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かみなりの ひかりと おとは おなじ かみなりから 出るのに、とおくの かみなりが ゴロゴロと ながく きこえるのは なぜ?

雷の光と音は同じ放電から出るのに、遠くの雷が「ゴロゴロ」と長く続くのはなぜか

雷の電光と雷鳴は同じ放電から生じるのに、遠雷が「ゴロゴロ」と長く続くのはなぜか ── 放電路の長さと音速から考える

分野:自然

かみなりが ひかった あと、すこし おくれて ゴロゴロと きこえます。じつは、ひかりも おとも、おなじ 1かいの かみなりから 出ています。

それなのに、どうして おとだけ おくれて、しかも ながく ゴロゴロと つづくのでしょう。その わけと、おとの おくれから かみなりまでの きょりを みつもる ほうほうが わかります。

雷が光った直後に「バリッ」と鋭く鳴ることもあれば、少し遅れて「ゴロゴロ」と低く長く続くこともあります。光も音も同じ一回の放電から出ているのに、どうして聞こえ方がこんなにちがうのでしょうか。

鍵になるのは、音を出す雷の通り道が、2〜14kmにもなるといわれるほど長いことです。この記事では、光と音の出方、ゴロゴロが続く理由、光ってから音までの秒数で距離を見積もる方法が分かります。

雷の電光と雷鳴は、どちらも一回の放電から生じる。それなのに、近くの雷は「パチッ」と短く、遠くの雷は「ゴロゴロ」と長く聞こえる。放電路そのものが数km以上の長さをもつことと、音の速さが有限であることを組み合わせると、この差を説明できる[4][5]。

この記事では、光と音の出方、ゴロゴロが続く主な理由、放電路の長さを音の遅れ(秒)に直した検算、光と音のずれから距離を見積もる方法と限界が分かる。

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1. ひかりと おとは、おなじ かみなりから 出るの?

1. 雷の光と音は、同じ一回の放電から生まれる

1. 電光も雷鳴も、放電路の空気の急な加熱から生じる

かみなりは、くもの 中で 電気が たまり、その 電気が いちどに 空気の 中を とおる ことです。てんきの やくしょ(きしょうちょう)では、この とき 出る 光を「でんこう」、音を「らいめい」と よんで います[1]。

電気が とおる 道の まわりの 空気は、あっと いう まに とても あつく なります。いちばん あつい ところでは 3まん度ぐらいまで なると いわれ、たいようの おもての 5ばいほどです[3][4]。

あつく なった 空気は ぴかっと 光ります。それから いきおいよく ふくらんで、その ゆれが 音に なります[4]。ふくらんだ 空気は すぐに ひえて ちぢみ、この ふくらむ・ちぢむが、かみなりの 音の もとです。

だから 光と 音は、ほとんど 同じ 時に 同じ 場所で うまれます。きこえる ときに ずれるのは、そのあと 音が おそく とどくからです。

気象庁は、雷を「大気中で大量の正負の電荷分離が起こり、放電する現象」と説明しています。電荷分離とは、雲の中で電気のプラスとマイナスが分かれることです。その放電のときに出る光が電光、音が雷鳴です[1]。光と音は別々のできごとではなく、同じ放電の二つの顔です。

空気はどのくらい熱くなるのか

放電が通った道すじの空気は、ごく短い時間で急に熱せられます。NOAA(アメリカ海洋大気庁)は、最高で約3万℃、太陽の表面の約5倍まで上がるとしています[3]。NWSのページでは約5万°F(約2.8万℃)と書かれていて、数字に少しちがいがあります。どちらも最高値の目安で、道すじ全体がいつもその温度というわけではありません。

これほど熱くなった空気は強く光り、これが電光として見えます。

光のあとに、空気が膨らんで音になる

急に熱せられた空気は、一気に膨らみます。膨らんだ空気は光ったすぐあとに冷えて縮みます。この急な膨張と収縮が音の波になる、とアメリカの気象局(NWS)は説明しています[4]。膨らみ方が急なほど衝撃波に近くなり、ソニックブームに似ているといいます。

では、同じ一回の放電から出たのに、なぜ音は光と別の聞こえ方をするのでしょうか。

気象庁は、雷を大気中で大量の正負の電荷分離が起こって放電する現象とし、その際の音を雷鳴、光を電光と定義する[1]。つまり両者は別の現象ではなく、同じ放電が出す二つの信号である。では、放電路の空気では何が起きているのか。

