1. どちらも レンズを 二だん つかって いるの?
1. どちらも、まず像を作り、それを拡大して見る
1. 共通の構造 ── 対物レンズが像を作り、接眼レンズが拡大する
どちらも、まえの レンズと 目の がわの レンズを、二だんに ならべて つかいます。ものに 近い ほうの レンズが、まず 小さな すがたを つくります。目に 近い ほうの レンズは、その すがたを 虫眼鏡の ように 大きく して 見せます[1][3]。
つまり、すがたを 2回 大きく する 二だん がまえです。望遠鏡も 顕微鏡も、ここまでは 同じです。
ちがいは、この あとの えらび方に 出て きます。
2. 望遠鏡は、どんな レンズを えらぶの?
2. 望遠鏡は、前のレンズを「ゆるく」、目のレンズを「きつく」
2. 望遠鏡の倍率 ── 焦点距離の比(わり算)で決まる
望遠鏡で よく 見える ようにするには、前の レンズは、光を ゆるやかに あつめる もの、目の がわの レンズは、光を ぎゅっと 曲げる ものを つかうと いわれて います[1]。
ゆるやかな レンズは、焦点までの 長さが 長く なります。その 長さを、目の がわの レンズの 長さで わると、何ばいかが 出ます[2]。
たとえば、前の レンズの 長さが 900ミリで、目の がわが 20ミリなら、900 わる 20で 45ばいです[2]。目の がわの レンズを、もっと 短い ものに かえると、ばいりつは 上がります。
やってみよう。虫眼鏡が 2まい あったら、部屋の 中で ためして みます。まどの 外の 建物など、遠くの ものを 見ながら、1まいを 目の 近くに、もう 1まいを 手を のばした ところに もち、ゆっくり 動かして ピントを さがします。あまり 大きく 見えない 虫眼鏡を 前に、よく 大きく 見える ほうを 目の 近くに すると、見えやすいかもしれません。うまく いかない ことも あります。太陽は、ぜったいに 見ないで ください。
望遠鏡では、対物レンズは焦点距離が長いもの、接眼レンズは焦点距離が短いものを選ぶと、高倍率になると説明されています[1]。
倍率は、対物レンズの焦点距離を接眼レンズの焦点距離でわった値です。たとえば対物が900ミリ、接眼が20ミリなら、900÷20で45倍になります[2]。接眼を短くすると、倍率は上がります。
つまり望遠鏡の倍率は、対物レンズと接眼レンズという二つのレンズ系の焦点距離の比で決まります。前のレンズを選ぶときは、焦点距離の長さが大事になります。
やってみよう。虫眼鏡が2枚あれば、室内で試せます。1枚を目の近くに、もう1枚を腕をのばした位置に持ち、ゆっくり動かしてピントの合う位置を探します。あまり大きく見えない(焦点距離が長い)虫眼鏡を前に、よく大きく見えるほうを目に近く置くと、見えやすいかもしれません。うまくいかないこともあります。窓の外の建物など、遠くの物を見てください。太陽は絶対に見ないでください。
3. 顕微鏡の 大きさは、どう 決まるの?
