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ここにあるのは、だれかが実際に調べ、考え、作ってきたことを集めたメモです。気になったら、ページの下の「参考にした情報源」から、もとの本や記事、それを生み出した人たちに、直接ふれてみてください。このメモには書ききれないおもしろさが、そこにあります。

かべを 2ばい おもく しても、しずかさは すこししか ふえない? ぼうおんしつの かべの ひみつ

壁を2倍重くしても、遮る力は約5dBしか増えない ── 防音室の壁は、重さだけでは足りない

面密度2倍でも透過損失は約5dB ── 防音室の壁の質量則の限界、二重壁の共鳴透過、遮音と吸音の役割分担

分野:技術

けんきゅうじょには、かべが とがった ふわふわの ざいりょうで できた へやが あります。ここでは、はなしごえも、てを たたく おとも、ほとんど ひびきません。

ふしぎな ことに、この かべは、おとを とめて いる わけでは ありません。では、おとを そとへ もらさない かべは、なにで できて いるのでしょう。かべを 2ばい おもく しても、おとを とめる ちからは 5デシベルくらいしか ふえません。おもさ、ふたえの かべ、すきまの ふさぎかたが わかります。

建築研究所には、壁も床も天井も、くさびの形をしたグラスウールでおおわれた部屋があります。音がほとんど反射しない部屋ですが、この壁は、音を通さないための壁ではありません。

では、音を外へもらさない壁は、何でできているのでしょうか。壁を2倍重くしても、遮る力は約5dBしか増えないという目安を出発点に、二重にする理由、すき間の大切さ、壁の中に入れるもの、遮音と吸音の使い分けが分かります。

建築研究所の無響室は、くさび型のグラスウールを壁・床・天井の仕上げにして、室内で音が反射しないようにしてある[5]。音を消す部屋の壁は、音を遮る壁とは別の働きをしている。

では、音を遮る壁は何でできているのか。面密度を2倍にしても透過損失は約5dBしか増えない、という質量則の目安[1]から、空気層をはさむ二重壁とその共鳴透過[3]、すき間、壁の中の吸音材までを、建設業団体・試験機関・研究所の資料で突き合わせ、遮音と吸音の役割分担が分かるようにする。

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1. ぼうおんしつの かべは、おとを けして くれるの?

1. 音を消す壁は、音を止めていない

1. 無響室の壁と、遮音の壁は何が違うか

けんきゅうじょの「むきょうしつ」は、かべも ゆかも てんじょうも、くさびの かたちを した グラスウールで おおわれて います[5]。おとが ぶつかっても、はねかえりません。

おとは、くさびの すきまに すいこまれて いきます。これを「きゅうおん」と いいます。おとを やまびこのように かえさない しくみです。

でも、これは おとを そとに だしたり、そとから いれなかったり する ことでは ありません。それは「しゃおん」と いって、べつの はたらきです。

そとへ もらさない かべは、どうすれば つくれるのでしょう。まずは、いちばん たいせつな「おもさ」から みて いきます。

建築研究所の無響室では、くさび型のグラスウールを天井・壁・床の仕上げにして、部屋の周りで音が反射しないようにしています[5]。反射する音がないので、空のような広い空間の一部を再現したことになり、住宅設備が出す音の大きさを測るのに使われます。

ここで大事なのは、音の扱いが2種類あることです。壁にぶつかった音を、はね返さずに吸いこむのが吸音です。壁の向こう側へ音を通さないのが遮音です。無響室の壁は、吸音のための壁です。

防音室に必要なのは、主に遮音のほうです。壁を通りぬける音を減らすには、まず何を考えればいいのでしょうか。手がかりは、壁の重さです。

建築研究所の建築音響実験棟の無響室は、くさび型のグラスウールを天井・壁・床の仕上げ材として施工し、周囲での音の反射をなくしてある。反射音がないことは、音響的には無限に広い空間の一部を再現していることになり、住宅設備機器の音響パワーレベルの測定などに使われる[5]。

同じ実験棟の残響室は、反対に硬く平滑な面で不整形の部屋にして、音を乱反射させ、室内のどこでも音のエネルギー密度が同じになる拡散音場をつくる。吸音材の試験や、界壁の遮音性能の試験に使われる[5]。つまり、反射をなくす部屋と、反射を増やす部屋が、それぞれの測定のために別々に作られている。

この対比から、壁の働きは吸音(壁面で音を反射させない)と遮音(壁の向こうへ透過させない)に分けて考える必要がある。防音室が外へ音をもらさない仕組みは後者にあたり、その出発点は壁の質量である。

2. かべを 2ばい おもく すると、どれくらい しずか?

