このサイトは、ほんの入り口です

ここにあるのは、だれかが実際に調べ、考え、作ってきたことを集めたメモです。気になったら、ページの下の「参考にした情報源」から、もとの本や記事、それを生み出した人たちに、直接ふれてみてください。このメモには書ききれないおもしろさが、そこにあります。

いけの みずは、どうして にごるの? ── みずを ぬいたら、きえた はずの みずくさが はえて きました

池の水はなぜ濁るのか ── 水を抜いたら、絶滅したと考えられていた水草が泥の中から生えてきた

池の水の濁りと「2つの状態」── かいぼりで水草が泥の中の種から復活した井の頭池

分野:自然

とうきょうの いのかしらいけでは、いけの みずを ぬいて そこを ほしたあと、きえた と おもわれて いた みずくさが、どろの なかから はえて きた と ほうこく されて います[6]。

どうして みずを ぬくと、いけが きれいに なるのでしょう。いけの みずが にごる わけと、すんだ いけに なる みちすじが わかります。

東京の井の頭池では、水を抜いて池の底を干したあと、絶滅したと考えられていた水草が、泥の中の種から生えてきたと報告されています[6]。

なぜ、水を抜くことで池が変わるのでしょうか。この記事を読むと、池の水が茶色や緑に濁るわけ、浅い池に「澄んだ状態」と「濁った状態」があること、そして水を抜いて底を干す「かいぼり」の考え方が分かります。

東京都の井の頭池では、絶滅したと考えられていた水草が、泥の中で眠っていた種(埋土種子)から復活したと報告されている。かいぼり(池の水を抜いて底を干す管理)を2017年の開園100周年に向けて3回行ったところ、水質の改善とともに起きたことだという[6]。

では、池はなぜ濁り、なぜ水を抜くと澄む方向へ動くのか。この記事を読むと、濁りの2つの原因、浅い池が「澄んだ状態」と「濁った状態」の2つに偏りやすい理由、かいぼりが水質に働くとされる仕組みと、実験で分かる範囲と限界が分かる。

読み方を切り替えられます。画面の上にある「よみかた」のボタンで、小学校低学年むけ・小学校高学年むけ・中学生むけの3つの書き方に切り替わります。むずかしいと思ったら、いつでもやさしい方に戻ってください。選んだ読み方はブラウザが覚えているので、次に別の記事を開いたときも同じ読み方で始まります。

1. いけの みずが にごるのは、どろの せい だけ?

1. 池の水が濁るのは、泥のせいだけなのか

1. 濁りの原因 ── 土の粒と、生きもの

あめの あと、いけの みずが ちゃいろっぽく なる ことが あります。なつに、みどりいろに なる いけも あります。

ちゃいろの ときは、つちの つぶが みずに ういて いる ことが おおいと いわれます。どんな みずにも、つちの つぶは すこし ふくまれて います[2]。

では、みどりの いけは? みどりは、つちでは ありません。ちいさな いきものが ふえた いろです[1]。

どうやって にごりを はかるのでしょう。

雨のあとに池が茶色っぽくなったり、夏に緑色になったりすることがあります。同じ「濁り」でも、中身は同じではありません。

水の濁りのもとになる粒の大きさは、1ナノメートルから1ミリメートルまで幅があります。粘土のような土の粒や、動植物の死骸が分かれてできた細かいかけらなどが含まれます。土の粒は、ほとんどすべての天然の水に入っていて、水に浮いている粒の主な成分だといわれます[2]。この資料は水道水の基準についてのもので、池そのものの調査ではありません。ただ、川や池のような地表の水の濁りは、降水の状況などで大きく変わると書かれています。

