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ここにあるのは、だれかが実際に調べ、考え、作ってきたことを集めたメモです。気になったら、ページの下の「参考にした情報源」から、もとの本や記事、それを生み出した人たちに、直接ふれてみてください。このメモには書ききれないおもしろさが、そこにあります。

先の 信号しんごうが つぎつぎ 青に なるのは どうして? ── まちを 見まもる 部屋

先の信号が次々に青になるのはなぜか ── 街の車を見まもる交通管制センターの仕事

交通管制センターの仕事 ── 1965年の銀座の実験から、全国の信号と救急車の優先制御まで

分野:技術

1965ねん、東京の 銀座ぎんざの 町で、はじめて 交通の 信号しんごうに 電子の 計算きが つかわれました[4]。ひろさは、約やく1へいほうキロメートルです。

その 実験じっけんは、いま どう つづいて いるのでしょう。赤信号しんごうの あと 先の 信号しんごうが 青に なる ひみつと、けいさつの「こうつう かんせい センター」が、どんな 仕事を して いるのかが わかります。

1965年、東京・銀座の約1平方キロメートルで、信号を街路網全体で制御する実験が始まりました。交通の制御に、はじめて電子計算機が使われた実験です[4]。

赤信号のあと、先の信号が続けて青になるのはなぜでしょうか。その実験は、いまの警察の交通管制センターにどうつながったのでしょうか。センターが車の流れをどうつかみ、信号をどう変え、救急車の前をどう青にするのかが分かります。

1965年、東京・銀座の約1平方キロメートルで、交通制御に初めて計数型電子計算機が導入された[4]。街路網を「面」で制御する、日本で最初の試みだった。

この実験は、現在の交通管制センターへどう育ったのか。車の台数の計測から信号の調整、緊急車両の優先制御まで、センターの仕事の流れと、全国への広がり方が分かる。

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1. 町の 車は、だれが 見て いるの?

1. 赤信号の先で、信号が続けて青になる裏側

1. 交通管制センターは、何をどう集めるのか

赤信号しんごうで 止まったあと、先の 信号しんごうが つづけて 青に なって いて、スイスイ 走れた。そんな けいけんは ありませんか。

その うらには、町じゅうの 車を 見ている 部屋が あると いわれます。けいさつの「こうつう かんせい センター」です。

ある けんの けいさつの しりょうに よると、道に つけた きかいで 車の 数を はかり、カメラで 道の ようすを 見ます。けいさつかんや パトカーからも、知らせが 入ります[1]。

センターは車の量や道路のようすを集める

愛媛県警の資料によると、交通管制センターは、主要な道路や交差点に置いた車両感知器で車の量を測っています。主要な交差点のテレビカメラでは、道路のようすを見ています。警察官やパトカーからの情報も集めます[1]。

集めた情報は大型のコンピュータで処理して、信号機の制御と、交通情報板やラジオでの案内に使います[1]。つまりセンターは、「集める、考える、信号を動かす、知らせる」を、ひとつの部屋でつなぐ仕事です。

では、集めた数字は、信号をどう変えるのでしょうか。

警察の交通管制センターは、愛媛県警の資料では、車両感知器による交通量の計測、テレビカメラによる道路状況の監視、警察官やパトカーからの情報という3経路で情報を集める。これを大型コンピュータで処理し、信号機の制御と、交通情報板・ラジオを通じた広報を行う施設だと説明されている[1]。

警視庁も、センターを、道路交通情報の収集・分析・提供と、渋滞解消のための信号機調整を行う施設と説明する[9]。愛媛県警の資料と警視庁の説明では、どちらも情報の収集・分析・提供と信号調整を挙げている。では、集めたデータは信号の何を変えるのか。

2. 数を はかると、信号しんごうは どう かわる?

