1. 119ばんは、どこに つながって いるの?
1. 119番の電話は、最寄りの消防署にはつながらない
1. 通報の行き先 ── 指令センターが受けて、部隊を選ぶ
くるまが もえて いるのを みた ひとが、119ばんに でんわを かけた と します。でんわは、いちばん ちかい しょうぼうしょの つくえで なる のでは ありません。
東京の ばあい、23くの 119ばんは、千代田くの 大手町に ある センターに つながります。たまの ほうは、立川市の センターです[1]。はままつしも、まちじゅうの 119ばんが ひとつの センターに あつまります[2]。
センターの ひとは、じゅうしょや ちかくの めじるしを ききます。そして、どこで なにが おきたのかを きめ、いる べき たいを えらんで、しょや くるまに 指令を だします[2]。
ここまでは ふつうの はなしです。おどろくのは、このあとの じゅんばんです。
火事を見つけた人が119番にかけたとします。その電話は、いちばん近い消防署の机で鳴るわけではありません。
東京都では、稲城市と島しょ地区を除いて、23区内は千代田区大手町、多摩地区は立川市の災害救急情報センターにつながります[1]。浜松市でも、市内の119番はすべて消防指令センターに入ります[2]。
センターでは、住所や目標物の聞き取り、位置情報通知装置の情報をもとに災害の地点を特定します。そして必要な部隊を選んで、署や車両に指令を出します[2]。電話を一か所で受ければ、近い車がどこにいるかを見渡して選べるからだと考えられます。
ところが、すぐ出るための工夫は、指令が出るより前から始まっています。
火災を見つけた人が119番を押すと、電話は最寄りの署ではなく、指令センターにつながる。東京都では稲城市と島しょ地区を除き、23区は千代田区大手町、多摩地区は立川市の災害救急情報センターが受ける[1]。浜松市も市内すべての119番を消防指令センターで受け、住所、目標物、位置情報通知装置の情報から災害地点を特定し、必要な部隊を選んで署所や車両へ指令を出すと説明している[2]。
受付を一か所に集める利点について、紹介した資料に理由まで書かれているわけではない。ただ、すべての署と車の状況を見られる場所で受けるからこそ、「どの隊を行かせるか」を選べるという流れは読み取れる。また、ここに挙げたのは東京都と浜松市の例で、全国の自治体が同じ形とは限らない。
ここで一つ疑問が出る。選ぶ作業が終わってから署に連絡すると、その分だけ出動が遅れるのではないか。実際には、選び終わる前から署に合図が届く。
2. でんわが おわる まえに、じゅんびが はじまる?
2. 「予告指令」── 通報の途中で流れる、準備開始の合図
2. 予告指令 ── 出場指令に先立って準備を始めさせる
こたえは「はい」です。じゅんびは、でんわが おわる まえに はじまります。
せんだいしの しょうぼうきょくは、こう せつめいして います。さいがいの しゅるいと ばしょが きまると、コンピュータが ちかい くるまを えらんで、チームを つくります。しれいが でる まえに「よこくしれい」が ながれ、そのときから でる じゅんびが はじまって います[3]。
みえけんの かめやましの しりょうでは、よこくしれいは、こえの そうちで「いま 119ばんを うけて います」と しょに しらせる ものと されて います。でるまでの じかんを みじかくするためです[4]。
おくれて ほうこくが とどくより、はなしの とちゅうで「そろそろ だよ」と いう あいずが とどく ほうが、あとの うごきが かるく なります。ただし、コンピュータが くるまを えらぶのは せんだいしの せつめいで、ぜんこく おなじとは かぎりません。
答えを先に言うと、準備は電話の途中から始まることがあります。
仙台市消防局の説明では、災害の種類と場所が決まると、コンピュータが近い出場車両を自動で選んで隊を編成します。そして、出場指令に先立って「予告指令」が流れ、その時から出場準備が始まっているといいます[3]。
三重県の亀山市の資料にも、似た説明があります。出動までの時間を縮めるため、音声合成の「予告指令」で、119番を受けている最中であることを署に知らせ、準備を促す、というものです[4]。
たとえば、友だちから「あとで行くかも」と一言あれば、その人が来る前に机を片づけ始められます。予告指令も、細かい内容が決まるのを待たずに、動き出すための先ぶれと考えると分かりやすいでしょう。ただしコンピュータの自動選定は仙台市の説明で、全国どこでも同じ仕組みとはかぎりません。
