1. ふえの 音は、てんきで かわるの?
1. 暑い日の笛は高く鳴る ── 音の速さの数字
1. 管楽器の音程と、空気中の音速 ── 0℃で約331 m/s、20℃で約343 m/s
ふえの 中で、音は はしから はしへ いったり きたり しています。たとえば、きょうしつの はしから はしへ、ボールを ころがす ところを 思いうかべて ください。ボールが はやい ほど、1びょうの あいだに たくさん いったり きたり できます。ふえの 中でも、音が はやいほど、1びょうに ふるえる かいすうが ふえて、音が 高く なります。
ただし 本当の ふえの 中では、音は ボールの ように 1つの かたまりが いったり きたり するのでは なく、ゆれの 波が かさなって います。
空気の 中の 音は、0℃ぐらいの ときに 1びょうで 331メートル、20℃の ときに 343メートル 進みます[2]。ちがいは 12メートルで、100の うち 4 より すくない、ほんの すこしの ちがいです。1℃ あがる ごとに、0.6メートルぐらい はやく なります。
笛のような管楽器では、管の中の空気が共鳴して、音が出ます。管の長さが決まると、共鳴する波の長さも決まります。波の長さが同じなら、音の速さが上がるほど、1秒間に波がふるえる回数(周波数)は増えて、音は高くなります[1]。
たとえば、教室の端から端へボールを転がすとします。ボールが速いほど、1秒間に何往復もできます。管の中の音も、速いほど回数が増えるイメージです。ただし本当は、音は1つの塊が往復するのではなく、波が重なり合っています。
その音の速さは、空気の温度で決まります。0℃のとき秒速約331メートル、20℃のときは約343メートルです[2]。差は12メートルで、計算すると約3.6%。4%にも届きません。1℃上がるごとに、およそ0.6メートルずつ速くなります。
管の長さが決まると、管内に立つ定在波の波長も決まる。音速 v、周波数 f、波長 λ のあいだには v = fλ の関係があるので、λ が同じなら v が大きいほど f も大きい。気温が高いと管楽器が高めに鳴る傾向は、この関係から読める[1]。
空気中の音速は、0℃で約331 m/s、20℃で約343 m/s である。差は12 m/s、(343−331)/331 ≒ 3.6%で、OpenStax の教科書の言い方でも「4%未満の増加」だ[2]。
この範囲での実用的な近似式は、次のように書かれる[3]。
v ≒ 331.3 + 0.606θ (θ は摂氏温度、単位は m/s)日本の高校物理では 331.5 + 0.6t の形がよく使われ、日本語版の記述もこれに近い[4]。係数の違いは丸めによるもので、この記事では前者に統一する。θ = 15 なら約340 m/s、1℃あたりの増加は約0.6 m/s。ただしこれは0℃付近から常温付近までの直線近似で、極端な温度では厳密に成り立たない。
2. どうして あたたかいと はやいの?
2. 空気の粒は、音より速く動いている
2. 分子の熱運動と、音(疎密波)が伝わる速さ
空気は、とても ちいさな つぶ(分子)が たくさん あつまって できて います。つぶは、いつも あちこちへ とびまわって います。あたたかい 空気ほど、つぶの うごきは はげしく なります。
その うごきは、じつは 音よりも はやいのです。20℃の 空気に たくさん ある ちっそという つぶは、1びょうに 510メートルぐらいで うごきまわって います[5]。音の 343メートルより はやい ことに なります。
でも つぶは、すぐ ほかの つぶに ぶつかって、あまり とおくへ 行けません[5]。ですから 音は、つぶが とんで くるのでは なく、「おされたよ」という 知らせが、となりから となりへ つたわって いく ものです。
たとえば、人が いっぱいの 広場で、みんなが 動きまわって います。かたを ぽんと たたいて 知らせを まわす とき、みんなが せわしなく 動くほど、すぐ つぎの 人に ぶつかって、知らせは はやく まわります。あたたかい 空気は、この 広場の みんなが いつもより 元気に 動いている ような ものです。ただし 本当は、つぶは 知らせを まわそうと して いるのでは なく、ぶつかり合って ちからが つたわって いるだけです。
空気の分子は、じっとしていません。ものすごい速さで、あらゆる向きに飛び回っています。温度が高いほど、その動きは激しくなります。
20℃のとき、空気にたくさん含まれる窒素の分子は、平均して秒速約510メートルで動き回っています[5]。音の速さ(343メートル)より速いのです。
それなのに、音が分子より遅いのは、分子が音を運んでいるのではないからです。分子はすぐ別の分子にぶつかるので、1秒間にはあまり遠くまで行けません[5]。伝わるのは、「ここが押された」という知らせだけです[2]。においが部屋の反対側へ届くのが音よりずっと遅いのも、分子が進みにくいからです。
