1. とまって いる ヘリは、じつは なにを して いるの?
1. 止まって見えるヘリは、空気を下へ送り続けている
1. ホバリングは静止ではなく、力の釣り合いである
プールで 立ちおよぎを すると、体が しずまないように、足と 手で 水を 下へ おし つづけます。水を 下へ おすと、その はんたいに 体が おしあげられるからです。
ヘリコプターも、にた ことを して います。上に ついた 大きな まわる はね「ローター」で、空気を 下へ おくり つづけて います。その 空気が 下へ ふきつける ことは、そくていでも わかって います[6]。はんたいに、ヘリコプターを 上へ ささえる ちからが 生まれます。
この ささえる ちからが、ヘリコプターの おもさと つりあうと、のぼりも おりも せず、空の 一てんに とどまれます[2]。これが ホバリングです。ただし ほんとうは、水と ちがって、ヘリコプターが おして いるのは 空気です。
ヘリコプターは、よこに ひろがる つばさも、まえへ すすむ ための プロペラも もたず、上の ローターだけで うかぶ ちからと すすむ ちからを 作ります[1]。
プールで立ち泳ぎをすると、体が沈まないように、手足で水を下へ押し続けます。水を下へ押すと、その反対向きに体が押し上げられるからです。
ヘリコプターも、似たことをしています。頭の上の大きな回転翼(ローター)が、空気を真下へ送り続けているのです。ホバリング中のヘリコプターの真下には、強い吹き下ろしの風ができることが、操縦の教材にも書かれています[6]。その反動が、機体を上に支える力になります。
この支える力が機体の重さと釣り合うと、上がりも下がりもせず、空中の一点にとどまれます[2]。止まって見える機体の中で、実際に釣り合っているのは「重さ」と「支える力」であって、動きではありません。ただし、立ち泳ぎで押しているのは水ですが、ヘリコプターが押しているのは空気です。
ヘリコプターは、飛行機のような主翼も、前へ進むための推進機も持たず、機体の上の大きな回転翼だけで、浮く力も進む力も得る航空機とされます[1]。回転翼だけでそれができるのは、なぜでしょう。
ホバリングとは、地上から見て空中の一点にとどまる状態、またはその能力をいう[5]。外から見れば静止だが、内側で釣り合っているのは「機体の重さ」と「ローターが生む支える力」であり、動きがないのは、その結果にすぎない[2]。
支える力の根拠として、ローターの下に吹き下ろしの風ができる事実がある。操縦の教材には、地面に近いときの効果が吹き下ろしと結びつけて書かれており[6]、空気が下へ送られていることが前提になっている。ここでは、「ローターが空気を下へ送り、その反動と重さが釣り合う」という形で説明する。
プールの立ち泳ぎは、水を下へ押して体を支える点だけが似ている。ヘリコプターが力を加えるのは空気で、水の浮力で浮くわけではない。空気は水よりずっと軽いので、大量の空気を速く送る必要がある。
ヘリコプターは、主翼も推進機も持たず、機体上方の大きな回転翼によって浮力と推進力の両方を得る形式の航空機とされる[1]。ここで、飛行機との根本的な違いが見えてくる。翼を機体に固定して前へ走らせる代わりに、翼のほうを回すという発想だ。
2. すすまなくても、どうして うかんで いられるの?