合図を受けた署の中では、何が起きているのでしょうか。
通報を受けてから、情報がすべてそろうのを待って署に指令を出していたのでは、そのぶん出動が遅れる。これを避けるのが予告指令である。仙台市消防局は、災害種別と地点が決まるとコンピュータが近い出場車両を自動で選定して隊を編成し、出場指令に先立って予告指令が流れ、その時から出場準備が始まっていると説明している[3]。
三重県亀山市の資料も、出動までの時間短縮を図るため、音声合成装置による予告指令で、119番を受信中であることを署所に知らせ、出場準備を促すと述べる[4]。つまり予告指令の目的は、指令の内容を早く伝えることだけでなく、受信中という事実だけでも先に知らせ、準備を前倒しすることにある。
注意点が二つある。一つは、コンピュータによる出場車両の自動選定は仙台市の説明であり、全国一律の仕組みとは書かれていないこと。もう一つは、亀山市の資料は検索で出てきた抜粋をもとにしており、細部は各自治体の運用で異なりうることだ。そのため、ここでは「予告指令という考え方がある」ことまでを確かな範囲として読む。
では、合図を受けた署の隊員は、具体的にどう動くのか。次は署の中の工夫を見る。
3. くつと ズボンを くっつけて おく って?
3. 署の中の「数秒」── 靴とズボンをつなげて置く
3. 署内の動線と装備 ── 靴とズボンの置き方、準備室の位置
千葉けんの 船橋市の ひがし しょうぼうしょで、子どもの きしゃが はなしを きいて きました。しれいが でてから でかけるまで、たいいんの みなさんは 3ぷんで じゅんびを すると いうのです[5]。
その 3ぷんを つくる ために、くつと ズボンは つなげて おいて、すぐ はけるように して あります[5]。
ねむる ための へやや 2かいに いても、じゅんびの へやへ いそぎます。ふだんの ふくの うえから ぼうかふくと くつを つけます[5]。へやは かいだんを おりた まん まえに あり、どの へやからも すぐ いけるように、通り道が つくられて います[5]。
のりこむ ときは、タブレットの ボタンを おして、しの ぜんぶの モニターに「でるよ」と しらせます[5]。
この 3ぷんは、この しょの たいいんの はなしで、ぜんこくの きまりでは ありません。
船橋市の「子ども記者通信」には、東消防署を取材した記事があります。隊員は、出動指令が出てから出発まで、わずか3分で準備をして現場に向かうと話したそうです[5]。この3分は一つの署の隊員の話で、全国共通の基準ではありません。
3分をつくる工夫は、小さなことの積み重ねです。たとえば、靴とズボンは二つをつなげて置き、すぐ履けるようにしています[5]。仮眠室や2階にいても出動準備室へ急ぎ、いつもの服の上から防火服と靴を着けます。着替えるのではなく、重ねるのです[5]。
準備室は階段を降りた正面にあり、どの部屋からもすぐ行けるように通路が作られています[5]。防火服を着て消防車に乗り込むときには、専用のタブレットの出動ボタンを押して、市内のすべての署のモニターに出動を知らせます[5]。
1秒でも早く動き出せるよう、置き方や部屋の並びまで工夫しています。では、消防署といえばこれ、と思い浮かぶ「すべり棒」はどうなったのでしょうか。
船橋市の子ども記者通信によると、東消防署の隊員は、出動指令が出てから出発まで約3分で準備を終えるという[5]。これは一つの署の隊員が語った数字で、全国共通の基準ではない。大切なのは、その3分を支える工夫の中身である。
まず装備の置き方がある。靴とズボンは二つをつなげて置き、すぐ履ける状態にしている。仮眠室や2階にいても出動準備室へ急ぎ、普段の服の上から防火服と靴を着ける[5]。着替えを省いて「重ねる」形にすることで、脱いで着る手間がなくなる。
次に建物の側の工夫がある。準備室は階段を降りた正面にあり、どの部屋からもすぐ行けるよう通路が作られている。隊員が防火服を着て消防車に乗り込むとき、専用のタブレット端末で出動ボタンを押すと、市内の全署のモニターに出動が知らされる[5]。つまり、準備の速さは隊員の足の速さだけでなく、置き場所、通路、通知の方法という、署の設計に支えられている。
ただし、読むときの限界もある。この記事は子ども向けの取材記事であり、署内の流れの細かい基準や、どの動作に何秒かかるかまでは書かれていない。したがって、ここから「何秒短縮できる」とまでは言えない。
ところで、署の中の工夫といえば、すべり棒を思い浮かべる人も多いはずだ。この棒は、いまどうなっているのか。
4. すべりぼうより、かいだんの ほうが はやい?
