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ここにあるのは、だれかが実際に調べ、考え、作ってきたことを集めたメモです。気になったら、ページの下の「参考にした情報源」から、もとの本や記事、それを生み出した人たちに、直接ふれてみてください。このメモには書ききれないおもしろさが、そこにあります。

にっしょくで、まっくらに なる ときと、ひかりの わが のこる ときが あるのは なぜ?

同じ日食なのに、太陽が消える日と光の輪が残る日があるのはなぜか

皆既日食と金環日食 ── 太陽と月の見かけの大きさ、月の楕円軌道による距離の変化

分野:宇宙・天文

日食にっしょくは、月が たいように かさなって、たいようが かくれて 見える ことです。皆既かいき日食では、ひるなのに、よるのように くらく なる ことも あります。

でも、日食には、たいようが ぜんぶ かくれる ときと、ゆびわのように ひかりが のこる ときが あります。どうして ちがうのか、いっしょに しらべて みましょう。

日食では、月が太陽の前を横切ります。ところが、太陽が完全に隠れる日食もあれば、月の周りに細い光の輪が残る日食もあります。

同じ仕組みで起こるはずなのに、なぜ結果が分かれるのか。太陽と月の大きさと距離を手がかりに、天文台などの資料でたどります。

日食には、太陽が完全に隠れる皆既日食と、月の周囲に太陽の光が輪として残る金環日食がある[1][5]。

このメモでは、太陽と月の見かけの大きさがほぼ等しいという偶然[1][2]と、月の距離が公転のあいだに約1割変わること[3]から、種類が分かれる理由を、複数の公的資料を突き合わせて整理する。

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1. にっしょくには、なんの しゅるいが あるの?

1. 日食は、大きく4つに分けられる

1. 日食の分類 ── 皆既・金環・部分・金環皆既

日食は、月が たいようの まえを とおって、たいようが かくれて 見える ことです。

かくれかたで、4つに わけられると いわれます[5]。

ひとつめは、たいようが ぜんぶ かくれる 皆既かいき日食です。ふたつめは、月の まわりに ひかりの わが のこる 金環きんかん日食です。

みっつめは、たいようの いちぶが かくれる 部分日食。よっつめは、ばしょに よって、金環きんかんにも 皆既かいきにも 見える 金環きんかん皆既かいき日食です。

4つの日食

国立天文台暦計算室の解説では、日食は皆既日食・金環日食・部分日食・金環皆既日食の4つに分類されています[5]。

皆既日食は太陽が完全に隠れるもの、金環日食は月のまわりに太陽が輪のように残るものです[1]。部分日食は太陽の一部だけが欠けるもの。金環皆既日食は、見る場所によって金環にも皆既にも見えるものです[3]。

この記事では、いちばん不思議な「皆既と金環の分かれ目」に絞ります。

暦Wiki(国立天文台暦計算室)は、日食を皆既日食・金環日食・部分日食・金環皆既日食に分類している[5]。

皆既は太陽が完全に隠れる場合、金環は月の周りに太陽が環(annulus)状に残る場合である[1]。金環皆既は、場所により金環にも皆既にも見える日食を指す[3]。本稿は皆既と金環の分岐を扱う。

2. たいようと 月は、そらで おなじ おおきさ?

2. 太陽は月の400倍大きく、400倍遠い

2. 見かけの大きさの一致 ── 約400倍と約400倍

たいようは、月より ずっと おおきい ほしです。やく 400ばいも あります[1]。

けれど、たいようは、月より やく 400ばい とおくに あります。だから、そらで 見ると、ほとんど おなじ おおきさに 見えます[1][2]。

とおくの ものほど ちいさく 見える、という ことを おもいだして ください。おおきさと とおさが、たまたま つりあって いるのです。

大きさと遠さが打ち消しあう

太陽は月のおよそ400倍の大きさがあります。ところが、地球から太陽までの距離も、月までの距離のおよそ400倍です[1]。

大きさが400倍で、遠さも400倍。空で見たときの角度の大きさ(視直径)は、ほぼ同じになります[2]。

だから月は、太陽をちょうど隠せるくらいの大きさに見えます。ちょうど隠せる、ということは、少しの差で「隠しきれる」か「隠しきれない」かが決まってしまうということでもあります。

太陽の直径は月の約400倍だが、地球からの距離も約400倍である[1]。見かけの大きさ(視直径)は物体の大きさを距離で割った値にほぼ比例するので、約400倍と約400倍が打ち消しあい、視直径はほぼ等しくなる[2]。

「ほぼ」等しいだけで、完全に同じではない。この小さな差が、次章以降の皆既と金環の分かれ目になる。

3. 月と ちきゅうの きょりは、いつも おなじ?

