1. まっくらな 部屋で、なにが おきたの?
1. 暗い部屋の穴から入った光が、細長い帯になった
1. 暗室と小さな穴 ── 像が円形にならなかった実験
ニュートンは、まどを ふさいで、部屋を まっくらに しました。そして、まどに 小さな あなを あけ、そこから 入る 太陽の 光に、三角の ガラス(プリズム)を あてました[1]。
ガラスを とおった 光が かべに うつると、赤から むらさきまで、にじの 色が ぜんぶ ならんで いました。
ニュートンが おどろいたのは、かたちです。うつった おびは まるく なくて、ほそ長かったのです。長さは はばの 5ばいほど ありました[2]。
この じっけんは、ペストで 大学が おやすみに なった ころに したと いわれます。年は 1665〜1666年ごろと する 本が あります[1]。
2. どうして ほそ長く なったの?
2. 細長くなった理由は、色ごとに曲がり方がちがうから
2. 屈折の度合いのちがいと、白色光の混合説
ニュートンの こたえは、「色ごとに、光の まがる ぐあいが ちがう」でした[1]。
赤い 光は あまり まがらず、むらさきの 光は よく まがります。だから 光が ガラスを でると、色ごとに すこしずつ ちがう ほうへ すすみ、かべでは ほそ長い おびに なります。
ガラスの あつさや あなの 大きさを かえても、けっかは おなじでした[1]。そこで ニュートンは、太陽の 光は、いろいろな 色の 光が まざった ものだと かんがえました。
3. 色が にじまない ぼうえんきょうは つくれる?
3. ニュートンは色のにじまない望遠鏡を作った
3. 色収差を避ける反射望遠鏡(1668年・1671年)
光が 色ごとに まがるなら、こまる ものが あります。ガラスの レンズを つかった 望遠鏡です。のぞくと、ものの まわりに 色の にじみが 出ます[5]。
ニュートンは、これを なおすのは むずかしいと かんがえました。そこで、レンズの かわりに 鏡で 光を あつめる 望遠鏡を 作りました[5]。鏡で 光を あつめる しくみなら、レンズの ときのような 色の にじみを おさえられます。
1つめは 1668年に できました。1671年に 作った 2ごうきは、いまも イギリスの 王立協会に のこって います[4]。長さは 20センチほど。それでも 30〜40ばいに 大きく 見えたと いわれます。
レンズの望遠鏡の悩み
レンズを使う望遠鏡は、色によって光の曲がり方がちがうため、像のまわりに色のにじみ(色収差)が出ます。ニュートンはこの問題を直しにくいものと考え、レンズのかわりに鏡で光を集める反射望遠鏡を作りました[5]。ただし、今のレンズ望遠鏡は色収差を直す工夫がされていて、これは当時の考え方です。
手作りの望遠鏡
最初の反射望遠鏡は1668年に完成しました。1671年に作った2号機が王立協会に残っています[4]。鏡は、銅とスズなどの合金でできていました[5]。
2号機は、2本の筒が入れ子になって焦点を合わせる形です。長さは約20cmで、倍率は約30倍とも約40倍ともされ、資料で食いちがいます[3][5]。
4. 手紙を 出したら、どう なったの?
4. 論文を出すと、批判が返ってきた
4. 1672年の論文と、フックらからの批判
ニュートンは 1672年2月19日の 手紙で、プリズムの 実験の ことを 王立協会に つたえました。これが、協会の 雑誌に のった 最初の ろんぶんです[2]。
すると、ロバート・フックなど 何人かから、「その 考えは おかしい」と いう 声が 出ました[6]。
ニュートンは、人前で こたえました。でも 5月には、「もう 新しい ろんぶんは おくらない」と 書くほど、つかれて しまいました[6]。
5. 本に まとめるまで、どれくらい かかったの?