たとえば、人でいっぱいの広場で、みんなが動き回っているとします。肩をぽんとたたく合図をとなりへ回すとき、みんなが忙しく動くほど、次の人にすぐぶつかって、合図は早く回ります。あたたかい空気は、みんなが元気に動いている広場のようなものです。ただし本当は、分子は合図を回そうとしているのではなく、ぶつかり合って力が伝わるだけです。
気体分子の熱運動の速さ(二乗平均速度)は vrms = √(3kBT/m) で、絶対温度 T の平方根に比例する。20℃(293 K)の窒素分子では約511 m/s で[5]、空気の平均分子量で計算しても約500 m/s になる。空気中の音速343 m/s は、その約3分の2にあたる。
分子のほうが速いのに音が遅いのは、両者が別のものだからだ。vrms は分子がばらばらの向きに動く速さで、音速は圧力の乱れ(疎密の波)が伝わる速さである[2]。分子は速く動くが、平均自由行程が非常に短く、1秒間にはあまり遠くまで進めない[5]。音の波によって、分子自身が遠くへ運ばれることもない。
それでも、音速と vrms は、どちらも温度の平方根に比例する[2]。温度が高いほど分子の動きが激しく、衝突による押し合いが次々に伝わる。この方向は直感どおりだが、v = vrms ではない。比の値には、次章の比熱比 γ などが入ってくる。
3. 0℃だと、音は とまるの?
3. 気温に比例するわけではない ── 山の上の音、湿度、ニュートンの計算
3. v = √(γRT/M) と、気圧・湿度・ニュートンの計算
0℃は、水が こおる ほどの つめたさですが、音は とまりません。0℃でも、1びょうに 331メートル 進みます。
高い 山の 上では、どうでしょう。空気が うすいので、音が おそいと 思う 人も いるかも しれません。でも 空気の うすさ(気圧)では、音の はやさは かわらないと 考えられて います[3]。山の 上で おそいと したら、それは つめたいから です。
しめった 空気でも、ほんの すこし はやく なる だけです[3]。音の はやさを きめる いちばん 大きな ものは、気温です。
音の速さは、温度に比例するのではありません。だから、0℃のときに音の速さがゼロになるわけではなく、0℃でも秒速約331メートルで進みます。
では、気温のほかに何が関わるのでしょうか。空気の圧力(気圧)は、温度が同じなら音の速さを変えないと説明されています。高い山の上で音が遅くなるとしたら、空気が薄いからではなく、寒いからです[3]。水蒸気(湿度)の効果は小さく、0.1〜0.6%ほど速くなる程度とされます[3]。
この音の速さを、ニュートンも計算しています。1687年の『プリンキピア』で、空気中の音速を毎秒979フィート(現代の単位に直すと約298メートル)と求めたとされ、実際より1割以上低い値でした。原因は、音が通るとき空気の圧縮と膨張を、温度が変わらないものとして扱ったことだと説明されます。のちにラプラスが、温度の変化を考えに入れて直したそうです[3]。
約50年後の1738年には、パリの科学アカデミーが大砲を使った実験で、無風の0℃のとき秒速332メートルという値を得たとされます。今の値との差は1%以内でした[3]。
理想気体の音速は、次の式で表される[2]。
v = √(γRT / M)γ は比熱比、R は気体定数(8.31 J/(mol·K))、T は絶対温度(T = θ + 273.15)、M は気体のモル質量である。乾燥空気で γ = 1.4、M = 0.02897 kg/mol とし、この式に代入して計算すると、次のようになる。γ と M は標準的な値を用いた。
| 気温 | 式の値(m/s) | 近似式の値(m/s) |
|---|---|---|
| 0℃ | 331 | 331 |
| 15℃ | 340 | 340 |
| 20℃ | 343 | 343 |
| 30℃ | 349 | 349 |
直線の式と、平方根の式が、この範囲で一致する。理由は、T = 273 K 付近で√T の曲がりがごく小さいことにある。1℃の上昇は T の約 1/273 の変化で、平方根にすると約 1/546。331 ÷ 546 ≒ 0.61 m/s が、1℃あたりの増加になる。音速が温度の平方根に比例するので、摂氏0℃でも音速は0にならない。
気圧の影響も、この式の外側にある。気体で「硬さ」にあたる量は γ × 圧力で、密度が増えれば遅くなる。温度が一定のまま圧力を上げると、密度も同じ割合で増えるため、この2つが打ち消し合う。理想気体の音速は、温度と組成だけで決まる[3]。高い山で音が遅くなるとすれば、気圧ではなく気温の低さが理由だ。湿度の効果は、音速を0.1〜0.6%高める程度と小さい[3]。
歴史的には、ニュートンが1687年の『プリンキピア』で空気中の音速を979フィート/秒(約298 m/s)と算出し、これは実際より1割以上低かった。空気の圧縮・膨張を等温変化として扱ったことが原因とされ、のちにラプラスが断熱変化として補正した。1738年にパリの科学アカデミーが大砲を使って測り、無風の0℃で332 m/s、現代値の1%以内を得たとされる[3]。いずれも Wikipedia の記述による。フィートからメートルへの換算は現代の定義に基づく。
4. みずの 中や てつの 中では?
