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きぬごしとうふは、ほんとうに きぬで こして いるの?

絹ごしと木綿、名前の由来と作り方の分かれ道

絹ごし豆腐と木綿豆腐:製法の分岐(崩す・脱水の有無)、名称の由来、水さらしと保存基準

分野:歴史・文化

きぬごしとうふは、きぬの ぬので こして つくる わけでは ないようです[3]。

では、どうして「きぬごし」と いうのでしょう。「もめん」の ほうは、ぬのと かんけいが ありそうです。この きじでは、ふたつの とうふの つくりかたの ちがいと、なまえの わけ、みずに いれて うる りゆうが わかります。

絹ごし豆腐は、絹の布でこして作るわけではないようです[3]。それなのに、なぜ「絹ごし」と呼ばれるのでしょうか。

木綿豆腐の名前は、布と関係があるとされます。同じ大豆から作る2つの豆腐で、作り方はどこで分かれるのか。名前の由来、江戸時代の豆腐の本、水に入れて売られる理由が分かります。

絹ごし豆腐は、絹の布でこすわけではない。名称は口当たりが絹のようになめらかなことに由来するとする説が有力で、確定した由来ではない[3][2]。一方の木綿豆腐は、製造時に布を使うことが名称と結びつけて説明される。

この記事では、両者の製法の分岐点、名称の由来の説、豆腐の文献上の初出と江戸期の記録、水槽保存が国の基準に置かれている理由が分かる。

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1. きぬごしは、きぬで こして いるの?

1. 「絹ごし」は絹でこしているのか

1. 「絹ごし」の名称と、絹を使わないという説明

おみせで「きぬごし」の とうふを 見ると、きぬの ぬので こして いそうです。ところが、そうでは ないと いう せつめいが あります[3]。

きぬごしは、口に 入れた ときの あじわいが、きぬのように なめらかな ことから そう よばれる、という せつが ゆうりょくです[2]。

ただし、ほんとうの ゆらいは、はっきり きまって いる わけでは ありません。

「絹ごし」と聞くと、絹の布でこした豆腐を思い浮かべます。しかし、絹ごし豆腐は絹の布を使うわけではない、という説明があります[3]。

名前は、木綿豆腐に比べて口当たりが絹のようになめらかなので、そう呼ばれるようになったという説が有力です[2]。つまり「絹のような」という、食べたときの感じを表した名前だということです。

ただし「説が有力」という言い方のとおり、由来がはっきり決まっているわけではありません。

三菱電機のクラブ・ミーの和食解説は、絹ごし豆腐は絹の布を使うわけではなく、口当たりが絹のようになめらかだからという説が有力だと述べる[3]。nippon.comの食べ物図鑑も、木綿に対して口当たりが絹のように滑らかなのでこう呼ばれる、と説明する[2]。

2つの資料は、どちらも由来を断定せず「説」として書いている。したがって、絹ごしは絹の布で濾した豆腐ではない、という点までは確かだが、命名の経緯そのものは仮説にとどまる。

2. もめんとうふの なまえは、ぬのから

2. 木綿豆腐の表面に、布の目がつく

2. 木綿豆腐の名称と表面の布目

もめんとうふの ひょうめんには、こまかい あみのような もようが ついて いる ことが あります。

とうふの みずを ぬく とき、かたに もめんの ぬのを しいた ことから、この なまえに なった、と せつめい されて います[3]。ぬのの めが、とうふに うつる のです[2]。

たとえば、ざぶとんの 上に ずっと すわって いると、あとが ついて しまう ことが あります。それに にた ことが、とうふでも おきる ようすです。ただし ほんとうは、おもしで おされて できる もようです。

木綿豆腐の表面には、布の目のような模様がつくことがあります。水を抜くとき、型に木綿の布を敷いたことが名前の由来だとされています[3]。その布の目が、表面に模様として残るという説明もあります[2]。

座布団の上にしばらく座ると、布の織り目のあとが足に残ることがあります。木綿豆腐でも、重しで押されて布の目がうつる、と考えると分かりやすいでしょう。ただし、これはイメージをつかむためのたとえです。

木綿豆腐の名称は、脱水の際に型へ木綿の布を敷いたことに由来するとされる[3]。nippon.comの解説では、表面につく布目模様が名前の由来として述べられる[2]。布目が模様として残るのは、押されて水分が抜けるときに布の織り目が表面に写るためと考えられるが、出典はその機構までは述べていない。

いずれも由来を説明する記述であり、木綿の布が使われ始めた時期までは述べていない。

3. つくりかたは、どこで わかれるの?

