1. さんりんしゃの 上で、子どもは なにを して いるの?
1. 三輪車の上で、子どもは「こぐ」「曲げる」を試している
1. 三輪車の上で試されているのは、「こぐ」と「曲げる」である
さんりんしゃに のった 子どもを よく 見て みましょう。足で ペダルを ふんで、すすみます。ハンドルを 回して、まがります。ハンドルを まっすぐに して、まっすぐ すすみます。
この「こぐ」「まがる」「まっすぐ すすむ」が、さんりんしゃで ためして いる 動きです。あそびの 中で、なんども くりかえす うちに、体の 使い方が 少しずつ 上手に なって いきます。
日本の 国が 出した 運動の 指針には、小さい 子は、いろいろな 動きを たくさん 身に つけて いく ことが のぞましいと 書かれて います[2]。「こぐ」は、そこで 道具を 使う 動きの れいに 入って います。
ただし、この 指針に さんりんしゃと いう ことばは ありません。さんりんしゃは「こぐ」を ためせる 身近な 道具の ひとつ、と 考えると よさそうです。では、子どもは なんさいごろから こげるのでしょうか。
ペダルを踏む、ハンドルを回す
三輪車に乗る子どもの動きを分けてみると、足でペダルを踏んで進む、ハンドルを回して向きを変える、ハンドルをまっすぐに保って進む、の3つが見えてきます。遊びの中でこれを何度も繰り返すうちに、体の使い方が少しずつ変わっていきます。
指針に出てくる「こぐ」
文部科学省の幼児期運動指針は、幼児期にいろいろな動きを幅広く身につけることと、毎日合計60分以上、楽しく体を動かすことが望ましいとしています[2]。動きは「体のバランスをとる動き」「体を移動する動き」「用具などを操作する動き」の3つに分けられていて、「こぐ」は3つめの例に入っています[2]。
ただし、この指針は三輪車を勧めているわけではなく、本文に三輪車という言葉も出てきません。「こぐ」が例に入っている、というところまでが確かなことです。では、子どもは何歳ごろから、実際に「こぐ」ようになるのでしょうか。
三輪車に乗る子どもの動きを分けると、ペダルを踏んで進む、ハンドルで向きを変える、まっすぐ保つ、の3つになる。公園での三輪車遊びとは、この3つを遊びの中で何度も繰り返す時間だといえる。
文部科学省の幼児期運動指針は、幼児期に多様な動きを幅広く獲得することと、毎日合計60分以上、様々な遊びを中心に楽しく体を動かすことを望ましいとしている[2]。動きは「体のバランスをとる動き」「体を移動する動き」「用具などを操作する動き」の3つに分けられ、「こぐ」は用具などを操作する動きの例に挙がる[2]。
ここで注意が要る。指針の本文に三輪車への直接の言及はなく、確かなのは「こぐ」が例に入っているところまでである。三輪車がそれを育てると指針が述べているわけではない。では、子どもは何歳ごろから実際にこげるようになるのか。
2. なんさいごろから、じぶんで こげるように なるの?
2. 自分でこげる子が増えるのは、2歳〜2歳半ごろから
2. 自力でこげるのは2歳〜2歳半ごろ:それまでは「蹴る」と「押される」
1さいごろから、さんりんしゃの サドルに すわれる 子が います。でも、ペダルを じぶんで こげる 子が ふえるのは、2さいから 2さい半ごろからと いわれます[3]。
それまでは、うしろの 手で おす ぼうで おして もらいます。足で じめんを けって すすむ 子も います。ペダルを ふむ ことも、はじめは けるのと まぜながら、だんだん できるように なります[4]。
おわる ころは、3さいから 4さいごろ。身長が 100センチに 近づくと、体が きゅうくつに なって、こぎにくく なるそうです[5]。
ただし、これは めやすです。体の 大きさや、できるように なる 時期は 人に よって ちがいます。はやい おそいで 心配する ことは ありません。
1歳ごろは「座る」、2歳ごろから「こぐ」
育児情報の記事によると、1歳ごろからサドルに座って乗り始める子がいますが、自分でペダルをこげる子が増えるのは、2歳から2歳半ごろとされます[3]。別の記事でも、国内メーカーの対象年齢は1〜3歳が多く、2歳ごろから上手に一人でこぐ子が増える、と説明されています[5]。
それまでの間は、手押し棒で押してもらったり、足で地面を蹴ったりして進みます。慣れてくると、足を交互に踏み込んで進むようになります[4]。
卒業の目安は身長100cm
卒業は3〜4歳ごろ、身長が100cm近くになって、体勢が窮屈になる頃が目安とされています[3][5]。どちらの資料も、年齢は目安にすぎず、体格や発達によって個人差が大きいと断っています。
ところで、ふつうの三輪車は、ペダルもハンドルも同じ前輪についています。この作りは、自転車とどう違うのでしょうか。
育児情報の記事によると、三輪車には1歳ごろからサドルに座れる子が乗り始めるが、自力でペダルをこげる子が増えるのは2歳〜2歳半ごろからである[3]。別の情報でも、国内メーカーの対象年齢は1〜3歳が多く、2歳ごろから上手に一人でこぐ子が増えるとされている[5]。
それまでの時期は、手押し棒で押してもらうか、足で地面を蹴って進む。慣れると足を交互に踏み込む動きに移っていく[4]。つまり「こぐ」は、ある日突然できるのではなく、蹴る動きと混ざりながら少しずつ育つ動きだと読める。
卒業の目安は3〜4歳ごろ、身長が100cm近くになって体勢が窮屈になり、こぎにくくなる頃である[3][5]。いずれも、年齢は目安にすぎず、体格や発達に合わせて選ぶべきだという但し書きがつく。三輪車で遊ぶ期間は、およそ2年ほどの短い時期だと分かる。
この短い時期に、三輪車はどんな乗り物として働くのか。その構造から見ていく。
3. さんりんしゃは、じてんしゃと どこが ちがうの?
