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ここにあるのは、だれかが実際に調べ、考え、作ってきたことを集めたメモです。気になったら、ページの下の「参考にした情報源」から、もとの本や記事、それを生み出した人たちに、直接ふれてみてください。このメモには書ききれないおもしろさが、そこにあります。

緑茶の 葉は、つんだ あと どうして むすの?

緑茶の葉は、摘んだあとなぜ蒸すのか ── 同じ木から紅茶もできる

緑茶はなぜ摘んですぐ蒸すのか ── 酵素を止める蒸熱、揉む工程、1738年の改良

分野:技術

りょくちゃも こうちゃも、おなじ 木の はから できます[1]。つんだ はは、ほうって おくと、じぶんの ちからで 茶色く かわって いきます[2]。

では どうして、りょくちゃの はは みどりの まま なのでしょう。むして、もんで、かわかす わけと、むかしの 人の ひとてまが わかります。

緑茶も紅茶も烏龍茶も、同じチャノキの葉から作られます[1]。摘んだ緑の葉は、そのままにしておくと、自分の持つ酵素のはたらきで茶色く変わっていきます[2]。

緑茶の葉は、なぜ緑のまま残るのでしょうか。摘んですぐ蒸す理由、揉んで乾かす流れ、1738年に揉むひと手間を加えた人の話、そして同じ木から抹茶や紅茶に分かれる道すじが分かります。抹茶の原料になる碾茶は、蒸したあと揉まずに乾かします。同じ木の葉が、作り方の違いで別のお茶になります。

緑茶・烏龍茶・紅茶は、すべて同じチャノキの葉から作られ、加工のしかたで無酸化・半酸化・酸化に分かれる[1]。摘んだ葉は、摘採の時点から葉の中の酸化酵素が働いて茶色くなりはじめるため、緑茶ではこの働きを加熱で止める[2]。

では、止めたあとの葉をなぜ揉むのか。蒸し時間による味の違い、乾燥前に揉む工程を足した永谷宗円の改良、荒茶から製品への仕上げ、覆いの有無による煎茶・玉露・抹茶の分かれ道までが分かる。

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1. つんだ はは、どうして 茶色に なるの?

1. 摘んだ葉は、放っておくと茶色に向かう

1. 摘んだ茶葉では酸化が始まる ── 緑茶は加熱で止める

茶畑で つんだ ばかりの はは、きれいな みどりです。でも そのまま おくと、つんだ ときから しおれて いきます[2]。

はの なかには、酵素こうそという はたらきものが います。この 酵素こうそが、はの カテキンという ものを かえて いきます。この はたらきを「はっこう」と よびます[2]。ヨーグルトの はっこうとは ちがって、びせいぶつでは なく、はの 酵素こうその しごとです。

はっこうを とちゅうで とめると りょくちゃ、とちゅうまで すすめると ウーロンちゃ、さいごまで すすめると こうちゃです[2]。では りょくちゃは、どう やって とめるのでしょう。

茶畑で摘んだばかりの葉は、鮮やかな緑色をしています。ところが摘まれた時点から、葉は少しずつしおれはじめます。このとき葉の中では、酸化酵素がカテキンを酸化させています。この現象を、茶の世界では「発酵」と呼びます[2]。

ヨーグルトや納豆の発酵とは別物で、微生物ではなく、葉自身の酵素による変化です。この発酵を熱で止めたものが緑茶(不発酵茶)、途中まで進めたものが烏龍茶(半発酵茶)、完全に進めたものが紅茶(発酵茶)とされます[2]。

つまり緑茶づくりは、摘んだ葉で始まる酸化を、早めに止める作業です。では、その酸化をどうやって止めるのでしょうか。

茶の葉は、摘採した時点から徐々にしおれていく。このとき葉の内部では、含まれる酸化酵素の働きでカテキンが酸化している。この現象を茶業では発酵と呼ぶが、微生物による発酵ではなく、葉の酵素による酸化のことである[2]。

厚生労働省のHACCP手引書(案)によれば、この発酵を熱処理(蒸す・炒る)で止めたものが不発酵茶(緑茶)、途中まで進めたものが半発酵茶(烏龍茶)、完全に進めたものが発酵茶(紅茶)である[2]。国土交通省の解説シートも、同じ分類を無酸化・半酸化・酸化と表現する[1]。

したがって、緑茶の製造の出発点は「いつ・どうやって酵素を止めるか」にある。酸化が進んだ葉は元に戻らないため、摘んだあとの時間が長いほど、緑茶にとっては不利になる。では、止める手段は何か。

2. どうやって、みどりの まま とめるの?