2. 壁を2倍重くすると、どれくらい静かになるのか

2. 質量則 ── 面密度2倍で透過損失は約5dB

おもい かべほど、おとを とおしにくいと いわれます。おもい とびらを、こえで ゆらすのは むずかしいのと にています。

では、かべを 2ばい おもく したら、2ばい しずかに なるのでしょうか。しりょうでは、「5デシベル くらい」しか ふえないと しめされて います[1]。

「デシベル」は、おとを とおさない ちからを あらわす たんいです。10デシベル ふえると、とおる おとの ちからは 10ぶんの 1に なります[2]。5デシベルでは、3ぶんの 1くらいです。

かべを 2ばい おもく するのは たいへんなのに、ふえる ぶんは すこし。おもさだけで がんばるのは、たいへんそうです。

壁を通りぬける音がどれだけ減るかを表す数字を、音響透過損失といいます。単位はdBで、10dBなら通りぬける音のエネルギーは10分の1になります[2]。

壁のように板状で、すき間のないものでは、単位面積あたりの重さ(面密度)が大きいほど、また音が高いほど、透過損失は大きくなります。これを質量則といいます。面密度は、材料の密度に厚さをかけて求めます[1]。たとえば、密度が約2300kg/m³のコンクリートを150mmの厚さにすると、面密度は約345kg/m²です(密度×厚さの計算)。

ここに落とし穴があります。面密度を2倍にしても、透過損失はおよそ5dBしか大きくなりません。資料では、実際に近い条件での概算とされています[1]。5dBは、通りぬける音のエネルギーで約3分の1です。よく聞く「6dB」は、音が真正面から当たる場合の値で、資料の値とは条件が違います。

重さだけで音を止めようとすると、壁がどんどん厚く重くなってしまいます。ほかに手はないのでしょうか。その前に、もう一つ気になることがあります。音の高さによって、壁の効き方は同じなのでしょうか。

板状で気密な均質壁の音響透過損失は、面密度が大きいほど、また周波数が高いほど大きい(質量則)。面密度は密度×厚さで求まり、代表的な密度はコンクリート約2.3×10³、せっこうボード約0.8×10³、鋼約7.8×10³ kg/m³である。コンクリート150mmなら、面密度は約345kg/m²になる[1]。

ただし、面密度を2倍にしたときの増加量は約5dBにとどまる。同じ面密度で周波数が2倍になっても、約5dBの増加である。この値は、様々な方向から音が入射する条件での概算で、垂直入射で語られる6dBとは条件が異なる[1]。透過損失Rは透過率τの逆数のレベル表示(R=10log₁₀(1/τ))なので、5dBは透過エネルギーが約0.32倍になることを意味し、大きく重くしても効きが鈍い。

さらに、コインシデンス効果によって、質量則の推定値より透過損失が小さくなる周波数帯が生じる場合がある[1]。質量則は基本の考え方だが、壁の性能をこれだけで決めることはできない。では、壁の性能は周波数によってどう変わるのか。次章で、実測の値を見る。

3. ひくい おとほど、かべを とおりぬけやすいの?

3. 低い音は、なぜ壁をすり抜けやすいのか

3. 周波数ごとの透過損失と、低音域の難しさ

おんがくを ききながら ろうかを あるくと、ドラムの「ドン、ドン」だけが、かべの むこうから きこえた ことは ありませんか。ひくい おとは、かべを とおりやすいのです。

コンクリートの かべ(あつさ15センチ)でも、ひくい おとの ほうが、おとを とめる ちからが ちいさく なります[2]。

だから、ぼうおんしつを つくる ときは、ひくい おとを ふせぐ ことが むずかしい ばあいが おおいのです。

隣の家から、ベースやドラムの重い音だけが聞こえてくることがあります。高い音の成分は壁で減っても、低い音の成分が残りやすいためです。

日本建設業連合会の資料には、実測に近い値の例があります。厚さ150mmのコンクリート壁は、125Hzの低い音で35dB、1kHzの高い音で55dBの透過損失です。単板ガラス(6mm)は、125Hzで17dBしかありません[2]。

同じ壁でも、低い音のほうが20dBほど通りやすい、ということです。壁の性能は一つの数字では表せず、音の高さごとに見る必要があります[2]。

木造住宅の軽い外壁でも、低い音の遮音は難しいとされます。重くする対策の効果は、100Hzより低い音では、実際にはよく分かっていないという研究もあります[7]。重さだけに頼らない工夫として、壁を二重にする方法があります。ただし、これにも弱点があります。