3. ペダルもハンドルも前輪にある乗り物
3. 三輪車では前輪にペダルとハンドルの動きが集まる
ふつうの 子ども用の さんりんしゃは、ペダルが 前の 車輪に ついて います。ハンドルも 前の 車輪を 回します。うしろの 2つの 車輪は、車体を ささえて います[6]。
3つの 車輪で 立って いるので、たおれにくいのです。バランスを あまり とらなくても のれます[6]。
ブレーキが ある ものと ない ものが あり、さんりんしゃに よって ちがいます。さか道では 気を つけて、おとなの 人に 見て もらいながら あそびましょう。
自転車は、バランスを とらないと たおれます。さんりんしゃで 「こぐ」「まがる」は れんしゅうできますが、バランスの れんしゅうは 自転車の ほうが 大きいと いえそうです。
ペダルとハンドルの動きが前輪に集まる
ふつうの子ども用三輪車は、ペダルが前輪に直結していて、ハンドルで向きを変えるのも前輪です。後ろの2輪は駆動せず、車体を支えています[6]。こぐ動きと曲がる動きが、同じ1つの車輪に集まっているので、子どもにとっては「足を動かすと進み、手を動かすと向きが変わる」という関係が分かりやすい作りだといえます。
3輪で安定しているので、倒れにくい
3輪で安定していて、あまりバランスをとらなくても乗れます[6]。ブレーキの有無は製品によって異なるため、坂道では注意が要ります。この説明は一般的な構造の紹介で、型によっては前が2輪のものや、足で蹴って進む型もあります。
自転車は、バランスをとらないと倒れます。三輪車は、同じ「こぐ」と「曲げる」でも、倒れる心配が小さいぶん、動きだけに集中しやすい乗り物です。では、そこで育つといわれる「バランス感覚」は、どこまで本当なのでしょうか。
ふつうの子ども用三輪車は、ペダルが前輪に直結し、ステアリングも前輪が担う。後輪は駆動せず、車体を支える[6]。ペダルを踏む力と向きを変える動きが同じ車輪に集まるため、「足を動かすと進み、手を動かすと向きが変わる」という対応が単純になっている。
3輪で安定するため、あまりバランスをとらなくても乗れる[6]。ブレーキの有無は製品によって異なり、坂道では注意が要る。ただしこれは構造の一般論であり、前2輪型や足蹴り型もあって、型によって異なる。
育児情報は、三輪車が自転車によく似た動きで、安定してこげるとバランス感覚が養われると説明する[4]。しかし構造の説明では、三輪車はバランスをあまりとらなくても乗れる乗り物である。構造だけでは、バランス感覚が育つとは判断できない。動きが似ていることと、バランスが育つことは、別の話として読む必要がある。
では、育つといわれる力は、どこまでが確かなのか。
4. さんりんしゃで、体の ちからは そだつの?
