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ここにあるのは、だれかが実際に調べ、考え、作ってきたことを集めたメモです。気になったら、ページの下の「参考にした情報源」から、もとの本や記事、それを生み出した人たちに、直接ふれてみてください。このメモには書ききれないおもしろさが、そこにあります。

ぴかっと 光って、3びょう あとに ごろごろ。その 3びょうは なに?

雷の「光ってから音まで」の数秒 ── 光と音の速さの差を使って距離を見積もる

光と雷鳴の時間差 ── 約88万倍の速さの差、秒数×340mの距離見積もり、その限界

分野:自然

ぴかっと 光った あと、「1、2、3」と かぞえたら、ごろごろ。この 3びょうの あいだ、音は 空気の 中を 進んで いました。

光は、この 3びょうを 待って くれないのでしょうか。かぞえた 数から、雷かみなりまでの ようすが わかるのでしょうか。しりょうを たどって みます。

雷がぴかっと光ってから、「1、2、3」と数えると、ごろごろと音が聞こえてくる。この数秒のあいだ、音は空気の中を進んでいます。

光は、なぜ音より先に着くのでしょうか。数えた秒数から、雷までの距離はどこまで分かるのでしょうか。そしてその数字は、どのくらい信用してよいのでしょうか。資料をたどります。

雷の閃光と雷鳴のあいだの数秒は、光の速さ(約30万km/s)と空気中の音の速さ(約340m/s)の差から生じる[2][3]。この差は約88万倍で、光は1km先へ約3.3マイクロ秒で届く(本文で計算する)。

秒数×340mで距離を見積もる方法[4]、米国気象局の「5秒で1マイル」との整合[5]、音速が気温で変わること[3]、音そのものの発生源[5][6]を、資料を突き合わせて整理する。

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1. かぞえた 3びょうで、音は どれくらい 進むの?

1. 数えた3秒で、音はどれだけ進むのか

1. 空気中の音の速さ ── 秒速340m

空気の 中を 音が 進む はやさは、1びょうで 340メートルほどと いわれます[3]。これは、気温が 15℃の ときの 数字です。

だから、光ってから 3びょう あとに 音が きこえたら、音は 3びょうかけて 1キロメートル ぐらい 進んで きた ことに なります。

1キロメートルは、大人が ゆっくり 歩いて 十数分の きょりです。それを 音は、3びょうで 来ます。

空気中を進む音の速さは、気温15℃で秒速340mほどとされています[3]。1秒に340mですから、3秒なら1020m、およそ1kmです。

つまり、光ってから3秒後に音が聞こえたなら、音は約1km先から3秒かけてやって来たことになります。大人がゆっくり歩けば十数分かかる距離を、音は3秒で進みます。

ただし、「秒速340m」は気温15℃のときの値です。この数字が季節で少し変わることは、第4章でふれます。

1気圧の乾燥空気中の音速は、331.5+0.61t(m/s、tは摂氏温度)という式が常用される。15℃で340.5m/sとなり、これを丸めて一般に秒速340mとする[3]。

この値を使うと、閃光から雷鳴まで3秒なら約1020m、つまり約1kmである。ただし340m/sは15℃の値で、気温によって変わる(第4章)。

2. 光は、まっててくれない?

2. 光は「一瞬」ではない ── 音の約88万倍

2. 光速との比較 ── 約88万倍と、1kmで約3.3マイクロ秒

光は、1びょうで やく 30万キロメートルも 進みます[2]。音の 88万ばいほどの はやさです。

1キロメートル先の 雷かみなりの 光は、やく 3.3マイクロびょうで 目に とどきます。マイクロびょうは、1びょうを 100万に わった 長さです。

音が 3びょうかかる あいだに、光は やく 88万キロメートルも 進んで しまう のです。だから 光と 音の ずれは、かぞえられるほど おおきく なります。

ただし、光も 「ほんとうに 0びょう」では ありません。ちょっとだけ かかって いるのですが、地上の きょりでは 小さすぎて、目では わかりません。

光の速さは、真空中で約30万km/s(299792458m/s)です[2]。メートルという長さの単位そのものが、この光の速さを決めることで定義されています[1]。

