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ここにあるのは、だれかが実際に調べ、考え、作ってきたことを集めたメモです。気になったら、ページの下の「参考にした情報源」から、もとの本や記事、それを生み出した人たちに、直接ふれてみてください。このメモには書ききれないおもしろさが、そこにあります。

ロケットを うちあげる ばしょが せきどうに ちかいと、衛星えいせいの 燃料ねんりょうが へるのは どうして?

赤道に近い射場は、なぜ衛星の燃料を節約できるのか

赤道に近い射場は、なぜ衛星の燃料を節約できるのか ── 種子島(北緯約30度)とギアナ宇宙センター(北緯約5度)を比べる

分野:宇宙・天文

ロケットの うちあげ ばしょは、せきどうに ちかいほど いいと いわれます。ちきゅうが まわる いきおいを つかえるからです。

ところが、たねがしまと フランスりょうギアナの ばしょを けいさんで くらべると、まわる はやさの ちがいは 1びょうに 62メートルほど。ロケットの はやさの 1パーセントも ありません。それでも せきどうの ちかくが すかれるのは、衛星えいせいが じぶんの 燃料ねんりょうを つかって 軌道きどうの かたむきを なおす ぶんが、へるからです。この ページでは、その わけと、たねがしまの くふうが わかります。

「赤道に近い射場ほど有利」とよくいわれます。地球の自転の勢いを使えるからです。ところが、種子島(北緯約30度)と南米のギアナ宇宙センター(北緯約5度)で自転の速さを計算して比べると、差は秒速約62mです。低い軌道を回る衛星の速さ(秒速約7.8km)の1%弱にすぎません。

それでも赤道に近い射場が大事にされるのは、静止衛星の軌道が赤道の真上にあり、射場の緯度より小さい傾きの軌道へは直接入れないからです。傾きを直す分だけ衛星の燃料を使うので、赤道寄りの射場は燃料の節約になります。この記事では、その仕組みと、種子島がそれでも選ばれた事情、その差を縮めるロケット側の工夫が分かります。

「赤道に近い射場ほど有利」という説明は、地球の自転による初速の上乗せから語られることが多い。ところが東向きの上乗せを緯度から計算すると、種子島(北緯約30度)とギアナ宇宙センター(北緯約5度)の差は秒速約62mで、低軌道の速さ(約7.8km/s)の1%弱にしかならない。この値は筆者の計算で、出典に書かれた数字ではない。

それでも赤道寄りの射場が重視されるのは、静止軌道が赤道面にあり、射場の緯度より小さい傾きの軌道へは直接入れないためである。傾きを直す分は衛星の推進剤で払うので、赤道に近いほど燃料の節約になる。この記事では、その仕組み、種子島が北緯30度に決まった事情、H-IIAの改良による補い方が分かる。

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1. まわる いきおいは、どれくらい とくなの?

1. 自転で得をする速さは、実はそれほど大きくない

1. 自転の上乗せは緯度のコサインで小さくなる ── 種子島とクールーの差は秒速約62m

ちきゅうは 1にちに 1かい、にしから ひがしへ まわって います。ひがしへ むけて ロケットを うつと、この まわる いきおいが はじめの はやさに たされます。

ぐるぐる まわる おおきな おぼんを おもいうかべて ください。ふちの ほうは はやく うごき、まんなかは ほとんど うごきません。ちきゅうも おなじで、赤道せきどうの じめんは 1びょうに 465メートルほど うごき、きたや みなみへ いくほど おそく なります[1]。ただし ほんとうの ちきゅうは まるいので、おぼんは たとえです。

たねがしまは 北緯ほくい30どあたりで、ここの じめんは 1びょうに 401メートルほど。フランスりょうギアナの ばしょ(北緯ほくい 5どあたり)は 463メートルほど。ちがいは 62メートルくらいです。ロケットが ちきゅうの まわりを まわる はやさは 1びょうに 7.8キロメートルほどなので、1パーセントも ありません。

ちいさな ちがいなのに、どうして せきどうの ちかくが だいじなのでしょう。

地球は約1日で1回転しています。ロケットを東へ向けて打つと、地面がもともと動いている分が初速に足されます。赤道では地面が東向きに秒速約465mで動いていて、緯度が高くなるほどその速さに緯度のコサインをかけた値になり、極ではゼロです[1]。逆に西向きに打つと、その分を余計な燃料で埋めなければなりません[1]。

この式で計算してみます。ギアナ宇宙センター(北緯5度3分)は約463m/s、アメリカのケープカナベラル(北緯28.5度)は約409m/s、種子島(北緯30度24分)は約401m/sです。ESAも、ギアナの自転による上乗せを秒速460mと説明しています[2]。

