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冷蔵庫れいぞうこの ドアの ふちには、なにが はいって いるの?

冷蔵庫のドアパッキンには、どんな磁石が入っているのか

冷蔵庫のドアパッキンは、磁石と断熱をどう両立しているのか

分野:技術

冷蔵庫れいぞうこの ドアを、すこし 開けてから はなすと、さいごは ぴたっと しまります。ふちの ゴムの 中に、磁石じしゃくが 入って いるからです。

しかも、この 磁石じしゃくは 1しゅるいでは ない とっきょが あります。ところが、ふちの ゴムから ねつが にげると いう けんきゅうも あります。しかも、磁石じしゃくの ねつの とおしやすさを かえても、ねつは あまり へらなかった そうです。この ページを 読むと、ふちの ゴムの 中の つくりと、にげる ねつを へらす くふうが わかります。

冷蔵庫のドアは、少し開けて手を離しても、最後はぴたりと閉まります。ドアの縁にあるゴムのパッキンに、磁石が入っているためです。ところが、この縁から逃げる熱は、冷蔵庫全体で逃げる熱の約3割にもなるという研究があります[1]。

ゴムの中に、どんな磁石が、どう入っているのでしょうか。それでもなぜ熱は逃げるのでしょうか。その研究では、磁石の熱の通しやすさを変えても、熱損失を減らす効果は目立ちませんでした。この記事を読むと、パッキンの中の作りと、熱の逃げを減らす工夫の考え方が分かります。

冷蔵庫のドアは、わずかに開いた状態から手を離しても閉まりきる。ドアのふちにある磁石入りのパッキン(ガスケット)が、金属の本体へ引き寄せられるためだ。ところが韓国の論文は、このパッキンを通した熱損失が、冷蔵庫全体の熱損失の約30%にのぼると報告している[1]。

磁石は、閉じる力と密閉の両方を担えるのか。熱の通り道をどう断てばよいのか。この論文の解析では、磁石の熱伝導率を変えても熱損失は目立って減らなかった。この記事を読むと、特許文献に見える磁石の使い分け、ゴムと空気層の工夫、論文が示した熱損失を減らす手がかりが分かる。

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1. ドアは、どうして ぴたっと しまるの?

1. 手を離すと、ドアが最後まで閉まるのはなぜか

1. 閉まりきる力は、パッキンの磁石と金属の本体の引き合いから生まれる

おうちの 冷蔵庫れいぞうこの ドアを、5センチほど 開けて、そっと はなして みて ください。さいごの ところで、ドアが すっと すいこまれる ように しまりませんか。

ドアの ふちには、ゴムの ような パッキンが ぐるっと 一しゅう して います。この 中に、磁石じしゃくが 入って います。本体の がわは 金ぞくの 板なので、磁石じしゃくが くっつくのです。

ゴムなのに 磁石じしゃくと いうのは ふしぎです。パッキンの 磁石じしゃくは、磁石じしゃくの こなを ごうせいゴムに まぜて つくると 書かれた とっきょが あります。だから、ぐにゃっと まげられます。

ドアを しめる ちからと、すきまを ふさぐ やくめ。パッキンは、この 2つを して いると、べつの とっきょにも 書いて あります。

冷蔵庫のドアを5センチほど開けて、そっと手を離してみてください。最後のところで、ドアが吸い込まれるように閉まるはずです。

ドアの縁には、ゴム状のパッキン(ガスケット)が一周しています。その中に磁石が入っていて、金属でできた本体の外板に引き寄せられます。磁石入りの細長い帯が、金属の外板に密着して、すき間をふさぐという特許の説明があります[3]。

磁石なのに曲げられるのは、磁石の粉と合成ゴムを混ぜて作るためだと、別の特許は説明しています[4]。ゴムのやわらかさと磁石の力を、ひとつにしたものです。

古い特許には、パッキンの目的が2つ書かれています。ドアを閉じる力を出すことと、閉じたときにすき間を密封することです[2]。では、この2つの仕事を、1つの磁石でこなしているのでしょうか。

冷蔵庫のドアを少し開けて手を離すと、最後は閉まりきる。ドア縁のパッキンに磁石が入っており、金属の本体外板と引き合うからだ。磁石入りの細長い帯が、金属の外板との間でシールをつくるという説明が、特許文献に見える[3]。

ゴム状の部材に磁石を持たせる方法として、別の特許は、磁石の粉と合成ゴムを混ぜてつくる磁石を挙げている[4]。粉をゴムで固めた磁石なので曲げられる。ドアの四辺に沿ってぐるりと回し、本体との接触面を長く確保するには都合がよい。

