1. ドライアイスは、とけて みずに なるの?
1. 液体にならずに気体になる氷
1. 昇華 ── -78.5℃で固体から直接気体へ
ドライアイスは、二酸化炭素が かたまりに なった ものです。とても ひくい おんどで、-78.5℃ほどの つめたさです[1]。
こおりは、あたたまると とけて みずに なります。ドライアイスは ちがいます。とけずに、かたまりから そのまま きたいに なって いきます。これを、昇華と いいます。
ドライアイスの まわりで もくもくが でるのは、その きたいが でて いる ときです。でも、その きたいそのものは 見えません。
2. しろい ものは、どこから きたの?
2. 白い粒の材料は、まわりの空気にあった水
2. 空気中の水蒸気の凝結
つめたい ジュースを コップに いれて おくと、コップの そとがわに みずが つきます。そとの 空気に ういていた 水が、つめたい コップに ひやされて、つぶに なった ものです。
ドライアイスの まわりでも、にた ことが おきて いると せつめいされます。ドライアイスが とても つめたいので、まわりの 空気の すいじょうきが ひやされて、ちいさな 水の つぶに なります。それが しろく 見えます[3]。
ただし、コップの ばあいは つぶが コップに くっつきます。ドライアイスの ばあいは、つぶが 空気の なかを ういて、けむりの ように 見えます。
3. つめたい きたいだけ なら、けむりは でるの?
3. 冷えた気体だけを水に通した実験
3. 松川の実験 ── 冷えたCO2ガスでは白煙が出なかった
ここで ふしぎな じっけんの はなしが あります。ドライアイスから でた つめたい 二酸化炭素だけを、ながい くだを つかって 水の なかに おくった、と いう じっけんです。
この じっけんでは、水の なかでも 水の うえでも、しろい けむりは でなかった、と ほうこくされて います[6]。
もう ひとつ、しょくようの あぶらに ドライアイスを いれると、あわは でるのに しろい けむりは でない、と いう ほうこくも あります[7]。
どちらも、しろい けむりに 水が かかわって いる ことの てがかりと して しょうかいされて います。
4. しろい つぶは、みずなの? こおりなの?
4. 粒は水滴か、氷か
4. 微粉末の氷説と、未決着の点
白い つぶが、水の しずくなのか、とても ちいさな こおりなのかは、しりょうでも、はっきり わかって いない、と かかれて います[2]。
「こおりの つぶ」だと かんがえた ひとも います。さっきの あぶらの じっけんに くわえて、水いがいの えきたいに ドライアイスを いれても けむりが でる ことが あるからです[6]。
ただし、これは「こうかもしれない」と いう かんがえです。ほんとうの ことは、これから しらべて いく ひとが いるかも しれません。
白い粒の中身について、科学館の解説は「氷の粒や水の粒」と書き、どちらかは決めていません。粒が水滴か氷かは、はっきり分かっていないとも書かれています[2]。
松川さんは、酢酸やベンゼンなど水以外の液体にドライアイスを入れても白煙が出る場合があることに注目しました。そこから、白煙の正体は入れた液体が細かい粉末の固体になったもので、水なら氷の微粒子ではないか、と考えました[6][7]。論文自身が「間接的な証明」と位置づける考え方です。
「水蒸気が凝結した」という教育資料の説明と、「氷の微粉末」という考えは、同じ白煙を別の角度から説明しようとしているようにも見えます。どちらが実際に近いのか、資料からは決められません。
5. けむりは、どうして したに ながれて、きえるの?
5. 煙が下へ流れ、やがて消える理由
5. 低い所に集まる性質と、粒が消えること
ドライアイスの けむりは、うえに のぼらずに、つくえの うえを はうように ながれます。ひやされた 空気は おもく、二酸化炭素も 空気より おもいので、ひくい ところに たまりやすいのです[1]。
そして、けむりは しばらくすると 見えなく なります。つぶが すいじょうきに もどるからだと、ドライアイスを うる みせは せつめいして います[5]。
なくなったのでは なくて、見えない すがたに もどった、と いうことです。
6. ドライアイスは、いつ できたの?