2. 交通状況に合わせて、青の長さとタイミングが変わる

2. データから信号へ ── 青時間の配分とリアルタイム変更

センターは、道の ようすに あわせて、青の ながさを かえます。

となりあう 信号しんごうが 青に なる 時こくも、ずらします。かながわけんの けいさつは、これを その ときの 車の ようすに あわせて、そのつど かえる と せつめいしています[2]。

青の ながさや 時こくを ととのえると、つづけて 青に なる ことが あります。ただし、いつも そう なる わけでは ありません。

青の長さと、隣の信号とのタイミング

神奈川県警は、交通状況の変化に応じて、各方向の青信号の時間の割りふりや、隣り合う信号機が青になるタイミングを、リアルタイムに変えると説明しています[2]。

警察白書では、車両感知器などで集めた交通量や走行速度のデータを分析して、その結果で信号機の制御や交通情報の提供を行う、と述べています[3]。

信号どうしをつなげて動かす系統制御や、青の開始のずれ(オフセット)の細かい話は、別のメモで詳しく書いています。

先に来る車を予想する方式

警察庁の資料には、プロファイル信号制御という方式も出てきます。上流の交差点で測った交通量から、下流の交差点に着く交通量を予測して、青の時間を決めるものです[8]。

神奈川県警は、交通状況の変化に応じて、各方向の青信号時間の割り当てと、隣接する信号機が青を表示するタイミングを、リアルタイムに変更すると説明する[2]。警察白書(平成22年版)も、交通量・走行速度のデータの分析結果に基づいて、信号制御と情報提供を行うとする[3]。

では、測るだけの制御と何が違うのか。警察庁交通規制課の資料(令和3年4月)にあるプロファイル信号制御は、上流の交差点の計測結果から下流に到着する交通量を予測し、それに応じて信号を決める方式だ[8]。測ってから反応するのではなく、先を予測して青を準備するところが違う。なお系統制御やオフセットは、このサイトの別のメモが詳しいので、ここでは繰り返さない。

3. 車が 止まらないと、なにが いいの?

3. 信号をつなぐと、CO2はどれだけ減るのか

3. 信号の集中制御で減ったCO2と、5年間の合計

車が とまる 回数が へると、いいことが あります。えひめけんの けいさつの しりょうには、じゅうたいが へる こと、おいかけて ぶつかる 事故じこが へる ことが のって います[1]。

とまる 回数が へると、でる ガスや 音も へらせる と いいます[1]。

けいさつちょうの しりょうでは、信号しんごうを センターに つなぐ ことで へらせた ガスの りょうが、2015〜2019年度の 5年間 ぜんぶで 704まん トンと 書かれて います[8]。1年の 数では ありません。

渋滞・事故・排出ガス・騒音

愛媛県警の資料は、センターの効果として、渋滞の緩和、追突などの事故の防止、停止回数が減ることによる二酸化炭素(CO2)の削減と騒音の低減を挙げています[1]。

警察庁の資料では、信号機の集中制御化(センターにつなぐこと)によるCO2の削減量は、2015〜2019年度の累計で704万トンです[8]。これは5年分の合計で、1年の量ではありません。

信号を1つ動かすだけで目に見える変化が出るわけではなく、街じゅうの信号をつなぐと、削減量が積み重なると考えられます。

愛媛県警の資料は、センターの効果として、渋滞緩和、追突などの事故防止、停止回数の減少によるCO2削減と騒音低減を挙げる[1]。警察庁交通規制課の資料(令和3年4月)では、信号機の集中制御化による温暖化対策の削減量は704万t-CO2で、2015〜2019年度の累計とされる[8]。

この数字は単年値ではなく5年間の合計である。年平均にすれば、704÷5=140.8万t-CO2程度という計算になるが、これは筆者の単純計算で、資料が示す値ではない。資料は、信号機の集中制御化(センターにつなぐこと)によるCO2削減量を示している。

4. はじめの 実験じっけんは、どこで やったの?

4. 1965年、銀座の約1平方キロメートルで信号制御の実験が始まった

4. 1961年の交通情報センターと、1965年の銀座の面制御

はじまりは、1965ねんの 東京・銀座ぎんざです。ひろさは、約やく1へいほうキロメートル。ここで、交通の 信号しんごうに はじめて 電子の 計算きが つかわれました[4]。

1965ねんには、銀座ぎんざの ひろい はんいで 信号しんごうを まとめて うごかす 実験じっけんが はじまりました。町ぜんたいを 1まいの 地図のように あつかう、さいしょの ためしでした[4]。

その 少し 前、1961ねんには、けいさつの 電話の あみを つかって、おもな 20本ほどの 道の 知らせを 集める 場所も できました。1964年の 東京オリンピックの 道の 対さくが、ひとつの ねらいでした[4]。

1961年と1965年

山口大学の経済学論集に載った、澤喜司郎さんの論文によると、1961年に警察電話網を使った交通情報センターが始まりました。主要な約20路線が対象で、1964年の東京オリンピックの交通対策が一つの目標でした[4]。これは情報を集めて知らせる施設で、信号を動かす交通管制センターとは別のものです。

