1. あざって、なにが おきて いるの?
1. あざは、血管から漏れた血が皮膚の下にたまったもの
1. 皮下出血の成り立ちと、初期の赤〜青紫
ぶつけると、皮膚の したに ある、ほそい 血管が やぶれます。そこから 血が もれて、皮膚の したに たまります。これが あざです[1]。
できたばかりの あざは、ふかい あかに 見えます。血の なかの あかい 色素に、まだ 酸素が ついて いるからだと いわれて います[1]。
その 酸素が まわりに わたされて へって いくと、あざは くらい あおや 紫に 見えて きます。「血が あおい」わけでは ありません[1]。
2. みどりや きいろは、だれが つくるの?
2. 緑や黄色は、掃除役の細胞が出す「ごみの色」
2. ヘモグロビンの分解 ── ビリベルジン(緑)からビリルビン(黄)へ
あざの なかには、こぼれた 血を かたづけに くる、おそうじやくの さいぼうが います。細胞の なかの 酵素が、あかい 色素を こわして いきます[3]。
こわされた あかい 色素は、まず みどり いろの ものに かわります。それが すぐ、きいろい ものに かわります[2]。
みどりや きいろは、おそうじの とちゅうで できる ものの いろ、と 思うと わかりやすいです。それは 体が じぶんで つくって、かたづけて いる ものです。
3. さいごは なぜ ちゃいろに なって きえるの?
3. 最後は鉄が残って茶色に、消えるまでは約2週間が目安
3. ヘモシデリンの蓄積と、治癒までの目安
あかい 色素には、てつも ふくまれて います。てつの ぶぶんは、きいろから ちゃいろっぽい ヘモシデリンと いうものに なって、しばらく のこります[2]。そのため、さいごは ちゃいろく 見えるのです[3]。
やがて、これも かたづけられて、あざは きえて いきます。たいていの あざは、くすりを つかわなくても 2 しゅうかんほどで きえると いわれて います[5]。
4. いろを 見れば、なんにち まえの あざか わかるの?
4. 色から「何日前のあざか」を当てるのは、専門家でも難しい
4. 色による経過日数推定の限界 ── 2005年の系統的レビュー
「みどりに なったら 3 にちめ」のように、いろで ひにちを あてられたら べんりです。でも、そう かんたんでは ありません。
いろは、あかから あお、みどり、きいろ、ちゃいろへと、おおまかな ながれは あります。ただし、きちんと じゅんばんどおりに すすむとは かぎらず、いろの 見え方も ひとに よって ちがいます[6]。
こどもの あざを しらべた 研究を まとめた ものでは、いろから 「なんにち まえの あざか」を 1 にち いない の ちがいで あてられた わりあいは、10 かいの うち 4 かいに たりませんでした[7]。せんもんかでも むずかしいと 考えられて います。
順番は「だいたい」でしかない
赤から青紫、緑、黄色、茶色へ、という大まかな流れはあります。けれども、色の変化は直線的ではなく、予測どおりにも進まないと、法医学の解説は述べています[6]。
子どもの診察を調べた研究
イギリスの研究者らが2005年に発表した系統的レビューは、子どものあざの色から年齢を当てられるかを調べた研究をまとめたものです。167件の研究のうち、条件に合ったのは3件でした。その中で、24時間の誤差の中で正しく当てられた割合は40%に届かず、新しい・中くらい・古いの区別でも、当てられたのは55〜63%だったと報告されています[7]。黄色が出る時期も、24時間後、48時間後、48時間以内と、研究によってばらばらでした[7]。
このレビューは、「色からあざの年齢を推定することに科学的根拠はなく、児童保護の手続きでは避けるべきだ」と結論しました[7]。対象は子どもの診察であり、大人にも同じだと言い切れるわけではありません。
色の推移は、赤→暗赤・紫→黄・茶・緑と大まかには言えるが、直線的でも予測可能でもないとされる[6]。
Maguire ら(2005)の系統的レビューは、子どものあざの色から年齢を推定できるかを検討した。167研究のうち基準を満たしたのは3研究で、24時間以内の精度で正しく年齢を当てられた割合は40%未満、新・中・古の3区分の判別で55〜63%だった。黄色の出現時期も、研究により24時間後・48時間後・48時間以内と一致しなかった[7]。結論として、「色からあざの年齢を推定する実践には科学的根拠がなく、児童保護の手続きでは避けるべき」と述べている[7]。ただし対象は小児の診察例であり、成人一般に拡張はできない。
5. いろの 見え方は、だれでも おなじ?
