このサイトは、ほんの入り口です

ここにあるのは、だれかが実際に調べ、考え、作ってきたことを集めたメモです。気になったら、ページの下の「参考にした情報源」から、もとの本や記事、それを生み出した人たちに、直接ふれてみてください。このメモには書ききれないおもしろさが、そこにあります。

くるまの ブレーキが ブルブル ふるえるのは、こわれたから?

ブレーキペダルが震えても、踏み続けるのはなぜか ── ABSは何をしているのか

ABS(アンチロック・ブレーキ・システム)── ロック直前でゆるめる制御と、毎秒最大40回のブレーキ圧調整

分野:技術

ブレーキを 強く ふむと、ペダルが ブルブル ふるえる ことが あります。じつは これは こしょうでは なく、ABSという そうちが はたらいて いる しるしです[1]。

どうして ブレーキを ゆるめる そうちが、車を たすけるのでしょう。ブルブルの なかで タイヤに なにが おきて いるのかが わかります。

急ブレーキで足の裏がブルブル震え、「グググ」と音がする。壊れたと思って足をゆるめたくなりますが、国土交通省は「故障ではないので、そのまま強く踏み続けてください」と案内しています[1]。

ブレーキは止めるための道具なのに、なぜ装置が自分でブレーキをゆるめるのでしょうか。ABSが何をしているのか、どんな歩みで車に付くようになったのかが分かります。

急ブレーキでペダルが震え、音が出るのは、故障ではなくABSが作動している合図である。国土交通省は、そのまま強く踏み続けるよう案内している[1]。止めるための装置が、自分でブレーキをゆるめるのはなぜか。

タイヤのロックとスリップ率、1秒に最大40回というブレーキ圧の調整、空母に降りる飛行機から乗用車、二輪車へという歩みまでを、公的資料とメーカーの発表で比べて読むと分かる。

読み方を切り替えられます。画面の上にある「よみかた」のボタンで、小学校低学年むけ・小学校高学年むけ・中学生むけの3つの書き方に切り替わります。むずかしいと思ったら、いつでもやさしい方に戻ってください。選んだ読み方はブラウザが覚えているので、次に別の記事を開いたときも同じ読み方で始まります。

1. ペダルが ブルブル したら、こしょうなの?

1. 足の裏のブルブルは、故障ではなく「ABSが働いている」合図

1. ペダルの振動と「グググ」という音 ── ABS作動中の正常な現象

あめの 日、まえの 車が きゅうに とまりました。ブレーキを ぐっと ふむと、足の うらが ブルブル。「ググググ」と 音も します。

こしょうかと おもって、足を ゆるめたく なります。でも 国土交通省こくどこうつうしょうは、ABSが はたらくと ペダルが ふるえたり 音が したり するけれど、こしょうでは ないので、そのまま 強く ふみつづけて、と つたえて います[1]。

ブルブルは、そうちが がんばって いる しるしです。では ABSは、なにを して いるのでしょう。

雨の日、前の車が急に止まったとします。ブレーキを力いっぱい踏むと、ペダルが細かく震えて、足の裏にブルブルとした感じが伝わります。

ここで「壊れた」と思って足の力を抜くと、せっかくのABSが働けなくなります。国土交通省は、ABSが作動するとペダルが細かく振動したり「グググ」という音が出たりすることがあるが故障ではないので、そのまま強く踏み続けてください、と説明しています[1]。

つまりブルブルは、装置が働いている合図です。では、ABSは何をしているのでしょうか。それを知るには、ブレーキを強く踏みすぎると何が起きるのかを先に見る必要があります。

急ブレーキの最中にペダルが震え、「グググ」という音がすると、運転者は故障を疑って踏む力をゆるめたくなる。ところが国土交通省の説明では、これはABSが作動しているときに起こりうる現象で、故障ではなく、そのまま強く踏み続けることが求められている[1]。運転者が強く踏み続けることで、ABSがブレーキ圧を調整できるからだ。

このメモの一本線は、ここから始まる。ペダルの震えは異常のしるしではなく、装置が内側でブレーキを細かく調整している痕跡である。では、止めるための装置が、なぜわざわざブレーキをゆるめるのか。答えは、強く踏みすぎたときに車輪で起きることにある。

2. タイヤが とまると、どうして まがれないの?