種子島とギアナの差は約62m/sです。低い軌道を回る速さは秒速約7.8kmなので、割ると1%に届きません。ここは筆者の計算で、7.8kmは一般的な値です。自転の「ただ乗り」の差だけでは、大きな射場の差を説明しにくいのです。では、赤道に近い射場の本当の得は何でしょうか。

地面の東向きの速さは、赤道で約465m/s、他の緯度ではそれに緯度のコサインをかけた値になり、極でゼロになる。東向きに打てば赤道に近いほど初速を無料で得られ、西向きでは逆に余分な推進剤が要る[1]。ESAもギアナ宇宙センター(クールー)の自転による上乗せを秒速460mとしている[2]。

式に緯度を入れると、クールー(北緯5度3分)で約463m/s、ケープカナベラル(北緯28.5度)で約409m/s、種子島(北緯30度24分)で約401m/sになる。クールーと種子島の差は約62m/sである。低軌道の速さは約7.8km/s(一般的な値)だから、62÷7800は約0.8%にしかならない。この差と比率は筆者の計算で、出典に書かれた数字ではない。

同じ「得」でも、速さの差は予想より小さい。では、赤道寄りの射場が重視される主因は何か。残る候補は、衛星の入る軌道の向き、つまり軌道の傾きである。

2. ほんとうの わけは、「かたむき」に ありました

2. 本当の壁は、軌道の「傾き」にある

2. 静止軌道は赤道面にあり、射場の緯度が傾きの下限になる

いつも おなじ ばしょの うえに 見える 静止衛星せいしえいせいは、赤道せきどうの まうえの 軌道きどう(まわる みち)を まわって います[4]。ですから、そこへ いくには、まず ロケットが せきどうの うえに ならぶ ような みちを とる ひつようが あります。

ところが、せきどうから はなれた ばしょから ひがしへ うつと、ロケットの みちは せきどうから かたむいた ままに なります。かたむきは、うった ばしょの 緯度いどより ちいさく できません[3]。

フランスりょうギアナの ばしょなら、かたむきが 6どくらいの 軌道きどうへ そのまま うてます。アメリカの ケープカナベラル(北緯ほくい 28.5ど)から そのまま いけるのは、28.5どの かたむきまでです[3]。それより せきどうに ちかい みちには、燃料ねんりょうを つかって かたむきを なおす ひつようが あります[3][4]。

かたむきを なおす ぶんの 燃料ねんりょうは、どこから くるのでしょうか。

静止衛星は、赤道の上空を回る「静止軌道」に置かれます。赤道面の上にある軌道なので、赤道から遠い射場から打つと、軌道の傾きを赤道面にそろえる操作が必要になります[4]。この操作は「ドッグレッグ」と呼ばれ、費用のかかる操作だと説明されています[4]。

ポイントは、東へ打ったときの軌道の傾きは射場の緯度より小さくできない、という点です。Wikipediaの解説によれば、ギアナ宇宙センターからは、軌道傾斜角が6度ほどの低い軌道まで直接打てます。ケープカナベラルから直接行けるのは28.5度までで、それより赤道に近づけるには推進剤で傾きを直す必要があります[3]。ただし、これは真東に打つ場合の話です。打つ方角を北や南へずらせば、高い傾きの軌道は作れます。

ESAは、ギアナの位置が静止トランスファー軌道への打ち上げで衛星の軌道修正を少なくし、燃料と費用の節約や衛星の寿命の延長につながると説明しています[2]。速さの差が1%弱でも、傾きの差は衛星に積む燃料の使い道に響くのです。

では、衛星にとって燃料の余裕は、実際にどれほど大事なのでしょうか。

静止軌道は赤道面内の軌道である。したがって赤道から離れた射場から打つと、軌道の傾きを赤道面にそろえる操作が必要になり、北緯28度の射場から赤道軌道に入れる場合には、費用のかかるドッグレッグ(途中で進路を折り曲げる操作)が必要になると説明されている[4]。

この操作が避けられない理由は幾何学的である。東に打ったときの軌道は、射場の緯度より小さい傾きでは周回できない。Wikipediaの解説によれば、ギアナ宇宙センターからは、軌道傾斜角が6度程度の低い軌道まで直接打てるが、北緯28.5度のケープカナベラルから直接行けるのは28.5度までで、それより赤道に近い軌道には推進剤で傾きを直す必要がある[3]。ただしこの「下限」は真東に打つ場合の話で、方角を北や南へずらせば、より高い傾きの軌道は作れる。

ESAは、ギアナ(北緯5度3分、赤道の北500km強)が静止トランスファー軌道への打ち上げで衛星の軌道修正を少なくし、燃料と費用の節約、衛星の寿命の延長につながるとしている[2]。傾き直しに必要な速度増分の具体値は、非公式の議論しか見当たらないため、ここでは数値を示さない。その代わり、衛星の側でいつも必要になる補正の大きさを見ておくと、燃料の余裕の重みが分かる。

3. 衛星えいせいの 燃料ねんりょうは、なぜ だいじなの?