4. すべり棒が消防署から消えていった理由 ── 階段との比較
4. すべり棒の撤去 ── 安全と所要時間の両面から
しょうぼうしょと いえば、「すべりぼう」を おもい うかべる 人も いるでしょう。でも、いまは あまり つかわれて いません。
ひょうごけんの かこがわしの しょうぼうしょの ふくしょちょうさんは、「じつは かいだんの ほうが はやいんです」と はなして いました[7]。すべりぼうは、まえの 人が おりたのを たしかめて、ひとりずつ つかうからです。いちばんの りゆうは あんぜんで、けがの おそれも あります[7]。
たてかえや かいしゅうで、すべりぼうが なくなった しょも あります[7]。きょうとふの まいづるしでも、たてかえなどで すべりぼうは なくなったと されます[8]。
はやく でる ために、むかしの どうぐを やめる。これも、くふうの ひとつです。
消防署といえば、すべり棒を思い浮かべる人も多いでしょう。2024年の神戸新聞は、その棒が消えつつあることを伝えました。兵庫県加古川市の中央消防署の副署長は、一番の理由は安全面で、「実は階段の方が速いんです」と説明しています[7]。
すべり棒は、前の隊員が下りたのを確かめてから、一人ずつ使います。だから順番を待つぶん時間がかかり、けがの危険もあります。近年は、平屋で出動しやすい建物に建て替える署が進み、使われなくなったといいます[7]。
京都府の舞鶴市消防本部でも、建て替えや改修にともなって、2011年ごろまでにすべり棒がすべてなくなり、担当者は安全面と出動までの時間を理由に挙げたと伝えられています[8]。
すべり棒が全国に広がり始めたのは1960年代後半ごろで、1963年の消防法改正で救急業務が法制化され、消防署の新設が相次いだ時期と重なる、というのが専門家の見方です[7]。ただし「とみられる」という推測で、断定はできません。
速く出るための工夫には、道具を足すだけでなく、昔からの道具をやめる選択もある、と分かります。
すべり棒は消防署の象徴のように語られるが、神戸新聞(2024年)は、その撤去が進んでいることを報じた。兵庫県加古川市の中央消防署の副署長は、一番の理由は安全面であり、「実は階段の方が速い」と話している[7]。
加古川市中央消防署の説明では、理由は構造にある。すべり棒は、前の隊員が下りたことを確かめてから一人ずつ使うため、複数の隊員が同時に降りられる階段より時間がかかる。そのうえ、けがの危険もある。近年は、平屋で出動しやすい建物への建て替えが進み、棒は使われなくなった[7]。この例からは、出動のしやすさに建物全体の配置も関わると分かる。
ほかの例もある。舞鶴市消防本部では、建て替えや改修にともない、2011年ごろまでにすべり棒がすべて撤去され、担当者は安全面と出動までの所要時間を理由に挙げたという。同じ資料の紹介によれば、ウィーンでも、新しい署の配置ではすべり棒を使っても時間が縮まらないため不要になったと報じられた[8]。
歴史について、神戸新聞は、すべり棒が全国に広まり始めたのは1960年代後半ごろで、きっかけは1963年の消防法改正による救急業務の法制化と、それにともなう署の新設だとする専門家の見方を紹介している[7]。記事の表現は「とみられる」という推測であり、断定は避けるべきだ。
署の中だけでは、出動は完結しない。署を出た消防車を待つのは、赤信号の交差点である。
5. しょうぼうしゃが くると、しんごうは どうなるの?