音の340m/sと比べると、光は約88万倍の速さです。計算すると、1km先の雷の光が目に届くまでに約3.3マイクロ秒(1マイクロ秒は100万分の1秒)、音は約2.9秒かかります。音が約3秒かかっているあいだに、光は約88万kmも進む計算になります。

光も「一瞬」ではなく、時間はかかっています。ただ、地上で見える距離では、その時間が小さすぎて感じられません。だから、私たちは光を先に、音を遅れて受け取ることになります。

光速は真空中で299792458m/sに固定されており、メートルはこの値を定めることで定義される(2019年の改定)[1]。約30万km/sで、水中では屈折率約1.33により約22.5万km/sに下がる[2]。空気中の光速は真空よりわずかに遅いが、以下の見積もりには影響しない大きさである。

比は299792458÷340≒881,700で、約88万倍になる(自分で計算した値)。1km先では、光は1000÷299792458≒3.34×10⁻⁶秒(約3.3マイクロ秒)、音は1000÷340≒2.94秒で届く。音が2.94秒進むあいだに、光は約88万km進む。

光も有限の速さで進む。ただ地上の距離では所要時間が小さすぎ、光は実質的に「見た瞬間」に届くため、雷の距離見積もりでは光の到着時刻を閃光の発生時刻とみなせる。

3. 音の もとは、空気の ふくらみ

3. 雷の音は、空気が急にふくらんでできる

3. 雷鳴の発生源 ── 放電路の空気の膨張と収縮

では、光った あと 音が 出る のは なぜでしょう。アメリカの 天気の やくしょは、雷かみなりが 通った 道の 空気が、とても はやく あつく なって ふくらみ、すぐに ちぢむ ことが 音の もとに なると せつめいして います[5]。

日本の かいせつでも、空気が 3万℃ちかくまで あつく なり、ばくはつ した ときのように ふくらんで、その 音が 聞こえると されて います[6]。

音は、ちかいと 「パリパリ」「バリバリ」、とおいと 「ごろごろ」と 聞こえる そうです[6]。

光と音は、同じ雷から出ていますが、しくみは別です。米国の気象局(NWS)は、雷が通った道(放電路)の空気が急激に熱せられて膨張し、すぐに冷えて縮むことが音波になり、雷鳴として聞こえると説明しています[5]。放電路の温度は、最高で約2.8万℃に達するとされています。

日本の気象会社の解説も、稲妻が通った部分の空気は3万℃近くまで一瞬で熱せられ、爆発と同じように膨張して破裂音になる、と述べています。近くでは「パリパリ」、やや離れると「バリバリ」、遠くでは「ゴロゴロ」と聞こえるそうです[6]。

NWSによれば、放電が空気を急速に加熱して膨張させ、直後の収縮とともに音波を生む。これが雷鳴であり、放電路は最高で約50,000°F(約2.8万℃)に達するという[5]。なお50,000°Fは華氏の値で、摂氏では約2.8万℃である。

ウェザーニュースは、約3万℃の稲妻が通った空気が瞬時に膨張して破裂音となり、近ければ「パリパリ」、やや離れると「バリバリ」、遠ければ「ゴロゴロ」と聞こえると説明する[6]。どちらも放電路の空気の急膨張を音源とする点で一致している。

4. 秒の 数から、きょりを 見つけよう

4. 秒数×340mで距離を見積もる ── ただし目安

4. 距離の見積もりと、その限界

光ってから 音が 聞こえるまでの 秒の 数に 340を かけると、雷かみなりが 通った 道すじ(空の 中で 光った ところ)までの、およその きょりが わかる と いわれます[4]。音は その 道すじの あちこちから とどくので、地面に 落ちた ところまでの きょりと ぴったり 同じとは かぎりません。3びょうなら やく 1キロメートル、10びょうなら やく 3.4キロメートルです。

アメリカの 天気の やくしょは、「音が 1マイル(やく 1.6キロメートル)進むのに、やく 5びょう」と せつめいして います[5]。5びょうを 340メートルに かけると 1.7キロメートルで、ほぼ 同じ です。

でも、これは あくまで めやすです。音の 速さは、気温が 1℃ あがると、0.6メートルほど はやく なります[3]。夏の 30℃なら 1びょうで やく 350メートル、0℃の 冬なら やく 331メートルです。