2. 飛行機は走らないと浮けない。ヘリは翼のほうを回している
2. 翼を回すという発想 ── 前進しなくても、翼に風を当てられる
ひこうきは、まえへ すすんで、つばさに 風を あてて うきます。だから、まえへ すすむ いきおいが たりないと、うかぶ ちからを たもてません[2]。
ヘリコプターは、ちがいます。ローターの はね(ブレード)を エンジンで まわして、はねに 風を あてます。ヘリコプターが すすまなくても、はねの ほうが 空気の 中を うごくので、うかぶ ちからが 生まれます[2]。ブレードは、ひこうきの つばさと おなじ しくみで ちからを 作ります[3]。
ブレードの はやさは、根もとでは ゆっくり、先に いくほど はやく なります[3]。
ローターが 水平だと、ささえる ちからは まっすぐ 下に むかいます[2]。ほかの ちからも つりあって いるとき、よこへ ながれず、上下だけで つりあって、ホバリングが できます。
ヘリコプターの おもさを、ローターが えがく 円の 大きさで わった 数が 小さい ほど、ホバリングの こうりつが よく なりやすい、と いわれます[7]。
飛行機は、機体ごと前へ進んで、固定された主翼に風を当てることで浮きます。前への動きが足りないと、主翼に十分な風が当たらず、揚力を保てません[2]。
ヘリコプターは、翼そのもの(ブレード)をエンジンで回します。機体が前へ進まなくても、ブレードのほうが空気の中を動くので、揚力が生まれます[2]。NASAの教育用ガイドは、ブレードが飛行機の翼と同じしくみで揚力を作ると説明しています。ブレードの上側は空気が速く圧力が低く、下側は遅く圧力が高い、という説明です[3]。これは簡略な説明で、空気を下へ曲げる反動で説明されることもあります。どちらか一方だけが唯一の原因だとは言い切れません。
ブレードは回っているので、場所によって空気を切る速さが違います。根元はゆっくり、先端ほど速く動きます[3]。
メインローターが水平なら、機体を支える力は真下に向かいます。ほかの力も釣り合っているとき、横に流れる力が出ないので、空中で止まれます[2]。
ヘリコプターの回転翼が大きいのにも、理由があります。機体の重さをローターが描く円の面積で割った値を、ディスクローディングといいます。この値が小さいほどホバリングの効率が高い傾向があるとされます[7]。大きなローターが目立つのは、その傾向のためだと考えられます。
では、浮いている機体が上がったり下りたりするときは、回転の速さを変えているのでしょうか。
固定翼機は、機体全体が前進して主翼に相対風を当てることで揚力を得る。前進が足りなければ相対風が弱まり、揚力を保てない。一方ヘリコプターは、ブレードをエンジンで回して揚力を作るので、機体が前進しなくても翼が空気を切る[2]。この違いが、ホバリングを可能にする出発点になっている。
NASAの教育用ガイドは、ブレードが飛行機の翼と同じ原理で揚力を生むと述べ、ブレード上側の空気が速く低圧、下側が遅く高圧になる圧力差で説明する[3]。ただし、この圧力差の説明は簡略化された形で、空気を下へ曲げる反動で説明する立場もある。前節の吹き下ろしの話と併せて、どちらか片方だけを唯一の原因と考えるのは避けたい。
回転する翼には、場所による速さの差が生じる。ブレードの速さは根元で遅く、先端ほど速い[3]。同じ角度でも、先端ほど大きな力を受けもつことになる。
メインローターが水平な状態では、機体を支える力が真下に向く。ほかの力も釣り合っていれば水平方向の力は生じず、空中停止ができる[2]。逆にいえば、少しでもローターが傾けば、支える力の一部は横向きの成分を持ち、機体は動き出す。この性質が、後で出てくるサイクリック操作の土台になる。
ローターが大きい理由は、ディスクローディングで説明できる。これは機体重量をローター円盤の面積で割った値で、小さいほどホバリングの効率が高い傾向があるとされる[7]。辞書サイトの記述なので、ここでは傾向だけを紹介する。
では、浮いている機体が上がったり下りたりするとき、回転の速さを変えているのだろうか。
3. のぼるのも おりるのも、「はやさ」では なく「かくど」
3. 上がるのも下りるのも、回転の速さではなく角度で変える
3. コレクティブ ── 回転数ではなく、迎角で揚力を増減する
ヘリコプターを 上げたい とき、エンジンの まわる はやさを あげると 思う 人も いるでしょう。ところが、うかぶ ちからを かえるのは、おもに はねの「かくど」です。エンジンの まわる はやさは、ほとんど かえません[2]。