5. 『光学』は1704年に出版された
5. 『光学』(1704年)── 仮説でなく、理屈と実験で示す
ニュートンは、光の 本『光学』を、1704年に 出しました[3]。1672年の ろんぶんから、30年ほど たって います。
本の はじめに、「あらそいに まきこまれたく ないので、出すのを おくらせた」と 書いて います[7]。
この 本の ほうしんは、「光の せいしつを、思いつきで 説明せず、りくつと じっけんで しめす」ことです[7]。白い 光が 色の まざりものである ことや、色を まぜると 白に もどる ことも、じっけんで しめされて います[3]。
6. 光の おびを、見て みよう
6. 光の帯を、自分の目で確かめる
6. 出口 ── 観察の道すじと、読む資料
はれた 日に、カーテンを しめて 部屋を くらく します。すきまから 入る 細い 光を、水を 入れた すきとおる コップに あてて、白い 紙に うつして みましょう。うまく いくと、うすい 色の おびが 見えます。
おびは、まるいですか。ほそ長いですか。おびの 形や 色の ならびを 見て みましょう。見えなくても、光の 入り方を 少し かえて ためせます。
あぶないので、太陽を 直せつ 見ては いけません。コップは 大人と 一しょに 持ちましょう。
晴れた日に、カーテンを閉めて部屋を暗くし、すきまから入る細い光を、水を入れた透明なコップに当てて、白い紙に映してみましょう。条件によっては、淡い色の帯が見えることがあります。
帯の形や色の並びを見てみましょう。見えなくても、光の入り方を少し変えて試せます。ニュートンが見たのと同じ形になるかどうかは、窓の穴やコップの形で変わります。
安全のため、太陽を直接見ないこと、コップは大人と一緒に扱うことを守ってください。
もっと読みたくなったら、ニュートンの『光学』の序文[7]や、Museo Galileoのプリズム実験の解説[1]を開いてみてください。
観察するなら、晴れた日にカーテンを閉めた部屋で、すきまの細い光を水入りの透明なコップに通し、白い紙に映す。見える色の帯が細長いか、色の並びはどうかを記録する。像の形は、すきまの幅とコップの形に左右されるので、ニュートンの実験とは条件が異なる。太陽は直接見ず、コップは大人と扱う。
資料を読むなら、プリズム実験の概要は Museo Galileo[1]、1672年の論文は Cambridge University Press の Newton: Philosophical Writings 所収の記述[2]、望遠鏡の現物は Royal Society のコレクション[4]、論争の背景は Edward Worth Library[6]、『光学』序文は Project Gutenberg[7]で読める。
しらべた もとの じょうほう
参考にした情報源
参考にした情報源と、その使い方
出典について:博物館の解説、ケンブリッジ大学出版局の書籍、王立協会の資料、解説サイト、『光学』の電子版を使った。何に使ったかは、それぞれの項目の最後に書いている。
- Museo Galileo, Prism experiment。https://catalogue.museogalileo.it/multimedia/PrismExperimentBis.html (プリズム実験の手順、色ごとの屈折のちがい、白色光が混合であるという結論について)
- Newton, New Theory about Light and Colors (Cambridge University Press, Newton: Philosophical Writings 所収)。https://www.cambridge.org/core/books/abs/newton-philosophical-writings/new-theory-about-light-and-colours/5C5D23762FA64A202E8908E93AC6BA1B (1672年の論文と、帯の長さが幅の約5倍だったことについて)
- キヤノン サイエンスラボ・キッズ「アイザック・ニュートン」。https://global.canon/ja/technology/kids/history/06_isaac_newton.html (実験の時期、望遠鏡の大きさと倍率、『光学』の出版年について。解説サイト)
- Royal Society Picture Library, Newton's reflecting telescope。https://pictures.royalsociety.org/image-rs-8461 (1671年に作られた2号機について)
- EBSCO Research Starters, Newton's Reflecting Telescope。https://www.ebsco.com/research-starters/history/newtons-reflecting-telescope (色収差と反射望遠鏡、鏡の材料について。解説資料)
- Edward Worth Library, Newton and Hooke。https://newton.edwardworthlibrary.ie/Debating-Newton/Newton-and-Hooke (1672年の論文への批判と、ニュートンの反応について)
- Newton, Opticks (Project Gutenberg)。https://www.gutenberg.org/cache/epub/33504/pg33504.txt (『光学』の序文にある、出版を遅らせた理由と本の方針について)
なおした ところ
更新履歴
更新履歴(改版の記録)
- 初版を公開。
このサイトでは、公開した記事の本文は原則として書き直しません。誤りが見つかったときや、内容が古くなったときだけ手を入れ、その理由をこの欄に残します。