3. 衛星の燃料と、寿命の関係

3. 軌道上でも傾きは増える ── 南北保持と燃料の余裕

静止衛星せいしえいせいは、うちあげて おしまいでは ありません。たいようや つきの ちからで、軌道きどうの かたむきが 1ねんに 0.9〜0.95どずつ ふえて いきます[5]。そのため、ときどき エンジンを うごかして、きたと みなみの ずれを なおします。

この なおす しごとに、1ねんで 秒そく 40〜50メートルぶんの 燃料ねんりょうが いります。10ねんで 400〜500メートルぶんです[5]。これは、うちあげの とき かたむきを なおす ぶんとは べつの、そらの うえでの はなしです。

衛星えいせいが もって いける 燃料ねんりょうには かぎりが あります。さいしょに かたむきが のこって いない ほうが、あとの ために 燃料ねんりょうを とって おけます。ESAの せつめいでも、軌道きどうの しゅうせいが すくないと、衛星えいせいの いのちが のびると されて います[2]。

では、せきどうから とおい ばしょでも、この そんを へらす くふうは ないのでしょうか。

静止衛星は、打ち上げたら終わりではありません。太陽や月の引力の影響で、軌道の傾きが年に約0.9〜0.95度ずつ増えていくため、南北方向に軌道を直す操作を続けます。この南北保持には、年間40〜50m/sの速度の増分が必要で、10年なら400〜500m/sになります[5]。

この数字は打ち上げ時の傾き直しの量ではなく、軌道上で傾きを保つための量です。ただ、衛星が積める燃料には限りがあるので、打ち上げのときに傾きを多く直してもらうほど、あとで使える燃料は少なくなります。ESAがギアナの利点として燃料と費用の節約、寿命の延長を挙げているのは、この意味だと考えられます[2]。

赤道に近い射場の本当の得は、速さそのものより、衛星が自分の燃料を最初に使わなくて済むところにありそうです。では、赤道から遠い日本の射場は、どう補っているのでしょうか。

静止衛星は、打ち上げのあとも軌道を保つために推進剤を使う。太陽や月などの摂動で軌道傾斜角は年に約0.9〜0.95度ずつ増えるため、南北方向の軌道制御で傾きを抑える。JAXAの研究報告によれば、この南北保持に年間40〜50m/sの速度増分が必要で、10年なら400〜500m/sにもなる[5]。

この数値は軌道上での維持にかかる量であり、打ち上げ時の傾き修正の量ではない。両者は別の収支だが、同じ衛星が積む推進剤という有限の資源から払われる点は共通する。ESAが挙げるギアナの利点(燃料と費用の節約、衛星の寿命の延長)も[2]、推進剤の余裕が寿命に直結するという構造から理解できる。ただし寿命の長さは衛星ごとの設計にも左右されるため、ここから寿命の年数を割り出すことはしない。

つまり赤道寄りの射場の有利さは、自転の上乗せよりも、衛星が自分の推進剤を最初に使わずに済む点に大きい。ではこの不利を抱えた北緯30度の種子島に、なぜ射場が置かれたのか。

4. たねがしまは、どうして そこに できたの?

4. 種子島は、なぜ北緯30度に置かれたのか

4. 「日本国内で可能な限り赤道に近い」── 種子島宇宙センターの選定条件

それでも、種子島たねがしまに 宇宙うちゅうセンターが できました。ばしょを きめる とき、2つの じょうけんが ありました。ひとつは、ひがしや みなみに むけて うっても、りくや うみや そらの あんぜんに こまらない こと。もうひとつは、日本にほんの なかで できるだけ せきどうに ちかい こと、です[6]。

そのころ、小笠原おがさわらが 日本にほんに もどったのは 1968ねん。沖縄おきなわは まだ もどって いませんでした。日本にほんの くにとして つかえる いちばん みなみに ちかい ばしょの ひとつが、種子島たねがしまだったのです[6]。いちは 北緯ほくい30ど24ふん、東経とうけい130ど58ぷんです。