2. 日本では「蒸して」止める ── 蒸し時間で味が変わる

2. 蒸熱による失活 ── 蒸し製と釜炒り製、蒸し時間の幅

とめる ほうほうは、ねつを くわえる ことです。日本の せんちゃは、つんだ はを じょうきで むします[3]。むす じかんで、あじや かおりが かわります[3]。

くまもとけんの しけんでは、むし きかいで 60びょう(1ぷん)が ふつう、120びょう(2ふん)が「ふかむし」ぐらいと されました[7]。ただし ひんしゅや きかいで かわる めやすです。

中国から つたわった やりかたでは、かまで いって ねつを くわえます[1]。日本では むす お茶が おおく、かまで いる お茶も あります。どちらも 酵素こうそを とめる ほうほうです。

日本の煎茶では、摘んだ葉や茎を蒸気で蒸して、酵素の働きを止めます。この蒸し時間によって、味や香りが変わります[3]。

熊本県の試験では、回転式の蒸し機で60秒が「普通蒸し」、90秒が「強蒸し」、120秒が「深蒸し」程度とされました[7]。深蒸し煎茶は、蒸し時間を普通煎茶の2倍以上に長くしたものです[2]。ただしこれは品種や機械による目安で、どこでも同じ秒数というわけではありません。

日本では蒸し製が多い一方、釜で炒って熱を加え、発酵を止める釜炒り茶もあります。中国から伝わった製法とされます[1]。蒸すか、炒るか。どちらも同じ酵素を止めるための、熱の入れ方の違いです。

葉は止まりました。けれども蒸した葉は、まだ水分を含んでやわらかいままです。ここからどうするのでしょうか。

日本の煎茶は、摘んだ茶葉や茎を蒸気で蒸し、発酵を止めることから始まる。農林水産省の特集は、この蒸し時間によって味や香りが変わると説明する[3]。深蒸し煎茶は、蒸し時間を普通煎茶の2倍以上に長くしたものと分類される[2]。

数字の一例として、熊本県農業研究センター茶業研究所の試験では、回転式の蒸し機で60秒が普通蒸し、90秒が強蒸し、120秒が深蒸し程度とされた[7]。ただしこれは、その試験条件での目安であり、機械や品種、地域で変わる。「深蒸しは何秒」という固定値としては読めない。

日本では蒸し製が多い一方、釜で炒って加熱し、発酵を止める釜炒り製緑茶もあり、中国から伝わった製法とされる[1]。蒸気で止めるか、鍋肌の熱で止めるかという違いはあるものの、どちらも酵素を熱で失活させるという目的は共通である。

ここで酵素が止まっても、蒸した葉は水分を多く含むやわらかい状態にとどまる。そのまま放置すれば保存はきかない。では、この葉をどう仕上げるのか。

3. むした はを、どうして もむの?

3. 蒸した葉を揉みながら乾かし、「荒茶」にする

3. 粗揉・揉捻・中揉・精揉 ── 揉みながら乾燥させて荒茶になるまで

むした はは、まだ しめって います。ここから、もみながら かわかして いきます。

もむ しごとは、いくつかの だんかいに わかれます。あらく もむ。ぐるぐると もむ。なかくらいで もむ。さいごに かたちを ととのえる。この じゅんで すすみます[3]。

さいごは ねっぷうで かわかして、みずを 5パーセントぐらいに します[3]。100グラムの うち、みずは 5グラムです。この ままの すがたを「あらちゃ」と よびます[3]。