1960年代の特許(US3125389)は、家庭用冷蔵庫の扉と本体のあいだの磁石入りパッキンの目的を、ドアを閉じる力を出すことと、密封を保つことの2つだと書く[2]。ならば、1種類の磁石で足りるのか。この特許の答えは、そうではなかった。

2. 磁石じしゃくが 2しゅるい 入って いる とっきょが ある

2. 強い磁石と弱い磁石を使い分けるという特許がある

2. 閉じる力と密封で磁石を使い分ける設計:US3125389の考え方

むかしの とっきょに、おもしろい かんがえが あります。パッキンの 中に、磁石じしゃくを 2しゅるい 入れると いう もの です。

ひとつは、ドアを しめる ための、つよくて ちいさい 磁石じしゃく。もうひとつは、ぴったり ふさぐ ための、よわい 磁石じしゃくです。

つよい 磁石じしゃくは、ドアの ちょうつがいに ちかい ところに おくと 書かれて います。そうすると、よわい 磁石じしゃくで すむ、と いう せつめいです。

ただし、これは この とっきょの かんがえ方です。今の 冷蔵庫れいぞうこが ぜんぶ この つくりとは かぎりません。

先ほどの特許(US3125389)は、安価な磁石を2種類、パッキンの中で使うという発明です。ひとつは、ドアを閉じる力を出すための比較的強い磁石。もうひとつは、密封を保つための比較的弱い磁石です[2]。

強い磁石は、より小さく、これまでよりドアのちょうつがい(ヒンジ)に近い位置に置くと説明されています。位置をちょうつがい寄りにすることで、より弱い磁石で足りるというのが、この特許の考え方です[2]。

閉じる力と、すき間をふさぐことでは、磁石に求める働きがちがうので、役目を分けるのは筋が通っています。ただし、これは特許に書かれた一つの設計です。現在の冷蔵庫がすべてこの作りだとは、資料からは言えません。

磁石で閉じる、というところまでは分かりました。では、閉まっているのに熱が逃げるのは、どこからなのでしょう。

US3125389は、安価な磁石を2種類、1つのパッキン内で使う設計を示した。目的は、ドアを閉じる力をつくる磁石と、密封を維持する磁石を分けることである。前者は比較的強く小さい磁石で、後者は比較的弱い磁石だ[2]。

強い磁石は、従来よりもヒンジに近い位置に置かれる。この特許は、位置をヒンジ寄りにすることで、より弱い磁石で足りる点を述べている[2]。

分けた理由を考えると、閉じる力と密封はそもそも求める性質がちがう。閉じる力は、ドアを最後まで引き寄せる力が要る。密封は、ドアの全周で本体にすき間なく接することが要る。1つの目的を2種類の磁石に分けて持たせる発想である。ただし、この特許は一つの設計の提案で、現在の製品が一様にこの作りだと示す資料は、今回の材料の中にない。

なお、磁石でぴたりと閉じても、熱の出入りが止まるとは限らない。では、パッキンまわりからどれだけの熱が逃げるのか。論文の数字を見る。

3. にげる ひえた くうきは、どのくらい?

3. 閉まっていても、パッキンから熱は逃げる

3. 閉まっていても、パッキンを通して熱は出入りする:約30%という報告

ドアが ぴたっと しまって いても、ゴムの ところから すこしずつ ねつが 出入りします。冷蔵庫れいぞうこの 中は ひえ、外は あたたかい からです。

かんこくの けんきゅうは、パッキンを とおって にげる ねつが、冷蔵庫れいぞうこぜんたいで にげる ねつの やく 3わりに なると 書いて います。10この うち 3こぶんです。

ドアの ふちは ほそい のに、けいさんでは そこが 目立つ にげ道に なって います。

だから、メーカーの 人は、パッキンの かたちや ざいりょうを くふうして います。

冷蔵庫の中は冷たく、外は暖かい。その差があるかぎり、熱は外から中へ向かって移動します。ドアが閉まっていても、ゴムのパッキンは熱の通り道の一つになります。

2010年の韓国の論文は、冷蔵庫のガスケット(パッキン)まわりの形や物性を変えて、数値解析で熱損失への影響を調べました。その中で、ガスケットを通した熱損失は、冷蔵庫全体の熱損失の約30%だと述べています[1]。10の熱のうち3が、ドアの縁を通る計算です。