10びょうなら、夏と 冬で きょりが 200メートルほど ちがって きます。

そして 「まだ 遠いから だいじょうぶ」と 考える ための 数字では ありません。この 数字は、きょりを 知る ための ものです。

光は一瞬で届くとみなせるので、光ってから音が聞こえるまでの秒数に340mを掛けると、雷の放電路までのおよその距離になります[4]。音は放電路の各所から届くので、地上の落雷地点までの距離と一致するとは限りません[5]。3秒でおよそ1km、10秒なら約3.4kmです。

米国の気象局は、雷鳴が1マイル(約1.6km)進むのに約5秒かかると説明し、「秒数を5で割るとマイルになる」という数え方を紹介しています[5]。5秒×340mは1.7kmですから、日本の数え方とほぼ一致します。

ただし、340m/sは15℃の値です。音速は気温が1℃上がると約0.6m/s増えます[3]。式にあてはめると、0℃で約331m/s、30℃で約350m/sです。10秒なら、冬は約3.3km、夏は約3.5kmと、200mほどの差が出ます。

この方法は距離の目安を知るためのもので、安全を保証する数字ではありません。気象庁は、雷の音が聞こえたら積乱雲が近づいているサインで、まもなく激しい雨と雷が来るので、速やかに安全な場所へ避難するよう案内しています[7]。「3秒で1km、まだ遠い」と考えて、外にとどまる理由にはなりません。

閃光を見てから雷鳴を聞くまでの秒数Δtに340m/sを掛けると、雷の放電路までのおよその距離d≒340×Δtが得られる[4]。光の伝播時間は無視できるので、閃光の到着を発生時刻とみなす近似である。音は放電路の各所から届くため、地上の落雷地点までの距離と一致するとは限らない[5]。3秒で約1km、10秒で約3.4kmになる。

NWSは、雷鳴が1マイル進むのに約5秒かかるとして「秒数を5で割ればマイル」の目安を示す[5]。1マイル≒1.6kmで5秒×340m/s=1.7kmなので、日本の計算と整合する。

340m/sは15℃の値で、係数0.61により気温1℃あたり約0.6m/s変わる。0℃で約331.5m/s、30℃で約349.8m/sで、10秒なら約3.3kmと約3.5kmになり、200m前後の差が出る[3]。完全気体の音速は絶対温度の平方根に比例し(a=√(γRT))[8]、この温度依存の理由は別の記事「音の速さは、なぜ温度で変わるのか」(sound-speed-temperature)でも詳しく扱っている。実際には気温や風の分布によって、距離にずれが生じることがある。

この見積もりは安全の判断には使えない。気象庁は、雷の音が聞こえた時点を積乱雲が近づくサインとし、まもなく激しい雨と雷が来るとして、速やかな避難を案内している[7]。距離が遠く見える秒数でも、避難をしない理由にはならない。

5. ごろごろと つづくのは、なぜ? どこまで 聞こえる?

5. 「ゴロゴロ」と続く理由と、雷鳴が聞こえる範囲

5. 雷鳴が長く続く理由と、可聴範囲

雷かみなりの 音が ごろごろと つづいて 聞こえるのは、道の あちこちで 生まれた 音が、すこしずつ ずれて とどき、かさなる からだと せつめい されて います[4]。

音は、おなじ 場所から 出た のでは ありません。近い ところの 音は はやく、とおい ところの 音は おそく とどきます。

アメリカの 天気の やくしょは、雷かみなりの 音が 聞こえるのは、雷かみなりから やく 16キロメートル(10マイル)ほどまで と しています[5]。ただし、聞こえる きょりは、まわりの じょうけんで かわります。

雷鳴が「ゴロゴロ」と長く続くのは、放電路のさまざまな場所で生まれた音が、少しずつタイミングをずらして耳に届き、重なって聞こえるからだと説明されています[4]。雷の通り道は長く伸びているので、近い部分の音が先に、遠い部分の音があとに届くのです。