音響透過損失は、周波数ごと(125Hz〜4kHzのオクターブ帯域)に表される。コンクリート150mmは125Hzで35dB、1kHzで55dBであり、単板ガラス6mmは125Hzで17dBである[2]。1つの数値で壁の性能を代表させることはできない。

低音域が難しいのは、質量則が周波数の高い音ほど有利な関係にあるからだ[1]。実際、木造住宅の軽量な外周壁(面密度25kg/m²程度の試験家屋)では、低周波域の遮音を確保しにくいとされ、壁・天井・窓の重量化は質量則を仮定した単純な推定に基づいている。100Hz未満での効果は不明とされる(東京大学の修士研究要旨。1件の研究であり、一般則として扱わない)[7]。

そこで、重さに頼らずに低い音を減らす手段が求められる。その候補が、壁を2枚に分けて空気層をはさむ二重構造である。

4. かべを 2まいに わけると、かるくて つよいの?

4. 二重壁は、軽くても高い遮音性能を出せる ── ただし共鳴という弱点もある

4. 二重壁の空気層と共鳴透過

ぼうおんしつの かべには、2まいの かべの あいだに、くうきの そうを はさむ ものが あります。とおる おとが へると いわれて います[3]。

この くうきは、ばねのように はたらきます。うすい かべ2まいを、やわらかい ばねで つないだ ようすを おもいうかべて ください。

ただし、ばねには くせが あります。ある たかさの おとだけ、ばねが ゆれて、かえって おとを とおして しまいます[3]。

この たかさは、くうきの そうを ひろく すると ひくく なります。ガラスの れいでは、くうきの そうが 6ミリだと 280ヘルツ、200ミリだと 48ヘルツです[3]。

ただし これは ガラスの れいで、ぼうおんしつの かべの かずでは ありません。

二重窓や二重壁は、2枚の板の間に空気層をはさみます。この空気層が、板に対してばねのように働きます。その結果、ある特定の周波数で共鳴が起き、その周辺の音は通りぬけやすくなります。これを共鳴透過といいます[3]。

その周波数より十分高い音では、同じ面密度の1枚の壁よりも大きな透過損失が得られます。つまり、比較的軽い壁で、高い遮音の性能を出せます[3]。

弱点は、共鳴する周波数です。資料のガラスの例では、空気層が6mmで280Hz、50mmで96Hz、200mmで48Hzです。空気層を広くするほど、共鳴する周波数は低くなります。200mmの空気層では、資料の図の範囲で共鳴の影響が出ず、同じガラスの総厚でも二重にしたほうが、1枚の場合より透過損失が大きくなります[3]。これはガラスの例で、防音室の壁の数値ではありません。

だから二重の壁では、空気層の幅で、共鳴する音の高さが変わることを考える必要があります。空気層を広くすると共鳴する音は低くなりますが、材料や厚さにもよります。壁がしっかり作られていても、空気の通り道が残っていたら、どうなるのでしょうか。

二重壁や複層ガラスのように空気層をもつ構造では、空気層が質量(板)に対するばねとして働き、特定の周波数で共鳴して透過しやすくなる(共鳴透過)。この周波数より十分高い帯域では、同じ面密度の単層壁より大きな透過損失が得られ、比較的軽量で高性能な遮音構造になる[3]。

そのため、空気層の寸法が設計上の要点になる。同資料のガラスの例では、共鳴透過周波数は空気層6mmで280Hz、50mmで96Hz、200mmで48Hzである。空気層を広げるほど共鳴周波数が下がり、200mmでは図の帯域で共鳴の影響が出ず、同じガラス総厚でも二重にしたほうが単板より透過損失が大きい[3]。

ただし、これはガラスの数値であり、防音室の壁にそのまま当てはまるとは限らない。また、空気層を大きく取ると壁は厚くなる。軽く高性能にする代わりに、空間を使うという条件がつく。次に、壁の性能を落とすもう一つの要因、すき間を見る。

5. かべに、ちいさな すきまが あると どうなる?