よく かわいて いるので、ふつうの へやに おいて おけます[2]。では、この もむ しごとを、はじめに くわえた 人は だれでしょう。

蒸した葉は、このあと揉みながら乾かされます。農林水産省の特集では、荒く揉む「粗揉(そじゅう)」、「揉捻(じゅうねん)」、中ほどの「中揉(ちゅうじゅう)」を経て、最後に形を整える「精揉(せいじゅう)」と説明されています[3]。

そのあと熱風で乾燥させ、水分を5%ほどにします[3]。100gの茶なら、水は約5gです。この状態を「荒茶」といいます。

荒茶は、精揉の段階で水分活性(水の動きやすさを表す値)が0.60以下になり、病原微生物が育ちにくくなります。そのため常温で保管できるようになります[2]。乾かすことは、形を整えるだけでなく、長く置いておけるようにする意味もあるわけです。

この「揉む」工程を最初に加えたのは誰なのでしょうか。

止めた葉は、ここから揉みながら乾かされる。農林水産省の特集では、荒く揉む粗揉、揉捻、中揉を経て、最後に形を整える精揉と説明される[3]。なお厚生労働省の手引書の流れ図には揉捻が載っておらず、荒茶の工程は蒸し→粗揉→中揉→精揉→乾燥と書かれているので、工程名は資料によって数え方が異なる[2]。

最後に熱風で乾燥させ、水分を5%ほどにする。この状態が荒茶である[3]。100gなら水は約5gで、水分は約5g、残り約95gは水分以外の部分である(計算例)。

この乾き具合が、保存性を左右する。荒茶は精揉の段階で水分活性が0.60以下となり、病原微生物の生育が抑えられて、常温での保管が可能になる[2]。水分活性は水分%とは別の指標で、仕上茶・抹茶では0.4以下とされる[2]。

ここまでの工程を、いつ誰が今の形にしたのか。蒸して揉んで乾かす煎茶の祖型には、ひとりの人物の名が結びつけられている。

4. もむ しごとは、だれが くわえたの?

4. 1738年、永谷宗円が「乾燥の前に揉む」を加えた

4. 青製煎茶製法 ── 蒸す・茹でる・乾燥するに「揉む」を足した改良

京都の ゆやだにという ところに、永谷宗円ながたにそうえんという 人が いました。1738年、よい せんちゃを つくる ことに せいこう したと つたえられます[4]。

むかしの お茶は、むして、ゆでて、かわかす だけでした。そこへ「かわかす まえに もむ」を くわえたと いわれます[5]。

この ひとてまで、そまつな にだし茶が、みどりが きれいで、かおりも あじも よい お茶に かわったと されます[5]。ただし その 人が りょくちゃを はじめて つくった わけでは ありません。もむ ことを くわえて、よく したのです。

京都府の宇治田原町湯屋谷は、永谷宗円の生まれた地で、「日本緑茶発祥の地」とされています[4]。京都府の資料では、1738年に宗円が良質の煎茶づくりに成功したと記されています[4]。

京都府によると、宗円が開発したと伝えられる青製煎茶製法は、従来の「蒸す・茹でる・乾燥する」に「乾燥の前に揉む」過程を加えたものです。京都府の資料は、粗末な煎じ茶だった日本茶が、色や香り、味のよいお茶へ変わったと説明しています[5]。

農林水産省の宇治茶の紹介では、新芽を蒸し、焙炉(ほいろ)の上で手で揉んで乾かす「手揉み製法(宇治製法)」を宗円が生み出したとされます[6]。呼び名は資料で分かれますが、どちらも宗円と結びつけて紹介される製法です。

ここで大切なのは、宗円が「緑茶そのもの」を発明したのではない点です。すでにあった茶づくりに、揉むひと手間を加えたことが大きな変化を生みました。

京都府茶業研究所の「京都茶生産史」には、1738年に永谷宗円が良質の煎茶製造に成功したと記される[4]。生地とされる宇治田原町湯屋谷は、青製煎茶製法を開発したと伝えられる地で、「日本緑茶発祥の地」とされる。