山や建物での反響も関係するという解説もありますが、今回そろえた資料では、時間差による説明だけを確認しています。

米国の気象局は、雷鳴が聞こえるのは落雷地点から約10マイル(約16km)ほどまで、と述べています[5]。聞こえる距離は条件で変わるので、あくまで目安です。

雷鳴が持続して聞こえる理由として、放電路の各所で発生した音が、到達時間をずらして重なるためだという説明が示されている[4]。放電路は数km以上に及ぶこともあり、観測者に近い部分と遠い部分の音の到着差が「ゴロゴロ」の長さになる。反響が一因とする解説もあるが、本記事の資料では到達時間差の説明だけを確認した。

NWSは、雷鳴が聞こえるのは落雷地点から約10マイル(約16km)までとする[5]。なお日本語の二次資料には「約10km」とするものもあり、マイルとkmが混在しやすい。聞こえる距離は気象条件などで変わる。

6. かみなりの 音が 聞こえたら

6. 雷の音が聞こえたら、まず室内へ

6. 出口 ── 数字を使う前に、避難と資料の入口

かぞえて きょりを 知るのは、おもしろい ことです。でも 光ってから 音まで 長くても、音が 聞こえた ときは、もう 雷かみなり雲が 近づいて いる しるしだと 気象庁きしょうちょうは 言って います[7]。

やってみるなら、おうちの 中で、音を 聞いて 数えて みましょう。ぴかっと 光ったら 心の 中で かぞえて、ごろごろが 聞こえたら 数を おぼえます。10びょうなら 3.4キロメートル。あとで 家の ひとと、地図で 3.4キロメートルは どこ ぐらいか 見て みて ください。

そとに いる ときに 音が 聞こえたら、かぞえずに、じょうぶな たてものや くるまの 中へ いそぎましょう。

雷が光ったら、家の中で、光と音の間の秒数を数えてみてください。音が聞こえた秒数に340を掛けて距離を出し、地図アプリではなく、家の人と紙の地図や町のようすで「そのくらいの距離にあるものは何か」を探すと、数字が実感に変わります。

外にいるときに雷の音が聞こえたら、数えるのはやめて、頑丈な建物の中へ急いでください。気象庁は、雷の音が聞こえることを積乱雲が近づくサインとし、速やかな避難を案内しています[7]。

この記事の数式は、光の速さが音の約88万倍であることと、音速が気温で変わることだけから導かれる。試すなら、屋内で、閃光から雷鳴までの秒数を複数回記録し、距離が時間とともに近づくか遠ざかるかを見るとよい。外にいるときは、距離見積もりより避難を優先する[7]。

資料を読むなら、光速の定義は産総研の解説[1]、音速の式は Wikipedia 日本語版[3]と機械工学辞典[8]、雷鳴の発生源は米国気象局のページ[5]が入口になる。日本語の距離見積もりの解説は[4]、雷の音と発生源は[6]、避難の目安は気象庁のページ[7]である。米国の資料は英語で、単位がマイル・華氏になっている点に注意したい。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

本文の各数字が、どの資料に基づくかを示す。88万倍・3.3マイクロ秒・2.9秒は、資料の値から自分で計算した。

  1. 産業技術総合研究所 計量標準総合センター「長さ:メートル」 https://unit.aist.go.jp/nmij/library/mise_en_pratique/length/ (光速の定義)
  2. 日本天文学会「天文学辞典 光速度」 https://astro-dic.jp/speed-of-light/ (光の速さ)
  3. Wikipedia日本語版「音速」 https://ja.wikipedia.org/wiki/音速 (音速の式と15℃の値)
  4. フランクリン・ジャパン「雷ぶらり」 https://www.franklinjapan.jp/raiburari/topics/others/1958/ (距離の見積もり・ゴロゴロの理由)
  5. NOAA / National Weather Service, Lightning Science: Thunder https://www.weather.gov/safety/lightning-science-thunder (雷鳴の発生源・5秒で1マイル・聞こえる範囲)
  6. ウェザーニュース「稲妻と雷鳴」 https://weathernews.jp/s/topics/201809/050155/ (雷鳴の音の聞こえ方)
  7. 気象庁「急な大雨や雷・竜巻から身を守るために」 https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/tenki_chuui/tenki_chuui_p8.html (積乱雲が近づくサインと避難)
  8. 日本機械学会「機械工学辞典 音速」 https://www.jsme.or.jp/jsme-medwiki/doku.php?id=09%3A1001673 (音速と温度の関係)

なおした ところ

更新履歴

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