はねの かくどを 大きくすると、空気を 大きく うけて、ちからが ふえます。小さくすると、ちからが へります[2]。ぜんぶの はねの かくどを いっしょに かえる そうさを、「コレクティブ」と いいます[2]。
ホバリング中は、はねが どこを むいて いても、かくどは ほぼ 同じと 考えます(かんたんに した 考え方です)[2]。ヘリコプターが うごいて いる ときは、はねの むきで かくどが かわります。
つまり、とまって いるときは、はねの かくどが ずっと そろって います。でも、パイロットが 手を はなして よいわけでは ありません。つぎの 3つの そうさが、おたがいに えいきょうし あうからです。
ヘリコプターを上昇させたいとき、エンジンの回転を上げるとは限りません。揚力の増減は、エンジンの回転数をほぼ一定に保ったまま、ブレードの迎角(空気に当たる角度)を変えて行います[2]。
迎角を大きくすると、ブレードが空気から受ける力が増え、小さくすると減ります。すべてのブレードの角度を同時に同じだけ変える操作を、コレクティブといいます。ホバリングで高さを保つのも、この操作です[5]。
ホバリング中は、ブレードがどこを向いていても迎角はほぼ同じと考えられます(単純にした理想の話です)。ところが、機体が動いているときは、ブレードの向きによって迎角が変わります[2]。
こうして見ると、止まっている状態は、いちばん単純そうです。それでも難しいといわれるのは、コレクティブだけで済まないからです。残りの2つの操作が、互いに影響し合います。
揚力の増減は、エンジンの回転数をほぼ一定にしたまま、ブレードの迎角(むかえかく)を変えて行う[2]。迎角とは、ブレードが空気の流れに対してなす角度のことだ。全ブレードの迎角を同時に同じだけ変える操作がコレクティブで、ホバリングで高度を保つ役目を受けもつ[5]。
回転数はほぼ一定のまま、設計された回転の範囲で運転し、揚力は角度で増減させる。
ホバリング中は、ブレードがどの方向を向いても迎角がほぼ同じになる(理想化した見方だ)。機体が動いているときは、ブレードの向きによって迎角が変わる[2]。ここが、後で出てくる「周期的に変える」操作と関係する。
ここまでの操作だけなら、ホバリングは単純に見える。ところが、残りの2つの操縦が互いに影響し合い、全体の習得が難しくなる[5]。
4. とまって いるのに、なぜ「むずかしい」の?
4. 止まっているのに、なぜ「いちばん難しい」と言われるのか
4. 3つの操縦の相互作用と、小さな修正の積み重ね
パイロットは、手と 足で、3つの そうさを して います[5]。
1つめは、コレクティブ。たかさを まもります。
2つめは、サイクリック。ローターを すこし かたむけて、よこへの ずれを なおします。「サイクリック」は、「ひとまわりごとに くりかえす」と いう いみで、はねの かくどを、まわる たびに すこしずつ かえます[4]。
3つめは、足で ふむ ペダル。ヘリの 前の むきを まもります。
ペダルが いるのは、ローターが まわると、ヘリコプター全体が はんたいに まわろうと する ちから(はん・トルク)が 出る からです。ヘリコプターの しっぽに ある 小さな ローターが、よこむきに おして、これを うちけします[2]。
この 3つは、おたがいに えいきょう し あいます。ひとつを なおすと、ほかが ずれるので、むずかしいのです[5]。
うまく とまって いる ときの ヘリコプターは、まえにも うしろにも うごかず、よこにも ながれず、前の むきも まわりません[6]。コツは、小さく なおす ことを、ゆっくり たしかに くりかえす ことです、と いわれます[6]。
ホバリング中、操縦士は手と足で3つの操縦を合わせ続けています。コレクティブは高度を、サイクリックは水平方向のずれを、ペダルは機首の向きを保ちます[5]。
サイクリックの「サイクリック」は「周期的」という意味です。ブレードの迎角を、回転に合わせて周期的に変え、ローターの回転面を好きな向きに傾けます。傾けた向きに、機体が動きます[4]。
ペダルが必要なのは、メインローターが回ると、その反動で機体が逆向きに回ろうとするからです(反トルク)。尾部のテールローターが横向きに押す力を出して、これを打ち消すので、機首の向きが変わりません[2]。ペダルは、このテールローターの力を調節して、向きを保つ役目をします。
