1. どんな 雲から かみなりは 生まれるの?
1. 雷を生む積乱雲は、とても高くなる
1. 積乱雲のスケール ── 雷を起こす雲
かみなりを 生む 雲は、せきらんうんと よばれる、とても 大きな 雲です。高さは 10キロを こえ、ときには 空の ずっと 上まで とどく こともあります[3]。
この 雲の 中では、あたたかい 空気が 上へ 上へと のぼって います。そこで 氷の つぶが できて、ぶつかり合います[2]。
氷の つぶの 中には、あられも 入って います。あられが どう 育つかは、前の メモ「あられとひょうは、なにが ちがうの?」で 読めます。
とても背の高い雲
気象庁の解説では、積乱雲は高さが10キロメートルを超え、ときには成層圏にまで達することもあります。水平の広がりは数キロから十数キロほどで、1つの積乱雲がもたらす現象は30分から1時間ほど、狭い範囲で起きます[3]。
中で氷の粒がぶつかる
強い上昇気流で積乱雲ができると、雲の中には霰(あられ)や氷晶(小さな氷の結晶)ができます。これらがぶつかり合うことで、雲の中の電気が分かれていく、というのが基本の考え方です[2]。霰がどう育つかは、前の記事「あられとひょうは何がちがうのか」で書きました。
2. 電気は、どうやって 分かれるの?
2. 霰と氷晶がぶつかると、電気が分かれる
2. 着氷電荷分離仮説 ── 霰と氷晶の衝突帯電
雲の 中の ある 高さ、夏には 6キロ ぐらいの ところで、あられと、氷の 小さな けっしょうが ぶつかります。すると、あられには マイナスの 電気、けっしょうには プラスの 電気が たまる、という 考えが あります[1]。
上へ のぼる 風などの えいきょうで、重い あられは 下の ほうに、軽い けっしょうは 上の ほうに 集まりやすく なります。だから 雲の 上は プラス、まん中あたりは マイナスに なります。
ふうせんを 頭に こすると かみが くっつくのと、にています。ただし 雲の 中では、氷の つぶが ぶつかって 電気を ためて います。
マイナス10℃付近の出会い
大阪大学の牛尾知雄氏の解説では、雲の中でマイナス10℃付近の高度(夏はおよそ6キロメートル前後)で霰と氷晶が衝突すると、霰がマイナス、氷晶がプラスに帯電すると考えるのが基本です。この「着氷電荷分離仮説」は高橋劭博士が唱えたもので、現在いちばん信頼されている説とされています[1]。
雲の中の電気の並び方
上昇気流などの影響で、重い霰は雲の下のほうに、軽い氷晶は上のほうに位置しやすくなるため、積乱雲の上部にプラス、中部にマイナスの電気がたまります。ごく下のほうに小さなプラスの領域もありますが、ここでは省きます[1]。
たとえるなら、ふうせんを髪にこすったときの静電気に似ています。ただし雲の中では、氷の粒どうしのぶつかり合いで起きるので、仕組みは同じとは限りません。
3. まだ わかって いない こと
3. なぜ電気が分かれるのかは、まだ解明の途中
3. 未解明の点 ── 電荷分離の仕組み
雲の 中で、どうして 電気が 分かれるのでしょうか。この おおさかだいがくの 本には、しくみは まだ すっかり わかって いるわけでは ない、と 書かれて います[1]。
この 本は 2016年の ものです。
むかしから 見なれた かみなりにも、まだ ふしぎが のこって います。
「なぜ雲の中で電荷が分離するのか」について、大阪大学の解説は「現在においても、その仕組みが解明されているわけではない」という趣旨を述べています[1]。先ほどの着氷電荷分離仮説も、最も信頼されているとはいえ、仮説の1つです。
ただし、この記述は2016年時点のものです。だからこそ、身近な雷にまだ調べる余地が残っている、と言えます。
牛尾は「何故、雲内で電荷が分離するのか」という問いに対し、現在においてもその仕組みが解明されているわけではないと述べる[1]。着氷電荷分離仮説は有力だが、確立した結論ではない。
この記述は2016年5月号のものである。「いまも未解明」と断定せず、「2016年の解説では未解明とされた」と読むのが安全である。最新の状況は、気象学会や大学の一般向け解説で調べるとよい。
4. 光る 前に、かいだん みたいに おりて くる
4. 稲光の前に、見えにくい先ぶれが階段状に降りてくる
4. ステップトリーダ ── 雲から地面へ進む先行放電
かみなりには、雲の 中で おわる ものと、地面まで とどく ものが あります[1]。地面まで とどく ときは、まず 雲から 見えにくい 電気の みちが、そろそろと おりて きます。
この みちは、少し すすんでは 止まり、また すすみます。まるで かいだんを おりるようです[1]。
ある しりょうでは、50メートルほど すすんでは、ほんの 少し 休む といいます[4]。ただし、数字は しりょうに よって ちがいます。
