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ここにあるのは、だれかが実際に調べ、考え、作ってきたことを集めたメモです。気になったら、ページの下の「参考にした情報源」から、もとの本や記事、それを生み出した人たちに、直接ふれてみてください。このメモには書ききれないおもしろさが、そこにあります。

AIは でんきや 水を どれくらい つかうの?

AIは電気や水をどれくらい使うのか ── 便利さの裏側を測る方法

AIは電気や水をどれくらい使うのか ── 推定値の変遷と、いま分かっていること

分野:技術

AIに 1かい しつもんすると、でんきや 水が つかわれて います。

どれくらい つかって いるのでしょうか。じつは、この すうじは ここ すうねんで おおきく かわって きました。

この きじでは、わかって いる ことを、じっさいの すうじで 見て いきます。

AIに1回質問すると、電気や水が使われています。

どれくらい使っているのでしょうか。実は、この数字はここ数年で大きく変わってきました。

この記事では、分かっていることを、実際の数字で見ていきます。

生成AIに1回質問すると、電気や水がどれくらい使われているのか。この問いへの答えは、この数年で大きく変わってきた。

この記事では、Googleが2025年に公表した実測値、専門家による推定値がなぜ何倍も変動してきたのか、そしてAI全体で見たときのデータセンターの電力需要の伸びまでを、それぞれの数字の出どころを明らかにしながらたどる。

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1. 1かいの しつもんで、どれくらい つかうの?

1. 1回の質問で、どれくらい使うのか

1. 質問1回で、実際どれくらい使うのか ── Googleが公表した実測値(2025年8月)

2025年8月、グーグルという 会社が、自分たちの AI 「ジェミニ」に 文字で 1かい しつもんした ときに つかう でんきや 水の りょうを はっぴょうしました [1]。

それに よると、でんきは テレビを 9びょう みまん 見る のと おなじくらい(0.24ワットじ)、水は 0.26ミリリットル (しずく 5てき ぶん くらい)でした[1]。

Googleが自社サービスで測った数字

2025年8月、Googleという会社が、自社のAI「Gemini」に文字で1回質問したときに使う電気や水の量を発表しました[1]。

電気0.24Wh、水0.26ミリリットル

それによると、電気はテレビを9秒未満見るのと同じくらいの0.24Wh(ワット時)、水は0.26ミリリットル(しずく5滴ぶんくらい)でした(どちらも真ん中あたりの値)[1]。テレビを9秒未満見るのと同じくらいの電気だと説明されています[1]。ただしこの数字は、Geminiでのテキスト質問にかぎった測定で、画像や動画を作るとき、AIを訓練するときの電気は含まれていません[1]。

AIへの質問1回は、電気や水をどれくらい使うのか。この問いに、GoogleはGeminiアプリのテキストプロンプト1回あたりのエネルギー消費・二酸化炭素排出・水消費について、実測にもとづくデータを公表した(2025年8月)[1]。

それによると、中央値でエネルギー消費量は0.24Wh、二酸化炭素排出量は0.03g-CO2e、水消費量は0.26ミリリットル(しずく約5滴ぶん)だった。テレビを9秒未満視聴するのとほぼ同じエネルギー量だと説明されている[1]。しかも、過去12か月間で、質問1回あたりのエネルギー消費量は33分の1に、二酸化炭素排出量は44分の1に減少したともしている[1]。

ただし、この数字がどこまで通用するのかには限りがある。測定はテキストプロンプトのみを対象としており、画像・動画生成や、モデルの訓練にかかるエネルギー消費は範囲外である[1]。また、この数字はGoogleの設備で測ったものであり、別の会社の設備やAIサービスでは、使う電気や水の量が違う可能性がある。

2. すいていちは、なぜ かわって きたの?

2. 推定値は、なぜ大きく変わってきたのか

2. 以前の推定値は、なぜ10倍も違っていたのか

2023年ごろ、「AIに 1かい しつもんすると、でんきを 3ワットじ くらい つかう」と いう すいそくが、よく つかわれて いました。

でも 2025年、べつの けんきゅうしゃたちが あらためて しらべた ところ、その やく10ぶんの1である 0.3ワットじ くらいだろうと いう けっかに なりました[2]。りゆうは、 AIの しくみや つかう コンピュータが、すくない でんきで うごくように なった ことと、さいしょの すいそくが こたえの ながさを おおく 見つもり すぎて いた ことです [2]。

2023年ごろの推測は「3Wh」

2023年ごろ、「AIに1回質問すると、電気を3Whくらい使う」という推測が、報道などでよく使われていました。

2025年の見直しで「0.3Wh」に

しかし2025年、別の研究者たちが改めて計算しなおしたところ、その約10分の1である0.3Whくらいだろうという結果になりました[2]。理由は、AIの仕組みや使うコンピュータが効率よくなったことと、最初の推測が「答えの長さ」を実際より多く見つもりすぎていたことです[2]。Googleが発表した0.24Whという数字も、この見直し後の数字に近い水準です。

