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ここにあるのは、だれかが実際に調べ、考え、作ってきたことを集めたメモです。気になったら、ページの下の「参考にした情報源」から、もとの本や記事、それを生み出した人たちに、直接ふれてみてください。このメモには書ききれないおもしろさが、そこにあります。

パイロットは、ひこうきを とばす まえに、なにを して いるの?

旅客機のパイロットは、離陸する前に何を確かめ、誰が操縦するのか

旅客機のパイロットの仕事 ── 出発前の6項目の確認と、二人乗務の分担、機長までの道のり

分野:技術

りょかくきは、機長きちょうが 6つの ことを たしかめおわるまで、でかけては いけない きまりです[1]。パイロットの しごとは、ひこうきに のって から はじまるのでは ありません。

では、まど ぎわの わたしたちが まだ ざせきで ねむい ころ、パイロットは なにを して いるのでしょう。たしかめる 6つの こと、ふたりの わけかた、きゅうけいの きまりまでが わかります。

旅客機は、機長が決められた6つの項目を確かめ終えるまで、出発させてはいけないことになっています[1]。しかも二人乗りの飛行機では、機長がいつも操縦するわけではありません。

パイロットは、乗客が席につく前から何を確かめ、二人でどう役割を分けているのでしょうか。出発前の6項目、操縦と見守りの分担、機長になるまでの道のり、休養のルールまでが分かります。

航空法は、機長が運航に必要な準備の整いを確認するまで、航空機を出発させてはならないと定めている[1]。しかも二人乗務の旅客機では、機長が毎回操縦するとは限らない。

では、パイロットは乗客が席につく前に何を確かめ、二人でどう分担し、その立場にどんな道を経てたどり着くのか。出発前の6項目、操縦と監視の役割分け、機長昇格までの年数、乗務時間と休養の基準までが分かる。

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1. パイロットは、ひこうきが うごく まえから しごとを して いる

1. 乗客より早く空港に着き、「全部確かめるまで出せない」決まりに向き合う

1. 搭乗の前に始まる仕事 ── 確認が終わるまで出発できない決まり

あさ 8じに とびたつ びんが あるとします。ある ふく操縦士そうじゅうしの はなしでは、その 1じかん はん まえに 空港くうこうに ついて、しゅっぱつの 準備じゅんびを はじめるそうです[4]。これは ある 会社の ある 人の れいです。

なにを して いるのかと いうと、機長きちょうが 6つの ことを たしかめます。ぜんぶ たしかめおわるまで、ひこうきを でかけさせては いけない きまりです[1]。ある 会社では、これを ひこうきが とぶ たびに、ふく操縦士そうじゅうしと いっしょに します[3]。

6つとは なんでしょう。つぎの 話で 見て みます。

午前8時に離陸する便があるとします。ある航空会社の副操縦士の話では、その1時間半前には空港に着き、出発の準備を始めるそうです[4]。これは一社の一例で、どの会社でも同じとは限りません。

この時間に何をしているのかを知る手がかりが、航空法にあります。機長は、航空機が安全に航行できることなど、運航に必要な準備が整っていると確かめた後でなければ、航空機を出発させてはならない、と定められています[1]。ある航空会社では、法令で決まった確認事項の全部を、フライトのたびに副操縦士と一緒に行うと紹介されています[3]。

つまり、出発の時刻は「機長が確かめ終えた時刻」です。では、確かめる項目とは何なのでしょうか。

午前8時離陸の便なら、ある航空会社の副操縦士は、その1時間半前に空港へ着いて出発準備を始めるという[4]。一社・一機種の例であり、全社共通の時刻ではない。ただ、この早さには法的な裏づけがある。航空法73条の2は、機長が航空機が航行に支障のないことなど運航に必要な準備の整いを確認したあとでなければ、航空機を出発させてはならないと定める[1]。

ある航空会社では、この確認の全項目を、フライトごとに副操縦士とともに行うと説明している[3]。出発の時刻は、定刻という予定だけでなく、確認の完了という条件にも左右される。では、その確認項目は具体的に何か。

2. たしかめる 6つの ことは、なに?