放電が通ると、その路の空気は極めて短い時間で急に熱せられる。NOAAは最高約30,000℃(約54,000°F)で、太陽表面の約5倍と述べ[3]、NWSの雷鳴のページは約50,000°F(約2.8万℃)と書く[4]。出典によって数字がちがうが、どちらも最高値の目安であって、放電路全体が常にその温度ではない。

これほど高温になった放電路の空気は強く光り、電光として観察される。

一方、加熱された空気は急に膨張し、直後に冷えて収縮する。この急な膨張と収縮が音波をつくり、NWSは急な膨張が衝撃波(ソニックブームに似たもの)になると述べる[4]。日本大百科全書も、放電路上の空気が急に熱せられて破裂音を生じると説明する[5]。

ここまでで、光も音も放電路の空気の急な加熱から生じると分かった。ところが、その音は一発の破裂音のはずなのに、遠くでは「ゴロゴロ」と長く伸びて聞こえる。次の疑問はそこにある。

2. ちかいと「バリッ」、とおいと「ゴロゴロ」なのは なぜ?

2. 「バリッ」と「ゴロゴロ」を分けるのは、放電の通り道の長さ

2. 近い雷は「パチッ」、遠い雷は「ゴロゴロ」── 時間差で届く音

かみなりの 電気の 道は、とても ながいです。じてんには、2キロから 14キロに なる ことも あると かかれて います[5]。

こうていの はしから はしまで、みんなが ならんで いると 思って ください。はしの 子から じゅんばんに「パン」と 手を たたいて いきます。まん中に いる 人には、ちかい 子の パンが 先に きこえ、とおい 子の パンが あとから つづけて とどきます。かみなりも、道の ところどころで 出た 音が、きく 人までの きょりに 合わせて、ずれて とどくので、ゴロゴロに きこえるのです。ただし 本当の かみなりは、手では なく、空気が 音を 出します。

かみなりの 道が すぐ そばを とおると、道の どこの 音も ほぼ 同じ ころに とどくので、「パチッ」と みじかく きこえます。道が とおいと、ちかい ところの 音が 先に、とおい ところの 音が あとに とどいて ゴロゴロに なります[4]。

近くに落ちた雷の音は、短く「パチッ」「バリッ」と聞こえます。NWSは、こうした鋭い音は放電路が近くを通ったとき、ゴロゴロという低い音は、少なくとも数マイル(数km)離れた雷のときだと述べています[4]。

放電路の各部分の音が、時間差で届く

放電路は、1点ではなく雲から地面まで続く長い道すじです。ブリタニカ小項目事典は、その長さを2〜14kmとしています[5]。校庭の端から端まで並んだ子が、順番に手をたたいていく場面を考えてみてください。真ん中で聞く人には、近い子の音が先に、遠い子の音が後から届きます。放電路でも、各部分で生じた音が、聞く人までの距離に応じた時間差で届きます。NWSも、聞いているうちに、より遠い部分の音が次々に届くと述べています[4]。

ゴロゴロが続く主な理由は、放電路の各部分から音がずれて届くことです。複数回の放電があること、音が大気の層で曲がったり反射したりすることも、要因として挙げられています[5]。

ところで、放電路の長さがそのまま「ゴロゴロの長さ」になるのでしょうか。音の速さで計算して確かめてみます。

近くの雷は短い鋭い音、遠くの雷は低く続く音になる。NWSは、鋭い音は放電路が観察者の近くを通ったとき、ゴロゴロは少なくとも数マイル(数km)離れた雷のときと述べる[4]。同じ放電でも、聞く位置によって音の形が変わるわけだ。

主な理由は、放電路が長く、各部分で生じた音が聞く位置までの距離に応じた時間差で届くことだ。ブリタニカ小項目事典は放電路を2〜14kmとし、マイペディアは多重放電、さらに屈折や反射も要因に挙げる[5]。NWSは、聞いているうちに放電路のより遠い部分の音が届く、と述べる[4]。時間差は有力な説明の一つで、多重放電や屈折・反射も要因とされるが、それぞれの寄与の大きさは出典からは分からない。

さらに日本大百科全書は、破裂音が温度の一定しない大気層を通るうちにゴロゴロと引き延ばされるとも説明する[5]。ただしこの効果をどの程度とみるかは、出典から数値では言えない。

では、時間差で説明するとして、その長さはどのくらいになるのか。数値で見積もれば、説明の筋が通るかを確かめられる。

3. ゴロゴロは、なんびょうも つづく ことが あるの?