4. 三輪車で育つといわれる力は、どこまで確かか
4. 「脚力・背筋力・バランス感覚」の根拠:言い方の強さを読み分ける
さんりんしゃは、足の ちからや、せなかの ちから、バランスを そだてる のに やくだつと いわれます[3]。ハンドルを 回して ペダルを こぐ 動きが、自転車に にて いるからです[4]。
ただ、これは 子育ての 記事に 書かれて いる ことです。「かならず そだつ」と、じっけんで たしかめられた わけでは ありません。
さんりんしゃは、そだてる ためだけの 道具では ないと 思います。のって 楽しい、行きたい 所へ 行ける、それが 子どもには いちばん 大きい ことでしょう。
そして、こうえんには、さんりんしゃで もっと はっきりした ことを ためせる 場所も あります。
「といわれる」の中身
三輪車は「脚力・背筋力・バランス感覚を育むのに役立つといわれる」と紹介されます[3]。ハンドルを操作しながらペダルをこぐ動きが自転車に似ていて、安定してこげるようになるとバランス感覚が養われる、という説明です[4]。
これは育児情報の記事の言い方で、実験で確かめた結果として示されているわけではありません。「必ず育つ」と読むのではなく、「そういわれている」と受け取るのが適切です。
育てるためだけの乗り物ではない
公的な指針が求めているのは、いろいろな動きを、遊びの中で楽しく経験することです[2]。三輪車は、その中の「こぐ」を試せる道具のひとつです。三輪車のおかげで特定の力が育った、と言い切れなくても、乗って楽しく動く時間そのものに意味がある、と読むことはできます。
さて、公園の中には、三輪車でさらに別の動きを試せる場所があります。
三輪車は「脚力・背筋力・バランス感覚を育むのに役立つといわれる」と紹介される[3]。理由として、ハンドル操作とペダルこぎという自転車に似た動きを挙げ、安定してこげるようになればバランス感覚が養われるとする[4]。
しかし、この記述の強さは限られている。どちらも一般向けの育児情報であり、実験で効果を確かめた結果は示されていない。「といわれる」は、そう説明されることが多い、という意味にとどまる。
公的な指針が求めているのは、多様な動きを遊びの中で楽しく経験することである[2]。三輪車は、その中の「こぐ」を試せる道具のひとつだ。特定の力が育つかどうかを強く言えなくても、毎日の遊びの中で体を動かす時間をつくる、という役目は読み取れる。
では、三輪車が体の動きの練習だけでなく、別の使われ方をする場所はないのか。
5. こうえんの 中の 「小さな 町」では、なにを するの?
5. 公園の中の「小さな町」で、三輪車は何の役に立つのか
5. 交通公園で三輪車に乗り、交通ルールを練習する
目黒区の 交通こうえんには、信号、横断歩道、踏切、標識の ある コースが あります。たのしみながら、交通の ルールを 身に つける ことが できます[1]。
さんりんしゃなどを かして もらって、コースを 走ります。信号や 標識の ある コースで、町と おなじ 交通ルールを、安全な 場所で ためせます[1][7]。
こういう 「交通こうえん」は、「あそびながら、交通の 知しきや ルールを 体で おぼえる」ために つくられる 公園と いわれて います。車が ふえて、子どもの じこが 心配された ことが、広がった わけだと される ようです[8]。
小さい 子や はじめての 子には、おとなが そばに ついて いて ほしいと されて います[1]。みなさんも、一度 行って みては どうでしょう。
信号も横断歩道もある公園
目黒区の児童交通公園には、信号・横断歩道・踏切・標識のあるコースがあり、楽しみながら交通ルールを身につけられます。中学生以下は自転車を無料で借りられ、幼児用の三輪車なども用意されています。幼児や初心者は、安全のため付き添いが求められています[1]。
東京都大田区の萩中公園のように、未就学児に三輪車などを貸し出している交通公園も紹介されています[7]。信号や横断歩道のあるコースを三輪車で走りながら、道路の交通ルールを、車のいない場所で試せます。
なぜ公園の中に町をつくったのか
交通公園は「児童が遊びながら交通知識や交通ルールを体得させること」を目的にした都市公園と説明されます。広がった背景には、自動車の急増と子どもの交通事故があるとされます[8]。ただしこの説明は百科事典的な情報で、設置の経緯は自治体ごとに異なるはずです。
三輪車で学んだ「こぐ」「曲がる」「止まる」が、信号や横断歩道のある場所で、行動のルールに結びついていく。公園の三輪車の役目は、体の動きの練習から、まちで安全に動くための練習へと広がります。
目黒区の児童交通公園は、信号・横断歩道・踏切・標識のあるコースで、楽しみながら交通ルールを身につけられる施設である。中学生以下に自転車を無料で貸し、幼児用の三輪車なども用意する。幼児や初心者は、安全のため付き添いを求められる[1]。大田区の萩中公園でも、未就学児に三輪車などが貸し出されている[7]。
このような交通公園は、「児童が遊びながら交通知識や交通ルールを体得させることを目的として設置される都市公園」と説明され、背景には自動車の急増と子どもの交通事故があるとされる[8]。ただし、この記述は百科事典的な二次情報であり、日本初の開設年を含めて、自治体の資料で再確認するのが望ましい。