緑色のほうは、土ではなく生きものです。池や湖で植物プランクトンという小さな生きものが増えて、水を緑に染めることがあります[1]。

では、濁りの深さは、どうやって測るのでしょうか。

池の濁りには、土の粒子や生きものなど、少なくとも2つの原因がある。1つは土の粒子で、粒の大きさは1nmから1mmと広く、0.002mm以上の粘土質の粒や、動植物の死骸が分解してできた有機質の破片が含まれる。土壌粒子はほとんどすべての天然水に含まれ、水中の懸濁物質の主成分とされる[2]。

この資料は水道水の水質基準の項目(濁度)を扱うもので、池の調査ではない点に注意したい。ただし、地表水の濁度が降水の状況などで大幅に変動するという記述は、雨のあとに池や川の色が変わる経験と矛盾しない。「池に流れ込んだ泥が原因」と資料が言っているわけではなく、そこまでは読み取れない。

もう1つは生きものである。富栄養化した湖沼では、初夏から秋にかけて植物プランクトンが異常に増え、水が緑色に変わる。これがアオコで、諏訪湖の例では原因は藍藻の一種ミクロキスティスとされる[1]。では、この濁りの度合いを、人はどう数値にしてきたのか。

2. にごりは、どうやって はかるの?

2. 濁りは、白い円盤を沈めて測ってきた

2. 透明度の測り方 ── 1865年のセッキー板

しろい まるい ばんを、ひもで みずに しずめます。みえなく なった ところの ふかさが、すみぐあいの めやすです。

この ばんは、セッキーばん と よばれます。1865ねんに、イタリアの てんもんがくしゃ セッキが、ちちゅうかいで つかったのが はじまりと つたえられます[3]。

はじめは、ちょっけい 30センチの しろい ばんでした。のちに、20センチ ぐらいの しろと くろの ばんに なりました。

では、みずを みどりに するのは、なにが ふえた からでしょう。

透明度を測る道具に、セッキー板があります。白い円盤をひもで水に沈め、見えなくなる深さと、引き上げて再び見えるようになる深さを測り、その平均を透明度とします[3]。

1865年4月20日、教皇庁海軍の依頼で天文学者のアンジェロ・セッキが地中海で初めて使ったと紹介されています。最初は直径30cmの白い円盤で、のちに20cmほどの白黒四分割の板になりました。これは二次的な解説ページによる紹介で、日付や人名、円盤の変遷は一次資料では確かめていません。

円盤が見える深さが浅ければ濁っていて、深ければ澄んでいる。手がかりは、それだけです。では、緑の濁りは、何が増えて起こるのでしょうか。

濁りの深さを定量する古典的な方法が、透明度板(セッキー板、Secchi disk)である。白い円盤を沈め、見えなくなる深さと、引き上げて再び見え始める深さの平均を透明度とする。初使用は1865年4月20日、教皇庁海軍の依頼を受けた天文学者アンジェロ・セッキによる地中海での観測とされ、当初は直径30cmの白色円盤、のちに約20cmの白黒四分割板になった[3]。

この初使用の日付・人名・円盤の変遷は二次資料による紹介で、一次資料では確かめていない。日本の池での透明度の具体的な数値は、この記事では扱わない。

見える深さは、粒の量だけでなく水の色にも左右される。次に、緑の濁りの側に絞って、その増え方を見る。

3. みずが みどりいろに なるのは なぜ?

3. 池が緑色に変わるのは、何が増えたからか

3. アオコの発生 ── 富栄養化と植物プランクトン

みどりいろの みずは、「アオコ」と よばれます。しょくぶつプランクトンと いう、ちいさな いきものが、ものすごく ふえた すがたです[1]。

ふえる ときは、ちっそや りんと いう えいようが、みずに おおく なって います。これを ふえいようか と いいます[1]。

えいようが ふえると、らんそうと いう なかまが みずを みどりに かえる ことが あります。

でも、にごった いけは、どうして もとに もどりにくいのでしょう。

緑色に濁った水は「アオコ」と呼ばれます。富栄養化が進んだ湖や池で、初夏から秋にかけて植物プランクトンが異常に増え、水を緑色に変える現象です。諏訪湖のアオコの原因は、藍藻(らんそう)の仲間のミクロキスティスだとされています[1]。