4. 水の中は4倍以上、鉄の中は約15倍以上
4. 水中・固体中の音速 ── 硬さと密度
水の 中では、音は 1びょうに 1480メートルぐらい 進みます[2]。空気の 4ばいより すこし はやい です。鉄の 中では 5000〜6000メートルぐらいで、空気の 15ばいぐらいから 17ばいぐらいです[3]。
おもい ものの 中ほど おそい、と いう わけでは ありません。水も 鉄も、空気より ずっと おもいのに、はやいのです。大きく かんけいするのは、かたさです[3]。
となりを ぐいっと おし返す ちからが つよいほど、「おされたよ」の 知らせは はやく つたわります。かたい ばねは、おすと すぐ おし返します。ただし 本当は、水や 鉄の つぶが ばねの ように 1こずつ 動く わけでは ありません。
水の 中でも、あたたかい ほうが 音は はやく なると されます[3]。
20℃の淡水の中では、音は秒速約1480メートルで進みます。空気の約4.3倍です[2]。鉄の中では、資料によって5000〜6000メートルほどと幅があり、空気の約15〜17倍にあたります[2][3][4]。
100メートル先へ音が届く時間で比べてみます。空気中では約0.3秒。鉄の中なら約0.02秒です。
水や鉄は空気よりずっと重い(密度が大きい)のに、音は速い。音の速さは、硬さが増すと速くなり、密度が増すと遅くなるからです[3]。水や鉄は、押されても縮みにくく、押し返す力が桁違いに強い。その効果が重さの効果を上回ります。
水の中でも、温度が上がると音は速くなるとされます[3]。ただし、空気のように分子の動きで説明できるかどうかまでは、この記事では扱いません。
20℃の淡水中の音速は約1480 m/s(OpenStax の表の値。Wikipedia では約1481 m/s)で、空気(343 m/s)の約4.3倍になる[2][3]。鉄中では約5120 m/s(英語版 Wikipedia)、約5950 m/s(日本語版)とあり、OpenStax の表では鋼の値が5960 m/s である[2][3][4]。鉄と鋼のちがい、縦波か横波か、温度などの条件が資料ごとに違う可能性があるので、約5000〜6000 m/s の幅で示す。空気の約15〜17倍である。
音速は、媒質の硬さ(stiffness)が大きいほど速く、密度が大きいほど遅い[3]。水や鉄は空気より密度がはるかに大きいが、それ以上に圧縮されにくく、音が速い。「重いほど音は遅い」という直感は、硬さを見落としている。気体では、硬さに相当する量が γ × 圧力であることが、前章の式とつながる。
水中でも、温度が上がると音速が上がる(Wikipedia のグラフによる)。ただし温度別の数値は、この記事では扱わない。
5. よるは、とおくの 音が きこえるの?
