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パイプオルガンは どうして おとが 出るの? ストップを ひいても、まだ 鳴らない ふしぎ

パイプオルガンはどうやって鳴るのか ── 「ストップを引く」と「鍵盤を押す」の2つの関門

パイプオルガンの発音の仕組み ── 風箱・パレット・ストップ、フルー管とリード管

分野:技術

パイプオルガンには、「ストップ」と いう つまみが たくさん あります。ところが、つまみを ひいても、それだけでは おとは 出ません。

おとが 出るまでに、どんな ことが おきて いるのでしょうか。空気の みちを、じゅんばんに たどります。

パイプオルガンの演奏者は、鍵盤を弾く前に、「ストップ」というつまみを引いて、鳴らす音色を選びます。でも、ストップを引いただけでは音は出ません。

空気をため、弁を開け、鳴らすパイプを選び、パイプの長さと形が音を決めます。京都コンサートホールの7,155本から、恵泉女学園大学の1,260本まで、空気の通り道を順にたどります。

パイプオルガンは、風箱にためた空気を、鍵盤とストップの2つで選んだパイプに通して鳴らす楽器だ[1][2]。パイプは長さで音の高さが決まり、フルー管とリード管で発音の仕組みが違う[3][5]。

鍵盤は風箱の弁(パレット)を開け、ストップは鳴らすパイプの列(ランク)を選ぶ。この2つがそろって初めて音が出る。

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1. 空気は、どこに ためて おくの?

1. 送られた空気は「風箱」にたまる

1. 送風装置と風箱 ── 一定の気圧の箱

パイプオルガンは、空気で なる がっきです。ふえを ふくのと、おなじ しくみだと せつめいされて います[1]。

その 空気は、「そうふうそうち」から おくられて、大きな 箱に たまります。この 箱には、そうふうそうちから 空気が おくられて います[3]。

むかしは、人が ふいごを うごかして、空気を おくって いました。あとには、じょうきの ちからや 電気でも おくるように なりました[3]。

パイプオルガンの音の元は空気です。送風装置から送られた空気が「風箱」にたまり、そこからパイプへ流れて音が出ます。笛を吹くのと同じ原理だと、京都コンサートホールの解説にあります[1]。

風箱の中は、一定の気圧に保たれる仕組みになっています。鍵盤を押していない間は、空気は箱の中で待っている状態です[3]。

この空気を送る役は、時代で変わりました。19世紀の中ごろまでは、人の力で動かすふいごが使われました。その後は蒸気機関などの動力や、電力式の送風装置も使われるようになりました[3]。

オルガンの音は、送風装置から風箱(ふうばこ)へ送られた空気が、弁の開閉でパイプへ流れて出る。原理は笛と同じと説明される[1]。風箱の内部は一定の気圧に与圧される構造で、鍵盤が押されると弁が開いてパイプに風が入る[3]。

風を送る動力は、19世紀中頃までは人力の吹子(ふいご)で、その後は蒸気機関など、さらに電力式の送風装置も使われるようになった[3]。動力が変わっても、風箱に風をためて弁で出し入れする構造の説明は共通している。

2. けんばんを おすと、なにが おきる?

2. 鍵盤は、風箱の弁を開けるスイッチ

2. 鍵盤とパレット ── 空気調整の弁

けんばんを おすと、はこの 中の「べん」が あきます。べんは、空気の 出入り口の ふたのような ものです[2]。

べんが あくと、空気が パイプに ながれこんで、おとが 出ます[1]。

たとえば、みずを ためた バケツの 口に、ふたが あると します。ふたを あけた ときだけ、みずが でて きます。けんばんは、その ふたを あける ゆびの ようなものです。ただし ほんとうは、ゆびで じかに あけるのでは なく、しかけを とおして あけます。

鍵盤を押すと、風箱の中の弁が開きます。空気を調整するこの弁は「パレット」と呼ばれ、鍵盤とつながっています[2]。

ピアノの鍵盤は弦をたたくハンマーを動かしますが、オルガンの鍵盤は、空気の通り道を開け閉めする仕掛けにつながっています。鍵を押している間だけ弁が開いて風が流れ、離すと閉じて音が止まる、と考えると分かりやすくなります。この最後の部分は、出典の説明をもとにした筆者の整理です。

風箱の中には、空気調整のための「パレット」と呼ばれる弁があり、鍵盤とつながっている[2]。鍵盤を押すとパレットが開き、風がパイプへ流れる[1]。

ここまでは、風箱の弁を鍵盤が開けるという一段目の話にすぎない。どのパイプへ風を通すかは、次章のストップが関わる[2]。

3. ストップは、なにを えらぶ つまみ?