富栄養化とは、窒素やリンなどの栄養が湖や池で多くなることです。これがアオコや赤潮の発生につながります[1]。栄養が増えると、植物プランクトンの食べ物が増えるわけです。

ところが、栄養が増えたからといって、池がゆっくり少しずつ濁るわけではないようです。濁った池は、なぜ元に戻りにくいのでしょうか。

アオコとは、富栄養化の進んだ湖沼で、初夏から秋にかけて植物プランクトンが異常に増殖し、水を緑色に変える現象である。諏訪湖では藍藻の一種ミクロキスティスが原因とされる。富栄養化は、窒素やリンなどの栄養物質の濃度が上がることで、アオコや赤潮の発生を引き起こす[1]。

だが、栄養の量だけで話が終わるわけではない。浅い湖では、栄養が増えたときの反応が「少しずつ」ではなく「急に」起こりやすいと、総説論文は述べる[4]。なぜ急になるのか。次の章で、その鍵になる水草と動物プランクトンの役割を見る。

4. にごった いけは、なぜ もどりにくいの?

4. 一度濁った池は、なぜ澄みにくいのか

4. 濁った状態が続く循環 ── 水草・動物プランクトン・底の泥

みどりに にごった いけの なかは、くらく なります。ひかりが とどかないので、みずくさが そだちません。

みずくさが ないと、ミジンコの すむ ところも なくなります。ミジンコは、みどりの プランクトンを たべる いきものです。みずくさは、ミジンコの かくれ場所です。かくれんぼで いえば、かくれる ところが ないと、すぐ みつかって しまいます。ただし ほんとうは、ミジンコが かくれんぼを して いる わけでは ありません。さかなに たべられやすく なる、と いう ことです[4]。

そこへ、さかなが えさを さがして そこを うごくと、どろが まいあがります。みずは、もっと にごります[4]。

では、すんだ いけは、どう なって いるのでしょう。

濁った池の中は、暗くなります。植物プランクトンと浮いている粒が多く、光が底まで届きにくいため、水草が育てません[4]。

水草がないと、ミジンコなどの動物プランクトンは、魚から隠れる場所を失います。魚に食べられて数が減ると、藻の大発生を抑えきれなくなります。藻が増えれば、水はさらに濁ります。さらに、むき出しの底の泥は、波や、餌を探す魚の動きで巻き上げられて、透明度をいっそう下げます[4]。

水草が減ると藻が増え、さらに水が濁る循環ができます。ならば、澄んだ池では何が起きているのでしょうか。

浅い湖の濁った状態では、植物プランクトンと浮遊する粒子が多く、水中が暗くなるため、沈水植物(水草)が育てない。むき出しの底泥は、波浪や、餌を探す魚の動きで再懸濁し、透明度はさらに低下する[4]。

動物プランクトンの側にも事情がある。水草は魚から逃げる隠れ場所になるが、これがないので、動物プランクトンは魚に捕食されて密度が下がり、藻類の大発生を抑えるのに足りなくなる[4]。つまり、水草の欠如が、動物プランクトンの減少を通じて藻の増加を許し、濁りが水草をさらに遠ざける、という循環である。これが濁った状態の安定を支える。

では、澄んだ状態は、どんな仕組みで保たれるのか。

5. すんだ いけは、なにが まもって いるの?