3. 月の道は丸ではなく、少しつぶれた楕円

3. 月の軌道 ── 楕円軌道と近地点・遠地点

月は、ちきゅうの まわりを まわって います。でも、その みちは、まんまるでは ありません。すこし つぶれた 楕円だえんの かたちを して います[3]。

だから、月と ちきゅうの 距離きょりは、まわる あいだに かわります。かわる はばは、やく 1わり ほどです[3]。

ちかい ときは 月が すこし おおきく、とおい ときは すこし ちいさく 見えます。

距離が約1割変わる

月の公転の軌道は、円ではなく楕円です。国立天文台のブログでは、月と地球の距離は月が公転するあいだに約1割も増えたり減ったりすると説明されています[3]。

近地点と遠地点

いちばん近づく点を近地点、いちばん遠ざかる点を遠地点といいます。NASAの資料によると、地球の中心から月の中心までの距離の平均値は、近地点で約36万3千km、遠地点で約40万6千kmです[4]。

これは平均の値で、毎回ぴったりこの数字になるわけではありません。

月は離心率の大きな楕円軌道を描き、地球との距離は公転のあいだに約1割増減する[3]。NASAによれば、地心距離(地球の中心から月の中心まで)の平均値は近地点で363,396 km、遠地点で405,504 kmである。月軌道の平均離心率は0.0549とされる[4]。

遠地点の値は近地点の約1.12倍になる(405,504÷363,396)。これはあくまで平均値であり、個々の近地点・遠地点の距離はこの値から前後する[4]。

4. 月が ちかいと、どうなるの?

4. 月が近いと皆既に、遠いと金環になりやすい

4. 皆既と金環の分かれ目 ── 月の見かけの大きさ

日食の ときに 月が ちかい ところに いると、月は すこし おおきく 見えます。たいようを ぜんぶ かくせて、皆既かいき日食に なりやすく なります[3]。

月が とおい ところに いると、月は すこし ちいさく 見えます。たいようを かくしきれず、はみ出した ひかりが、わのように のこる ことが あります。これが 金環きんかん日食です[1]。

ゆびわの ような ひかりの わ、という ことです。

ちょうど隠せるかどうか

月が地球に近いと、月は少し大きく見えて、太陽をすっかり隠しやすくなります。これが皆既日食です[3]。

月が遠いと、月は少し小さく見えます。太陽を隠しきれず、月の周りに太陽の光が輪のように残ることがあります。これが金環日食です[1]。

太陽と月の大きさはほぼ同じだからこそ、月までの距離が1割ほど変わるだけで、結果が変わるのです。

月が遠地点に近いと視直径が小さくなり、太陽を覆いきれず、月の周囲に太陽光の輪が残って金環日食になる[1]。月が近いときは、月のほうが大きく見えるため皆既日食が起こる[3]。

太陽と月の視直径がほぼ等しい(第2章)うえに、月の距離が約1割変わる(第3章)ので、月が近い条件では月が太陽より大きく、遠い条件では小さくなりやすい。太陽側の見かけの大きさの変化など、距離以外の条件もあるが、ここでは扱わない。視直径の変化率そのものについては、原文で数値を確認できなかったため、ここでは扱わない。

5. ばしょに よって、ちがって 見える ことも あるの?

5. 場所によって金環にも皆既にも見える日食

5. 金環皆既日食 ── 2023年4月20日の例

ときどき、おなじ にっしょくなのに、ばしょに よって 見え方が かわる ことが あります。それが 金環きんかん皆既かいき日食です[3]。

2023ねん 4月20日にも ありました。日食が 見える はんいの まんなかと くらべて、はしの ほうでは、月が 5500〜6000キロメートルも とおい ところに いる ことに なります[3]。

その ばしょでは 月が ちいさく 見えて、金環きんかんに 見えました。

月の距離が場所でちがう

2023年4月20日の日食は、金環皆既日食でした。日食が見える帯の両端に当たる地域では、帯の中央にくらべて、月が5,500〜6,000kmも遠い条件で日食を見ることになる、と国立天文台のブログは説明しています[3]。

月が遠いほうでは金環に、近いほうでは皆既になります。地球の上のどこから見るかで、月までの距離が少し違うのです。

2023年4月20日の日食は金環皆既日食で、日食帯の両端に当たる地域は、帯の中央より月が5,500〜6,000 km遠い条件で日食を見たとされる[3]。その結果、場所により金環にも皆既にも見えた。

この遠さは、月そのものの軌道上の距離の違いではなく、日食帯の中央と端という観測地点の違いによる差である[3]。月の距離のわずかな違いが見え方を変える、という前章までの仕組みが、1回の日食のなかにも現れる例である。

6. どうして 見える ばしょが せまいの?