2. タイヤが止まると、ハンドルを切っても曲がらない

2. 車輪のロックと操縦不能 ── 止まる前にハンドルが効かなくなる

ブレーキを 強く ふむと、タイヤが まわるのを やめて しまう ことが あります。これを「ロック」と いいます[1]。

ロックした タイヤは、すべる そりの ように なります。ハンドルを きっても まがらなく なり、みちに よっては とまるまでの きょりが ながく なる ことも あります[3]。ただし ほんとうの すべりかたは、そりより もっと ふくざつです。

ABSは、このロックを ふせぐ そうちです。とまりながら ハンドルも きく ように して、ぶつかる ものを よけられる かのうせいを たかめます[1]。

ブレーキを強く踏みすぎると、タイヤが回転をやめてしまうことがあります。この状態を「ロック」といいます。ロックすると、ハンドルを切っても曲がらなくなり、路面によっては止まるまでの距離が長くなることもあります[3]。

ボッシュも、車輪がロックするとタイヤと路面のくっつく力が落ちて、車を操れなくなると説明しています[2]。濡れた道や凍った道では、横に滑ったり、くるりと向きが変わったりしやすいともいわれます[3]。

ABSは、こうしたロックを防ぎます。国土交通省は、進行方向の安定を保ち、ハンドル操作で障害物を避けられる可能性を高める装置だとしています[1]。大事なのは「止まる」だけでなく、「止まりながら曲がれる」状態を残すことです。

車輪がロックすると、タイヤと路面の間の付着力が落ち、車は操縦できなくなる。ボッシュはこの点を、ABSが必要な理由の中心に置く[2]。自動車情報の記事も、ロックするとハンドルを切っても曲がらなくなり、路面によっては停止距離も長くなること、濡れた路面や凍結路では横滑りやスピンも起きやすいことを挙げる[3]。

国土交通省はABSを、急ブレーキなどでタイヤがロック(回転が止まること)するのを防ぎ、進行方向の安定性を保ち、ハンドル操作で障害物を回避できる可能性を高める装置と位置づける[1]。公的資料が「回避できる可能性を高める」と書き、「必ず回避できる」とは書いていない点は押さえておきたい。

ここまでで、ABSの目的が「短く止まること」より「止まりながら操縦できること」にあると分かる。次の問いは、ロックを防ぐには、ブレーキをどこまで強くしてよいのかである。

3. ロックの 手まえで、ゆるめるって?

3. いちばん踏ん張れるのは、ロックの手前にある

3. スリップ率 ── 摩擦力が最大になる10〜20%付近をねらう

タイヤが ころがって いる ときと、ロックした ときの あいだに、いちばん ふんばれる ところが あります。ふつうの 車の タイヤでは、車の すすむ はやさより、タイヤの まわる はやさが 1わりから 2わり おそい あたりと いわれます[3]。

ブレーキを かけなければ、タイヤは ふんばって いません。かんぜんに とまると、こんどは すべって ふんばれません。ABSは、そのあいだの ちょうど よい ところを ねらいます[3]。

ただし この 1わりから 2わりは、ふつうの タイヤの めやすです。道の ようすで かわります。

スリップ率という考え方

車の速さと、タイヤの表面の速さには差が出ます。この差が車の速さの何%にあたるかを、スリップ率といいます。0%は転がっている状態、100%は完全なロックです[3]。

たとえば時速60kmで走る車で、タイヤの表面の速さが時速48kmなら、差は12kmです。12÷60×100で、スリップ率は20%になります。

ピークは真ん中より手前

自動車情報の記事によると、乗用車の一般的なタイヤでは、スリップ率が10〜20%あたりで路面との摩擦力が最大になり、それより大きくなるとなだらかに下がっていきます[3]。ABSは、この最大に近い範囲を保つように制御します。

この10〜20%はふつうのタイヤの目安で、路面によって変わります。完全にロックさせるより、少しだけ回っている状態のほうが踏ん張れるのです。

スリップ率は(車体速度−車輪速度)÷車体速度×100で表される。0%は純粋な転がり、100%は完全ロックである[3]。たとえば車体速度が時速60km、車輪の周速が時速48kmなら、差は12kmで、スリップ率は12÷60×100=20%になる(計算例)。

タイヤと路面の摩擦力は、スリップ率に対して一定ではない。乗用車の一般的なタイヤではスリップ率10〜20%あたりで最大になり、それ以上はなだらかに下がるとされる[3]。完全ロックの100%は、ピークからずっと外れた位置にある。そのため、ABSは摩擦力が最大になる付近を保つように制御する。