5. 澄んだ池を守る水草と、急な切りかわり

5. 澄んだ状態の支えと、急な転換

すんだ いけでは、みずくさが たくさん はえて います。みずくさが、そこの どろが まいあがるのを ふせぎます。みずの なかの えいようも すいとります。ミジンコの かくれ場所にも なります[4]。みずくさが あると、ミジンコは さかなに たべられにくく なります。

あさい いけは、えいようが ふえた ときに、すこしずつ ではなく、きゅうに にごって しまう ことが おおいと いわれます[4]。

でも、にごった いけを、すんだ ほうへ もどす ほうほうも あります。たとえば、いっとき さかなを へらす やりかたです。これで もどせる ことが おおいと いわれます[4]。

ミジンコを いれたら、どうなるのでしょう。

澄んだ状態には、水草が多くあります。水草は、底の泥が巻き上がるのを防ぎ、水中の栄養を吸い、ミジンコなどが魚から逃げる隠れ場所にもなります[4]。濁った状態の循環の、ちょうど逆向きの働きです。

浅い湖は、この2つの状態のどちらかに偏りやすいと、総説論文は説明します。栄養が増えたとき、澄んだ状態から濁った状態へ、少しずつではなく急に切りかわりやすいとされます。反対に、一時的に魚を減らす生物操作で、濁った状態から澄んだ状態に戻せることが多いとも書かれています。「必ず戻る」ではなく、「戻せることが多い」という書き方です[4]。

それなら、動物プランクトンを増やせば、緑の水は澄むのでしょうか。

澄んだ状態は、沈水植物の繁茂で特徴づけられる。水草は底泥の再懸濁を防ぎ、水中の栄養を吸収し、動物プランクトンが魚から逃れる隠れ場所にもなる[4]。濁った状態と同じく、これらが互いを強める循環をなす。

この総説論文によれば、浅い湖には、こうした2つの状態があり、富栄養化への応答は、滑らかではなく急激になりやすい。つまり、栄養が少しずつ増えても水草のある状態は保たれ、あるところで一気に濁った状態へ移りうる。逆に、一時的な魚の削減(生物操作)によって、濁った状態から澄んだ状態へ戻せることが多い。ただし、論文の書き方は「戻せることが多い」であり、必ず戻るわけではない[4]。

では、動物プランクトンを増やす効果は、実験でどこまで確かめられているのか。

6. ミジンコを いれたら、みどりは へるの?

6. ミジンコやシジミを入れると、緑の水はどうなるか

6. 容器実験 ── 動物プランクトン・二枚貝・魚の影響

さいたまけんの けんきゅうしょで、ちいさな じっけんが ありました。かまきたこと いう みずうみの みずを、70リットルの いれものに いれました[5]。

そこへ、おおきな ミジンコの オオミジンコや、シジミを いれると、みどりの プランクトンの りょうが、とても へりました。

さかなを いれた いれものでは、いっとき ふえました。さかなが うごいて、みずが かきまぜられた せいだと、かんがえられて います。

これは ちいさな いれものでの じっけんです。ほんものの みずうみで、おなじに なるとは かぎりません。

埼玉県の研究所では、鎌北湖の水を70リットルの容器に入れて、実験をしました。オオミジンコやシジミを入れた容器では、植物プランクトンの量が、入れなかった容器より、急に減りました[5]。

魚を入れた容器では、植物プランクトンが一時的に増えました。魚の動きで水がかきまぜられた影響だと考察されています。オオミジンコは魚に食べ尽くされることもあり、魚を除かないと、効果は期待できないとされました[5]。

ここまでは、小さな容器の中の結果です。ミジンコで実際の池が澄むと、言い切ることはできません。では、実際の池を丸ごと変えようとすると、何をするのでしょうか。

埼玉県環境科学国際センターの実験では、鎌北湖の水を70Lの容器に入れ、オオミジンコやシジミを加えた系で、対照より植物プランクトン量(クロロフィルa。葉緑素の一種で、植物プランクトンの量の目安になる)が急に減った。これを動物プランクトンや二枚貝の捕食による浄化効果と読んでいる[5]。

一方、魚を入れた系では、クロロフィルa量が一時的に増加した。報告は、魚の動きによる底泥や水のかくはんの影響と考察している。オオミジンコは魚に食べ尽くされることもあり、魚を除かなければ効果は期待できないとされた。これは、前章の「魚が餌を探して泥を巻き上げ、動物プランクトンも食べる」という濁った状態の仕組みと重なる[5][4]。

ただし、これは室内の小さな容器での結果である。実際の池でミジンコを増やす方法が働くかどうかは、この実験の範囲では言えない。では、池を丸ごと変えるときは、どうするのか。

7. いけの みずを ぬいたら、どう なったの?