5. 署を出たあとの道 ── 信号と、道をゆずる車
5. FASTが信号を制御し、一般車が緊急車両に道を譲る
しょうぼうしゃが しょを でても、あかしんごうが つづくと、まえに すすめません。そこで つかわれる しくみが、FASTです[9]。
FASTは、しょうぼうしゃなどに ゆうせんして 信号を あおに する しくみで、げんばへ いく じかんを へらします。きんきゅうの くるまが じこに あわないように する ねらいも あります[9]。しょうぼうしゃが とおる 道の しんごうが あおになる あいだ、よこの 道は あかに なる、という かんがえかたです[10]。
まちの 人にも、きまりが あります。くるまを うんてんする 人は、サイレンが ちかづいたら、こうさてんを さけて、道の ひだりがわに よって、いったん とまります[11]。
しょうぼうしゃの 人たちも、あかしんごうや みとおしの わるい こうさてんでは、いったん とまって まわりを たしかめるように よびかけられて います[12]。いそぐ ときほど、ていねいに はしるのです。
署を出た消防車の前に、赤信号の交差点があったらどうなるでしょうか。
警察庁が説明するFAST(現場急行支援システム)は、緊急車両に優先的に信号を制御して、現場へ急ぐ時間を縮め、緊急走行が原因の交通事故を防ぐ仕組みです[9]。論文で検討されている制御法では、消防車が通る道の信号を赤から青に替えるか、青を延ばします。同時に、交わる道は赤になる、という仕組みです[10]。ただしこれは論文の検討内容で、FASTの現行の仕様すべてではありません。
道路を走る私たちにも役目があります。道路交通法の定めで、緊急自動車が近づいたら、一般の車は交差点を避けて道路の左側に寄って一時停止します。交差点以外では、左に寄って進路を譲ります[11]。
緊急車両側にも決まりごとがあります。茨城県の常陸大宮市消防本部の資料では、赤信号や見通しの悪い交差点では一時停止して左右を確かめるよう呼びかけ、緊急自動車の事故が最も多いのは交差点だと書かれています[12]。
電話、署の中、道。それぞれで数秒を削る工夫を見てきました。では、実際にはどれくらいの時間で出て、どれくらいで着くのでしょうか。
署を出た消防車の障害は、交差点の信号である。警察庁はFAST(現場急行支援システム)を、緊急車両に対して優先信号制御を行うことで、現場急行の時間を縮め、緊急走行を起因とする交通事故も防ぐシステムだと説明している[9]。
制御の考え方は、論文でも述べられている。緊急車両が通る道の信号を赤から青に替える(または青を延ばす)と、直交する道は赤になる、という制御法だ[10]。ただしこの論文は車車間通信を使った制御法を検討したもので、FASTの現行の仕様すべてを述べたものではない。また、FASTの現在の整備状況は、参照した資料では分からないので、台数や都道府県数は書かない。
信号だけでは足りない。道路交通法40条により、緊急自動車が近づくと、一般の車は交差点を避けて道路の左側に寄って一時停止し、交差点以外では左に寄って進路を譲る。名古屋市消防局は、これを自動車、原付、自転車に求めている(一方通行では右側でもよい)[11]。
一方で、緊急自動車の側にも安全の呼びかけがある。常陸大宮市消防本部の資料は、赤信号や見通しの悪い交差点では一時停止して左右を確かめることを呼びかけ、緊急自動車の事故が最も多い場所は交差点だと述べる[12]。これは検索結果の抜粋に基づく。つまり信号制御は急ぐための工夫であると同時に、最も事故が起きやすい交差点で、安全を保つための工夫でもある。
電話、署、道路の三つを見てきた。それぞれの数字は、実際にはどう並ぶのか。
6. 「すぐ」って、どれくらいの じかん?