では、宗円は何を変えたのか。京都府の景観資産のページによれば、青製煎茶製法は、従来の「蒸す・茹でる・乾燥する」の工程に「乾燥前に揉む」過程を加えた製法であった。同資料は、その結果、日本茶が粗末な煎じ茶から、色や香り、味のよいお茶へ変わったと説明している[5]。

農林水産省の郷土料理の資料では、同じ内容が「新芽を蒸し、焙炉の上で手で揉んで乾燥させる手揉み製法(宇治製法)」として紹介される[6]。青製煎茶製法と手揉み製法(宇治製法)は、出典によって呼び名が分かれるが、いずれも宗円と結びつけて紹介される製法である。

誤解しやすいのは、宗円が緑茶そのものを発明したのではない点である。蒸す・乾燥するという骨組みはすでにあり、そこへ揉む過程を足したことが改良の中身である。なぜ揉むと品質が上がるのか、その理由までは、ここで引いた資料には書かれていないため、断定は避ける。

荒茶になってから後も、まだ手が入る。店に並ぶまでの最後の仕事を見てみよう。

5. あらちゃは、そのまま お店に ならぶの?

5. 荒茶を仕上げて、味や形を整える

5. 荒茶から仕上茶へ ── 異物除去・合組・選別・火入れ・包装

あらちゃは、かたちが ふぞろいで、あじや かおりも まだ ととのって いません[2]。そこで しあげの しごとを します。

ごみを とりのぞく。ちがう お茶を まぜて、あじを ととのえる。大きさを そろえる。さいごに もういちど、ひで かわかす「ひいれ」を して、ふくろに つめます[2]。

ひいれには、お茶の とくべつな かおりを ひきだす はたらきが あります。そして、ながく おいて おきやすく します[2]。

荒茶は、仕上茶の原料です。形が不揃いで、香りや味のバランスも整っていないため、そのままでは商品になりません[2]。

そこで、異物を取りのぞき、いくつかの荒茶を混ぜ合わせて味を整える「合組(ごうぐみ)」、大きさをそろえる「選別」、もう一度乾燥させる「火入れ」、そして包装という工程を経て、製品になります[2]。

火入れには、茶特有の香りを引き出し、貯蔵性を高める働きがあります[2]。茶の袋の中身は、摘んで蒸して揉んだだけのものではなく、仕上げでもうひと手間かけられたものです。

ここまでが緑茶の基本の流れです。では、同じ流れから、なぜ抹茶や紅茶のような別のお茶が生まれるのでしょうか。

荒茶は、形状が不揃いで香味のバランスもとれていないため、そのままでは製品にならない。厚生労働省の手引書は、荒茶を仕上茶の原料と位置づけ、異物除去、配合、風味の調整を行う必要があると述べる[2]。

具体的には、合組(ごうぐみ。複数の荒茶を配合して味を整える)、選別、火入れ(乾燥)、包装の工程を経て製品となる。火入れは茶特有の香りを引き出す工程で、貯蔵性を高める働きもある[2]。

このため、同じ産地・同じ年の荒茶でも、店で売られる茶の味は、仕上げでの配合や火入れの強さに左右される余地がある。ただしこれは工程の目的から導いた推測で、個別の製品の配合まで資料が示しているわけではない。

ここまでは、同じ緑茶の中の話だった。では、蒸すか止めないか、覆うか覆わないかで、お茶はどこまで分かれるのか。

6. おなじ 木から、いろいろな お茶が できるの?