7. 井の頭池は、水を抜いて底を干してどう変わったか

7. 井の頭池のかいぼり ── 水質・外来種・埋土種子

いのかしらいけは、むかしは わきみずが ゆたかでした。でも1960ねんだいに かれて、みずが よごれました。1980ねんだいごろからは、がいらいしゅの オオクチバスなどが ふえました[6]。

そこで、みずを ぬいて そこを ほす「かいぼり」を、2017ねんの かいえん100しゅうねんに むけて 3かい しました[6]。ほすと、ちっそが くうきの ほうへ でて いき、そこの りんが みずに とけだしにくく なる のだと いいます[6]。

すると、みずが きれいに なっただけでなく、がいらいしゅが へって もとからいた いきものが ふえました。きえたと おもわれて いた イノカシラフラスコモなどの みずくさも、どろの なかの たねから、また はえて きました[6]。

べつの 2014ねんの ほうどうでは、かいぼりの あとの なつに すみぐあいが おおきく よく なり、シャジクモや ヒロハノエビモなどの みずくさが、はんせいきぶりに ふっかつしたと つたえて います[7]。

井の頭池には、かつて豊かな湧き水がありましたが、1960年代に枯れて水質が悪化しました。1980年代ごろからは、オオクチバスなどの外来種も増えました[6]。

そこで、かいぼりが行われました。水を抜いて池の底を干す、昔からのため池の管理の方法です。東京都の資料によると、干すと窒素が空気中へ出ていき、池の底のリンが水に溶けだしにくい状態に変わります。水を戻したあとは、富栄養化がおさえられて水質が良くなる、という考え方です[6]。

井の頭池では2017年の開園100周年に向けて、かいぼりが3回行われました。水質が改善しただけでなく、外来種を防ぐことで在来種が増え、絶滅したと考えられていたイノカシラフラスコモなどの水草が、埋土種子(泥の中で眠っていた種)から復活したと報告されています[6]。

別の報道発表でも、かいぼりのあとの夏に透明度が大きく上がり、絶滅したとみられていたシャジクモやヒロハノエビモなどが、約半世紀ぶりに復活したと伝えられています。種子は泥の中で休眠していたと考えられています[7]。池の底に積もった泥は、濁りのもとであると同時に、水草のたねの倉庫でもあったことになります。

井の頭池は、かつて豊富だった湧水が1960年代に枯渇して水質が悪化し、1980年代頃からオオクチバスなどの外来種が増えた[6]。前の章で見た濁った状態の条件(栄養が多い、魚が多く泥を巻き上げる、水草がない)を、そのまま満たしやすい環境だったと言える。ただし、この資料は井の頭池の個別の因果までは述べていない。

そこで行われたのがかいぼりである。水を抜いて池底を干す、昔からのため池管理の方法で、干すと窒素が空気中に発散し、底泥のリンが水に溶けだしにくい状態に変わる。水を戻したあとは富栄養化が抑制されて水質が改善される、と東京都の資料は説明する[6]。

2017年の開園100周年に向けて3回実施した結果、水質改善に加え、外来種の防除による在来種の増加、絶滅したと考えられていたイノカシラフラスコモなどの水草の埋土種子からの復活が報告された[6]。別の報道発表(JSTサイエンスポータル)も、かいぼり後の夏に透明度が大幅に向上し、絶滅したとみられていたシャジクモやヒロハノエビモなどが約半世紀ぶりに復活したと伝え、種子が泥の中で休眠していたと考えられるとする[7]。2つの資料で挙がる種名は同じではない。そのため、本稿は種名を資料ごとに分けて書いた。