5. 音が曲がる ── 昼と夜で聞こえ方がちがうわけ
5. 気温の高度分布による音の屈折
よるは、ひるより とおくの 音が よく 聞こえる ことが あります。ひとつの 理由が、音が 曲がる ことだと いわれて います[6]。
音は、空気が つめたい ほうへ、つまり 音が おそい ほうへ 曲がります。くるまの 左右の タイヤの かたほうが ぬかるみに 入ると、ぬかるみの ほうへ 向きが かわりますね。あれと にています。ただし 本当は、音は 1つの ものでは なく、ひろがって 進む 波の 話です。
ひるは 地面が あたたかくて、上の ほうが つめたいので、音は 上へ 曲がります。よるは 地面の ちかくが ひえて、音は 下へ 曲がり、遠くまで とどきます。
ただし、よるは まわりが しずかに なるので 聞こえやすい、という ことも あります。
気温が場所によって違うと、音の速さも場所によって違います。すると、音の進む向きが曲がります。これが音の屈折です。
曲がる向きは、速さが遅い側です。たとえば、車の左右のタイヤの片方がぬかるみに入ると、ぬかるみのほうへ向きが変わります。それと似ています。ただし本当は、音は1つの物ではなく、広がって進む波の話です。
昼間は、地面が暖かく、上空が冷たくなります。上へいくほど音が遅くなるので、音は上空へ曲がり、地上には届きにくくなります。夜は、地面付近が冷え、音が下へ曲がって遠くまで届くことがあります。冬にも同じことが起きると説明されています[6]。
高さによる気温の変化で音が曲がり、届きにくい「音の影」ができることは、別の資料にも書かれています[3]。夜が静かで聞こえやすい面もあるので、曲がることだけで説明できるとは言えません。
気温が高度によって変わると、音速も高度によって変わり、音線は音速の小さい側へ曲がる(屈折)。波面のうち音速が小さい側が遅れるので、進行方向がその側へ回る。
昼は地表が暖かく、上空が冷たい。上ほど音速が小さいので、音は上へ曲がり、地上の聞き手には届きにくい。夜や冬には地表付近が冷え、上空の方が暖かくなる。音速は上ほど大きく、音は下へ曲がって遠くまで届く、と民間の気象会社の解説は述べる[6]。Wikipedia も、気温の高度変化が音の屈折を起こし、地上の聞き手に届きにくい「音の影」ができうると書く[3]。
昼夜の向きの説明は、この2つの資料と、屈折の原理から導いたものである。夜は環境の騒音も減るので、聞こえやすさのすべてを屈折で説明できるかどうかは、これらの資料からは分からない。
6. 音の はやさで、なにが わかるの?
6. 音の速さで気温をはかる ── 火星の音は地球より遅い
6. 超音波風速温度計と、火星で測られた音速
音の はやさが 温度で きまるなら、音の はやさを はかれば、温度が わかります。この 考え方を つかって、風の 強さと 温度を いっしょに はかる 道具が あります。1966ねんに、京都大学の 研究者が 学会の ざっしに、その 道具に ついて 発表しました[7]。
火星でも、音が はかられました。アメリカの たんさしゃ パーサヴィアランスの マイクが、火星の 音を とったのです。火星では、ひくい 音が 1びょうに 240メートルぐらい、高い 音は 250メートルぐらいでした[8]。地球の 343メートルの、7わりぐらいです。
火星の 空気は つめたくて うすく、にさんかたんそで できて います。火星では、音の 高さで はやさが ちがう ことも わかりました。
音の速さが温度で決まるなら、逆に、音の速さを測れば温度がわかります。この考え方を使って、風の速さと気温を同時に測る「超音波風速温度計」があります。京都大学防災研究所の光田寧さんが、1966年に気象集誌で「一般用超音波風速温度計」を発表しました[7]。
火星でも、音の速さが測られました。NASAの探査車パーサヴィアランスのマイクで録音した音から、2022年4月1日の『ネイチャー』に報告されています[8]。
火星では、低い音がおよそ秒速240メートル、高い音がおよそ秒速250メートルでした。地球の約343メートルと比べて、約7割です[8]。火星の空気は冷たく、薄く、二酸化炭素でできています。それが音の速さに関わります。
音の高さによって速さが違うのは、火星の低い圧力の二酸化炭素の大気ならではの特徴として報告されたもので、地球の空気の話ではありません[8]。
音速が温度で決まるなら、音速を測れば温度がわかる。この関係を利用して風速と温度を同時に測る機器が、超音波風速温度計である。光田寧(京都大学防災研究所)は、1966年に「一般用超音波風速温度計」を気象集誌に発表した[7]。書誌ページの要旨には、音速が温度で変わることを利用して風速と温度を同時に測定する、とある。
火星では、探査車パーサヴィアランスのマイクによる録音から音速が求められ、2022年4月1日の『Nature』に報告された[8]。NASA JPL の解説では、低音がおよそ240 m/s、高音がおよそ250 m/s で、地球の約343 m/s の約0.7倍である(240 ÷ 343 ≒ 0.70)。
火星の大気は、冷たく、薄く、二酸化炭素を主成分とする。遅さには、寒さだけでなく、二酸化炭素という大気の組成も関わるとされる[8]。音の高さで速さが異なるのは、低圧の二酸化炭素の大気の特徴として報告されたもので、地球の空気の話ではない。
7. じぶんでも たしかめて みたく なったら
7. 自分でも調べてみたくなったら
7. 自分でも調べてみたくなったら