3. ストップは「鳴らすパイプの列」を選ぶ

3. ストップとランク ── 音色ごとのパイプ群

オルガンの パイプは、おなじ ねいろの グループに わかれて います。この グループを「ランク」と いいます。ランクには、けんばんの おとごとに、1本ずつ パイプが あります[6]。

ストップは、「どの グループを 鳴らすか」を えらぶ つまみです。ひいた ストップに あわせて、空気が ながれる パイプが かわります[2]。

だから、ストップを ひいても、けんばんを おさなければ 鳴りません。ろうかの とびらを あけても、へやの とびらを あけなければ、中に 入れないのと おなじです。ただし ほんとうは、とびらの しかけは、もっと ふくざつです。

パイプオルガンのパイプは、音色ごとのグループに分かれています。同じ音色のパイプの集まりを「ランク」といい、鍵盤の音1つにつき、1本ずつパイプがあります[6]。

ストップは、このランクのうち、鳴らすものを選ぶ仕組みです。選んだストップに応じて、風がパイプへ流れます[2]。

ここで、入口の疑問に戻ります。ストップを引いただけで鳴らないのは、空気がパイプに届く前に、鍵盤で開ける弁がもう1つあるからです。「どのランクか」と「どの音か」という、2つの選び方が組み合わさっています。

なお、多くのストップは1ランクですが、1つの音に複数のパイプを持つストップもあるとされています[6]。

ストップは、音色や高さの異なるパイプ群(ランク)から、鳴らすものを選ぶ仕組みだ[2]。1ランクは同じ音色のパイプの集まりで、鍵盤の音ごとに1本ずつパイプを持つ[6]。ただし、1音に複数本のパイプを持つストップもある。

選ぶ関門が2つあることになる。ストップは「どのランクか」を決め、鍵盤は「どの音か」を決める。ストップを引いても鍵を押さなければ鳴らないのは、パレットが閉じたままだからだ。

4. パイプの ながさで、おとの たかさが かわる

4. 半分の長さで、1オクターブ高くなる

4. パイプの長さと音高 ── 8'・16'・4'の呼び名

パイプは、ながい ほど ひくい おとが 出ます。ぎゃくに、みじかい ほど たかい おとが 出ます。

ながさが はんぶんの パイプは、1オクターブ たかい おとを 出すと いわれます[5]。オクターブは、「ドレミファソラシド」の、ひくい ドと たかい ドの ちがいです。

ただし、これは ふえの かたちの パイプの はなしです。

ストップの なまえに ついて いる「8'」は、おとの たかさの めやすに なる よびかたで、ながさの たんい(フィート)から きて います。8フィートは、2.4メートルくらいです[4]。

パイプの音の高さは、長さで決まります。フルー管では、ほかのパイプの半分の長さのパイプは、1オクターブ高い音を出します[5]。

ストップの名前に「8'」「16'」「4'」とついているのは、音の高さを表す呼び名で、もとは開いた管の長さ(フィート)です。8フィート(約2.4m)の開いた管が、鍵盤の音と同じ高さの基準になります。16'はそれより1オクターブ低く、4'は1オクターブ高い音です[4]。

ストップの数字が2倍になると、音は1オクターブ下がります。数字を見れば、その列がどのくらいの高さで鳴るのかが、おおよそ分かります。

ただし、閉じた管は、半分の長さで同じ音になります[4]。実際のパイプの長さは構造で変わるので、数字は開いた管に換算した呼び名です。

フルー管の音の高さは長さで決まり、他のパイプの半分の長さのパイプは1オクターブ高く鳴る[5]。リード管は主にリードの性質と長さで決まり、この関係は同じではない。

ストップ名の「8'」「16'」「4'」は、開管の長さに換算した音高の呼び名で、8フィート(約2.4m)の開管が鍵盤と同じ高さを出す基準となる。16'は1オクターブ低く、4'は1オクターブ高い[4]。閉管は半分の長さで同じ音になるため、実際の管長は構造で異なる。

恵泉女学園大学のオルガンは、1.5cmから2.8mまでの長さ、計1,260本のパイプを持つ[2]。最短と最長の比は、280÷1.5 ≒ 187倍だ。

5. パイプは、2しゅるいに わけられる

5. 「笛型」と「リード型」── 音の出し方が違う

5. フルー管とリード管 ── 歌口とリード

パイプには、大きく 2しゅるい あります。「ふえがた」と「リードがた」です。

ふえがたは、リコーダーと おなじで、くちの ところに 空気を あてて、おとを 出します[3]。オルガンの パイプの、およそ 8わりが この しゅるいと いわれます[4]。

リードがたは、うすい 金ぞくの 板が ふるえて、その ふるえを パイプが ひびかせます。クラリネットの リードに にた しくみだと 書かれて います[3]。

パイプは大きく2種類に分けられます。「フルー管」と「リード管」です。

フルー管は、リコーダーと同じように、歌口に空気をあてて音を出します[3]。パイプ全体のおよそ8割を占めるとされています[4]。数字は楽器によって変わります。

リード管は、金属の薄い板(リード)が空気で振動し、その振動をパイプが共鳴させて音にします。ウィキペディアは、クラリネットと同様の1枚リードの構造と説明しています[3]。リードは、真鍮などの金属片で、クラリネットは例えとして出てきます。

同じ空気でも、音の出し方が変わると、音色が変わります。

パイプは大きく、フルー管とリード管に分けられる。フルー管はリコーダーと同じく歌口(うたぐち)で発音し、リード管はクラリネットと同様の1枚リードの構造で発音するとされる[3]。リード管のリードは真鍮などの金属片で、クラリネットは比喩にとどまる。

フルー管はオルガンのパイプのおよそ8割を占めるとされる。ただし「およそ」の数字であり、楽器によって割合は変わる[4]。

リード管の音の高さの決まり方は、フルー管と同じ関係ではなく、本稿では詳しく扱わない。

6. パイプは、ぜんぶで なんぼん あるの?