6. 商品になるまで
6. 1924年の特許申請と1925年の事業化
1925ねんに、アメリカで ドライアイスを つくる 会社が できました。その 名まえから「ドライアイス」と いう ことばが ひろまった、と いわれます[9]。
商品として工業的に作られはじめたのは、1920年代のアメリカです。1924年にスレートが特許を申請し、1925年には「ドライアイス・コーポレーション」が設立されて、ドライアイスという名前が広まりました。以上は国立国会図書館のレファレンス事例にある昭和炭酸の歴史の説明に基づきます[9]。
1924年にアメリカのスレートが特許を申請し、1925年に「ドライアイス・コーポレーション」が設立され、Dry iceの名が広まった。以上は国立国会図書館のレファレンス事例にある昭和炭酸の歴史の説明に基づく[9]。
自分でも しらべて みたく なったら
自分でも調べてみたくなったら
自分でも調べてみたくなったら
今日できること
おうちの ひとと いっしょに、つめたい ジュースを コップに いれて、そとがわが どのくらいで ぬれるか 見て みましょう。ぬれた ぶんは、空気の すいじょうきが つぶに なった もの、と せつめいされて います。ジュースを ひやした ときと、あまり ひやさない ときで くらべても おもしろいです。
ドライアイスを もらったら
ドライアイスは、ぜったいに、てで さわらないで ください。かならず おとなと いっしょに、てぶくろを つかいます。ぴったり とじた ふくろや ペットボトルには いれません。きたいが ふくらんで、やぶれる ことが あるからです。まどを あけた ひろい ところで あつかいます[1][8]。
今日できること
冷たい飲み物を入れたコップの外側が、どのくらいで濡れるかを見てみます。飲み物の冷やし方だけを変えて(部屋の温度は同じにして)比べ、濡れ方の違いを見ます。ドライアイスの煙と、同じ仕組みで説明できるかどうかを考える材料になります。
ドライアイスを扱うとき
触れると凍傷のおそれがあり、目に入ると失明のおそれがあるとされています[1]。1kgのドライアイス(約0.64リットル)は昇華して約500リットルの気体になるため、ビンやペットボトルなど密閉した容器に入れると破裂するおそれがあります[8]。高濃度の二酸化炭素を吸うと中毒症状が出ることもあるので、換気の悪い場所では使いません[8]。
今日できること
冷たい飲み物を入れたコップの外側が、どのくらいで曇るかを、飲み物の温度だけを変えて(部屋の温度は同じにして)比べる。空気中の水蒸気が冷やされて凝結する点は、ドライアイスの白煙の教育資料の説明と同じ仕組みで説明できる。
資料を読むなら
白煙の粒の中身については、松川利行「水に投じたドライアイスで生じる白煙の正体について ── 氷微粉末(固体)である一証明」(サイエンスネット34号)が原典にあたる。本文が読みにくい場合は、ねとらぼの紹介記事とあわせて読むとよい。安全面は福井県の注意喚起とSDSにまとまっている。
取り扱いの注意
1kg(約0.64L)が約500Lの気体になる[8]。密閉容器では破裂の危険がある[1]。触れれば凍傷、目に入れば失明のおそれ、高濃度の二酸化炭素で意識不明の例もあるとされる[1]。二酸化炭素中毒は、酸素があっても吸う空気の二酸化炭素濃度が高いと、呼気から二酸化炭素を出しにくくなって起こるとされる[8]。
しらべた もとの じょうほう
参考にした情報源
参考にした情報源と、その使い方
昇華・安全面は事業者の安全データシートと福井県の注意喚起、白煙の説明は教育資料・科学館・メーカー解説、水中の実験は松川の論文と解説記事、歴史は国立国会図書館のレファレンス協同データベースによる。
- 大陽日酸北海道「ドライアイス 安全データシート(SDS)」2024年4月改訂第3版 https://nsdo.jp.nipponsanso.com/dcms_media/other/k-g014_202404.pdf (昇華点、三重点、重さ、安全面)
- 科学館日記「白いもくもくの正体は?」 https://sciencemuseum.jp/cp-bin/wordpress/2019/08/02/%E7%99%BD%E3%81%84%E3%82%82%E3%81%8F%E3%82%82%E3%81%8F%E3%81%AE%E6%AD%A3%E4%BD%93%E3%81%AF%EF%BC%9F/ (二酸化炭素は見えない、白い粒は水や氷、決着していない点)
- レファレンス協同データベース(国立国会図書館)、折井雅子『科学deクイズ1・2・3 実験観察編』大日本図書、2002年の引用 https://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000154867 (水蒸気が冷やされて水の粒になるという説明)
- 株式会社アイスバーグ「ドライアイスの煙は、二酸化炭素?」 https://www.dry-iceberg.co.jp/20250601-2 (メーカーによる凝結の説明)
- ドライアイスのユウキ「ドライアイスの煙って?」 https://www.dryice.ne.jp/product/smoke/ (煙が消える理由の説明)
- 松川利行「水に投じたドライアイスで生じる白煙の正体について ── 氷微粉末(固体)である一証明」サイエンスネット34号 https://www.chart.co.jp/subject/rika/scnet/34/sc34-1.pdf (水中の実験と氷微粉末説)
- ねとらぼ「ドライアイスの白煙」を扱った記事(2018年5月) https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1805/29/news028.html (食用油の実験と氷微粉末説の紹介)
- 福井県「棺内のドライアイスによる二酸化炭素中毒に関する注意喚起」 https://www.pref.fukui.lg.jp/doc/kenan/syohi/dry.html (体積の変化、二酸化炭素中毒の説明)
- レファレンス協同データベース(国立国会図書館)「ドライアイスの歴史」に関する回答 https://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000049176 (1835年の観察と1925年の事業化)
なおした ところ
更新履歴
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