ただし、この10〜20%は自動車情報の記事の記述で、一般的なタイヤの目安にすぎない。路面の種類(乾いた路面、濡れた路面、雪道など)やタイヤによって最大点の位置は変わりうる。数字を、すべての条件に当てはまる定数として読まないほうがよい。

ロックの手前に最大点があるなら、次の課題は、その手前でブレーキを止めておく操作を、誰が、どのくらいの速さでするのかである。

4. 1びょうに なん回も、ゆるめて ふむ

4. 教習所で習うポンピングブレーキを、装置が何十回も繰り返す

4. センサーと油圧の調整 ── 毎秒最大40回の増減圧

教習所で ならう「ポンピングブレーキ」は、ペダルを すばやく ちょっとずつ ふむ やりかたです。ABSは、これを 人の かわりに そうちが やる ものです[3]。

どう やるのか。まず、4つの タイヤに センサーが ついて、まわる はやさを はかり、そうちに おくります[2]。タイヤが ロックしそうに なると、ブレーキの 力を さげて、また あげます。これを 1びょうに さいだい 40回 くりかえすと、ボッシュという 会社は せつめいします[2]。

40回は、1回が 0.025びょうです。人の 足さきで ロックの てまえを ねらって ゆるめるのは、とても むずかしい ことです[3]。

ポンピングブレーキの代わりをする

教習所では、すべりやすい道でブレーキをポンポンと小刻みに踏む「ポンピングブレーキ」を習うことがあります。ABSは、この操作を運転者の代わりに装置が行うものだと説明されています[3]。ロックの直前にゆるめる操作は、人の足先ではとても高度な技です[3]。

センサーと油圧の装置

ボッシュの説明では、4つの車輪にはそれぞれ回転の速さを調べるセンサーがあり、結果を制御ユニットに送ります。車輪がロックしそうになると、各輪の弁と戻しポンプで、ブレーキ液の圧力を下げ、また上げます[2]。この動作は最大で毎秒40回とされます[2]。

1÷40は0.025なので、40回なら1回が約25ミリ秒です。「最大」とあるので、いつも40回というわけではありません。

教習所で習うポンピングブレーキは、ペダルを小刻みに踏む操作である。ABSは、その操作を、運転者に代わって装置が行うものと説明される[3]。ロック直前でゆるめる操作は、人の足先ではきわめて高度だからだ。

ボッシュの説明によれば、構成の中心は、各車輪の速さを測る4つの車輪速センサー、速さを受けて判断する制御ユニット、各輪の弁と戻しポンプを含む油圧ユニットである[2]。車輪がロックしそうになると、制御ユニットが油圧ユニットに指示してブレーキ圧を下げ、その後また上げる。この増減圧を、ボッシュは「最大で毎秒40回」と述べる[2]。

1÷40=0.025秒、つまり1回あたり約25ミリ秒である。「up to」にあたる最大値であり、常に40回行われるという意味ではない。また毎秒の回数は、日本の公的資料には書かれておらず、メーカーの発表に依拠する数字である点は区別しておく。

ここまでの説明だと、ABSは魔法の装置に聞こえる。では、これがあれば、どんな道でも短く止まれるのか。

5. ABSが あれば、かならず みじかく とまれる?

5. 「必ず短く止まれる」わけではない

5. 停止距離は路面で変わる ── 短縮する場合と、伸びる場合

いいえ、そうとは かぎりません。国土交通省こくどこうつうしょうに よると、ふだんは とまる きょりに 大きな ちがいは ありません。ぬれて すべりやすい 道では、みじかく なります[1]。

でも 新雪や じゃり道、タイヤチェーンを つけた ときは、のびる ことも あります[1]。

ABSは、みじかく とまる ための そうちと いうより、とまりながら ハンドルを きれる ように する そうち です。

国土交通省は、ABSがあるときの停止距離について、通常は大きな変化はないが、濡れて滑りやすい路面などでは短くなると説明しています。ただし新雪、砂利道、タイヤチェーンを装着しているときなどは、停止距離が伸びる場合もあるとしています[1]。

ABSの働きは、短く止めることそのものではありません。ロックを防いでハンドルが効く状態を保ち、障害物を避けられる可能性を高めることです。「ABSがあるから大丈夫」とは言えず、速度を出しすぎない、車間をあけるといった運転の基本が、そのまま大切です。