6. 同じ木から、玉露・抹茶・紅茶へ分かれる道

6. 煎茶・玉露・碾茶と紅茶・烏龍茶 ── 覆いと酸化で分かれるお茶

まず、「止める」か「止めない」かで 分かれます。とちゅうで とめれば ウーロンちゃ、とめないで しおれた ままに すれば こうちゃです[1]。

りょくちゃの なかでも、そだてかたで わかれます。ふつうの せんちゃは、おおいを しないで そだてます。ぎょくろは、20日いじょう おおって、日の ひかりを あてません[6]。

まっちゃの もとの てんちゃも、おおって そだてます。むして、もまずに かわかし、いしうすで ひくと、まっちゃに なります[6]。

おおう わけは、ひかりを さえぎると うまみの もとが のこり、しぶみが ふえにくく なるからと せつめいされます[6]。

酵素を「止める」か「止めない」かで、まず大きく分かれます。国土交通省の解説シートで紹介されている製法の一例では、紅茶は摘んだ葉を自然にしおれるまで置き、茶色くなってから乾燥させます。烏龍茶は、日光で葉をしおれさせ、途中で高い熱を加えて酸化を止める半酸化のお茶です[1]。

緑茶の中でも、育て方で分かれます。農林水産省の資料によると、煎茶は覆いをしない露地栽培の新芽を蒸し、揉みながら乾かします。玉露は20日以上覆って日光を当てずに育てた芽を、同じく蒸して揉みます。抹茶の原料の碾茶は、覆下栽培の新芽を蒸したあと揉まずに乾かし、石臼で挽くと抹茶になります[6]。

覆う理由は、根でつくられたうま味のアミノ酸「テアニン」が葉に移動したあと、日光を遮るとテアニンが保たれやすく、渋みのあるカテキンが増えるのを抑えられるからだと説明されています[6]。日を遮るのは、うま味を残すための工夫です。

揉むかどうかも分かれ道です。煎茶と同様に蒸した茶の精揉を省いて勾玉のような形にした玉緑茶(ぐり茶)、摘む前の7日ほど覆って育てるかぶせ茶もあります[2]。同じ木の葉が、止めるタイミング、覆い、揉む回数の組み合わせで、煎茶・玉露・碾茶・紅茶などの作り分けにつながります。

製造の分かれ道は大きく2つある。ひとつは酸化を止める時点で、無酸化なら緑茶、半酸化なら烏龍茶、酸化なら紅茶である[1]。この資料で紹介されている製法の一例では、紅茶は収穫した茶葉を自然にしおれるまで放置し、茶色くなってから乾燥させる。烏龍茶は日光にあててしおらせ、途中で高熱を加えて酸化を止める[1]。

もうひとつは、緑茶の中での栽培と揉みの違いである。農林水産省の資料によれば、煎茶は覆いをしない露地栽培の新芽を蒸して揉みながら乾燥させ、玉露は20日以上覆って日光を当てずに育てた芽を同様に蒸して揉む。碾茶は覆下栽培の新芽を蒸し、揉まずに乾燥させ、石臼で挽くと抹茶になる[6]。

覆う理由について同資料は、根でつくられたテアニン(うま味のアミノ酸)が葉に移動するが、日光を遮るとテアニンが保たれやすく、渋みのあるカテキンが増えるのを抑えられるためと述べる[6]。ただしこの記述は農林水産省の1資料に基づくもので、茶の品種や栽培条件による違いまでは、ここで引いた資料からは読み取れない。

さらに、玉緑茶(ぐり茶)は煎茶と同様に蒸した茶の精揉工程を省いて勾玉状にした茶、かぶせ茶は摘採前7日程度覆って育てた茶と分類される[2]。蒸すか炒るか、止めるか進めるか、覆うか覆わないか、揉むか揉まないか。この組み合わせの違いが、煎茶・玉露・碾茶・紅茶などの作り分けにつながっている。

7. いえの お茶の はを、よく みて みよう

7. 家にある緑茶の袋と茶葉を見くらべてみる

7. 家のお茶の茶葉と袋の表示で、工程の痕跡を探す

おうちに りょくちゃが あれば、おとなと いっしょに、しろい かみの うえに はを すこし のせて みましょう。

ほそくて、くるくるっと よじれた かたちを して いませんか。それは、もむ しごとを とおって きた はです。かわいて いるので、ゆびで さわると かさかさ します。

もし こうちゃの はも あれば、ならべて みて ください。いろが ちがうのが わかります。ふくろの うらの「しゅるい」の ところも みて みよう。「ふかむし」と かいて あれば、むす じかんが ながい お茶です[2]。