6. 「すぐ」の数字を並べると、見えにくいこと
6. 札幌市の20〜30秒と船橋市の3分 ── 数字を比べるときの注意
さっぽろ市の こうほうし(2011ねん)には、つうほうを うけてから でるまでが 20びょうから 30びょう、でて から げんばに つくまでが 5ふんくらい、と かかれて います[6]。
あれ? 船橋市の 3ぷんより ずっと みじかい、と おもいませんか。
これは まちがいでは ありません。はかって いる ところが ちがうのです。さっぽろの 20びょうから 30びょうは「でんわを うけて から」の じかん。ふなばしの 3ぷんは「しれいが でてから」の じかんと、はなして いました。ただ、2つの しりょうが どこから どこまでを はかっているのかは、くわしく しらべないと わかりません。
だから、「すぐ」の 数字は、ひとつだけ みて、くらべては いけません。
札幌市の広報(2011年)には、通報を受けてから出動まで20〜30秒、出動から現場に到着するまで約5分、と書かれています[6]。これは2011年の一市の広報で、全国の平均ではありません。
ここで船橋市の「出動指令から約3分」と並べると、食いちがって見えます。しかし、どこからどこまでを測っているのかが、資料ごとに違う可能性があります。船橋市の3分は、出動指令を起点にして、準備して出発するまでの話でした[5]。札幌市の20〜30秒は、通報を受けてから出動までの数字です[6]。起点も終点もそろっていないので、足したり、引いたりして比べることはできません。
全国で同じ「出動までの時間」の基準は、今回の資料では示されていません。数字は、「どこの、いつの、何から何までの時間か」をつけて読むことが大切です。
この「何から何まで」という見方は、ほかの数字を読むときにも使えます。
札幌市の広報さっぽろ(中央区版、2011年)には、通報を受けてから出動まで20〜30秒、出動から到着まで約5分と書かれている[6]。これは検索結果の抜粋で、2011年の一市の広報である。全国の平均値ではない。
一方、船橋市の署では、出動指令が出てから出発まで約3分という隊員の話があった[5]。20〜30秒と3分を並べると、どちらかが誤りに見える。しかし、測っている区間が違う可能性が高い。船橋市の3分は「出動指令から出発まで」である。札幌市は「通報を受けてから出動まで」としか書かれておらず、起点にあたる「受けてから」が、予告指令の時点なのか、指令の時点なのか、広報の文面だけでは判断できない。さらに、札幌市のほうは広報の見出しに近い数字であり、船橋市は取材記事の聞き書きである。性質の違う二つの数字を、直接引き算してはいけない。
今回見た資料からは、全国共通の「出動までの時間」の基準は分からない。3分のように、自治体ごとの話にとどまる。
この例は、数字の読み方の練習になる。時間の数字を見たら、①起点はどこか、②終点はどこか、③いつ、どこの話か、の三つを確かめる。その三つがそろわない数字どうしは、並べて比べない。
7. あさの じゅんびを、3ぷんで やって みよう
7. 朝の支度を「消防署ふう」に変えてみる
7. 自分の「準備時間」を測って、置き方を変えてみる
あさ おきてから、いえを でるまで、なんぷん かかりますか。まず、とけいで はかって みましょう。
つぎの ひは、まえの ばんに ようふくと くつしたを まとめて おいて みます。くつしたを くつの そばに おくのも いいでしょう。もういちど はかって、ちがいを みて みましょう。
しょうぼうしょの 人たちも、くつと ズボンを つなげて おくような ちいさな くふうを、たくさん つみかさねて います[5]。
サイレンの おとが きこえたら、どちらへ よけたら いいかも、おうちの 人と はなして みましょう[11]。ほんとうの 道では、じぶんから ちかづかず、あんぜんな ところから みて ください。
もっと しりたい 人は、住んで いる まちの しょうぼうしょの ホームページで、「119ばん」や「しれいセンター」を さがして みましょう。
消防署の工夫は、家でもまねができます。前の晩に翌朝の服をまとめておき、靴の近くに靴下を置いて、朝の支度にかかる時間を測ってみましょう。置き方を変える前と後で、差が出るでしょうか。
差が出ても出なくても、署が「どこに何を置くか」まで考えている理由を想像する材料になります。船橋市の東消防署では、靴とズボンをつなげて置くところまで工夫していました[5]。
道でサイレンが聞こえたときの動き方を、家族と話しておくのもよいでしょう。名古屋市消防局の説明では、車や自転車に乗っている人は、交差点を避けて道路の左側に寄って一時停止し、交差点以外では左に寄って道を譲ります[11]。実際に外で試すときは、車道には出ず、歩道の安全な場所から見るようにしてください。
さらに調べたいなら、自分の町の消防本部や消防署のホームページで「119番」「指令センター」を探すと、受け方や、予告指令のような仕組みの説明が載っているかもしれません。載っていたら、時間の数字が「何から何まで」の区間かも見比べてみてください。