5. 色の移り変わりは、人によって同じには見えない
5. 皮膚の色調と、あざの見え方の個人差
ここまで 話した いろは、あくまで 「よく ある ながれ」です。ひとに よって、肌の いろが ちがうと、あざの 見え方も ちがいます[3]。
たとえば 肌の いろが こい ひとでは、できたての あざが、あかや あおには 見えないことが あります[3]。どちらが ふつうとか、へんとか いう ことは ありません。
だから、ずかんの ような いろの じゅんばんは、だれにでも ぴったり あう ものでは ありません。
肌の色で見え方が変わる
肌の色が濃い人では、できたてのあざが赤や青には見えず、色の移り変わりが本や図と同じにならないことがあります[3]。これは、皮膚の中の色素の位置などが影響するためだと紹介されています。
色の変化を描いた図は、あくまで「よくある例」です。誰の体にもぴったり当てはまる型ではありません。見え方が違うのは自然なことで、優劣や異常を表すものではありません。
6. どんな ときに、おとなに はなす?
6. 気になるときは、大人や医師に相談する
6. 受診の目安として示されている症状
ぶつけて できた あざは、たいてい じかんが たてば きえて いきます。でも、ぶつけた おぼえが ないのに、あざが あちこちに できたり、なかなか きえなかったり、どんどん おおきく なったり、はれて あつく なったり、いたみが つよく なったり する ときは、おとなに すぐ はなして ください[4]。
おとなに はなせば、びょういんの おいしゃさんに そうだん できます。
日本語の医療情報サイトでは、急にあざがあちこちにできる、治りが遅い、どんどん大きくなる、腫れ・熱感・痛みを伴う、といったときには、病気が隠れている可能性があるので医療機関に相談する目安になる、と書かれています[4]。
あざの色や広がりが気になるときは、自分で判断せず、大人に伝えて、必要なら病院で見てもらってください。
医療情報サイトでは、急にあざが多発する、治りが遅い、どんどん大きくなる、腫脹・熱感・疼痛を伴うといった場合、背景に疾患が隠れている可能性があるため、受診を検討する目安になるとされている[4]。
このメモは、あざの色が変わる仕組みの解説であって、個々のあざの診断や経過の判断を示すものではない。気になる症状があれば、保護者や医師に相談することが勧められる。
じぶんでも しらべて みたく なったら
自分でも調べてみたくなったら
自分でも調べてみたくなったら
もし あざが できて いたら、おとなと いっしょに、いろが かわる ようすを 見て みましょう。きづいた ときに、どんな いろか、ことばで まとめて おくと、おもしろいです。
ずかんに いろの ながれが のって いたら、くらべて みましょう。ひとに よって 見え方が ちがう ことも あるので、ちがっても、まちがいでは ありません。
しらべた もとの じょうほう
参考にした情報源
参考にした情報源と、その使い方
出典について:英語の解説記事、日本語の医療情報、系統的レビューの要旨を突き合わせた。何に使ったかは項目の最後に書いている。論文や教科書の本文は確認できず、要旨や解説の範囲で書いた。
- BBC Science Focus「What causes the diverse colouring of bruises?」。https://www.sciencefocus.com/the-human-body/what-causes-the-diverse-colouring-of-bruises (あざの成り立ち、初期の赤〜青紫について)
- The Naked Scientists の解説。https://www.thenakedscientists.com/node/179070 (ビリベルジン・ビリルビン・ヘモシデリンへの変化について)
- The Scientist「What makes bruises change color over time」。https://www.the-scientist.com/what-makes-bruises-change-color-over-time-73383 (分解を担う細胞、日数の個人差、肌の色による見え方について)
- fdoc 病気スコープ「あざができやすい」。https://fdoc.jp/byouki-scope/features/easy-to-bruise/ (日本語での色の移り変わり、受診の目安について)
- Medical News Today の解説。https://www.medicalnewstoday.com/articles/322742.php (約2週間で消える目安について)
- Forensic Medicine「Ageing of bruising」。https://www.forensicmed.co.uk/wounds/blunt-force-trauma/bruises/ageing-bruising/ (色の変化が直線的でないことについて)
- Maguire et al., Can you age bruises accurately in children? A systematic review, Arch Dis Child (2005)。https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC1720275 (色から年齢を当てる精度と結論について)
なおした ところ
更新履歴
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