もんだい。100メートル はなれた ところで 出した 音が とどく じかんを、0℃と 20℃で くらべて みましょう。0℃では 100 ÷ 331 で、0.30びょうぐらい。20℃では 100 ÷ 343 で、0.29びょうぐらい。ちがいは 0.01びょうぐらいです。
こんなに すこしの ちがいで、ふえの 音の 高さは かわります。それは どうして だったか、1の ボールの たとえを 思い出しながら、じぶんの ことばで 話して みましょう。
- 計算してみましょう。100メートル離れた場所から出た音が届く時間は、0℃と20℃でどれだけ違うでしょうか。0℃は100÷331で約0.30秒、20℃は100÷343で約0.29秒です。差は約0.01秒しかありません。それでも笛の音程が変わる理由を、1章のボールの話で説明できますか。
- 火星の音の話は、NASAの記事[8]が入口になります。低い音と高い音で速さが違うと、遠くの音は聞こえ方がどう変わるでしょうか。
- 「夜は遠くの音が聞こえる」は、音が曲がるためか、静かになるためか。どちらがどれだけ効くのかは、この記事では分かりません。そう思った場面を思い出して、両方の可能性を並べてみましょう。
- OpenStax の17.2節[2]を読み、v = √(γRT/M) に自分で温度を入れて、表を作る。この記事の表と比べ、γ や M を変えると値がどう動くかを確かめる。
- ニュートンの979フィート/秒と、1738年のパリの実験(0℃で332 m/s)は、Wikipedia の記述による[3]。原典(『プリンキピア』、科学アカデミーの記録)を探し、数字と実験の条件が同じかを比べる。
- 100 m 先の音が届く時間を、0℃と20℃で計算する。0.30秒と0.29秒で、差は約0.01秒。この小さな差が管楽器の音程を動かす理由を、v = fλ から説明する。
- 火星の音速は、NASA の解説[8]から、Nature の原論文へ進める。低音と高音で速さが違う理由を、原論文で確かめる。
しらべた ところ
参考にした情報源
参考にした情報源
出典について:大学物理の教科書、百科事典的な解説(英語版・日本語版)、音響学会での実演報告、運動論の教科書、気象会社の解説、学会誌の書誌ページ、NASA の解説を突き合わせて使った。何に使ったかは、それぞれの項目の最後に書いている。
- Randy Worland "Demonstrating the Effect of Air Temperature on Wind Instrument Tuning" (Acoustical Society of America, 161st Meeting, 2011). https://acoustics.org/pressroom/httpdocs/161st/Worland.html (気温と管楽器の音程の関係について)
- OpenStax "University Physics Volume 1", 17.2 Speed of Sound. https://openstax.org/books/university-physics-volume-1/pages/17-2-speed-of-sound (空気中の音速の値、理想気体の式、水・鋼の値、分子の速さとの関係について)
- Wikipedia "Speed of sound". https://en.wikipedia.org/wiki/Speed_of_sound (近似式、気圧・湿度の影響、硬さと密度、水中・鉄中の値、屈折、ニュートンと1738年の実験について)
- Wikipedia「音速」(日本語版). https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9F%B3%E9%80%9F (日本語での近似式の書き方、鉄中の値について)
- Lumen Learning "College Physics 13.4 Kinetic Theory: Atomic and Molecular Explanation of Pressure and Temperature". https://courses.lumenlearning.com/suny-physics/chapter/13-4-kinetic-theory-atomic-and-molecular-explanation-of-pressure-and-temperature/ (窒素分子の速さ、平均自由行程について)
- ウェザーニュース「気温が関係あり? 音が遠くまで聞こえる理由」. https://weathernews.jp/s/topics/201712/050105/ (昼と夜の音の曲がり方について)
- 光田寧「一般用超音波風速温度計」気象集誌 第2輯 44巻1号(1966年)、J-STAGE. https://www.jstage.jst.go.jp/article/jmsj1965/44/1/44_1_12/_article/-char/ja (音速の温度による変化を利用した風速温度計について。書誌ページの要旨)
- NASA JPL "What Sounds Captured by NASA's Perseverance Rover Reveal About Mars". https://www.jpl.nasa.gov/news/what-sounds-captured-by-nasas-perseverance-rover-reveal-about-mars/ (火星の音速、2022年の報告について)
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