Googleの実測値が出るまで、世の中で使われていたのは別の数字だった。研究者アレックス・デ・フリース氏が2023年に発表した「ChatGPTへの1回のクエリで約3Whを消費する」という推定値は、報道などで広く引用されてきた。

ところが2025年、Epoch AIの研究者らが改めて見積もったところ、代表的な質問1回あたりのエネルギー消費量は約0.3Whという、およそ10分の1の結果になった[2]。では、なぜこれほど違ったのか。この差の主な要因は、2023年当時と比べてモデルやハードウェアの効率が向上したことに加え、デ・フリース氏の推定が「1回の質問で2000トークンの出力」という、実際の利用実態よりかなり多い仮定にもとづいていたためである。Epoch AIはより実態に近い500トークンという仮定で再計算している[2]。

Googleが独自に測定した0.24Whという数字も、この見直し後の水準とおおむね一致している。ただし、これらは異なる企業・異なるモデル・異なる測定方法にもとづく数字であり、単純に並べて比較できるものではない点には注意が必要だ。

3. AIぜんたいでは、どれくらい つかうの?

3. AI全体では、どれくらい使うのか

3. 1回は小さくても、全体ではどうなるのか ── IEAの分析

1かいの しつもんは、すこししか でんきを つかいません。でも、 せかいじゅうで ものすごい かいすう つかわれて いるので、 ぜんぶ あわせると おおきな りょうに なります。

こくさいエネルギーきかん(IEA)と いう そしきの しらべに よると、AIや いろいろな インターネットの サービスを ささえる「データセンター」ぜんたいで つかう でんきは、 2024年に やく415テラワットじでした[3]。これは 2030年までに、 やく2ばいの 945テラワットじまで ふえると よそくされて います[3]。

1回は小さくても、合わせると大きい

1回の質問で使う電気はわずかです。しかし、世界中でものすごい回数使われているため、全部合わせると大きな量になります。

IEAの分析 ── 2030年には2倍に

国際エネルギー機関(IEA)の分析によると、AIやさまざまなインターネットサービスを支える「データセンター」全体で使う電気は、2024年に世界で約415テラワット時でした[3]。これは2030年までに、約2倍の945テラワット時まで増えると予測されています[3]。

1回あたりの消費電力はごくわずかでも、世界中で膨大な回数利用されるため、総量では無視できない規模になる。では、その規模はどれほどか。

国際エネルギー機関(IEA)が2025年4月10日に発表した報告書「Energy and AI」によると、世界のデータセンター全体の電力消費量は2024年時点で約415テラワット時、世界全体の電力消費量の約1.5%を占めている[3]。この量は、基本シナリオでは2030年までに約945テラワット時へとほぼ倍増すると予測されている[3]。この伸びの中心にあるのが、AIの処理に使われる高性能サーバー向けの電力需要だと分析されている。

4. なんで 水も つかうの?

4. なぜ、水も使うのか

4. なぜデータセンターは水を使うのか ── 冷却のための蒸発

データセンターの中の コンピュータは、うごく あいだ とても あつく なります。あつく なりすぎると こわれて しまうので、 ひやす ひつようが あります。

ひやす ほうほうの 1つが、水を じょうはつさせる ほうほうです。あせを かくと すずしく かんじる のと にた しくみで、 水が じょうはつして 空気の 中に ひろがる ときに まわりの ねつを うばって いく ことを りようして いるのです。この ほうほうでは、じょうはつした 水は もう つかえないので、水を どんどん つかう ことに なります。

コンピュータの熱を冷やす必要がある

データセンターの中のコンピュータは、動いているあいだとても熱くなります。熱くなりすぎるとこわれてしまうので、冷やす必要があります。

水を蒸発させて冷やす方法

冷やす方法の1つが、水を蒸発させる方法です。汗をかくと涼しく感じるのと似たしくみで、水が蒸発するときに周りの熱をうばっていくことを利用しています。この方法では、蒸発した水はもう使えないので、水をどんどん使うことになります。

電気を使うAIが、なぜ水まで必要とするのか。データセンター内のサーバーは稼働中に大量の熱を発生させる。この熱を一定の温度以下に保てないと、機器の故障やパフォーマンス低下につながるため、冷却が不可欠だ。

代表的な冷却方式の1つが、水の気化熱を利用する蒸発式冷却である。汗が蒸発するときに体の熱をうばって涼しく感じるのと同じ原理で、水が液体から気体に変わるときに周囲の熱を吸収する性質を利用している。ところが、この方式では蒸発した水はそのまま大気中に失われる。そのため、継続的に新しい水を補給する必要があり、これがデータセンターの水消費量の主な要因になっている。