3. 作り方の分かれ道は「崩すか、そのまま固めるか」

3. 製法の分岐:破砕・型詰め・脱水の有無

どちらの とうふも、だいずの しぼりじるの とうにゅうに、かためる ものを 入れて つくります。わかれるのは、そのあとです。

もめんは、いちど かためて から、くずします。それを ぬのを しいた かたに 入れ、おもしを のせて、みずを ぬきます[1]。

きぬごしは、くずしません。かたの 中で、そのまま かためます。みずを ぬく ことも しません。だから みずが おおく、やわらかく なります[1][2]。

農林水産省のうりんすいさんしょうの しりょうでは、きぬごしは、もめんより こい とうにゅうを 使うと せつめい されて います[1]。ただ、どの こうじょうでも 同じとは かぎりません。

どちらの豆腐も、豆乳に凝固剤を加えて固めます。分かれるのは、そのあとです。

木綿豆腐は、いったん固めたものを崩し、布を敷いた型に入れ、重しをのせて水分を抜いて作ります[1]。

絹ごし豆腐は、崩さず、水も抜かず、型の中でそのまま固めます。水分が多く残るので、やわらかくなります[1][2]。農林水産省の資料は、絹ごしには木綿より濃い豆乳を使うと説明しています[1]。ただし、すべての工場で同じとは限りません。

水を抜くかどうかが、口当たりの違いを生んでいます。

農林水産省の伝統的食文化の資料によれば、木綿豆腐は、豆乳に凝固剤を加えて一度固めたものを崩し、布を敷いた型箱に入れて圧力をかけ、水分を絞って再び固めたものである[1]。これに対し絹ごし豆腐は、木綿より濃い豆乳を、崩さず、脱水もせずにそのまま固めたものとされる[1]。nippon.comは、脱水の工程がないため水分が多く柔らかい、と説明する[2]。

濃い豆乳を使う点は農林水産省の記述であり、すべての製造現場に当てはまるとは限らない。分岐点は、崩して脱水するか否かである。

4. あじや えいようも、ちがう?

4. 水分の量が、食感と栄養の違いになる

4. 水分量と栄養成分の差

みずを ぬいた もめんは、かたく、しっかり して います。だいずの ものが ぎゅっと あつまる ので、たんぱくしつや カルシウムなどが、きぬごしより おおく ふくまれる と いわれます[1]。

きぬごしには、カリウムや ビタミンB ぐんが おおい と されます[1]。どちらが よい、と いう はなしでは ありません。

水を抜いた木綿豆腐は、大豆の成分がぎゅっと集まります。農林水産省の資料では、たんぱく質、脂質、カルシウム、鉄、食物繊維などが、絹ごしより多く含まれるとされています[1]。

絹ごしのほうは、カリウムやビタミンB群が多いとされます[1]。どちらが優れているという話ではなく、作り方の違いが成分の違いにもつながっている、という見方です。数値で比べるときは、基準(同じ重さあたりか、1丁あたりか)をそろえる必要があります。

数字で知りたいときは、原典で確かめてください。

農林水産省の資料は、木綿豆腐では大豆の成分が凝縮されるため、たんぱく質、脂質、カルシウム、鉄、食物繊維などが絹ごし豆腐より多く含まれ、絹ごし豆腐ではカリウムやビタミンB群が多いと述べる[1]。

数値で比べるときは、基準(同じ重さあたりか、1丁あたりか)をそろえる必要がある。栄養の優劣の判断は、原典の数値表で行うとよい。

5. むかしの ひとも、とうふを たのしんだ

5. 昔の人は、豆腐をどう楽しんだのか

5. 文献上の初出と江戸期の豆腐料理書

とうふは、ならの じだいに 中国から つたわったと されて います。ただし、はっきりした ことでは なく、すいてい です[1]。

江戸時代えどじだいに なると、ふつうの 人たちにも ひろがって いきました[4]。

1782ねんには『とうふひゃくちん』という、とうふ りょうりだけを のせた ほんが でて、ひょうばんに なりました。つぎの ねんには つづきの ほんも でて います[4]。

その 中の りょうりに、「きぬごしの すくいとうふ」が 出て きます[4]。きぬごしとうふは、この ころには もう あった ようです。

農林水産省は、豆腐が奈良時代に中国から伝わったと推定しています。鎌倉時代には精進料理として武家や公家に広まり、庶民の生活に浸透したのは江戸時代とされます[1][4]。

日本の文献に豆腐がはじめて出てくるのは、1183年(平安末期)の春日大社の供物の記録で、「唐符(とうふ)」と書かれているものとみられます[2]。ただし「とみられる」という言い方のとおり、最古と決まったわけではありません。

1782(天明2)年には、豆腐料理だけを集めた『豆腐百珍』という本が出て評判になり、翌年に続編も出ました。その中の料理に、「絹ごしのすくい豆腐」が出てきます[4]。少なくとも江戸時代の中ごろには、絹ごしの豆腐が料理の本に出ていたことが分かります。

農林水産省の資料は、豆腐は奈良時代に中国から伝来したと推定し、鎌倉時代に精進料理として武家・公家に広まり、庶民に浸透したのは江戸時代とする[1][4]。伝来時期は推定であり、確定ではない。

nippon.comは、日本の文献での初出を、平安末期の1183年、春日大社(奈良県)の供物録にある「唐符(とうふ)」とみられると述べる[2]。「とみられる」という留保つきの記述であり、最古と断定はできない。

国立国会図書館の解説によれば、1782(天明2)年に豆腐料理のみを記した『豆腐百珍』が出て評判となり、翌年に続編が出た。続編に出る料理の説明に、「絹ごしのすくい豆腐」が登場する[4]。「絹ごし」という呼び名は、少なくともこの時期の料理書に登場する。ただし、これは名称の由来を示すものではない。また、絹ごしが木綿より後に京都で作られたという説は伝聞の形の資料があるのみで、年代や場所を断定できない。

6. とうふは、どうして みずに 入って いるの?