つまり、種子島たねがしまは、日本にほんで いちばん みなみの うちあげ ばしょでは ありません。そのときの くにの じょうけんの なかで えらんだ、いちばん よい ばしょでした。

種子島宇宙センターの位置は北緯30度24分、東経130度58分です。Wikipedia日本語版によると、射場を決めたときの条件は二つありました。一つは、東南方向への発射で陸・海・空の安全に支障がないこと。もう一つは、日本国内でできるだけ赤道に近いことです[6]。

当時、小笠原諸島は1968年に返還されたばかりで、沖縄はまだ戻っていませんでした。日本の主権が及ぶ範囲で最も南に近い適地が、種子島だったのです[6]。つまり種子島は「日本でいちばん南の射場」ではなく、当時の国土の条件の中での選択でした。

ここで、赤道との距離のハンデがロケット側の工夫でどう小さくされたのかが気になります。

種子島宇宙センターは北緯30度24分、東経130度58分にある。Wikipedia日本語版によれば、選定条件は二つで、「東南方向の発射に対して陸海空の安全に支障がないこと」と「日本国内で可能な限り赤道に近いこと」だった[6]。

当時は小笠原諸島が1968年に返還された直後で、沖縄はまだ戻っていなかった。そのため、日本の主権が及ぶ範囲で最南端に近い適地が種子島とされた[6]。この選択は、ある射場が「国内最南」だから決まったという話ではなく、安全に打てる海の広がりと、緯度の近さを国土の制約の中で両立させた結果である。

北緯30度という緯度の不利を実際にどう抑えたのかは、ロケット側の設計に表れている。

5. ロケットの くふうと、みなみへ うつ ばあい

5. 差を縮める工夫と、「南へ打つ」場合の事情

5. ロングコーストによる補い ── 極軌道では赤道が最適とは限らない

日本にほんの H-IIAロケットは、種子島たねがしまから うつ ときの そんを へらす くふうを して きました。ロケットの うえの ほうの エンジンに、もういちど ひを つける ことができ、ながく とぶ あいだ(ロングコースト)に 軌道きどうを よりよく ととのえて、衛星えいせいを せきどうの うえの 軌道きどうに ちかい ところへ とどけられる ように しました。JAXAは、そのぶん 衛星えいせいの 燃料ねんりょうを ふやさずに すむと せつめいして います[7]。

さて、地球を きたと みなみに まわる 衛星えいせい(地球を しらべる 衛星えいせいなど)は、みなみか きたへ うちます。みなみへ うつと、地球の まわる むきには さからいます[8]。

日本にほんは ひがしから みなみが うみなので、ほかの くにの うえを とおらずに すみます。種子島たねがしまからは ひがしにも みなみにも うてます。ただし まみなみには 島しまが あるので、すこし ひがしよりに まがります[8]。ギアナも、ひがしの うみが ひらけて いて、おちて くる ものが ひとの すむ ところに おちにくい ばしょです[2]。

JAXAは、H-IIAの改良で第2段エンジンを再着火でき、長い慣性飛行(ロングコースト)をさせられるようにしたと説明しています。ロングコーストとは、エンジンを止めて長く飛ぶ時間のことです。この間に軌道を整えて、衛星を静止軌道に近い軌道へ投入でき、衛星自身の燃料を節約できるといいます[7]。種子島の緯度による不利を、ロケット側の工夫で縮めてきたわけです。

一方、地球観測衛星が使う極軌道は南北に回るので、南か北へ打ちます。南向きでは自転は助けにならず、むしろ少し逆らいます[8]。日本は東から南が太平洋で、他国の上空を通らずに済み、種子島からは東にも南にも打てます。ただし真南には南大東島・北大東島があるので、やや東寄りに迂回します[8]。

ギアナは、東の海が開けていて、段や失敗時の破片が人の住む地域に落ちにくい射場です。ESAによれば、発射角102度で東から北までの幅広いミッションができます[2]。射場の良さは、緯度だけでは決まらないのです。

JAXAのH-IIAのフライヤーによれば、第2段が長時間飛行(ロングコースト)してエンジンに着火できるよう改良され、衛星を静止軌道に近い軌道に投入できる。ロングコーストとは、エンジンを止めて長く飛ぶ時間のことである。その結果、衛星自身の燃料が節約できるという[7]。種子島の緯度による不利を、打ち上げ側の軌道設計で埋める工夫である。