この透明度の向上は、前の章の理屈とつながる。一般に、水草には泥の巻き上げを減らし、栄養を吸い、動物プランクトンの隠れ場所になる働きがある。ただし、井の頭池でも同じ仕組みが透明度の向上に寄与したかどうかは、この資料からは分からない。透明度の具体的な数値も、ここでは書かない。「澄む」方向へ押し戻す試みであって、元の状態が永久に保たれるという意味ではない。

自分でも しらべて みたく なったら

自分でも調べてみたくなったら

自分でも調べてみたくなったら

今日できること

ちかくの いけの しゃしんや えを みて、ちゃいろか、みどりか、すんで そこが みえるか、しらべて みましょう。

出かけてできること

おうちの ひとと いっしょに、いけの きしから みて みましょう。みずの ちかくには ちかづきすぎません。あめの あとと、はれた ひで、いろが ちがうか みて みます。

こうしきの 情報じょうほう

とうきょうとの いのかしらおんしこうえんの しりょうに、かいぼりの ことが のって います。

今日できること

近くの池の写真や絵を見て、茶色か、緑か、底が見えるほど澄んでいるかを、言葉にしてみましょう。池のどこに水草が見えるかも、見どころです。

出かけてできること

おうちの人といっしょに、池の岸から水の色を見てみましょう。水の近くには寄りすぎません。雨のあとと晴れた日で色が違うか、水草が見えるか、比べてみると、この記事の2つの濁りのどちらに近いか考えるきっかけになります。

公式情報

東京都の井の頭恩賜公園についての資料に、かいぼりの考え方が書かれています。自分で原典を読んでみると、この記事に書かなかった細かい話も出てきます。

今日できること

身近な池や川の水の色が、雨の前後や季節で変わるかを、写真などで比べてみる。茶色に寄るのか、緑に寄るのかを記録すると、土の粒と植物プランクトンの、どちらの寄与が大きそうかを考える材料になる。

出かけてできること

大人と一緒に、岸から水の色と水草の有無を観察する。水辺には近づきすぎない。

資料を読む

かいぼりについては、東京都の資料[6]が日本語で読める。身近な池の水の色や水草の見え方を、雨のあとと晴れた日で比べてみるのもよい。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

濁りの原因は水質の解説資料に、浅い池の2つの状態は総説論文に、井の頭池は東京都と報道発表に依拠する。数値は資料に書かれた範囲だけを使った。

  1. 長野県諏訪地域振興局「水質用語の解説」 https://www.pref.nagano.lg.jp/suwachi/suwachi-kankyo/kankyo/suwakojoka/suishitsuyogo.html (アオコ・富栄養化の説明)
  2. 厚生労働省 水質基準の項目資料「濁度」 https://www.env.go.jp/content/000219145.pdf (濁りの原因になる粒・降水による変動)
  3. fishconsult.org「Secchi disk first use」 https://fishconsult.org/?p=12412 (セッキー板の初使用。二次的な解説)
  4. Alternative Attractors of Shallow Lakes(総説論文、PMC) https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC6084116/ (浅い湖の2つの状態と循環)
  5. 埼玉県環境科学国際センター報 第3号(田中ほか) https://www.pref.saitama.lg.jp/documents/21660/520028.pdf (オオミジンコ・シジミ・魚の容器実験)
  6. 東京都 井の頭恩賜公園 浅場報告 https://www.kensetsu.metro.tokyo.lg.jp/content/000063161.pdf (井の頭池の経緯・かいぼりの考え方と結果)
  7. JSTサイエンスポータル(2014年) https://scienceportal.jst.go.jp/newsflash/20141007_02/ (かいぼり後の透明度の向上と水草の復活)

なおした ところ

更新履歴

更新履歴(改版の記録)

  •  初版を公開。

このサイトでは、公開した記事の本文は原則として書き直しません。誤りが見つかったときや、内容が古くなったときだけ手を入れ、その理由をこの欄に残します。