6. 豆腐が水に入れて売られる理由

6. 水槽保存と食品衛生法の保存基準

スーパーの とうふは、パックの 中で みずに つかって います。おみせの すいそうに うかんで いる こともあります。

くにの きじゅんでは、とうふは、れいぞうこで ひやすか、すいそうで とっておきます。すいそうは、きれいに あらって さっきんして、のめる ほど きれいな つめたい みずを たえず 入れかえる ことに なって います[5]。

みずに 入れる ことは、ひやす こととの えらぶ ほうほうの ひとつです。

スーパーの豆腐は、パックの水に入っています。お店の水槽に浮かんでいることもあります。

国の基準(食品衛生法にもとづく規格基準)では、豆腐は冷蔵するか、洗浄して殺菌した水槽の中で、飲用に適した冷水を絶えず入れかえながら保存することになっています[5]。つまり、水に入れることは、冷蔵と並ぶ選択肢の1つです。移動販売や、水にさらさずにすぐ売る豆腐は例外とされています。

作る途中でも、水にさらす工程は、絶えず水を入れかえながら行うと決められています[5]。

厚生労働省の食品等の規格基準(豆腐の製造・保存基準)は、豆腐を冷蔵するか、十分に洗浄し殺菌した水槽内で、飲用適の冷水を絶えず換水しながら保存することを求める[5]。水槽保存は義務ではなく、冷蔵との選択である。また、移動販売や水さらしをせずにすぐ売る豆腐は例外とされる。

製造工程についても同じ基準は、水さらしを絶えず換水しながら行うことを求める[5]。

自分でも しらべて みたく なったら

自分でも調べてみたくなったら

自分でも調べてみたくなったら

今日 できる こと おうちの 人と スーパーの とうふうりばへ 行き、きぬごしと もめんの パックを 見くらべて みましょう。おうちに パックが あれば、それを 見くらべても だいじょうぶです。もめんの ひょうめんに、ぬのの めの ような もようが あるか、さがして みます。パックの 中の みずの りょうや、れいぞうケースに 入って いるかも 見て みましょう。火も ほうちょうも 使いません。

もっと 知りたい とき おうちの とうふを そっと ゆびで おして、やわらかさも くらべて みましょう。食べて みて、口に 入れた ときの かんじが ちがうかも たしかめます。

今日できること 家の人と豆腐売り場へ行き、絹ごしと木綿を見比べてみましょう。家にパックがあれば、それを見比べてもかまいません。木綿の表面に布目のような模様があるか、パックの水の量はどうか、冷蔵ケースに入っているかを見ます。食べ比べるときは、口に入れた感じの違いにも注目してみましょう。火や刃物は使いません。

資料を読むなら 豆腐の由来や歴史は、国立国会図書館の「大豆こばなし」や農林水産省の伝統的食文化のページが手がかりになります。保存の基準は、厚生労働省の規格基準の資料で確かめられます。

今日できること 豆腐売り場で、絹ごしと木綿の表面、パック内の水の量、陳列が冷蔵ケースかどうかを記録し、製品の間で共通点があるかを見る。製造者による濃さや水さらしの有無の違いも、パックの表示と見比べたい。火や刃物は使わない。

資料を読むなら 製法と栄養の比較は農林水産省のページ[1]、歴史と『豆腐百珍』は国立国会図書館の解説[4]、名称の由来はnippon.com[2]、保存基準は厚生労働省の規格基準[5]が原典に近い。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

本文で使った資料。名称の由来は「説が有力」とする記述で、確定した事実ではありません。

  1. 農林水産省「うちの郷土料理 豆類加工品」 https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/traditional-foods/bunrui/mamerui-kakou.html (木綿・絹ごしの作り方、栄養の違い、豆腐の伝来)
  2. nippon.com 食べ物図鑑「豆腐」 https://www.nippon.com/ja/japan-topics/c15319/ (絹ごしの作り方、名前の説、文献の初出)
  3. 三菱電機 club-me 和食 豆腐の回 https://www.mitsubishielectric.co.jp/club-me/knowledge/washoku03/08tofu/interview.html (木綿・絹ごしの名前の由来)
  4. 国立国会図書館 大豆こばなし 第2章 https://www.ndl.go.jp/kaleido/entry/21/2.html (豆腐の歴史、『豆腐百珍』)
  5. 厚生労働省 食品、添加物等の規格基準(豆腐の製造・保存基準) https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/jigyousya/shokuhin_kikaku/dl/20.pdf (水槽保存・水さらしの基準)

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