この記事の資料からは、署の工夫を一つの数字にまとめることはできなかった。それでも、置き方や通路といった小さな設計が積み重なっていることは分かる。自分の生活でも、朝の支度の時間を測り、前の晩に服や持ち物をまとめておく前後で比べれば、置き方の効果を実感できる。
調べを広げる道は三つある。第一に、住んでいる自治体の消防本部のページで、119番の受付と指令センターの体制を確かめること。東京都は大手町と立川市の2か所[1]、浜松市は市内すべてを一か所で受ける[2]というように、形は自治体で違う。
第二に、予告指令を実際に使っているかを、自治体ごとに確かめること。今回確認できたのは仙台市[3]と亀山市[4]の説明である。
第三に、数字の起点と終点をそろえて読むこと(第6章)。札幌市の広報[6]と船橋市の取材記事[5]のように、同じ「出動」でも測る区間が違えば、比べられない。
車や自転車で道を走っているときにサイレンを聞いたら、交差点を避けて左側に寄って一時停止し、交差点以外では左に寄って進路を譲るのが道路交通法の定めである[11]。観察するときは車道に出ず、歩道の安全な場所から見ること。
しらべた もとの じょうほう
参考にした情報源
参考にした情報源と、その使い方
出典について:自治体の消防機関と警察庁の説明、自治体の広報、新聞記事、論文を使った。何に使ったかは、それぞれの項目の最後に書いている。
- 東京消防庁「119番通報の流れ」。https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/lfe/119/119.html (東京都の119番の行き先について)
- 浜松市消防局「指令センター見学」。https://www.city.hamamatsu.shizuoka.jp/hfdsoum/disaster/shobo/kengaku/sirei.html (指令センターが受けて部隊を選ぶ流れについて)
- 仙台市消防局「消防の仕事」。https://www.city.sendai.jp/kikakukoho/kurashi/anzen/shobo/shobokyoku/shigoto.html (予告指令と出場車両の選定について)
- 亀山市消防の資料。https://www.city.kameyama.mie.jp/shobo/article/2024102200012/file_contents/05-P41P42.pdf (音声合成による予告指令について。検索結果の抜粋)
- 船橋市「子ども記者通信(東消防署)」。https://www.city.funabashi.lg.jp/shisei/kouhou/011/02/32/p140024.html (出動準備室と装備の置き方について)
- 札幌市「広報さっぽろ 中央区版」2011年9月号。https://www.city.sapporo.jp/somu/koho-shi/201109/documents/201109chuo02.pdf (出動までと到着までの時間の目安について。検索結果の抜粋)
- 神戸新聞「すべり棒は消えた」(2024年)。https://www.kobe-np.co.jp/news/society/202401/0017271847.shtml (すべり棒が使われなくなった理由と歴史について。新聞記事)
- 読むノ「消防署のすべり棒」。https://yomuno.jp/posts/102287 (舞鶴市などでの撤去について。検索結果の抜粋)
- 警察庁「UTMS」。https://www.npa.go.jp/bureau/traffic/seibi2/annzen-shisetu/utms/utms_sub.html (FAST、現場急行支援システムについて)
- 「車車間通信による信号機制御法」(電子情報通信学会 FIT2013)。https://www.ieice.org/publications/conference-FIT-DVDs/FIT2013/data/pdf/M-041.pdf (優先信号の考え方について。論文の検討内容)
- 名古屋市消防局「緊急自動車への対応」。https://www.city.nagoya.jp/bousai/shoubou/1012732/1034504/1034505/1013317.html (緊急自動車が近づいたときの動き方について) 法令は e-Gov法令検索「道路交通法」第40条。
- 常陸大宮市消防本部の資料。https://www.city.hitachiomiya.lg.jp/data/doc/1682335143_doc_1_0.pdf (緊急自動車の交差点での事故と注意について。検索結果の抜粋)
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