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ここにあるのは、だれかが実際に調べ、考え、作ってきたことを集めたメモです。気になったら、ページの下の「参考にした情報源」から、もとの本や記事、それを生み出した人たちに、直接ふれてみてください。このメモには書ききれないおもしろさが、そこにあります。

まんげつは いつも おなじ おおきさなの?

満月の大きさは、毎月同じではない ── 「近い月」と「遠い月」の差はどれくらいか

満月の視直径の変化 ── 楕円軌道による最大約14%の差と、地平線の月の錯視との区別

分野:自然

まんげつは、まいつき まるくて、おなじ おおきさに みえます。でも、てんもんだいの ひとたちが しらべると、ほんとうは、おおきい まんげつと ちいさい まんげつが あるのです。

その ちがいは、どこから くるのでしょう。すうじを みながら、たどって いきましょう。

秋の夜、まるい満月を見上げて「今夜はいつもより大きいかな」と思ったことはありませんか。実は、満月の見かけの大きさは、月によってほんとうに変わっています。

その差はどれくらいなのか、なぜ変わるのか、そしてなぜ言われないと気づきにくいのか。国立天文台やNASAの資料を手がかりに、地平線の月が大きく見える現象との区別も含めて確かめていきます。

満月の見かけの大きさ(視直径)は、月の軌道が楕円であるために、月ごとに変わる。国立天文台によると、最大の満月と最小の満月の差は直径で約14%、面積で約30%である[3]。

このメモでは、距離と視直径の数値を突き合わせて「14%」の意味を確かめ、それが肉眼で気づきにくい理由と、別の現象である地平線の月の錯視との違いを、公的機関の資料から整理する。

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1. まんげつの おおきさを はかると

1. 満月の大きさを測ると、差がある

1. 実測値 ── 2019年の最大と最小の満月

つきの みかけの おおきさは、「かくど」で あらわします。めから みたとき、どれくらいの ひろがりに みえるか、と いう ことです。

2019ねんの てんもんだいの しらべでは、いちばん おおきい まんげつ(2がつ20にち)が 33ふん29びょうかく。いちばん ちいさい まんげつ(9がつ14にち)が 29ふん24びょうかくでした[2]。

2つを くらべると、おおきい ほうが、ちいさい ほうの 1.14ばいぐらいです。

2019年の最大と最小

天体の見かけの大きさは、角度で表します。1度の60分の1が「1分角」、その60分の1が「1秒角」です。

国立天文台の資料では、2019年でいちばん大きい満月(2月20日)の見かけの直径(視直径)が33分29秒角、いちばん小さい満月(9月14日)が29分24秒角でした[2]。

比を計算してみる

秒角にそろえると、33分29秒角は2009秒角、29分24秒角は1764秒角です。2009 ÷ 1764 はおよそ1.14。つまり、大きい満月は小さい満月より、直径で約14%大きいことになります。

2019年の最大の満月(2月20日)の視直径は33′29″、最小の満月(9月14日)は29′24″と報告されている[2]。秒角にそろえると2009″と1764″で、比は 2009/1764 ≒ 1.139、すなわち約14%の差である。

国立天文台のFAQは、最大の満月と最小の満月の比較として、直径で約14%、面積で約30%大きいという値(2016年のデータ)を示す[3]。面積は直径の2乗に比例するので、1.14² ≒ 1.30 となり、二つの数字は整合する。

なお、14%は「最大」と「最小」の満月どうしの比較であり、ふつうの満月と近い満月の差ではない点に注意が要る。

2. どうして ちがうの? ── つきは まるく まわって いない

2. なぜ違うのか ── 月は楕円のみちを回っている

2. 原因 ── 楕円軌道と近地点・遠地点

つきは、ちきゅうの まわりを ぐるぐる まわって います。その みちは、ぴったりの まるでは なく、すこし つぶれた かたち(だえん)です。

だから、ちきゅうに ちかく なる ときと、とおく なる ときが あります。いちばん ちかい ところを 「きんちてん」、いちばん とおい ところを 「えんちてん」と いいます[1]。

ちかい ときの まんげつは おおきく、とおい ときの まんげつは ちいさく みえます。ボールも、ちかづくと おおきく みえますね。それと おなじです。つきの ほんとうの おおきさは、かわりません。

近地点と遠地点

月は地球のまわりを、円ではなく楕円の軌道で回っています。地球にいちばん近い点を近地点、いちばん遠い点を遠地点と呼びます[1]。

NASAによると、月は約27日で地球を1周し、その間に近地点(平均で約36万3300km)と遠地点(平均で約40万5500km)を通ります[5]。平均どうしでも約4万kmの差があります。

距離は毎回ちがう

月の軌道は、太陽や地球などの重力の影響でわずかに変わります。そのため、近地点や遠地点の距離も、毎回まったく同じではありません[1]。

月は地球のまわりを楕円軌道で公転し、地球に最も近い点を近地点、最も遠い点を遠地点という[1]。NASAは、月が約27日の周期で近地点(平均約363,300km)と遠地点(平均約405,500km)を通るとしている[5]。

軌道は太陽や地球などの重力でわずかに変化するため、近地点・遠地点の距離は毎回異なる[1]。上の数値は平均であり、個々の満月の距離は満月ごとにばらつく点に注意する。

満月の日の地心距離は、国立天文台の資料ではおよそ35万6千kmから40万7千kmの間で変化するとされる[2]。2017年の資料では上限が40万6千kmと書かれており、年により上限の値が少し異なるため、本稿では「約」を付けて扱う[1]。

3. 「14%」って、どれくらい?