この3つは、独立していません。ひとつの操縦が別の量にも響くので、ペダル操作も必要になることがあります。操縦士は、互いに影響し合うこの操縦を同時に合わせるため、ホバリングの習得が難しいといわれます[5]。
安定したホバリングとは、前後に動かず、横に流れず、機首も回らない状態です。コツとされるのは、小さな修正を、ゆっくり確実に重ねることです[6]。止まって見える裏には、動かないための絶え間ない動きがあります。
ところで、地面に近いほうが、遠いときより楽になるのでしょうか。
ホバリングでは、3つの操縦がそれぞれ別の量を受けもつ。コレクティブが高度、サイクリックが水平方向のずれ、ペダル(アンチトルクペダル)が機首の向きを保つ[5]。
サイクリックの「サイクリック」は「周期的」の意味で、迎角を回転の位相に合わせて周期的に変える。変えるタイミングをずらせば、ローターの回転面を任意の向きに傾けられる。前進時は、揚力が増える側の迎角を減らし、減る側の迎角を増やして、左右を釣り合わせる[4]。
ペダルが要る理由は、反トルクにある。メインローターを回すと、機体は反対向きに回ろうとする。機体後部のテールローターが横向きの力を出してこれを打ち消し、2つの力が釣り合っている間は、機首の向きが変わらない[2]。ペダルは、その打ち消す力の大きさを加減するものと考えられる。
難しさの正体は、3つが互いに影響し合うことだ[5]。ひとつの操縦入力が別の量にも響くので、ペダル操作が必要になることがある。
安定した状態の基準は、前後に動かず、横に流れず、機首が回らないことだ。コツとして挙げられるのは、非常に小さな修正を、ゆっくり確実に行うことだ[6]。大きく動かすと、ほかの2つの操縦にも響きやすい。
止まって見える機体の裏では、3つの操縦が、小さな修正を絶え間なく重ねている。ここまでは、周りに何もない空中の話だった。では、地面が近いと何が変わるのか。
5. 地面に ちかいと、すこし らくに なるの?
5. 地面に近いほど、少ない力で浮ける
5. 地面効果 ── 吹き下ろしが地面で押し返される条件と限界
ヘリコプターが 地面の すぐ 上で ホバリングを すると、すこし ふしぎな ことが 起こります。
ふき下ろした 空気が 地面に ぶつかって、ローターの ほうへ おし かえされます。すると、すくない ちからでも ホバリングが できます。これを「地面こうか」と いいます[6]。
この こうかが 出るのは、ローターの 直径 1つぶんぐらいの 高さまでが めやすです[6]。
水の 上や、高い くさの 上では、こうかが よわく なる ことが あります。かたくて たいらな 地面の ように は、おし かえされないからです[6]。
ヘリコプターは、地面に近い低い高さでホバリングすると、少ない力で浮いていられます。吹き下ろした空気が地面に当たって、ローターの周りの流れが変わり、浮くのに必要な力が少なくなるからです。これを地面効果といいます[6]。
この効果が働くのは、おおむねローターの直径1つ分の高さ以内とされます[6]。これはあくまで目安で、固定した値ではありません。
水面や高い草の上では、効果が弱くなることがあります。硬く平らな地面のようには、吹き下ろしが押し返されないためです[6]。
地面効果を使えるのは、離着陸の前後や低空でのホバリングです。効果が働く高さの目安にはローターの直径が関わるので、ここでも「大きなローター」が出てきます。
ここまで、ホバリングを成り立たせる力と操縦を見てきました。では、ヘリコプターは、そもそもどうやって最初に浮いたのでしょうか。
ホバリングで地面に近いと、吹き下ろしと地面が相互に作用し、ホバリングに必要な力が少なくなる。これが地面効果だ[6]。
働く範囲は、おおむねローター直径1つ分の高さ以内とされる。ただし、これは目安であり、機体や条件で変わるので、固定値として扱えない[6]。
水面や丈の高い草の上では、この効果が弱くなることがある。硬くて平らな地面ほどには、吹き下ろしが押し返されないためだ[6]。
前の章では、ディスクローディングが小さいほどホバリングの効率が高い傾向があるとされることを紹介した[7]。地面効果の働く高さも、ローター直径を基準に測られる。ローターの大きさは、地面近くの運用にも関係すると考えられる。
ここまで、ホバリングを成り立たせる力と操縦を、順に見てきた。では、この乗り物は、そもそもどうやって最初に浮いたのか。
6. さいしょに うかんだ ヘリは、どれくらい うかんだの?