6. 7,155本と1,260本 ── ホールと大学のオルガン

6. パイプオルガンの規模の例 ── 京都コンサートホールと恵泉女学園大学

京都コンサートホールの オルガンには、パイプが ぜんぶで 7,155本 あります。ストップの かずは 90です[1]。

だいがくの ちいさな オルガンでも、1,260本の パイプが あります。ながさは、1.5センチから 2.8メートルまで、いろいろです[2]。

パイプは、木か、すずと なまりの ごうきんで できて います[2]。

京都コンサートホールのオルガンは、パイプ総数が7,155本、ストップ数が90です[1]。ストップは、鳴らすパイプ列を選ぶつまみです。複数のランクを組み合わせるストップもあるので、90という数はパイプ列の数そのものとは限りません。

恵泉女学園大学のオルガンは、もっと小さな例です。パイプは1.5cmから2.8mまでの長さで、合計1,260本。素材は木か、錫と鉛の合金です[2]。

1.5cmと2.8mでは、およそ190倍の差があります。長さのちがうパイプが、風箱の上にずらりと並んでいるのです。

これより大きなオルガンの例もありますが、この記事で確認できた資料は、日本の2つの例に絞りました。

京都コンサートホールのオルガンは、パイプ総数7,155本、ストップ数90だ[1]。小さな例として、恵泉女学園大学のオルガンは1.5cm〜2.8m、計1,260本を持ち、素材は木または錫(すず)と鉛の合金とされる[2]。

海外にはこれらより大きな例も報告されているが、本稿では確認できた日本の2例にとどめる。最大の数字は出典によって違うため、「最大」とは書かない。

7. オルガンを 見に いく ときは

7. ホールで、ストップの数字を探してみる

7. ストップ名の数字を確かめ、原典を読む

おんがくかいや ホールの けんがくで オルガンを 見る ことが あれば、ストップの まわりを 見て みましょう。「8'」「16'」「4'」と いう すうじが ついて いるかも しれません。

すうじが 大きい ほど、ながい パイプで、ひくい おとが 出ると 考えられます。どの ストップが ひくく 鳴りそうか、あてて みると たのしいです。

オルガンのあるホールで演奏会や見学の機会があれば、ストップの名札を見てみてください。「16'」「8'」「4'」という数字が並んでいるかもしれません。

どの列が低く鳴りそうか、予想してから聞くと、音の違いが聞き分けやすくなります。演奏者が引くストップを見ながら、どのパイプが鳴っているのか想像するのも面白いです。

原典を読むなら、京都コンサートホールと恵泉女学園大学のページが日本語で読めます[1][2]。

ホールのオルガンで、ストップ名の数字(16'・8'・4')を確かめ、どの列が低く鳴るか予想してから聴くとよい。ストップの数と、パイプの長さと、音の高さの関係が、耳で確かめられる。

資料を読むなら、日本語の一次情報は京都コンサートホール[1]と恵泉女学園大学[2]のページが分かりやすい。ストップの内部機構(スライダーなど)は、専門の解説に当たりたい。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

出典について:京都コンサートホール、恵泉女学園大学、ウィキペディア(日本語・英語)、Letourneau Organsの解説を使った。ストップの内部機構は、この記事では扱っていない。

  1. 京都コンサートホール「パイプオルガン」。 https://www.kyotoconcerthall.org/pipeorgan/ (音が出る仕組みと、パイプ総数・ストップ数について)
  2. 恵泉女学園大学キリスト教センター「パイプオルガンの構造」。 https://www.keisen.ac.jp/institution/christianity/pipeorgan/structure/ (パレットとストップ、パイプの長さと素材について)
  3. 「パイプオルガン」日本語版ウィキペディア。 https://ja.wikipedia.org/wiki/パイプオルガン (風箱、送風の歴史、フルー管とリード管について)
  4. Letourneau Organs「General information about pipe organs」。 https://www.letourneauorgans.com/publication/general-information-about-pipe-organs (8'・16'・4'の呼び名と、フルー管の割合について)
  5. "Organ pipe" 英語版ウィキペディア。 https://en.wikipedia.org/wiki/Organ_pipe (長さと音の高さの関係について)
  6. "Pipe organ" 英語版ウィキペディア。 https://en.wikipedia.org/wiki/Pipe_organ (ランクとストップの説明について)

なおした ところ

更新履歴

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