3. 距離の差と、見かけの差はどうつながるか

3. 距離と視直径の関係 ── 約356,000kmと約407,000kmの比

いちばん ちかい まんげつは、ちきゅうから 35まん 6せん キロメートルぐらい。いちばん とおい まんげつは、40まん 7せん キロメートルぐらいです[2]。

とおい ほうの 数を、ちかい ほうの 数で わると、およそ 1.14。きょりは、とおい ほうが 1.14ばい。だから、ちかい まんげつは、とおい まんげつより、見かけの おおきさが 1.14ばいぐらい(14%ぐらい)おおきく なります。国立てんもんだいの 数字と、ぴったり あいます。

ひかりの あかるさも、おなじ ように、30%ほど ちがう と いわれます[5]。

距離の比が、そのまま大きさの比になる

見かけの大きさは、距離に反比例します。距離が1.14倍になれば、見かけの直径は約1.14分の1になります。

満月の地心距離がおよそ35万6千kmから40万7千kmの間で変わるとすると[2]、40万7千 ÷ 35万6千 ≒ 1.14。直径で約14%という国立天文台の値と、うまく重なります[3]。

面積と明るさ

直径が1.14倍なら、面積は 1.14 × 1.14 ≒ 1.3倍。ここから、面積は約30%大きい、という数字が出てきます。NASAも、いちばん近い満月は、いちばん遠い満月より最大で14%大きく、30%明るく見えうる、と説明しています[5]。

見かけの大きさ(視直径)は距離にほぼ反比例するので、距離比 40万7千/35万6千 ≒ 1.14 は、視直径の比とほぼ一致する[2]。これは前章の実測比(約1.14)と整合する。

見かけの面積(および月面全体から届く光の量)は、視直径の2乗に比例するので約1.3倍となる。国立天文台とNASAはいずれも、最大の満月は最小の満月より、直径で約14%、面積・明るさで約30%大きいとしている[3][5]。

なお、NASAの「最大で14%」は、最も近い満月と最も遠い満月を比べた場合の上限を意味する。日常で並べて比べる二つの満月の差は、通常これより小さい。

4. なのに、めで みても きづきにくい

4. なぜ、見ただけでは気づきにくいのか

4. 知覚の問題 ── 14%の変化は単独では検出しにくい

これだけ ちがうのに、ふつうは きづきにくいのです。まんげつを 1こ だけ みても、いつもの おおきさと くらべる ものが ないからです。

うでを いっぱいに のばして、ゆびの つめで つきを かくして みてください。つきは つめの なかに すっぽり かくれます。つめの おおきさが 14%ふえても、ほんの すこし ふえたようにしか かんじません[6]。

ちがいが わかるのは、おなじ せってい(ばしょと ズームの おおきさ)で うつした しゃしんを ならべた ときです[4]。

爪でかくせる月

腕をいっぱいに伸ばしたとき、月は爪でおおえてしまうほど小さく見えます。NASAのジェット推進研究所(JPL)は、そんなに小さいものが14%大きくなっても、あまり大きくは感じられないだろうと説明しています[6]。

並べて初めてわかる

国立天文台は、2025年11月5日の満月を、4月13日の満月と比べて、視直径が約14%大きいと紹介しています。ただし、その日の月を見ただけで大きさの変化に気づくのは難しく、同じ条件で撮った写真を並べると差がわかる、という言い方です[4]。

JPLの解説は、腕を伸ばして爪でおおえるほど小さいものの見かけの大きさが14%増えても、それほど大きくは見えないだろう、と述べる[6]。比較対象が空にないことも、単独の観察を難しくする一因と考えられる。

国立天文台は、2025年11月5日の満月が4月13日の満月より視直径で約14%大きいことを、撮影条件をそろえた写真の比較で示している。その日の月を見ただけで変化に気づくのは難しいとも述べる[4]。

5. 「スーパームーン」って なに?