国土交通省の説明では、ABS装着車の停止距離は、通常は大きく変わらず、濡れて滑りやすい路面などでは短くなる。一方で、新雪、砂利道、タイヤチェーン装着時などは、停止距離が伸びる場合もある[1]。

ABSの役割は最短で止めることではなく、ロックを避けて操縦できる状態を残すことにある(第2章)。短く止まる場合もあるが、それは役割の中心ではない。

誤解を避けるために整理すると、「ABSで必ず短く止まれる」は誤りである。「止まりながら曲がれる可能性が高まる」が資料の範囲で言える内容である。

6. ABSは、空母に おりる ひこうきから 生まれた

6. 空母に降りる飛行機から、乗用車、そして二輪車へ

6. 航空機用から乗用車へ ── 1978年のボッシュ製ABSと、日本の義務化

ABSの ごせんぞは、ひこうきです。空母に おりる せんとうきの ために 作られた そうちが、まず ひこうきで つかわれました[4]。

車では、1966年から 71年に 作られた ジェンセン・インターセプターFFが、その そうちを つかった さいしょの れいと されて います[4]。

1978年には、メルセデス・ベンツと ボッシュが、ドイツの テストコースで ABSを みせました。この 年の おわりごろから、Sクラスで えらべる ように なりました[5]。メーカーの はっぴょうを のせた きじは、14年の かいはつの すえの ことだと つたえます。デジタルの ぎじゅつで 部品が へり、こわれにくく なったからだと いわれます[5]。

いまは、バイクにも ABSなどを つける きまりが できました。いちばん 小さい バイクの なかまだけは、のぞかれて います[7]。

もとは飛行機の装置

雑誌Silicon Chipの記事によると、ABSはまず飛行機で使われました。もとは空母に降りる戦闘機のために開発されたダンロップ社のマクサレットという装置です。乗用車では、1966〜71年に作られたジェンセン・インターセプターFFが最初の例とされます[4]。ただし「最初」は雑誌の記述で、断定はできません。

1978年、量産に近づく

1978年8月、メルセデス・ベンツとボッシュは、ドイツのウンタートゥルクハイムのテストコースでABSを披露しました。同じ年の終わりから、Sクラス(W116)で選べるようになったと伝えられています[5]。メーカー発表を載せた記事は、これをボッシュの第2世代ABSで、14年の開発の末だったと伝えています。デジタル技術の導入で部品が減り、信頼性が確保できたとされます[5]。Silicon Chipによれば、制御ユニットの電子部品は140個から16個に減りました[4]。

二輪車や大型車にも

国土交通省は2013年8月、バス・トラック・トレーラーなどの制動装置について、国連の協定規則(第13号)を採用し、この区分のすべての自動車にABSを義務づけるなどの改正を発表しました[6]。二輪車では、原付一種を除き、ABSかCBS(連動ブレーキ)の装備が義務づけられ、新型車は2018年10月1日以降、継続生産車は2021年10月1日以降が対象です[7]。

ABSは、まず航空機で実用化された。Silicon Chipの2004年の記事は、空母に降りる戦闘機のために開発されたダンロップのマクサレットが原型で、乗用車では1966〜71年のジェンセン・インターセプターFFが最初の例だと述べる[4]。ただしこれは雑誌の記述なので、「最初」とは言い切らない。

量産化の転機は1978年である。8月22〜25日にメルセデス・ベンツとボッシュがウンタートゥルクハイムのテストコースでABSを披露し、同年末からSクラス(W116)で選べるようになった[5]。メーカー発表を載せたAutomotive Worldの記事は、これをボッシュの第2世代ABSで、14年の開発の末だったと伝える。デジタル技術の導入で部品が減り、信頼性を確保できたことが決め手とされる[5]。Silicon Chipは、制御ユニットの電子部品が2004年までに140個から16個に減ったと記す[4]。ただし140は1978年当時の部品数、16は2004年の記事時点の数で、年代の異なる比較である。

日本では、国土交通省が2013年(平成25年)8月30日、国連の協定規則第13号を採用し、バス・トラック・トレーラーの制動装置についてABSをすべての自動車に義務づけるなどの改正を行った。新型車は2014年11月1日以降順次、継続生産車は2017年2月1日以降順次である[6]。二輪車は、原付一種を除き、ABSまたはCBSの装備が義務づけられ、新型車は2018年10月1日以降、継続生産車は2021年10月1日以降が対象である[7]。