3. 顕微鏡は、わり算ではなくかけ算になる
3. 顕微鏡の倍率 ── 対物倍率×接眼倍率(かけ算)
顕微鏡では、ぜんぶの 大きさは、前の レンズと 目の がわの レンズの ばいりつを かけ算した ものです[3]。
前の レンズが 20ばい、目の がわが 10ばいなら、20 かける 10で 200ばいに なります[4]。望遠鏡は わり算、顕微鏡は かけ算と おぼえると、ちがいが はっきりします。
ふつうの 光の 顕微鏡では、数十ばいから 1000ばい ぐらいが ふつうと いわれて います[4]。
もう 1つ、おもしろい ことが あります。ばいりつが 高い レンズは、前の レンズでは つつが 長く なり、目の がわの レンズでは 反対に 短く なると いわれて います[4]。おなじ レンズどうしでも、ならび方の 決まりは はんたいに なって います。
顕微鏡の総合倍率は、対物レンズの倍率と接眼レンズの倍率をかけた値です[3]。対物が20倍、接眼が10倍なら、20×10で200倍になります[4]。
望遠鏡は焦点距離のわり算、顕微鏡は倍率のかけ算です。同じ二段構えでも、倍率の求め方が別の形になっています。
光学顕微鏡の観察倍率は、数十倍から1000倍程度が一般的とされます[4]。
レンズの形にも違いがあります。顕微鏡の対物レンズは、倍率が高いほどレンズ長が長くなり、接眼レンズは逆に、高倍率のほうが短くなるそうです[4]。高倍率の対物は、一般に焦点距離の短いレンズにあたるといえますが、この資料の言葉そのままではありません。
顕微鏡の総合倍率は、対物レンズの倍率と接眼レンズの倍率の積である[3]。対物20×、接眼10×なら200倍になる[4]。望遠鏡が焦点距離の比(わり算)で倍率が決まるのに対し、顕微鏡はレンズごとの倍率のかけ算である。
光学顕微鏡の観察倍率は、数十倍から1000倍程度が一般的とされる[4]。
対物レンズでは倍率が高いほどレンズ長が長く、接眼レンズでは逆に高倍率のほうがレンズ長が短い[4]。高倍率の対物が焦点距離の短いレンズに当たる、という読み替えは光学の一般論であり、この出典の直接の文言ではない。接眼レンズが「高倍率ほど短い」点は望遠鏡と共通で、対物レンズの向きだけが、望遠鏡では焦点距離を長く、顕微鏡では高倍率(短い焦点距離)を選ぶという逆向きになる。
4. 目の がわの レンズを へこませると?
4. 凹レンズの望遠鏡と、凸レンズだけの望遠鏡
4. ガリレオ式とケプラー式 ── 正立像と広い視野のどちらをとるか
望遠鏡には、2つの 形が あります。ガリレオが つかった 形は、前が 凸レンズ、目の がわが まんなかの へこんだ レンズです。うえと したが さかさまに ならず、そのまま 見えます[5]。
けれど、この 形は 見える はんいが せまく、高い ばいりつには むきません。今は オペラグラスなどに つかわれて います[5]。
もう 1つは、どちらも 凸レンズの 形です。さかさまに 見えますが、はんいが ひろく、目もりを 入れる ことも できます。今の 望遠鏡は、ほとんど この 形です[6]。
この 形は、ケプラーが 1611年に 発表し、1615年ごろ、シャイナーと いう 人が 作ったと いわれて います[6]。
望遠鏡の形は、大きく2つあります。ガリレオ式は、対物が凸レンズ、接眼が凹レンズで、上下左右が逆にならない正立像になります。ただし視野は倍率の2乗に反比例して狭くなり、周辺に収差も出るので、高倍率には向かず、現在はオペラグラスなどに使われます[5]。
ケプラー式は、対物も接眼も凸レンズです。像は倒立しますが、視野は倍率に反比例するだけで広く、焦点面に十字線や目盛りを置けます。現在の屈折望遠鏡は、ほぼこの形です[6]。
形を発表したのは、1611年のケプラーです。実際に作ったのは、1615年ごろのシャイナーと伝えられます[6]。ガリレオ式の元は、1608年ごろオランダで作られた屈折望遠鏡で、ガリレオが月に向けたのは1609年です[5]。ガリレオが望遠鏡を発明したわけではありません。
ガリレオ式望遠鏡は、対物が凸レンズ、接眼が凹レンズで、正立像が得られる。ただし視野が倍率の2乗に反比例して狭くなり、周辺に収差が出るため、高倍率には向かない。現在はオペラグラスなどに使われる[5]。
ケプラー式は、対物・接眼とも凸レンズで、倒立像になる。視野は倍率の1乗に反比例するだけで広く、焦点面に十字線や目盛りを置けるため、現在の屈折望遠鏡はほぼこの形である[6]。
ケプラーが形を発表したのは1611年、製作したのはシャイナーで1615年ごろとされる[6]。ガリレオ式の元になった屈折望遠鏡は1608年ごろオランダで作られ、ガリレオは1609年に月へ向けた[5]。ガリレオを発明者とは書けない。像が上下逆になる代わりに視野が広く、測るための目盛りも置ける、というケプラー式の性質が、現在主流になった理由の一つと読める。
5. ガリレオは、望遠鏡で 何を 見たの?