5. 「スーパームーン」という呼び名

5. 用語 ── 「スーパームーン」の定義の曖昧さ

ちかい まんげつは、「スーパームーン」と よばれる ことが あります。でも、これは てんもんがくの きまった ことばでは なく、はっきりした きまりも ありません[3]。

NASAは、きんちてんの ちかくで まんげつに なる ときを さす ことが おおい、と せつめいして います[5]。

「スーパームーン」は天文学の正式な用語ではなく、定義もはっきりしていない、と国立天文台は説明しています[3]。

NASAは、満月が近地点付近で起こる場合を指すのが一般的、としています。その目安として、近地点の距離の90%以内という言い方が紹介されることもありますが、国立天文台は定義がないという立場です[5]。

国立天文台は、「スーパームーン」は天文学の正式な用語ではなく、定義もはっきりしていないとする[3]。NASAは、満月が近地点付近で起こる場合を指すのが一般的とし[5]、近地点距離の90%以内を目安とする説明もある。

すなわち、この語は目安であって、機関により扱いが異なる。ニュースで「スーパームーン」と紹介された満月でも、上の数値どおりの最大の満月とは限らない。

6. ちへいせんの つきが おおきいのは べつの はなし

6. 地平線の月が大きく見えるのは、別の現象

6. 区別 ── 月の錯視は距離の変化とは別の現象

うみや たてものの ちかくに、のぼったばかりの つきが おおきく みえる ことが あります。これは、めの さっかく(そう みえて いるだけ)と いわれます。

つきの ほんとうの おおきさは、そらの どこに あっても、ほとんど おなじです[7]。この ふたつは べつの はなしです。

月や太陽が地平線の近くで大きく見えるのは、目の錯覚です。実際の大きさは空のどこにあってもほぼ同じで[7]、原因もまだ完全には説明されていません。

この記事で見てきた「満月ごとの大きさの違い」は、月と地球の距離が変わることで、本当に視直径が変わる現象です。地平線の錯視とは分けて考える必要があります。

地平線付近の月や太陽が大きく見えるのは目の錯覚であり、その原因は完全には説明されていない。月や太陽の実際の大きさは、空のどこにあってもほぼ同じである[7]。

したがって、満月ごとの視直径の違い(距離の変化による物理的な変化)と、同じ夜に高さによって大きさが違って見える現象(知覚による変化)は、原因が別である。

7. じぶんでも しらべて みよう

7. 自分でも調べてみたくなったら

7. 自分でも調べてみたくなったら

つぎの まんげつの ひは、こよみで しらべられます。その よる、おうちの人と いっしょに、あんぜんな ばしょで、うでを のばして ゆびの つめで つきを かくして みましょう。おおきさを おぼえておくと、おもしろいです。

もし しゃしんが とれるなら、まいつき おなじ ばしょから、おなじ ズームで とって ならべて みましょう。ちがいが みえるかどうかは、やって みないと わかりません。

こくりつ てんもんだいの ホームページには、まんげつの くわしい ちがいが のって います。

今日できること:次の満月の日を暦で調べ、その夜、家の人といっしょに、安全な場所で、腕をいっぱいに伸ばして爪で月をかくしてみましょう。どれくらいの大きさか、体で覚えておくためです。

出かけてできること:スマートフォンなどで、毎月同じ場所から、同じズームの倍率で満月を撮っておき、並べてみましょう。差が目で見えるかどうかは、やってみないとわかりません。

公式情報:国立天文台の「今年最大の満月」や、FAQの「スーパームーンってなに?」を読むと、その年の数値が確かめられます。

年ごとの最大・最小の満月の日付と視直径は、国立天文台の「今年最大の満月」の各年ページ[2][4]で確認できる。FAQ[3]は用語の扱いを知るのに便利である。

英語の資料としては、NASA ScienceのSupermoonsのページ[5]と、JPLのTeachable Moment[6]がある。距離の平均値と14%という上限の意味は、原文で確かめるとよい。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

出典について:国立天文台・NASA・JPLの解説を使った。何に使ったかは、それぞれの項目の最後に書いている。

  1. 国立天文台「今年最大の満月(2017年12月)」。https://www.nao.ac.jp/astro/sky/2017/12-topics01.html (楕円軌道、近地点・遠地点の距離が毎回異なることについて)
  2. 国立天文台「2019年最大の満月」。https://www.nao.ac.jp/astro/sky/2019/02-topics01.html (満月の地心距離の範囲と、2019年の最大・最小の視直径について)
  3. 国立天文台FAQ「「スーパームーン」ってなに?」。https://www.nao.ac.jp/faq/a0207.html (直径で約14%・面積で約30%の差と、用語の扱いについて)
  4. 国立天文台「2025年で地球にいちばん近い満月」。https://www.nao.ac.jp/astro/sky/2025/11-topics03.html (2025年11月と4月の満月の比較と、写真で並べる方法について)
  5. NASA Science「Supermoons」。https://science.nasa.gov/moon/supermoons/ (近地点・遠地点の平均距離と、14%・30%の数値について)
  6. NASA JPL「Teachable Moment: What's a Supermoon」。https://www.jpl.nasa.gov/edu/resources/teachable-moment/whats-a-supermoon-and-just-how-super-is-it/ (爪でおおえる大きさが14%増えても目立たない、という説明について)
  7. 国立天文台FAQ「月や太陽が大きく見えるのはなぜ?」。https://www.nao.ac.jp/faq/a0202.html (地平線の月の錯視と、実際の大きさが変わらないことについて)

なおした ところ

更新履歴

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