そして1965年、街路網を「面」で制御する最初の試みとして、銀座地区の約1平方キロメートルで、広域交通信号制御システムが始まりました。信号を街路網の広い範囲でまとめて制御する試みで、交通制御にはじめて計数型電子計算機が入りました[4]。

「約1平方キロメートル」は、面積です。1辺が1キロメートルの正方形と同じ広さ、という意味で、実際の形が正方形というわけではありません。

澤論文(山口大学経済学論集)によれば、1961年に警察電話網による交通情報センターが主要約20路線を対象に発足し、1964年の東京オリンピックの交通対策が目標の一つだった[4]。これは情報収集・提供のシステムで、信号制御を担う交通管制センターとは別物である。

では、信号制御はいつ変わったのか。同論文は、1965年に銀座地区約1km²で、街路網の面的交通制御の最初の試みとして、日本独自の方式による広域交通信号制御システムが始まり、交通制御に初めて計数型電子計算機が導入されたと述べる[4]。「約1km²」は面積で、1辺1kmの正方形とは限らない。なお本稿は交通工学ハンドブック(1984)を引用した同論文の記述に依拠しており、実験の効果を示す数字は、使った資料に載っていない。

5. 銀座ぎんざの 実験じっけんは、日本じゅうに ひろがった?

5. 銀座の仕組みから、各地にセンターが広がった

5. 1968年の都心システムと、1971年から各地へ

銀座ぎんざの 仕組みは 3年あとの 1968ねんに なおされて、東京の 中心の 広い 場所の 信号しんごうを うごかす システムに なりました。さらに、道の 知らせを 集める 仕組みと くっつきました[4]。

それが、1971ねんから 日本の 町ごとに おかれ はじめた 交通 かんせい センターの もとに なりました[4]。

1984ねんどの おわりには、おもな 72の 町に センターが ありました。信号しんごうは ぜんぶで 11万6616き。そのうち、4きに 1きほどが、センターの コンピュータで うごいて いました[5]。いまの 数では ありません。

1968年から1971年へ

澤論文によると、1968年に銀座の仕組みを改良した東京都心広域交通信号制御システムが完成しました。これが交通情報センターのシステムと統合されて、「交通管制システム」になりました。それが、1971年から各地に置かれはじめた交通管制センターのシステムになった、と説明されています[4]。

1984年度の全国のようす

警察白書(昭和60年版)によると、1984年度に長岡市と佐世保市にセンターが新設され、都道府県庁所在地を含む主要72都市にセンターが整備されました。同じ年度末、全国の信号機116,616基のうち、26.7%にあたる31,162基が、センターのコンピュータで制御されていました[5]。

31,162÷116,616を計算すると約0.267で、およそ4基に1基の割合です。ただし、これは1984年度末の数字で、現在の割合ではありません。

澤論文は、1968年に銀座の方式を改良した東京都心広域交通信号制御システムが完成し、交通情報センターのシステムと統合されて「交通管制システム」となり、それが1971年から各地に設置された交通管制センターのシステムとなった、と説明する[4]。

では、その後どれくらい広がったのか。警察白書(昭和60年版)は、1984年度に長岡・佐世保にセンターが新設され、都道府県庁所在地を含む主要72都市にセンターが整備されたとする。同年度末の全信号機116,616基のうち、31,162基(26.7%)がセンターのコンピュータで制御されていた[5]。31,162÷116,616≒0.267で、約4基に1基にあたる。これは1984年度末の数字で、現在の値ではない。

6. きゅうきゅうしゃの 前は、どう 青に する?

6. 救急車の前を青にする信号制御

6. 現場急行支援システム(FAST)と、UTMSの仲間たち

いまの センターには、きゅうきゅうしゃを たすける 仕組みも あります。FAST(ファスト)と いいます。

きんきゅうの 車を、先に 走らせる ために、信号しんごうを うまく うごかして、げんばに つく 時間を へらします。きんきゅうで 走る ときの 事故じこも ふせぎます[6]。

2009ねんどの おわりには、13の とどうふけんで 作られて いました。いまの 数では ありません[6]。

FASTのねらい

FAST(現場急行支援システム)は、救急車などの緊急車両を優先して走らせる信号制御です。現場に着く時間を短くすることと、緊急走行による事故を防ぐことをねらっています[6]。