6. 最初に浮いたヘリコプターは、どれくらい浮いたのか
6. 初飛行の記録 ── 30cm・20秒の浮上と、自由飛行の時期
1907ねんに、フランスの ポール・コルニュが、人を のせた ヘリコプターで うきました。たかさは、30センチぐらい。じかんは、20びょうぐらいでした[1]。
そのあと、シコルスキーという 人が、ローターが 1つの ヘリコプターで、じゆうに とぶことに せいこうした、と いわれます。それは 1930ねんだいの おわりから 1940ねんごろの ことです[1]。しらべる 本に よって、とし が ちがいます。
30センチ・20びょうから、いまの ように 空の 一てんに とまる ことが できる ように なるまでには、ローターの しくみと、パイロットの うでの 両方が、すすんで きました。
1907年、フランスのポール・コルニュが、人が乗ったヘリコプターで浮き上がりました。高さは約30cm、時間は約20秒です[1]。ヘリコプターの初飛行とされる記録ですが、とても短い飛行でした。
その後、シコルスキーが、ローターが1つの形の機体で自由飛行に成功したとされます。時期は資料によって1939年とも1940年とも書かれているので、1930年代の終わりから1940年ごろ、と考えておくのが安全です[1]。
30cm・20秒から、現在のように空の一点に止まれるまでの間に、ローターの設計と操縦の技術の両方が積み重なってきたと考えられます。ただし、どの改良がいつ行われたかは、この記事では扱いません。
では、操縦の技術を、読者も少しだけ体験できないでしょうか。
1907年にフランスのポール・コルニュが、人が乗ったヘリコプターで高さ約30cm・約20秒、地面から浮いた。ヘリコプターの初飛行とされる記録だが、飛行時間も高度も限られていた[1]。
のちに、イーゴリ・シコルスキーが、単ローター機で自由飛行に成功したとされる[1]。世界大百科事典(コトバンク掲載)は1940年を自由飛行の成功としているが、別の資料は1939年を初飛行とするなど、年は出典によって食いちがう。ここでは、1930年代の終わりから1940年ごろ、と幅を持たせて書く。
30cm・20秒の浮上と、現代のホバリングの間には、大きな距離がある。そこを埋めたのは、ローターのしくみの改良と、操縦の習熟の両方だろう。
ここで、ホバリングの核心だった「小さな修正を重ねる」感覚を、実際に体験できないか。
7. てのひらに ものさしを たてて みよう
7. 手のひらで、「動かないための動き」を体験する
7. 出口 ── 「静止は動き続けること」を確かめる・原典を読む
ホバリングの 小さな なおしを、からだで 感じて みましょう。おうちの 人と いっしょに、30センチの ものさしを 1本 よういします。
てのひらの 上に、ものさしを 立てて、まっすぐ ささえます。ものさしが たおれそうに なったら、手を すこし うごかして なおします。
ぴたっと とまって いる ときも、手は ずっと こまかく うごいて いるはずです。ヘリコプターの パイロットも、にた ことを、手と 足で して います。
まわりに ものや 人が ない、ひろい ところで して ください。たおれた ものさしが 人に あたらないように、気を つけます。
ホバリングの「小さな修正を重ねる」感覚を、手で体験できます。家族と一緒に、30cmの定規を1本用意してください。
手のひらの上に定規を立て、倒れないように支えてみます。倒れそうになったら、手を少し動かして直します。うまく立っているときの手は、止まっているどころか、ずっと細かく動いているはずです。ヘリコプターの操縦士が手足でしていることの、ごく小さな例です。
周りに人や物のない広い場所で行い、倒れた定規が人に当たらないように気をつけましょう。