5. 目に 見える 光は、下から 上へ
5. 一番明るい光は、地面から雲へ駆け上がる
5. 帰還雷撃 ── 地面から雲へ走る主放電
雲から おりて きた みちが、地面に ちかづくと、地面の ほうからも お出むかえの みちが のびて きます。ふたつが つながると、大きな 電気が 一気に 流れます[1]。
そのとき、よく ある かみなりでは、地面から 雲へ むかって、強い 光が かけのぼります。この 地面から 雲へ かけのぼる 光が すすむ 速さは、光の 速さの 3分の1 ぐらい だと されます[1]。
わたしたちが 「ピカッ」と 見るのは、この 光です。一回の かみなりで、この 光が 何回も くりかえす ことが あり、へいきんで 3回から 4回ほど という ほうこくが あります[1]。
地面からのお迎え
先ぶれのリーダが地面近くまで来ると、地面側からも「お迎え」のリーダが伸びてきて、2つがつながります。すると大きな電流が流れ、よく見られる負極性の落雷では、強い発光が地面から雲に向かって駆け上がります。この発光が帰還雷撃で、地面から雲へ駆け上がる速さは、光の速さの約3分の1です[1]。
何度も光る
1つの落雷で、帰還雷撃は繰り返し起きることがあり、平均は3〜4回程度という報告があります。最初の帰還雷撃で流れる電流の平均は約3万アンペア(30キロアンペア)程度という報告もあります[1]。ただし、これは平均で、1回ごとに大きく違います。
雷が「チカチカ」して見えるのは、この繰り返しのせいかもしれません。
6. 光と 音の ずれで、きょりが わかる
6. 雷鳴は衝撃波、光と音の時間差から距離を見積もる
6. 雷鳴の発生と、閃光から距離を求める式
かみなりの 通り道の 空気は、ほんの 一しゅんで とても あつく なります。ある しりょうでは、3万度ほどと いいます。これは 太陽の おもてより、5ばいぐらい 高い 数字です[4]。
あつく なった 空気は、一気に ふくらみます。その ゆれが 音と なって とどきます。これが かみなりの 音です[4]。
光は ほとんど 一しゅんで とどき、音は おくれて とどきます。光って から 音が 聞こえるまでの 秒数を かぞえ、340を かけると、およその きょりが メートルで わかります[5]。
10びょうなら 340×10で 3400メートル、つまり やく3.4キロです。3びょう いないなら やく1キロ いないと いう ことです[5]。
音の 速さは 気温で かわるので、340は 目安です。
自分でも しらべて みたく なったら
自分でも調べてみたくなったら
自分でも調べてみたくなったら
かみなりが 鳴った 日に、たてものの 中で まどから はなれた ところから、光って から 音が 聞こえるまで、なんびょうか かぞえて みましょう。外には 出ません。どのくらい 遠いか、340を かけて 考えて みます。
本や ホームページで しらべるなら、きしょうちょうの「せきらんうんって どんな 雲?」が 日本語で 読めます。
今日できること:雷が聞こえたら、建物の中の窓から離れた場所で「1、2、3…」と秒を数え、光ってから音までの時間を測ってみましょう。数秒おきに繰り返すと、雷が近づいているのか遠ざかっているのかがつかめます。外には出ないでください。
公式情報:気象庁「積乱雲ってどんな雲?」や、日本気象協会「雷のしくみ」は、日本語で読めます。
しらべた もとの じょうほう
参考にした情報源
参考にした情報源と、その使い方
本文の数値のうち、企業サイトの解説によるものは目安として扱った。
- 牛尾知雄「雷放電と積乱雲の科学」大阪科学技術館(2016年5月号) https://www.sci-museum.jp/wp-content/themes/scimuseum2021/pdf/study/universe/2016/05/201605_04-09.pdf (電荷分離・放電・帰還雷撃)
- 日本気象協会 tenki.jp「雷のしくみ」 https://tenki.jp/bousai/knowledge/7d21e41.html (雷の概要)
- 気象庁「積乱雲ってどんな雲?」 https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/tenki_chuui/tenki_chuui_p2.html (積乱雲の大きさ)
- 音羽電機工業「雷放電現象」 https://www.otowadenki.co.jp/basic4/ (リーダの速さ・雷鳴・温度)
- 音羽電機工業「光と音で雷の距離を知ろう」 https://www.otowadenki.co.jp/knowledge_distance/ (距離の求め方)
なおした ところ
更新履歴
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