おゆを いれる ときは、やけどに きを つけて、おとなに おねがいして ください。

家に緑茶の茶葉があれば、白い紙の上に少しのせて観察してみましょう。細くよじれた形をしていたら、それは揉む工程を経てきた葉です。指でつまむとかさかさするのは、水分が5%ほどまで乾かされているためです[3]。

お湯を注いだあとの葉を、冷めてから白い皿の上に広げると、よじれが開いて葉の形が見えてきます(お湯は大人に注いでもらい、やけどに気をつけてください)。紅茶の葉が家にあれば、乾いた葉の色を並べて見比べてみましょう。色の違いは見えますが、色だけで作り方までは決められません。

袋の表示にも手がかりがあります。「深蒸し」と書かれていれば蒸し時間が長いお茶、「玉露」「かぶせ茶」とあれば覆って育てたお茶です。どのお茶がどの工程に当たるのか、袋を見くらべると、この記事で出てきた道すじが身近になります。

もっと詳しく知りたいときは、農林水産省の特集[3]や、京都府の「京都茶生産史」[4]が日本語で読めます。

家庭の緑茶の茶葉を白い紙にのせ、形と色を観察すると、これまでの工程が痕跡として見つかる。細くよじれた葉は、揉む工程を通ってきたものである。水分が5%ほどまで乾かされているので[3]、触るとかさつく。お湯を注いだあとの葉は、冷めてから皿に広げると形が見やすい(お湯は大人に注いでもらう)。

袋の表示も手がかりになる。「深蒸し」なら蒸し時間が普通煎茶の2倍以上[2]、「玉露」「かぶせ茶」なら覆って育てた茶である[6]。紅茶の乾いた葉があれば、並べて色を見比べてみる。色の違いは見えるが、色だけで作り方までは決められない。

農林水産省の特集[3]、厚生労働省の手引書[2]、京都府の資料[5]は、読み比べられる。特集には蒸す・揉む・乾燥の流れと水分5%の数字、手引書には荒茶から製品に仕上げる工程や工程名の数え方の違い、京都府の資料には宗円の改良が「揉む」ひと手間だったという説明が、原文で書かれている。なぜ揉むと品質が変わるのかは、ここで引いた資料には書かれておらず、調べる価値のある問いである。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

出典について:国・京都府・熊本県の公的資料を使った。何に使ったかは、それぞれの項目の最後に書いている。

  1. 国土交通省 多言語解説シート「茶の加工と分類」。https://www.mlit.go.jp/tagengo-db/R2-01976.html (緑茶・烏龍茶・紅茶の分類、釜炒り茶、紅茶と烏龍茶の工程について)
  2. 厚生労働省 HACCP手引書(案)仕上茶工場向け。https://www.mhlw.go.jp/content/11135000/000560169.pdf (発酵の仕組み、荒茶の水分活性、仕上げ工程、茶の種類について)
  3. 農林水産省 aff 2017年4月号 特集。https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/1704/spe1_01.html (煎茶の蒸す・揉む・乾燥の流れと水分5%について)
  4. 京都府 茶業研究所「京都茶生産史」。https://www.pref.kyoto.jp/chaken/history.html (1738年の永谷宗円と湯屋谷について)
  5. 京都府「青製煎茶製法と永谷宗円」(景観資産)。https://www.pref.kyoto.jp/toshi/shisan024.html (乾燥前に揉む工程を加えた改良について)
  6. 農林水産省 うちの郷土料理(宇治茶)。https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/traditional-foods/menu/uzitya.html (手揉み製法、煎茶・玉露・碾茶の違い、覆いとテアニンについて)
  7. 熊本県農業研究センター茶業研究所 研究成果。https://www.pref.kumamoto.jp/uploaded/attachment/310838.pdf (蒸し時間60秒・90秒・120秒の目安について)

なおした ところ

更新履歴

更新履歴(改版の記録)

  •  初版を公開。
  •  安全のための注意書きを直した(6章のお湯の扱い)。理由: 低学年むけと同じく、お湯は大人に注いでもらうとそろえるため。

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