5. 望遠鏡の焦点を近づけると、小さな物が見えた
5. 望遠鏡から複式顕微鏡へ ── 名づけは1625年
ガリレオは、1610年より あとに、望遠鏡の 焦点を 近づけると、小さな ものが 大きく 見える ことに 気づいたと、いわれて います[7]。
「顕微鏡」と いう 名まえは、1625年に、ファベールと いう 人が つけたそうです[7]。
レンズを ならべて 小さな ものを 見る どうぐは、だれが 作ったのか、はっきり しません。1590年ごろ、オランダの 眼鏡の 店と むすびつける 話も あります[7]。
6. 大きく 見えれば、それで いいの?
6. 倍率だけでは決まらない ── 口径というもう1つの物差し
6. 口径と適正倍率 ── 集める光の量が、見える細部を決める
いいえ。望遠鏡の 力は、ばいりつだけで 決まりません。前の レンズの 大きさ(口径)が 大きい ほど、光を たくさん あつめて、くらい 星も 見えます[2]。
すばる望遠鏡の 大きな かがみは、大きさが 8.2メートルで、人の 目の 100万ばいより 多くの 光を あつめると 書かれて います[8]。
ばいりつを 上げすぎるのも よく ありません。目安は、口径が 8センチなら、80ばいぐらい までです[2]。
7. じぶんでも たしかめて みたく なったら
7. 自分でも調べてみたくなったら
7. 自分でも調べてみたくなったら
虫眼鏡や めがねの レンズを、いくつか さわって 見て ください。どの レンズが よく 大きく 見えて、どの レンズが あまり 大きく 見えないか、ならべて くらべて みましょう。
もっと 知りたく なったら、科学館に ある 望遠鏡や 顕微鏡を のぞいて、前の レンズと 目の がわの レンズを 見つけて みて ください。
望遠鏡で 太陽を 見るのは、目を いためるので、ぜったいに しないで ください。
しらべた ところ
参考にした情報源
参考にした情報源
出典について:科学館や天文愛好家向けの光学解説、日本顕微鏡工業会と機器メーカーの解説、天文学辞典、すばる望遠鏡の紹介、Wikipedia を使った。何に使ったかは項目ごとに書いた。
- 星空の楽しみ方「超入門 望遠鏡光学」。 https://star-party.jp/owner/?p=1174 (屈折望遠鏡の二段構えと、高倍率にするレンズの選び方について)
- 姫路市 姫路科学館「望遠鏡の性能」。 https://www.city.himeji.lg.jp/atom/planet/info/telescope/telesco2.html (望遠鏡の倍率の式、口径、適正倍率の目安について)
- 日本顕微鏡工業会「1.2 顕微鏡による拡大像」。 https://microscope.jp/knowledge/01-2.html (顕微鏡の中間像と総合倍率について)
- キーエンス「顕微鏡入門 光学系」。 https://www.keyence.co.jp/ss/products/microscope/beginner/study/optics.jsp (顕微鏡の倍率の例、観察範囲、レンズの長さについて)
- 天文学辞典「ガリレオ式望遠鏡」。 https://astro-dic.jp/galilean-telescope/ (ガリレオ式の構造と特徴、年代について)
- 天文学辞典「ケプラー式望遠鏡」。 https://astro-dic.jp/keplerian-telescope/ (ケプラー式の構造と特徴、発表・製作の年について)
- Wikipedia「顕微鏡」。 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%A1%95%E5%BE%AE%E9%8F%A1 (ガリレオの気づき、顕微鏡の命名、発明の諸説について)
- すばる望遠鏡(国立天文台)「特徴」。 https://subarutelescope.org/jp/about/features/2.html (主鏡の口径と集光力について)
なおした ところ
更新履歴
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