一方、極軌道は話が別になる。地球観測衛星の使う極軌道は南北に回るので南か北へ打つが、南向きでは自転が助けにならず、少し逆らう形になる。日本は東〜南が太平洋で他国の上空を通らず、種子島からは東にも南にも打てる。真南の線上には南大東島・北大東島があるため、やや東寄りに迂回する[8]。

クールーも、東の海が開けていて、ロケットの段や失敗時の破片が人の住む地域に落ちにくい。ESAによれば、発射角102度で東から北までの幅広いミッションが可能とされる[2]。赤道に近いことは、軌道の傾きの面で大きな利点ではあるが、射場の価値を決める条件の一つにすぎない。

6. ちきゅうぎで たしかめて みよう

6. 地球儀と糸で、「有利さ」の中身を確かめる

6. 緯度線の長さの比で、自転の上乗せを自分で再現する

ちきゅうぎが あれば、赤道せきどうの ぐるっと 1しゅうの ながさを、いとで はかって みましょう。つぎに、北緯ほくい30どの せんの 1しゅうも、いとで はかります。ちきゅうぎを 1にちで 1かい まわすと かんがえると、ながい ほうの せんが はやく うごく ことに なります。

北緯ほくい30どの いとは、赤道せきどうの いとの 0.87ばいくらいの ながさに なるはずです。種子島たねがしまの はやさが 401、赤道せきどうが 465だと、401÷465=0.86。ほぼ おなじ わりあいです。

ちずちょうが あれば、ほかの うちあげ ばしょの いちも しらべて みて ください。ひがしに うみが ひらけて いるかも、みどころです。

地球儀と糸があれば、自転の速さの比を自分で確かめられます。赤道を一周する糸の長さと、北緯30度の緯線を一周する糸の長さを測ってみてください。地球儀を1日で1回転させるなら、長いほうの線が速く動いたことになります。北緯30度の糸は、赤道の糸の約0.87倍になるはずです。

この比は、種子島の自転の速さ401m/sを赤道の465m/sで割った値(約0.86)とほぼ同じです。緯度のコサインが、地球儀の糸の長さの比で目に見える形になります。

地図帳があれば、ほかの射場の緯度と、東側に海が開けているかを調べてみてください。同じ「赤道に近い」でも、傾きの得、安全、打てる方向のどれが決め手になるのかは、射場ごとに違って見えてくるはずです。

家にある地球儀と糸で、自転の上乗せの比を再現できる。赤道と北緯30度の緯線の一周の長さを糸で測れば、後者は前者の約0.87倍になる(cos30°≒0.866)。種子島の値401m/sを赤道の465m/sで割った約0.86とほぼ一致するのは、地面の速さが緯線の円周に比例するからである。

次に、地図帳で国内外の主な射場の緯度だけを調べ、地球儀と糸で測った比と見比べてみるとよい。傾きの得、安全、打てる方角のうち、射場ごとにどの条件が効いているかは異なる。打ち上げ時の傾き直しに必要な速度増分の具体値は、非公式の議論で値が割れているので、一次資料を探す読み方も一つの調べ方になる。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

本文の参照番号は、下の資料の番号に対応しています。Wikipediaは概要の確認に使い、数値はそれぞれの資料で確かめています。

  1. イリノイ大学 Ask a Physicist. https://van.physics.illinois.edu/ask/listing/1058 (赤道での地面の速さと緯度による変化)
  2. ESA, Europe's Spaceport. https://www.esa.int/Our_Activities/Space_Transportation/Europe_s_Spaceport/Europe_s_Spaceport2 (ギアナの緯度、速度の上乗せ、燃料と寿命、発射角)
  3. Wikipedia, Guiana Space Centre. https://en.wikipedia.org/wiki/Guiana_Space_Centre (射場の緯度と軌道傾斜角の下限)
  4. Wikipedia, Near-equatorial orbit. https://en.wikipedia.org/wiki/Near-equatorial_orbit (赤道軌道に入るための傾き直し)
  5. JAXA研究報告(リポジトリ). https://jaxa.repo.nii.ac.jp/record/5584/files/63739002.pdf (静止衛星の南北保持に必要な速度増分)
  6. Wikipedia日本語版, 種子島宇宙センター. https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A8%AE%E5%AD%90%E5%B3%B6%E5%AE%87%E5%AE%99%E3%82%BB%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%BC (位置と射場の選定条件)
  7. JAXA, H-IIAロケット フライヤー. https://fanfun.jaxa.jp/countdown/f29/files/flyer.pdf (ロングコーストの改良)
  8. 乗りものニュース. https://trafficnews.jp/post/127043/2 (南向きの打ち上げと種子島からの方角)

なおした ところ

更新履歴

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