2. 確かめる6項目 ── 整備・重さ・情報・天気・燃料・荷物

2. 航空法施行規則164条の15が挙げる6項目と、その実際の中身

6つは、つぎの とおりです[2]。

ひとつめは、ひこうきの 整備せいびの ようす。ふたつめは、ひこうきの おもさと、おもさの かたより(重心じゅうしん)。みっつめは、とぶ ところや くうこうに ついての おしらせ、航空情報こうくうじょうほう。よっつめは、気象きしょうの じょうほう。いつつめは、燃料ねんりょうと エンジンの あぶらの りょうと しつ。むっつめは、つんだ にもつが あんぜんかどうかです。

たとえば ある 会社では、空港くうこうごとの 天気を 見て、でかけて よいか きめます。ゆれそうな 場所を 見つけて、シートベルトの あかりを つけたり けしたり する ころあいも かんがえます[3]。

燃料ねんりょうは、行き先までの ぶんだけ では ありません。もし おりられない ときの ために、ほかの 空港くうこうへ いく ぶんも たしかめます[3]。

ある 小さめの きたいでは、重心じゅうしんを つばさの あたりの やく60センチの はんいに おさめる ひつようが あるそうです。これは その きたいの れいで、ぜんぶの ひこうきの 数字では ありません[3]。

航空法施行規則164条の15は、機長が出発前に確かめる事項を6つ挙げています[2]。整備の状況、離陸と着陸のときの重さ・重心の位置・荷物や人の置き場所の偏り、航空情報、航行に必要な気象情報、燃料と潤滑油の量と品質、そして積み荷が安全かどうか、です。

この6つが具体的にどう使われるのか、ある航空会社の機長の紹介が参考になります。空港ごとの天気を見て出発してよいかを判断し、航路上の悪天候の場所から揺れを予測して、シートベルトサインを点ける・消す時期まで考えるといいます[3]。

燃料は目的地までの分だけではなく、着陸できなかったときの代わりの空港までの分も確かめます。ある小型機種では、重心の位置を主翼付近の約60cm以内に収める必要があるそうです。これは一機種の例で、すべての飛行機に共通の数字ではありません[3]。

こうして見ると、6つの確認は「飛ぶ前の質問表」です。出発前だけで、機長の判断はこれだけあります。では、この判断を、操縦席の二人はどう分け合うのでしょうか。

航空法施行規則164条の15は、機長が出発前に確認する事項を6つ挙げる。①整備の状況、②離陸重量・着陸重量・重心位置・重量分布、③航空情報、④当該航行に必要な気象情報、⑤燃料と滑油の搭載量およびそれらの品質、⑥積載物の安全性、である[2]。

実際の運用は、ある航空会社の機長の紹介が示している。各空港の天候を確認して出発の可否を判断し、航路上の悪天域から揺れを予測して、シートベルトサインの点灯・消灯の時期を考える[3]。燃料は目的地まで行く量に加え、着陸できない場合の代替空港までの量も確認する。ここで重要なのは、6項目が互いにつながっていることだ。たとえば代替空港までの燃料を積み増す場合、その分だけ機体は重くなるので、離着陸重量の確認にも関わってくる。

重心の例もある。この会社の紹介では、エンブラエル170型機の場合、重心位置を主翼付近の約60cm以内に収める必要がある[3]。機種ごとの数字であり、全機種共通の値ではない。

各項目をどのように確かめるかは、会社の運航の取り決めに委ねられる。この確認を、機長一人ではなく、二人の操縦士の分担で回すのが旅客機の運航である。

3. 機長きちょうは、いつも じぶんで そうじゅう するの?

3. 機長が毎回操縦するわけではない ── 操縦する人と、見守る人

3. 操縦担当と監視担当 ── 機長が決める役割分け

じつは、機長きちょうが いつも 操縦そうじゅうする わけでは ありません。ふたり のりの 場合、しゅっぱつの まえに、機長きちょうが どちらが 操縦そうじゅうするかを きめます[5]。

もうひとりは、操縦そうじゅうを 見まもる やくです。ほかの 場所との れんらくや、チェックリストを よむ しごとなどを うけもちます[5]。ぜんぶの びんで わけるか、おりる ところだけ わけるかは、会社に よって ちがいます[5]。

ある 会社では、操縦そうじゅうする ほうが、きないの ほうそうも する ことが 多いと いいます。でも、責任せきにんの ある 機長きちょうが ほうそうする ほうが よいと かんがえる 人も いて、びんに よって ちがいます[6]。

ふたりの うえに たつのは 機長きちょうです。ひこうきで しごとを する 人たちに、しじを だします[7]。

二人乗務の旅客機では、出発前に機長が、どちらが操縦を受け持つかを決めます。もう一人は、操縦する人の操作を見守る役(モニター役)で、通信や、チェックリストの読み上げを受け持ちます[5]。便全体で分ける会社もあれば、進入や着陸のような一部の区間だけ分ける会社もあり、運航者によって違います。

この分担は、機内アナウンスにも関わります。ある航空会社では、操縦する側がアナウンスも行うことが大半のようです。ただし、副操縦士が操縦していても、責任者の機長が放送するべきだと考えるパイロットもいるので、便によって異なります[6]。

