1. インクは、どこに あるの?
1. インクもリボンも要らない印字
1. 感熱方式:インクを使わない印字
ふつうの プリンターには、インクや、インクを ぬった リボンが はいって います。レシートを だす きかいには、それが ありません。[1]
かわりに、ちいさな ヒーターが かみに ふれて、ねつを つたえます。すると、ふれた ところだけ 黒く なります。
ぬれた ところが にじんだり、インクが とび ちったり しないので、もじが くっきり します。スイッチを いれて すぐ うごくのも とくちょうです。[1]
一般的なプリンターは、インクやインクを含ませたリボンを紙に押しあてて印字します。ところがレシートを出す機械には、そのどちらも入っていません。熱を出す部品が、紙に直接ふれるだけです[1]。
この方式には、いくつか利点があるとされています。熱源を紙に接触させるので、インクのにじみや飛び散りが起きにくく、印字がはっきりします。電源を入れてすぐに印字でき、インクやカートリッジが要らないぶん、機械の構造も簡単になります[1]。
では、インクがないのに、なぜ黒くなるのでしょうか。答えは、機械ではなく紙の側にあります。
サーマル方式の印字は、熱源を媒体に接触させて行う。インクの「滲み」や「飛び散り」が起こりにくく、電源投入とほぼ同時に印字でき、リボンやカートリッジも不要で構造が簡単になる利点が、業界の解説で挙げられている[1]。
この方式で文字になるのは、熱を受けた場所の色が変わる紙、すなわち感熱紙を使うからである。色の元は機械ではなく紙の側に用意されている。
2. かみの なかには、なにが あるの?
2. 紙には、無色の染料と酸が別々に塗ってある
2. ロイコ染料と顕色剤:発色層の中身
レシートの かみの おもてには、ふつうは 色の ない 染料の こなと、酸の せいしつを もつ こなが、べつべつの つぶで ぬって あります。[2]
ふだんは、2つは はなれて いるので、色は つきません。ねつが かかると とけて、まざります。まざると、黒い 色が でます。[2] [3]
むらさきキャベツの しるに すを かけると 色が かわる、というのに すこし にて います。ただし ほんとうは、こちらは しるでは なく、かたい つぶが ねつで とけて おこる はなしです。
3. ヒーターは、どんな ものなの?
3. ごく小さな発熱体が、一列に並んでいる
3. サーマルヘッドはどう熱を伝えるのか
かみに ふれる ぶひんを「サーマルヘッド」と いいます。ちいさな ヒーターが、よこに ずらりと ならんで います。[1]
1つ 1つの ヒーターは、大きさが 数十マイクロメートルほどと いわれます。1ミリを 数十こに わけた、その 1こぶんくらいです。[4]
ひつような ところだけ ヒーターに でんきを ながして、ちょっとだけ あつく します。もじは、この ちいさな 黒い てんの あつまりです。
4. どんな ところで つかわれて いるの?
4. レシートだけでなく、切符や病院の出力にも
4. 普及の経緯と用途
この しくみは、レシートの ほかにも つかわれて います。きっぷや、ATMの めいさいなどです。[1]
びょういんで、からだの しゃしんを だす ところでも つかわれる ことが あると いわれます。[1]
ひろまった のは、1980ねんだいの ファクシミリから、と いわれて います。[1]
感熱記録は、1980年代にファクシミリ用として広がり始めたといわれます。今ではレシートのほか、切符、ATMの明細、医療でのX線・CT・MRIの画像出力などにも使われています[1]。
インクを補充する手間がなく、構造も簡単なので、決まった場所に置かれて短い文字や画像を大量に出す機械に向いていたのでしょう。ただ、その使い道の広さは、紙の性質と裏表でもあります。
5. どうして もじが きえて しまうの?
5. 熱・光・油・薬品で、色が消えることがある
5. 退色の要因:発色の逆向きの変化
この かみは、ねつで 色が でる しくみです。だから、ねつが かかる ところに おくと、ぜんたいが 黒く なったり、もじが うすく なったり する ことが あります。[3]
ひなたの つよい 光や、水、あぶらが つく ことも、もじが きえる げんいんに なると いわれます。[3]
アルコールの ような くすりが ふれた ときも、うすく なる ことが あります。[2]
6. きえにくく する ほうほうは あるの?
6. 消えにくい紙と、保管のくふう
6. 高保存タイプと保管
自分でも ためして みよう
自分でも調べてみたくなったら
自分でも調べてみたくなったら
今日できること
おうちの レシートを 1まい もらって、はさみで 2つに きります。1つは まどの ひなたに、もう 1つは ひきだしの 中に おいて、ときどき くらべて みましょう。すぐには かわらないかも しれません。かわらなくても、それも ひとつの けっかです。
出かけてできること
おみせで もらった レシートと、しばらく まえの レシートを ならべて、もじの 色の こさが ちがうか 見くらべて みましょう。ちがわなくても だいじょうぶです。
今日できること
レシートを1枚もらい、半分に切って、一方は窓の日なたに、もう一方は引き出しの中に置きます。数日ごとに見比べて、文字の濃さに違いが出るかを記録します。違いが出ないこともあり、変化がすぐに出ないこともあるので、変わらなかったときも結果として残します。火やアイロン、薬品は使いません。
出かけてできること
家にある古いレシートと最近のレシートを並べて、文字の濃さや色を見比べてみましょう。紙の種類や保管の仕方で差が出ないこともあります。
もっと調べたいとき
日本化学会「化学だいすきクラブ」の解説や、各メーカーの感熱紙のページに、発色のしくみが載っています。
しらべた もとの じょうほう
参考にした情報源
参考にした情報源と、その使い方
本文で使った資料の一覧です。
- セラミックスアーカイブズ「サーマルプリントヘッド」(2007) https://www.ceramic.or.jp/museum/contents/pdf/2007_1_03.pdf (ヘッドの構造・利点・用途)
- 日本化学会 化学だいすきクラブ「感熱紙の秘密を探る」 https://kdc.csj.jp/learning/item_2224.html (発色のしくみ・色が消える理由)
- 三菱製紙「感熱紙」 https://www.mpm.co.jp/ip/thermal-tech.html (発色層・退色の要因)
- 京セラ「サーマルプリントヘッドとは」 https://www.kyocera.co.jp/prdct/thermal-printheads/possibilities-technology/detail/about.html (ヒーターの大きさ・温度)
- 関東化学 バーチャル実験室 Q27 https://www.kanto.co.jp/jikken/question/q27/explanation.htm (色が戻る反応の説明)
なおした ところ
更新履歴
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