5. 壁の性能を落とす、すき間とドア

5. すき間と共鳴 ── 遮音性能を下げる要因

どんなに おもくて ぶあつい かべでも、すきまが あると、そこから おとが もれます。かべの しあがりで いちばん たいせつなのは、すきまを へらす ことです。

けんさきかんの しりょうにも、「すきまが すくない ほど、おとを とめる ちからが たかい」と かいて あります[4]。

ドアも おなじです。スタジオで つかう たかい ぼうおんの ドアは、すきまを ふさぐ くふうを して います。

日本建築総合試験所の資料には、壁などの遮音性能が高くなる条件が、次のように書かれています。面密度が高いこと、すき間が少ないこと、共鳴などが起こらないことです[4]。

重さも空気層も大事ですが、すき間があれば、そこが音の通り道になります。この資料では、すき間が具体的に何dB性能を落とすかは示されていないので、ここでは「少ないほど高い」という言い方にとどめます。

試験の様子も資料にあります。隣り合った2つの部屋の間に、試験する壁を取りつけます。一方の部屋でスピーカーから100dB程度の音を出し、二つの部屋の音の大きさの差を測ります。鉄筋コンクリートの壁(厚さ150mm)は、Rr-50という等級程度、スタジオ用の高い遮音のドアはT-4という等級程度とされています[4]。

重い壁・二重の壁・すき間なし。ここまでで、外へ音をもらさない準備は整いました。でも、防音室の中では、どんな音が響くのでしょうか。

遮音性能は、一般に面密度が高く、すき間が少なく、共鳴などが起こらないものほど高い[4]。すき間の影響を具体的なdB値で示す資料は、今回参照した範囲にはないため、ここでは数値を挙げない。

試験は、隣り合う残響室的な2室に試験体を取り付け、音源室にスピーカーで100dB程度の音を出し、2室の音圧レベル差を測る方法で行われる。鉄筋コンクリート壁(素面・厚150mm)はRr-50等級程度、スタジオ用など高遮音ドアはT-4等級程度とされる[4]。壁は面としての性能に加えて、ドアなどの開口部を含む全体で評価される。

ここまでが、外へ音をもらさない壁の話である。しかし防音室では、部屋の内側の響きも別に整える必要がある。壁の内部と内装で、吸音がどう使われるかを次に見る。

6. かべの なかにも、ふわふわを いれるの?

6. 壁の中と内側で、吸音はどう役に立つのか

6. 壁内の繊維系材料と吸音の限界

ぼうおんしつの なかで ピアノを ひくと、おとが かべに ぶつかって、なんども はねかえります。そのままだと、こもったような ひびきに なります。

へやがわの かべに、ふわふわの ざいりょうを つけると、はねかえりが へります。これが、はじめに でて きた「きゅうおん」です。

また、かべの なかに せんいの ざいりょうを いれると、かべを とおる おとが 10デシベルほど ちいさく なる ことが ある と、りんさんしけんじょうの けんきゅうしゃは はなして います。くちで こたえた めやすです[6]。

ただし ひくい おとは きゅうおんしにくく、たかい おとばかり へります[6]。だから おもさや ふたえの かべも いっしょに つかいます。

壁の中に繊維状の断熱材を入れると、音が繊維の中を通るときに弱まり、遮音性能が10dB程度上がるという話があります。北海道立林産試験場の研究者が、意見交換会で述べたものです。目安であり、口頭での回答であることに注意してください[6]。

同じ話の中で、プラスチック系の断熱材は、材料自体が振動しやすいため、遮音性能がかえって下がる場合があるとも述べられています。繊維系とプラスチック系の違いは、遮音より吸音のほうに大きく出るそうです[6]。

吸音にも弱点があります。低い音は吸音しにくく、減るのは高い音ばかりです[6]。低い音は重い壁や二重の構造、高い音は吸音材が担当する、と役割を分けて考えると、防音室の壁の姿が見えてきます。

最初に見た無響室は、吸音だけで作られた部屋でした。同じ建築研究所の残響室は、反対に、硬くてつるつるの面で音をたくさん反射させます[5]。防音室は、その2つの間で、外へもらさない働きと、中の響きを整える働きを、重ねた部屋といえます。

北海道立林産試験場の研究者は、繊維系断熱材を壁内に入れると音が減衰し、遮音性能が10dB程度上がると述べている。一方、プラスチック系は材料自体が振動しやすく、遮音性能がかえって悪くなる場合がある。繊維系とプラスチック系の差は、遮音よりも吸音性能に大きく出る、という[6]。これは講演後の質疑での口頭回答であり、10dBは目安として読む必要がある。