どちらが操縦していても、機長の立場は変わりません。航空法は、機長が航空機に乗り組んで職務を行う者を指揮監督すると定めています[7]。操縦の役と、全体の責任は、別々に考えられているわけです。では、判断のむずかしさが一番出る場面はどこでしょうか。

二人乗務の旅客機は、機長が常に操縦するのではない。SKYbraryの説明では、機長が、便全体か特定の区間のどちらについて、どの操縦士が機体を飛ばす直接の責任を持つかを決める。もう一人は操縦を見守る役(PM、ぴーえむ)で、通信やチェックリストの読み上げを受け持つ。操縦する側はPF(ぴーえふ)と呼ばれる[5]。便全体か一部の区間かは運航者によって異なるので、「機長が必ず操縦する」とも「副操縦士が離着陸を担当する」とも言い切れない。

国内の例では、ある航空会社は事前にどちらが操縦するかを決めており、操縦担当がアナウンスも行うことが大半だとされる。ただし、副操縦士が操縦していても責任者の機長が放送するべきだと考えるパイロットもいて、便によって異なる[6]。

操縦と責任の分離は、法の構造にも表れている。航空法73条1項は、機長が航空機に乗り組んで職務を行う者を指揮監督すると定める[7]。役割として「操縦」を分けても、運航全体への指揮監督は機長に残る。

4. おりる ところで、やりなおす ことも ある

4. 着陸直前の判断 ── 見えなければ、もう一度上がる

4. 着陸の可否の判断とゴーアラウンド

パイロットは、おりる 直前にも きめる ことが あります。ある 小さな ひこうきの れいでは、おりる 直前に、滑走路かっそうろが 見えるかどうかなどで、着陸ちゃくりくして よいかを きめて いました[8]。

もし 見えなければ、もう一ど 上がって、着陸ちゃくりくを やりなおします。これを「ゴーアラウンド」と いいます。天気が よく ならなければ、出発した 空港くうこうに ひきかえす ことも あります[8]。

やりなおすのは、しっぱいでは ありません。あんぜんな ほうを えらぶ、しごとの ひとつです。ただし この きじゅんは、空港くうこうや ひこうきで ちがいます。

乗客は着陸のとき、機体が一度ふわっと上がり、もう一度近づき直すことに驚くことがあります。これがゴーアラウンド(着陸のやり直し)です。

ある地域航空会社のプロペラ機の例では、着陸直前に滑走路がパイロットから見えるかどうかで、着陸の可否を決めていたそうです。見えなければ再び上昇して着陸をやり直し、天候が回復しなければ出発した空港に引き返すこともあります[8]。

基準は空港や機体ごとに決められているので、この例を全体に広げることはできません。この例から言えるのは、「降りられる状態になるまで降りない」という判断が、飛ぶ仕事の一部に含まれていることです。出発前に代わりの空港の分まで燃料を確かめておくことが、こうしたやり直しを支えているのかもしれません。

着陸直前の判断は、出発前の準備の延長にある。ある地域航空会社のQ400の例では、着陸直前に滑走路がパイロットから見えるかどうかで、着陸の可否を決めていた。見えなければ再び上昇して着陸をやり直す(ゴーアラウンド)。天候が回復しなければ出発空港へ引き返すこともある[8]。

この基準は空港や機体ごとに異なり、一社・一機種の例を一般化することはできない。前の章で見た、代替空港までの燃料の確認が、ここで意味を持つ。やり直しの判断ができるのは、やり直した後に行ける場所と燃料が確保されているからだ、という筋道が、この例からは読み取れる。ただしこれは、2つの記述を並べたうえでの筆者の理解である。

判断を下す立場の人は、どのような経験を積むのか。次に見る。

5. 機長きちょうに なるまで、どれくらい かかるの?

5. 機長になるまでの道のりと、なってからも続く確認

5. 副操縦士から機長へ ── 年数と、機長になってからの定期確認

国土交通省こくどこうつうしょうの 羽田空港くうこうの じむしょの コラムに よると、ふく操縦士そうじゅうしに なるまでの 訓練くんれんに、2年から 4年。そのあと ふく操縦士そうじゅうしとして 7年から 10年ほど のって、機長きちょうに なる ための 審査しんさを うけます[10]。

りょかくきの 機長きちょうに なるには、国土交通省こくどこうつうしょうの だいじんに みとめて もらう ことも いります[9]。

なっても おしまいでは ありません。うでまえ、英語えいごの ちから、健康けんこうが、ずっと たしかめられます。きじゅんに とどかない ときは、ベテランの 機長きちょうでも のれません[10]。