6. 月の影の中からだけ、皆既日食が見える

6. 日食は月の影が地球に届く現象

日食は、月の かげが ちきゅうに とどく ことで おこります[6]。

かげの 中から 見ると、月が たいようを かくして 見えます。皆既かいき日食が 見えるのは、とても せまい はんいだけだと いわれます[6]。

だから、皆既かいき日食を 見たい ひとは、見える ばしょまで でかけるのです。

影が届く範囲だけ

国立天文台によると、日食は月の影が地球に届く現象で、その影の中から見ると、月に太陽が隠されて見えます[6]。皆既日食が見える範囲は非常に狭いといわれます[6]。

同じ日食でも、日本のどこでも皆既日食が見えるわけではありません。皆既の日食を見に、遠くまで出かけていく人がいるのは、この狭さのためです。

日食は、月の影が地球に届く現象であり、その影の中から見ると太陽が月に隠される[6]。皆既日食が起こる範囲は非常に狭い[6]。

自分でも しらべて みたく なったら

自分でも調べてみたくなったら

自分でも調べてみたくなったら

今日できること

おうちで、金環きんかん日食ごっこが できます。

まず、かべに、十円玉と おなじくらいの まるい シールを 1まい はります。つぎに、十円玉を うでを のばして もち、かべの シールに かさねて 見ます。

十円玉を 目に ちかづけると、シールが すっぽり かくれます。うでを のばして はなすと、シールが はみ出して 見えます。おおきさが おなじでも、とおさで かくれかたが かわります。

たいようは、ぜったいに 見ては いけません。この あそびは、かならず シールで しましょう。

公式の しりょう

くわしい ことは、国立天文台の ホームページを 見て みましょう。

今日できること

壁に、十円玉と同じくらいの大きさの丸いシールを貼り、十円玉で隠してみましょう。十円玉を目に近づけると、シールをすっかり隠せます。遠ざけると、シールがはみ出して見えます(ちょうど隠れる距離は、シールの大きさで変わります)。

大きさが同じでも、距離が変わると隠せるかどうかが変わる。日食と同じ考え方を体験できます。太陽は絶対に直接見ないでください。この遊びは、必ずシールで行います。

公式の資料

国立天文台のホームページや、NASAの日食のページに、日食の仕組みの解説があります。

今日できること

壁に貼った丸いシールを十円玉で隠す実験で、見かけの大きさが大きさと距離で決まることを確かめられる。目からの距離を変え、ちょうど隠せる距離と、はみ出し始める距離を探すと、皆既と金環の境目に近い体験になる。太陽を直接見る実験は行わない。

資料を読む

国立天文台のブログ[3]は、金環皆既日食を天球上と地球上の見え方から解説している。NASAの資料[1][4]は英語で、視直径と近地点・遠地点の数値を確かめられる。太陽と月の視直径の変化率は、本稿では原文で確かめられなかったため載せていない。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

本文は、次の資料をつき合わせてまとめた。出典の内容は、原文を読んで確かめること。

  1. NASA Science, "Why Do Eclipses Happen?" https://science.nasa.gov/eclipses/geometry/ (大きさ・距離の約400倍、金環日食の仕組み)
  2. 天文学辞典「視直径」 https://astro-dic.jp/apparent-diameter/ (視直径がほぼ同じになる理由)
  3. 国立天文台ブログ「天球上で見る日食、地球上で見る日食」(2023年) https://www.nao.ac.jp/news/blog/2023/20230413-eclipse.html (月の距離の約1割の増減、金環皆既日食)
  4. NASA Eclipse Web Site, "Eclipses and the Moon's Orbit" https://eclipse.gsfc.nasa.gov/SEhelp/moonorbit.html (近地点・遠地点の距離、離心率)
  5. 国立天文台暦計算室「暦Wiki/日食/種類」 https://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/wiki/C6FCBFA92FBCEFCEE0.html (日食の4分類)
  6. 国立天文台「日食とは」 https://www.nao.ac.jp/astro/basic/solar-eclipse.html (月の影が地球に届く現象)

なおした ところ

更新履歴

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