また、低音は吸音されにくく、吸音では高音ばかりが減る[6]。この性質は、低音域では質量則の限界に、高音域では吸音材に頼るという役割分担の背景になる。

整理すると、防音室の壁は、外へもらさないための遮音(質量・空気層・すき間対策)と、室内の反射を整えるための吸音を組み合わせたものといえる。無響室は吸音に、残響室は反射に振り切った施設で、その中間に、目的に応じた部屋がある[5]。メーカー製の防音室の内部構造は、本記事の資料では扱っていない。

自分でも しらべて みたく なったら

自分でも調べてみたくなったら

自分でも調べてみたくなったら

今日できること

てを パンと たたいて、ひびきを きいて みましょう。おなじ へやで、カーテンを あけた ときと しめた ときに、てを たたいて くらべます。しめた ほうが、ひびきが すぐ きえるかも しれません。

出かけてできること

おんがくの ホールや、がっこうの おんがくしつの かべや てんじょうを 見て みましょう。ざらざらや あなの あいた ざいりょうが あったら、きゅうおんの くふうかも しれません。

こうしきの じょうほう

しりょうを よむなら、にほん けんせつぎょう れんごうかいの「おんかんきょう」の ようご しゅうが あります。おうちの ひとと いっしょに、ひらいて みましょう。

今日できること

手をパンとたたいて、響き方を聞き比べてみましょう。浴室のように硬い面で囲まれた場所と、布団やカーテンのある部屋を比べます。硬い面ではあとまで響きが残り、布のあるところでは早く消えるはずです。これが、吸音の働きです。

出かけてできること

音楽ホールや学校の音楽室に行く機会があれば、壁や天井をよく見てみましょう。凹凸やざらざらした面、穴の空いた板があれば、音の響きを整える工夫かもしれません。

公式情報

日本建設業連合会の音環境専門部会が公開している用語集(質量則・音響透過損失・共鳴透過)は、この記事の柱になった資料です(下の「参考にした情報源」の[1][2][3])。建築研究所の建築音響実験棟の紹介資料には、無響室と残響室の写真や説明があります。

今日できること

手をたたいて、響きの残り方を聞き比べる。浴室のような硬い面の空間と、布団やカーテンのある部屋で、音が消えるまでの長さを比べてみよう。吸音材の有無で、反射音の残り方が変わる様子が確かめられる。

出かけてできること

音楽ホールや学校の音楽室などで、壁・天井の仕上げ材を観察してみよう。壁の内部までは見えないが、表面の材料と響きの関係は分かる。

公式情報

日本建設業連合会「音環境専門部会」の用語集PDF(質量則・音響透過損失・共鳴透過)は、数式と図で説明されており、本記事の柱になった([1][2][3])。手をたたいて、浴室のような硬い空間とカーテンを閉めた部屋の響きを聞き比べると、吸音の違いを体験できる。建築研究所の建築音響実験棟の紹介資料は、無響室と残響室の対比を知る手がかりになる。日本建築総合試験所の「わかりやすい試験シリーズ」では、遮音試験の方法が説明されている。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

数値は、各資料の概算・例の値です。防音室ごとの実際の性能とは限りません。

  1. 日本建設業連合会 音環境専門部会 用語「質量則」(改訂2024.02.15) https://www.nikkenren.com/kenchiku/sound/pdf/glossary/sa-0300.pdf (質量則・面密度・コインシデンス効果)
  2. 日本建設業連合会 音環境専門部会 用語「音響透過損失」(出典:前川他『建築・環境音響学』第3版) https://nikkenren.com/kenchiku/sound/pdf/glossary/a-0500.pdf (透過損失の定義・実測例)
  3. 日本建設業連合会 音環境専門部会 用語「共鳴透過」 https://www.nikkenren.com/kenchiku/sound/pdf/glossary/ka-0400.pdf (二重壁の空気層と共鳴)
  4. 日本建築総合試験所 わかりやすい試験シリーズ 音-02 https://www.gbrc.or.jp/assets/test_series/documents/ac_02.pdf (遮音性能の条件・試験方法)
  5. 建築研究所 建築音響実験棟 https://www.kenken.go.jp/japanese/information/introduction/facilities/PDF/16.pdf (無響室・残響室)
  6. 北海道立林産試験場「林産試だより」2010年7月号 意見交換会(抜粋) https://www.hro.or.jp/upload/49697/11007041012.pdf (壁内の断熱材と吸音。口頭回答)
  7. 東京大学 佐久間研究室 修士研究要旨 https://www.env-acoust.t.u-tokyo.ac.jp/public/x/x009.pdf (木造住宅の低周波の遮音。学生の研究要旨)

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