7. 1びょうに 40回を、ゆびで やって みよう

7. 机をトントンたたいて、「毎秒40回」を体で感じる

7. 毎秒40回を指で試す ── 数字の感覚と、読むときの注意

つくえを ゆびで トントン たたいて みましょう。1びょうに 4回 くらいなら、かんたんです。では 10回は? むりに はやく すると、ゆびが つかれます。40回は、10回の 4ばいの はやさです。むりに やらずに、どれくらい はやいか、そうぞうして みよう。

ペダルが ブルブル するのは、とても むずかしい はやさの 作業を、そうちが かわりに して いる しるしです。ただし 40回は「さいだい」で、いつも この はやさでは ありません[2]。

ブルブルを かんじたら ふみつづける、と 国土交通省こくどこうつうしょうの ページにも かいて あります[1]。

机の上を指でトントンとたたいてみましょう。1秒に4回ほどなら簡単です。10回になると、指がもつれてきます。ABSが最大で行うとされる毎秒40回は、その4倍です。ペダルのブルブルの向こうで、装置が人間の足にはむずかしい速さで働いていると想像できます。

この「毎秒40回」は、ボッシュの説明にある最大の数字で、いつもこの速さで動くわけではありません[2]。

数字を自分で確かめる遊びもあります。時速60kmで走る車のタイヤの表面が時速54kmなら、スリップ率は(60−54)÷60×100で10%です。48kmなら20%です。10〜20%がどのあたりの速さの差か、ほかの数字でも計算してみてください。

もっと詳しく知りたいときは、国土交通省のABSの説明ページ[1]が、日本語で短く読めます。

指で机を叩き、1秒に4回、10回と速さを上げてみて、毎秒40回はその4倍だと想像してみる。ペダルの震えの内側で、装置が人の足には難しい速さの増減圧を行っているとイメージできるが、この40回は最大値で、常時の値ではない[2]。

数字の読み方として、スリップ率の計算に使う公式を、自分で動かしてみるのがよい。車体速度が時速60kmで、車輪の周速が時速54kmなら10%、48kmなら20%である。10〜20%という「最大摩擦の目安」が、速度差にして何km/hにあたるかを、条件を変えて確かめられる[3]。

国土交通省のABSの説明[1]には、停止距離が伸びる条件まで書かれている。バス・トラック・トレーラー[6]と二輪車[7]の義務化は、別々の発表になっている。読み比べると、「ABSがあれば安心」とは書かれていないことが分かる。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

出典について:国土交通省の説明と報道発表、メーカーの説明、自動車情報の記事、雑誌記事を使った。何に使ったかは、それぞれの項目の最後に書いている。

  1. 国土交通省 自動車総合安全情報「ABS」。https://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/02safetydevice/abs.html (ABSの目的、ペダルの振動、停止距離について)
  2. Bosch Mobility「Antilock braking system」。https://bosch-mobility.com/en/solutions/driving-safety/antilock-braking-system/ (センサー・油圧ユニットの構成と、毎秒最大40回の動作について。メーカーの説明)
  3. CARPRIME「ABSの構造・役割」。https://car-me.jp/articles/10921 (ロックした車の挙動、スリップ率、ポンピングブレーキとの関係について。自動車情報の記事)
  4. Silicon Chip「Twenty-Five Years Of Automotive ABS」(2004年)。https://www.siliconchip.com.au/Issue/SC/2004/February/Twenty-Five+Years+Of+Automotive+ABS (飛行機から乗用車への歩みと、電子部品の数について。雑誌記事)
  5. Automotive World「World premiere in 1978 in the Mercedes-Benz S-Class: Anti-lock braking system 40 years old」。https://www.automotiveworld.com/news/world-premiere-in-1978-in-the-mercedes-benz-s-class-anti-lock-braking-system-40-years-old/ (1978年の披露と開発の経緯について。メーカー発表の転載)
  6. 国土交通省 報道発表(平成25年8月30日)。https://www.mlit.go.jp/report/press/jidosha07_hh_000136.html (バス・トラック・トレーラーのABS義務化について)
  7. 国土交通省 報道発表(二輪車の先進制動システムの装備義務付け)。https://www.mlit.go.jp/report/press/jidosha07_hh_000170.html (二輪車のABS・CBSの義務化について)

なおした ところ

更新履歴

更新履歴(改版の記録)

  •  初版を公開。

このサイトでは、公開した記事の本文は原則として書き直しません。誤りが見つかったときや、内容が古くなったときだけ手を入れ、その理由をこの欄に残します。