3. 道の長さを、音が届く時間の差に直してみる

3. 放電路の長さ2〜14kmを、音の遅れに直す検算

音は、1びょうに およそ 340メートル すすみます[2]。ですから 1キロメートル はなれた 場所の 音が とどくのに、3びょう ほど かかります。

かみなりの 道が 2キロなら、いちばん ちかい ところと いちばん とおい ところの 音の ずれは、6びょうぐらいです。14キロなら、40びょうほどです。道が 自分から まっすぐ はなれて いく ばあいの けいさんで、本当の ずれは かみなりごとに ちがいます。

ひかりは 1びょうに 30まんキロメートルも すすみます。音の およそ 100まん ばいです。だから かみなりの 光は、道の どこから 出ても ほとんど 同時に 目に とどきます。

おとは 光より、ずっと ずっと おそいのです。

気象庁によると、音は1秒間に約340m進みます。光は約30万kmで、光のほうがおよそ百万倍も速いと説明されています[2]。

2kmと14kmで、何秒ちがうのか

音が1km進むのにかかる時間は、1000÷340でおよそ2.9秒です。放電路の長さが2kmなら、近い端と遠い端の音の到達はおよそ6秒、14kmならおよそ41秒ずれる計算になります。

これは、放電路が自分から真っすぐ遠ざかる向きにのびている、という単純な仮定での数字です。実際は曲がりくねっていて、聞く人との位置関係でも変わるので、あくまで目安にしてください。

光は、ほぼ一瞬で届く

光は14kmを約0.00005秒で進みます。放電路のどこから出た光も、ほぼ同時に目に届きます。光は一瞬、音は数秒から数十秒の幅をもつ、というちがいが生まれる理由です。

この「光と音のずれ」は、雷までの距離を知る手がかりにもなります。

気象庁は、音の速さを毎秒約340m、光の速さを毎秒約30万kmとし、光は音の約100万倍と説明する[2]。30万km÷340mを計算すると約88万倍で、出典の「約100万倍」は丸めた言い方だと分かる。

この数字に放電路の長さを当てはめる。音が1km進むのにかかる時間は1000÷340で約2.9秒。放電路が2kmなら両端の音の到達時間差は約5.9秒、14kmなら約41秒になる。ただしこれは、放電路が観察者から一直線に遠ざかると仮定した場合の見積もりであり、路が曲がっていたり、観察者に対して斜めだったりすれば差は小さくなる。

音速は気温で変わるため、上の値も目安にとどまる。それでも、数秒から数十秒の幅で音が続きうることは、放電路の長さだけで説明がつく。

一方、光は14kmでもおよそ0.00005秒で進む。そのため放電路の各部分から出た光は、観察者にほぼ同時に届く。光が一瞬で、音が長く尾を引くのは、このちがいによる。

この光と音の時間差は、距離を見積もる手がかりにもなる。ただし、使い方には条件がある。

4. ひかってから おとまでの びょうすうで、かみなりまでの きょりが わかる?

4. 光ってから音までの秒数で、雷までの距離が分かる

4. 光と音のずれから距離を見積もる ── 3で割る方法と、その限界

光ってから 音が きこえるまでの びょうすうを、数えて みましょう。その びょうすうを 3で わると、かみなりまでの きょりが、およそ キロメートルで わかります。音が 3びょうで 1キロメートル すすむからです。

たとえば、ひかってから 9かぞえて ゴロゴロと きこえたら、およそ 3キロメートル さきに かみなりが あった ことに なります。

ただし 音の はやさは、気おんで ちがいます。この けいさんは、ざっくりした めやすです。

かみなりの 音が きこえるのは、かみなりから およそ 16キロメートルまでと いわれます[4]。ゴロゴロと きこえたら、かみなりが 音の とどく はんいに ある という ことです。かぞえる より先に、まず たてものの 中の あんぜんな ところへ 行きましょう。

光ってから音が届くまでの秒数を数え、3で割ると、およそのkmが出ます。音が約3秒で1km進むからです[4]。たとえば光ってから9秒後に音が届いたら、雷は約3km先です。NWSは、5で割るとマイルで出る、という方法を紹介しています。

音の速さは気温で変わるので、この計算は目安です。放電路が長い雷は、近い端と遠い端で距離が大きくちがうことにも注意が必要です。

雷鳴が聞こえたら、まず屋内へ

NWSによると、雷鳴が聞こえるのは落雷地点からおよそ10マイル(約16km)まで。聞こえる距離は条件によって変わります。つまり雷鳴が聞こえるなら、落雷地点が聞こえる範囲にあるということです。