先ほどの判断を任される機長には、どれくらいかけて、なるのでしょうか。国土交通省の羽田空港事務所のコラムによると、副操縦士になるまでの訓練に2〜4年、そのあと副操縦士として7〜10年ほど乗務を積み、機長昇格審査を受けます[10]。

航空運送事業の旅客機に機長として乗るには、機長に必要な知識と能力を持っていることについて、国土交通大臣の認定を受ける必要があります[9]。認定後も、定期・臨時の審査があります。

機長になれば終わり、ではありません。同じコラムは、技量・英語力・健康のチェックが機長になってからも定期的に繰り返され、基準を満たせなければ経験豊富な機長でも乗務できないと説明しています[10]。確認を重ねる仕事の中心にいるパイロット自身が、確認を受け続ける側でもあるわけです。

機長の判断には長い下積みがある。国土交通省羽田空港事務所のコラムによると、副操縦士になるまでの訓練に2〜4年、その後副操縦士として7〜10年ほど乗務を積み、機長昇格審査を受ける[10]。副操縦士(ふくそうじゅうし)のこの期間は、前章までの出発前確認や分担を、機長の隣で繰り返す時間にあたると考えられる。

制度面では、航空法72条1項が、機長として必要な知識と能力について国土交通大臣の認定を受けた者でなければ、機長として乗り組んではならないと定める[9]。認定後も、定期・臨時の審査がある。

資格を得た後も、続くのは確認である。コラムは、機長になってからも技量、英語力、健康のチェックが定期的に繰り返され、基準を満たせなければ経験豊富な機長でも乗務できないとする[10]。飛行機だけでなく、パイロット自身も、定期的な確認を通らなければ乗務できない。

数字の読み方には注意がいる。年数は国の機関のコラムに載る目安で、会社ごと、人ごとに異なる可能性がある。それでも、機長に至る道が10年以上の単位で語られる職であることは読み取れる。

6. パイロットも、しっかり やすむ きまりが ある

6. 判断を守るための休養 ── 乗務時間と休息の基準

6. 乗務時間の上限と休養 ── 2021年12月に適用された新基準

うんてんを まかされる 人は、つかれて いては こまります。そこで、はたらく 時間にも きまりが あります。

2021ねん 12がつ 1にちから、日本の 会社の パイロットに あたらしい きじゅんが あてはめられた、と ほうどう されて います[11]。ふたり のりで 朝 5じから ごご 5じ まえまでに はじまる 場合、ひこうきに のって しごとを する 時間は、とぶ 回すうが 2回 いかなら 10時間、3回 いじょうなら 9時間までです[11]。

しごとと つぎの しごとの あいだは、8時間の すいみんを ふくむ 10時間の きゅうようが ふつうです[11]。これは ほうどう での 数字で、くわしくは 国土交通省こくどこうつうしょうの しりょうで たしかめる ひつようが あります。

判断を任される人が疲れていては、確認も分担も意味が薄れます。そのためパイロットには、乗務時間と休養の基準があります。

報道によると、2021年12月1日から、日本の航空会社の操縦士に新しい乗務基準が適用されました。二人乗務で、午前5時から午後4時59分までに勤務を始める場合、飛行回数が2回以下なら10時間、3回以上なら9時間までです(ほかの時間帯は1時間少ない)。三人乗務では、仮眠設備があれば15時間までとされます。乗務の間には、8時間の睡眠を含む10時間の休養が基本です[11]。

これは乗務時間の上限であって、勤務時間の上限とは別のものです。数字は報道を通した情報なので、正確な条件は国土交通省の資料で確かめてください。

確認と分担は、操縦士の心身が働いていることが前提になる。報道によれば、2021年12月1日から日本の航空会社の操縦士に新しい乗務基準が適用され、二人乗務は午前5時〜午後4時59分に開始する場合、飛行2回以下で10時間、3回以上で9時間まで、ほかの時間帯は1時間短い。三人乗務は仮眠設備を条件に15時間まで。乗務間は8時間の睡眠を含む10時間の休養が基本とされる[11]。

ここで言う上限は乗務時間であり、勤務時間の上限とは別である。数字は報道(二次資料)に依拠しているため、国土交通省の原資料で条件を確かめる価値がある。

この節で注目したいのは、時間帯と飛行回数で上限が変わる設計である。深夜に近い時間帯や離着陸の多い日ほど負担が大きい、という考え方に沿った基準だと推測できるが、資料に理由の記述はなく、断定はしない。

