの掲示に、数値の範囲や集計期間の注記があるか、確認する。

資料を読むなら

任天堂IRの「ゲーム専用機販売実績」、ソニー・インタラクティブエンタテインメントの事業データのページ、ファミ通.comの週次販売記事が読める。決算資料の原文にあたると、sell-inとsell-throughの定義が直接確認できる。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

数字は、各社の公式ページと、決算発表を伝えた報道・ファミ通の記事から拾った。

  1. 任天堂 IR ゲーム専用機販売実績 https://www.nintendo.co.jp/ir/finance/hard_soft/index.html (Switch・Switch 2の累計と注記)
  2. Nintendo Everything(任天堂2025年8月決算の引用) https://nintendoeverything.com/nintendo-financial-results-august-2025-switch-2-at-5-82-million-units-switch-at-153-10-million-more/ (sell-throughの注記)
  3. Gematsu「Switch 2 worldwide sales」(2025年8月) https://www.gematsu.com/2025/08/switch-2-worldwide-sales-top-six-million-switch-tops-153-10-million (582万と600万超の時点)
  4. Gematsu「PS5 shipments」(2026年7月) https://www.gematsu.com/2026/07/ps5-shipments-top-95-3-million (PS5の累計と四半期の出荷)
  5. Sony Interactive Entertainment Business Data & Sales https://sonyinteractive.com/en/our-company/business-data-sales/ (PS5の累計とSell-in欄)
  6. ファミ通.com(2020年9月の週間販売数) https://www.famitsu.com/news/202009/10205495.html (国内Switchの推定累計)

なおした ところ

更新履歴

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