雷鳴が聞こえたら、距離を数えるより先に、屋内の安全な場所へ移動しましょう。

光ってから音が届くまでの秒数を数え、3で割ればおよそのkmが出る。1kmあたり約2.9秒という前の検算の逆算である[4]。たとえば9秒なら約3km先と見積もれる。NWSは5で割ってマイルを出す方法を紹介する。

この方法には限界がある。音速は気温で変わるし、放電路は長いので、どの時点を「光った」とみなすか、どこから出た音を聞いたかで数秒の幅がつく。厳密な測定ではなく、目安と考えるべきだ。

NWSによれば、雷鳴が聞こえるのは落雷地点からおよそ10マイル(約16km)まで。ただし聞こえる範囲は条件で変わる。逆に言えば、雷鳴が聞こえるなら、落雷地点が聞こえる範囲にある。

雷鳴が聞こえたら、距離を数えるより先に、屋内の安全な場所へ移動する。距離の計算は、雷の近づき方を知る補助にとどまる。

5. つぎの かみなりは、おうちの 中から きいて みよう

5. 次の雷は、家の中から聞き分けてみよう

5. 次の雷鳴を、屋内から聞き分けてみる

かみなりの 音が きこえたら、外には 出ません。まどから はなれた、おうちの 中の あんぜんな ところで、おとなと いっしょに ききましょう。

音が きこえた あとなら、ゴロゴロが 何びょう つづくか、数えて メモ できます。

音は「バリッ」と みじかいですか。それとも「ゴロゴロ」と ながく つづきますか。ちがいを メモして、かみなりの 道の ながさや、きく 場所との かんけいを 考えて みましょう。

もっと 知りたい人は、てんきの やくしょ(きしょうちょう)の「かみなり」の ページを 見て みましょう。

今日できること

雷鳴が聞こえたら、外へ出ず、窓から離れた屋内の安全な場所にいましょう。すでに聞こえた音が「バリッ」と短いか「ゴロゴロ」と長いか、何秒続いたかをメモします。

記録できたら、放電路の長さや聞く位置との関係を考えてみましょう。近い・遠いだけで決めつけず、雷ごとのちがいを見るのがコツです。

公式情報

気象庁の「雷に関する知識」では、雷の定義や、雷雲の背丈(夏は7km以上、冬は4km以上)などが紹介されています[1]。雲の中で電気のプラスとマイナスが分かれる(電荷分離)のは、あられと小さな氷のつぶ(氷晶)がぶつかるためと考えられています。

次に雷鳴が聞こえたら、外に出ず、窓から離れた屋内で、すでに聞こえた音の長さを記録できる。音が「パチッ」型か「ゴロゴロ」型か、何秒続いたかをメモし、放電路の長さや聞く位置との関係を考えてみる。近い・遠いだけで傾向を判定せず、雷ごとの差を見る。

電荷分離の部分は、気象庁によれば雲の中のあられと氷晶(小さな氷のつぶ)の衝突で起こると考えられている段階で、断定された説明ではない。雷雲の背丈は夏で7km以上、冬で4km以上とされる[1]。雷の発生の最初の一歩がなぜ起こるのかは、本稿の資料では扱えていない。

放電路の温度や、なぜ光るかの詳しい説明は、日本語の大学・研究機関の資料でさらに調べられる。NOAAとNWSの英語のページは、出典欄から読める。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

雷の定義と、あられ・氷晶による電荷分離の説明は気象庁、音と光の速さは気象庁キッズ、放電路の温度と雷鳴・距離の見積もりはNOAAとNWS、放電路の長さとゴロゴロの理由は日本大百科全書・ブリタニカ小項目事典の記述(コトバンク経由)をもとにした。

  1. 気象庁「雷に関する知識」 https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/toppuu/thunder1-0.html (雷の定義、電荷分離)
  2. 気象庁 キッズ「雷」 https://www.jma.go.jp/jma/kids/kids/faq/a3_16.html (音と光の速さ)
  3. NOAA「Lightning」 https://noaa.gov/node/10808 (放電路の温度)
  4. NWS「Lightning Science: Thunder」 https://www.weather.gov/safety/lightning-science-thunder (雷鳴の成り立ち、聞こえる範囲、距離の見積もり)
  5. コトバンク「雷鳴」(日本大百科全書、ブリタニカ小項目事典、マイペディア) https://kotobank.jp/word/%E9%9B%B7%E9%B3%B4-146831 (放電路の長さ、ゴロゴロの理由)

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