もう一つ、家にあるもので試せます。うちわを下向きに強くあおぎ、軽い紙を手のひらの下で持つと、下へ送られた空気の流れを感じられます。紙を飛ばさない広さのある場所で、ゆっくり試してください。
そして、空のヘリコプターを見かけたら、止まって見える機体がどんな音で、どれくらい地面に近いかを、見上げてみてください。
「静止は、動き続けることで成り立つ」という点は、手元で確かめられる。30cmの定規を手のひらに立てて、倒さずに支えてみる。止まって見えるとき、手は細かく動き続けているはずだ。ホバリング中の操縦が、小さな修正を重ねることだ[6]という記述を、体で追う実験になる。倒れた定規が人に当たらないよう、周りに人や物のない広い場所で行う。
この体験では、定規の傾きを手が補っている。ヘリコプターでは、ローターの傾きをサイクリックが、高さをコレクティブが、向きをペダルが、それぞれ別の入力で補っている。3つの入力が互いに影響し合うことは、この単純な体験では再現できない。
日本語の資料でも続きをたどれる。コトバンクの「ヘリコプター」は定義と歴史を[1]、マイナビニュースの連載は揚力・反トルク・サイクリックの話を[2][4]、それぞれ日本語で説明している。下の出典欄から開ける。
残る問いは、「地面効果が弱まる高さで、操縦はどう変わるのか」だ。資料には、吹き下ろしの中へ機体が落ちこむ現象への言及もあるので、そこから先を調べるのも一つの道すじになる。
しらべた もとの じょうほう
参考にした情報源
参考にした情報源と、その使い方
出典について:辞典、NASAの教育用ガイド、解説記事、操縦の教材を使った。何に使ったかは、それぞれの項目の最後に書いている。
- コトバンク「ヘリコプター」(デジタル大辞泉/世界大百科事典)。 https://kotobank.jp/word/ヘリコプター (ヘリコプターの定義、ホバリングが可能なこと、初期の飛行の記録について)
- マイナビニュース「航空機のテクノロジー(53)」。 https://news.mynavi.jp/article/aero_tech-53/ (ブレードを回して揚力を作ること、角度による揚力の増減、反トルクとテールローターについて)
- NASA Aeronautics: An Educator's Guide「Rotor Motor」(EG-2002-06-105-HQ)。 https://www.nasa.gov/wp-content/uploads/2009/07/205711main_Rotor_Motor.pdf (ブレードが翼と同じしくみで揚力を作ること、ブレードの速さの違いについて)
- マイナビニュース「航空機のテクノロジー(54)」。 https://news.mynavi.jp/article/aero_tech-54/ (サイクリックの意味と、ローターの回転面の傾け方について)
- "Helicopter flight controls" Wikipedia, The Free Encyclopedia。 https://en.wikipedia.org/wiki/Helicopter_flight_controls (ホバリングの定義、3つの操縦の役割、ホバリングの難しさについて)
- FAS「Lesson 6: Hovering」(操縦の教材)。 https://man.fas.org/dod-101/sys/ac/docs/poh/heli-06.htm (吹き下ろし、地面効果、安定したホバリングの目安と小さな修正のコツについて)
- Weblio辞書「ディスク・ローディング」。 https://www.weblio.jp/content/disk-loading (ローターの大きさとホバリング効率の傾向について)
なおした ところ
更新履歴
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