ここで注意したいのは、約3割というのは、この研究が対象にした冷蔵庫での報告だという点です。どの冷蔵庫でも同じ割合になるとは限りません。それでも、ドアの縁が細い部分でありながら、熱の出入りに大きく関わりそうだということは分かります。

この熱を減らすには、どこを変えればよいのでしょうか。この論文の解析では、磁石の熱伝導率を変えても効果は目立たず、ゴムの側に手がかりがありました。

冷蔵庫の庫内と外気の温度差がある限り、熱は外から内へ流れる。ドアが閉まっていても、パッキンは熱の通り道の一つになる。

2010年に韓国の学術誌に載った研究は、冷蔵庫のガスケット周辺の形状と物性値を変えたときの熱損失への影響を数値解析した。その結果として、ガスケットを経由する熱損失が、冷蔵庫全体の熱損失の約30%を占めると報告している[1]。10のうち約3が、ドア縁の細い帯を通る計算になる。

この数字は、その研究が扱った冷蔵庫と条件での値で、一般の冷蔵庫に一律に当てはまる保証はない。それでも、断熱性能を考えるうえで、ガスケットを無視できない部位として扱う根拠になる。

では、熱損失を減らすために、ガスケットの何を変えればよいのか。同じ論文は、変える要素を比べている。磁石の熱伝導率を変えても熱損失は目立って減らず、ゴムの側に手がかりがあった。

4. ねつを へらす くふうは、磁石じしゃくでは なかった

4. 熱を減らす工夫は、磁石ではなくゴムと空気にあった

4. この研究では、熱損失に磁石よりパッキンの材料と形状が関わった

さっきの けんきゅうで、ねつを へらすのに きくのは なにか しらべました。

パッキンの 中の 磁石じしゃくが ねつを とおす やすさを かえても、ねつが へる ことは はっきりしませんでした。磁石じしゃくは しめる ため、ねつ たいさくは ほかの ところ、と いう ことです。

きいたのは、パッキンの ゴムの ぶぶんを ねつを とおしにくい ざいりょうに する こと。そして、パッキンの 内がわを のばす かたちに する ことでした。のばすと、20から 40パーセント へらせる かのうせいが ある と 書かれて います。

ほかにも、とっきょには、空気の そうを つくる くふうが あります。磁石じしゃくの 面に みぞを ほって、空気が 入る すきまを つくります。空気は ねつを つたえにくい ので、ふとんのように ねつを おさえます。

パッキンの 中には、からっぽの へやと 磁石じしゃくを 入れる へやが ある つくりも あるそうです。

同じ論文は、パッキンの熱の通りやすさ(熱伝導率)を変える実験を行っています。結果は、はっきり分かれました。

パッキン自体の熱伝導率を下げると、熱損失を減らす効果は大きい。一方で、中の磁石の熱伝導率を変えても、熱損失が減るという目立った効果はなかった。さらに、パッキンの内側を延長する設計にすると、熱損失を20〜40%減らせる可能性があると報告されています[1]。

磁石は閉じる役目で、熱を止める役目は主にゴムと形が担っている、と読めます。特許にも、パッキンは熱伝導率の低い材料で作って熱の移動を小さくする、という記述があります[3]。

形の工夫もあります。ある特許は、パッキンの中に空洞の部屋と磁石を入れる部屋を設け、磁石の面には溝をつけています。溝の中にできる空気の層が、熱の伝わりを抑えるという説明です[4]。空気は熱を伝えにくいので、重ねた服が暖かいのと同じ考え方です。

こうして設計された部品も、使い方次第で働きが落ちます。最後は、家でできる観察に戻りましょう。

論文は、ガスケットの熱伝導率を下げることが、熱損失を減らすうえで大きな効果をもつと述べる。他方で、ガスケット内部の磁石の熱伝導率を変えても、熱損失の削減に明確な影響は見られなかった。さらに、ガスケットの内側を延長する形状にすると、熱損失を20〜40%減らせる可能性があるとも報告している[1]。

この解析では、磁石の熱伝導率を変えても熱損失削減への明確な影響は見られず、ゴム部分の材料や形状の効果が大きかった。US5129184も、パッキンは熱伝導率の低い材料でつくり、熱の移動を小さくすると述べている[3]。

形状面では、US11085692が、中空室と磁石室をもつ磁石パッキンを示している。磁石の面に凹んだ溝を設け、その空気層で熱伝導を抑える狙いである[4]。空気層をつくって熱の伝わりを抑える狙いだ。効果の大きさは、今回の資料の数字からは読み取れない。