ここで、三輪車の役目が変わって見える。ふつうの公園では「こぐ」「曲げる」という動きを試す道具であったが、交通公園では、信号や横断歩道のあるコースで、道路の交通ルールを、車のいない場所で練習する道具になる。動きの練習と、ルールの練習が、同じ三輪車の上でつながっている。
6. 近くの 公園で、さんりんしゃの 動きを 見て みよう
6. 近くの公園で、三輪車の「動き」を見てみる
6. 確かめ方:公園での観察と、自治体の案内の読み方
こうえんで さんりんしゃに のって いる 子を、少し はなれた ところから 見て みましょう。ただし、人の 子の じゃまを したり、じっと 見つめたり しては いけません。見る ところは、「こぐ」「まがる」「まっすぐ」です。
ペダルを ふんで すすむ 子、足で けって すすむ 子、おとなに おして もらう 子が いるかも しれません。どんな 動きが 見えるか、数えて みましょう。公園に のって いる 子が いなければ、おうちに ある さんりんしゃで、動きを ためして みても よいでしょう。
3月3日は「さんりんしゃの 日」と いう 記念日です。さんりんの「3」が ふたつ ならぶ ことから、えらばれたと いわれます[9]。
ちかくの 公園や 交通こうえんの あんないを、おうちの 人と いっしょに、市や 区の ホームページで たしかめて みましょう。
見る場所を決めて観察する
公園で三輪車に乗る子を、少し離れた場所から見てみましょう。じっと見つめたり、近づいて邪魔をしたりしないことが決まりです。見るのは「こぐ」「曲がる」「まっすぐ進む」の動きです。足で蹴って進む子、ペダルを踏む子、押してもらう子がいるかもしれません。どんな動きが見えるかを数えてみると、この記事で読んだことが、目の前の動きと重なります。公園に乗っている子がいなければ、家にある三輪車で動きを試してみてもよいでしょう。
近くの交通公園を調べる
自分の住む市や区に交通公園があるかは、自治体のホームページで探せます。貸し出しの対象年齢、付き添いの決まり、私物の持ち込みが認められるかは、施設ごとに異なります[1]。なお、3月3日は「三輪車の日」として紹介されています[9]。
三輪車の動きを見るなら、「こぐ」「曲げる」「まっすぐ進む」のどれが見えるかを、少し離れた場所から確かめるとよい。足で蹴る動き、ペダルを踏む動き、押される動きがあり、本稿で読んだ段階の分け方が、目の前の動きと重なるかを確かめられる。乗っている子が見当たらなければ、家にある三輪車で動きを試す方法もある。
資料としては、文部科学省の幼児期運動指針の本文(動きの3分類の表)を直接読むのがよい。「こぐ」がどの分類に入るか、三輪車への言及があるかを自分の目で確かめられる[2]。また、自治体の交通公園の案内を読み比べると、貸し出しの対象、付き添いの有無、私物の持ち込みの可否が、施設ごとに違うことが分かる[1]。
なお、3月3日は「三輪車の日」として紹介されている。2つの「3」が三輪を連想させることから選ばれたという[9]。
しらべた もとの じょうほう
参考にした情報源
参考にした情報源と、その使い方
本文は、ここにある資料の内容を、自分の言葉で言いかえたものです。年・名称・数値は、資料によって細部が異なることがあります。
- 目黒区「児童交通公園」 https://www.city.meguro.tokyo.jp/douro/shisetsu/sports/fusuma-2.html (コース・貸出・付き添い。自治体の一次情報)
- 文部科学省「幼児期運動指針」 https://www.mext.go.jp/a_menu/sports/undousisin/1319771.htm (動きの3分類と「こぐ」。三輪車への言及はない)
- HugKum「三輪車はいつから?」 https://hugkum.sho.jp/111444 (乗り始めと卒業の目安、育つといわれる力。育児情報)
- 360LiFE「三輪車の選び方と乗り方」 https://360life.shinyusha.co.jp/articles/-/36139 (乗り方の段階、自転車に似た動き。育児情報)
- All About「三輪車の選び方」 https://allabout.co.jp/gm/gc/178839/ (対象年齢と身長の目安。玩具情報)
- Wikipedia「三輪車」 https://ja.wikipedia.org/wiki/三輪車 (前輪駆動の構造。二次資料)
- るるぶKids「交通公園」 https://kids.rurubu.jp/article/17683/ (交通公園の使われ方、萩中公園の貸出。二次情報)
- Wikipedia「交通公園」 https://ja.wikipedia.org/wiki/交通公園 (目的と背景。二次資料)
- ベストカレンダー「三輪車の日」 https://bestcalendar.jp/articles/1424 (記念日の由来。二次情報)
なおした ところ
更新履歴
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