警察白書(平成22年版)によると、2009年度末で13都道府県が整備していました。これは当時の数字で、現在の数は、ここで使った資料からは分かりません[6]。

ほかにも仲間がいる

FASTのほかにも、UTMSには渋滞情報を知らせる仕組みやバスを優先する仕組みがあります[7]。

警察白書(平成22年版)は、FASTを、人命救助などの緊急業務に使う車両を優先的に走行させる信号制御で、現場到着時間の短縮と緊急走行に伴う交通事故防止を図るシステムとして説明する。平成21年度末で13都道府県が整備した[6]。この数は当時のもので、現在の整備状況は、使った資料では扱われていない。

FASTは、警察庁が整備するUTMS(新交通管理システム)の一つにあたる。同じ枠組みには、カーナビと双方向通信する光ビーコン、渋滞・所要時間の情報で交通の分散を促すAMIS、バス優先で定時性を確保するPTPSなどがある[7]。

自分でも しらべて みたく なったら

自分でも調べてみたくなったら

自分でも調べてみたくなったら

今日 できること

かえり道に、先の 信号しんごうが つづけて 青に なる ところが ないか、歩道から 見て みましょう。自分が すすむ むきの 信号しんごうで 見ます。道には 出ません。つづけて 青に なる ところと ならない ところを くらべて みます。

出かけて できること

東京の 警視庁けいしちょうには、こうつう かんせい センターの 見学が あります。見学は、前もって 電話で 予約よやくが いり、だんたいむけです。ようすは かわる ことが あるので、おとなの人と 公式の ページを 見て ください[9]。

今日できること

帰り道や買い物の道で、自分が進む向きの信号が、続けて青になる場所がないか、歩道から見てみましょう。道路には出ません。続けて青になる場所と、そうでない場所を比べると、信号のタイミングにどんな違いがあるか観察できます。

出かけてできること

警視庁の交通管制センターは、団体(36名まで)で事前に電話予約をすれば見学できます。月曜〜金曜(祝休日・年末年始を除く)で、1日4回、1回約50分と案内されています。条件は変わることがあるので、最新の情報は公式のページで確かめてください[9]。

公式情報にあたる

警視庁の交通管制センターは、月〜金(祝休日・年末年始を除く)、1日4回・各約50分、団体(36名まで)・事前電話予約で見学できる。条件は変わりうるので、最新は公式ページを確認するとよい[9]。

資料を読んでみる

警察白書は、昭和60年版でセンターの全国整備を、平成22年版でUTMSとFASTを読める。信号を動かす部屋の変化を、数字で追う手がかりになる[5][6]。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

本文の事実は、警察庁・各県警・警視庁の公式ページと、大学の紀要論文をつき合わせています。

  1. 愛媛県警察「交通管制センター」(パンフレット) https://www.police.pref.ehime.jp/kotsukisei/kansei_center.pdf (センターの仕事と効果)
  2. 神奈川県警察「交通渋滞対策(UTMS)」 https://www.police.pref.kanagawa.jp/kotsu/jutai/mesf3020.html (信号のリアルタイム調整)
  3. 警察庁「警察白書 平成22年版 第3章」 https://www.npa.go.jp/hakusyo/h22/honbun/html/m3410000.html (データ分析と信号制御)
  4. 澤喜司郎「道路交通情報システムの発達と道路交通管制」山口大学 経済学論集48巻1号 https://petit.lib.yamaguchi-u.ac.jp/8723/files/164697 (1961年・1965年・1968年・1971年の経緯)
  5. 警察庁「警察白書 昭和60年版 第3節」 https://www.npa.go.jp/hakusyo/s60/s600103.html (1984年度のセンター整備数)
  6. 警察庁「警察白書 平成22年版 第3章」FASTの節 https://www.npa.go.jp/hakusyo/h22/honbun/html/m3420000.html (FASTの目的と整備数)
  7. 警察庁「UTMS(警察におけるITS)」 https://www.npa.go.jp/bureau/traffic/seibi2/annzen-shisetu/utms/utms_sub.html (UTMSの仲間たち)
  8. 警察庁交通規制課「道路交通流対策について」(令和3年4月) https://www.env.go.jp/council/06earth/y0620-5b/900425023.pdf (プロファイル制御とCO2削減量)
  9. 警視庁「交通管制センターについて」 https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/about_mpd/welcome/kansei.html (センターの役割と見学の条件)

なおした ところ

更新履歴

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