設計がここまでよくできていても、日々の使い方で性能は落ちる。パッキンに汚れがたまるとどうなるか。

5. うちの ドアの ふちを、そっと 見て みよう

5. 家の冷蔵庫のドアの縁を、そっと観察する

5. 汚れと霜は、密閉の悪さのサインになる

パッキンに よごれが たまると、カビが はえたり いたんだり して、つめたい くうきが もれる もとに なると、冷蔵庫れいぞうこの 業界の ページに 書かれて います。

やって みよう。おうちの 人と いっしょに、ドアの ふちの ゴムを 見て みましょう。くろい てんや よごれが あれば、歯はブラシや かたく しぼった ぬのを つかって、やさしく ふきます。ゴムを やぶかない ように、そっとです。

もうひとつ。ドアの まわりに 霜しもが ついたり、冷蔵庫れいぞうこの 中に すいてきが できたり したら、すきまから つめたい くうきが もれて いる サインかも しれません。

ゴムの 中の 磁石じしゃくと、ねつを おさえる かたちの くふう。ふだん 目に 入らない ところで、だいじな 仕事を して います。

パッキンが汚れると、カビが生えたり傷んだりして、冷気が漏れる原因になります。日本電機工業会(冷蔵庫のお手入れのページ)は、歯ブラシや硬く絞った布で清潔にするよう勧めています[5]。

やってみましょう。家の人と一緒に、ドアの縁のゴムを見て、黒い点や汚れがないか確かめます。あれば歯ブラシや硬く絞った布で、ゴムを傷つけないようそっとふきます。ゴムが破れていたら、掃除ではなく修理や交換の相談になります。

もう一つの観察は、霜と水滴です。冷気が漏れると冷凍室のドアの周りに霜がつき、冷蔵室には水滴ができるという、メーカーの説明があります[6]。密閉が悪いサインとして、見ておく価値があります。

磁石で閉まり、ゴムと空気で熱の移動を減らす。このパッキンの中身は、特許の本文を読むとさらに細かく見えてきます。家の冷蔵庫に、どの設計が使われているかは分かりません。それでも、ふだんは目に入らない縁に、2つの役目が詰まっていると思って見ると、見え方が変わります。

パッキンの汚れは、カビや傷みの原因となり、冷気が漏れることにつながる。日本電機工業会の冷蔵庫のお手入れのページは、歯ブラシや硬く絞った布で清潔にするよう案内している[5]。

密閉の悪化は、目に見える形で現れることがある。同じLGの説明は、冷気が漏れると冷凍室のドアの周りに霜ができ、冷蔵室には水滴が生じるとしている[6]。ただし、霜や水滴にはほかの原因もありうるため、これだけでパッキンの不良と決められない。サインの一つとして扱うのが妥当だ。

まとめると、パッキンは、磁石で閉じる力を出し、ゴム部の材料や形状、空気層で熱損失を抑える複合部品だ。約30%という報告は、その部品に手を入れる意味の大きさを示す。

より詳しく知るには、出典の特許文献(US3125389、US5129184、US11085692)の請求項と図面を読み、磁石の配置や溝の形を見るとよい。英語の資料なので、家で試せるのは、ドア縁の観察と掃除までである。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

本文で使った資料です。特許は、出願した人の一つの設計の説明で、現在の製品すべてがその作りとは限りません。

  1. 冷蔵庫ガスケット周辺の形状と物性値の変化による熱損失への影響を調べた論文(韓国の学術誌)。 https://www.kci.go.kr/kciportal/ci/sereArticleSearch/ciSereArtiView.kci?sereArticleSearchBean.artiId=ART001450361 (熱損失の約30%、内側延長による20〜40%減、熱伝導率の影響)
  2. US3125389A, Magnetic door gasket. https://patents.google.com/patent/US3125389A/en (2種類の磁石と配置の考え方)
  3. US5129184A, Magnetic sealing gasket. https://patents.google.com/patent/US5129184 (磁石入りの帯が金属の外板と密着すること、低熱伝導率の材料)
  4. US11085692B2, Magnetic gasket and cooling apparatus. https://patents.google.com/patent/US11085692 (磁石の粉と合成ゴム、中空室と磁石室、溝の空気層)
  5. 日本電機工業会「上手なお手入れ方法」. https://www.jema-net.or.jp/living/reizouko/knowledge5.html (汚れと冷気漏れ、掃除のしかた)
  6. LG India support, refrigerator door gasket. https://www.lg.com/in/support/product-support/troubleshoot/help-library/cs-CT20150037-20153121297982/ (霜と水滴のサイン)

なおした ところ

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