7. つぎに ひこうきに のったら、かんがえて みよう

7. 次に飛行機に乗るとき、見えない「確認」を想像してみる

7. 見えない確認を、自分の生活に置きかえる

つぎに ひこうきに のったら、シートベルトの あかりが ついた ときを おぼえて おこう。そのあと ゆれたか どうかも、おもいだして みましょう。パイロットは、ゆれそうな ばしょを よそうして、あかりを つける ころあいを かんがえて います[3]。

おうちでも ためせます。あしたの おでかけの まえに、もちものを 6つ きめて、ゆびで さしながら たしかめて みましょう。ぜんぶ たしかめるまで、げんかんを でない ことに します。

いつも どおりでも、たしかめると ほっと します。パイロットの 6つも、おなじ 気もちかも しれません。

シートベルトサインが点いたとき、機長がその前に航路の悪天候の場所を見て、揺れの時期を考えていたかもしれない、と想像できます[3]。窓の外が静かでも、運航の裏には出発前の6つの確認と、二人の分担があります。

自分の生活でも試せます。明日の外出前に、持ち物や天気、時間などから6つの項目を自分で決め、指さしで確かめてから玄関を出る、というやり方です。パイロットの6項目と比べて、自分の項目に何が足りないかを考えるのも面白いでしょう。

もっと詳しく知りたいときは、国土交通省羽田空港事務所のコラム[10]が、パイロットの訓練から資格までを日本語で紹介しています。

機内でシートベルトサインが点くとき、その判断の背後に航路上の悪天域の予測がある、という説明[3]は、乗客の側から検証できる数少ない手がかりになる。次に乗ったら、サインが点いたときを覚えておこう。その裏で、機長が出発前から航路の天気を見ていたことを思い出せる。

日常生活への置きかえもできる。翌日の外出前に、持ち物・天気・時間などから6項目を自分で決め、すべて確認するまで出かけない、というルールで1週間試す。省略したくなる項目や、確認で見つかった抜けがあれば、それが出発前確認の意味を考える材料になる。

資料の読みどころは三つある。①航空法73条の2と施行規則164条の15は、確認の義務と項目を条文で確かめられる。②国土交通省羽田空港事務所のコラム[10]は、訓練年数と資格を公的機関が紹介している。③乗りものニュースの記事[6]は、操縦担当と機内アナウンスの関係を扱っており、①②と読み比べると、法令の言葉と現場の運用の差が見える。乗務時間の基準の原資料(国土交通省の資料)にあたることは、この記事から残る、調べる価値のある問いである。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

出典について:法令、国の機関のコラム、航空会社の紹介記事、報道、国際的な航空安全の情報サイトを使った。何に使ったかは、それぞれの項目に書いている。

  1. 航空法 第73条の2(e-Gov法令検索)。https://laws.e-gov.go.jp/ (機長が出発前に準備の整いを確認する義務について)
  2. 航空法施行規則 第164条の15(e-Gov法令API)。https://laws.e-gov.go.jp/api/1/articles;lawId=327M50000800056;article=164_15 (出発前に確認する6項目について)
  3. JAL SKYWARD Plus 野村機長の記事(2023年4月時点)。https://skywardplus.jal.co.jp/story/captain/nomurakohei (出発前確認の実際、天候・燃料・重心の例について)
  4. 乗りものニュース「JALパイロットの裏側」。https://trafficnews.jp/post/103365 (出発の1時間半前から始める準備について。一社の例)
  5. SKYbrary「Pilot Flying (PF) and Pilot Monitoring (PM)」。https://skybrary.aero/articles/pilot-flying-pf-and-pilot-monitoring-pm (操縦担当と見守り担当の分担について。英語)
  6. 乗りものニュース「機内アナウンスは機長/副操縦士どっち」。https://trafficnews.jp/post/110475/2 (操縦担当とアナウンスの関係について)
  7. 航空法 第73条(e-Gov法令検索)。https://laws.e-gov.go.jp/ (機長の指揮監督について)
  8. 乗りものニュース「悪天候の着陸」(JAC)。https://trafficnews.jp/post/95981 (着陸の可否の判断とやり直しについて。一社・一機種の例)
  9. 航空法 第72条(e-Gov法令検索)。https://laws.e-gov.go.jp/ (機長の認定について)
  10. 国土交通省 羽田空港事務所 コラム「パイロット」。https://www.mlit.go.jp/koku/haneda/archive/column/pilot.html (機長になるまでの年数と定期的な確認について)
  11. Traicy「ANAとJAL、パイロットの新乗務基準適用 12月から」。https://www.traicy.com/?p=229761 (乗務時間の上限と休養について。報道)

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