5. へらす くふう

5. 使う量を減らす工夫

5. 水の消費は、減らせるのか ── 水を蒸発させない冷却

マイクロソフトと いう 会社は、2024年8月から、水を じょうはつさせずに ひやす、あたらしい データセンターの つくりかたを はじめました[4]。

この つくりかたなら、水を そとに にがさずに、おなじ 水を なんども つかいまわす ことが できます。この つくりかたが ひろまると、1つの データセンターで、1年間に 1おく2500まん リットルいじょうの 水を、つかわずに すむと されて います[4]。

水を蒸発させない設計

マイクロソフトという会社は、2024年8月から、水を蒸発させずに冷やす、新しいデータセンターの作り方を始めました[4]。

1施設で年間1億2500万リットルの節約

この作り方なら、水を外に逃さず、同じ水を何度も循環させて使うことができます。この設計が本格的に動き出すと、1つのデータセンターで、1年間に1億2500万リットル以上の水を使わずにすむとされています[4]。2024年8月以降に設計されるマイクロソフトのデータセンターは、原則としてこの方式になる予定です[4]。

蒸発で水が失われるなら、蒸発させなければよい。Microsoftは2024年8月以降、水を蒸発させずに循環させ続ける「クローズドループ方式」の冷却を採用した新しいデータセンター設計を導入している[4]。

この方式では、建設時に充填した水を密閉した系統内で循環させ続けるため、稼働後に新たな水を継続的に補給する必要がない。この設計により、データセンター1施設あたり年間1億2500万リットル以上の水使用を回避できるとされている[4]。実際の導入はこれからで、アリゾナ州フェニックスとウィスコンシン州マウント・プレザントの新施設で2026年に試験導入され、2027年後半から本格稼働する計画である[4]。

6. どう かんがえれば いいの?

6. どう考えればいいのか

6. 数字を、どう受け止めればよいのか ── 規模と推定の限界

1かいの しつもんだけを 見ると、つかう でんきや 水は とても すくないです。でも、せかいじゅうで つかわれる かいすうを あわせると、はなしは かわって きます。

そして、この きじで しょうかいした すうじも、これから さらに かわって いく かのうせいが あります。だいじな ことは、1つの すうじだけを しんじるのでは なく、「いつ、 だれが、どうやって はかったのか」を たしかめる ことです。

1回は小さくても、合わせると大きい

1回の質問だけを見ると、使う電気や水はとても少ないです。しかし、世界中で使われる回数を合わせると、話は変わってきます。

数字の出どころを確かめる

そして、この記事で紹介した数字も、これからさらに変わっていく可能性があります。大事なのは、1つの数字だけを信じるのではなく、「いつ、誰が、どうやって測ったのか」を確かめることです。

個々の質問1回あたりの消費量は小さくても、利用回数の規模をかけあわせると、データセンター全体の電力需要という形で無視できない量になる。この「個別には小さいが、総量では大きい」という構造は、AIの環境負荷を考えるときに欠かせない視点だ。

では、紹介した数字は、どこまで信じてよいのか。この記事で紹介した数字の多くは、公表からまだ日が浅く、今後さらに更新される可能性がある。デ・フリース氏の2023年の推定に対し、2025年にEpoch AIが別の前提で再推定し、約10分の1という結果を示したように、測定方法や前提条件の違いによって、同じ「1回の質問」でも算出される数字は大きく異なる。1つの数字だけを鵜呑みにせず、その数字がいつ・誰によって・どのような前提で測定されたものかを確認する必要がある。

じぶんでも やって みる

自分でも調べてみたくなったら

自分でも調べてみたくなったら

おうちで つかって いる でんきの りょうは、電気りょうきんの おしらせなどで 見る ことが できます。

きょう できる こと

  • おうちの でんきの りょうを しらべて みる。 電気りょうきんの おしらせを、おうちの人と いっしょに 見て みましょう。
  • 1ワットじが どれくらいか かんがえて みる。 LEDでんきゅうを 1じかん つけっぱなしに すると、 だいたい どれくらいの でんきを つかうか、 おうちの人と しらべて みましょう。
メモの すすめ

きょう 出て きた ことばを 1つだけ ノートに 書いて おきましょう。「データセンターって なに?」だけで じゅうぶんです。

おうちで使っている電気の量は、電気料金のお知らせなどで見ることができます。

今日できること

  • おうちの電気の量を調べてみる。電気料金のお知らせを、おうちの人といっしょに見てみましょう。
  • 他の家電と比べてみる。エアコンや電子レンジが1時間にどれくらいの電気を使うか調べて、AI1回分の電気(0.24Wh)と比べてみましょう。
メモのすすめ

気になった数字を1つだけ書いておくと、あとで調べる入口になります。「テラワット時って、ワット時の何倍?」だけでも十分です。

0.24Whと415TWhは、どれくらい離れた数字なのか。電力使用量の単位(Wh、kWh、TWh)の関係を整理しておくと、この記事で出てきた数字の規模感がつかみやすくなる。

手を動かして確かめる

  • 単位換算をしてみる。1TWh(テラワット時)は1兆Wh(ワット時)だ。Googleが公表した1回0.24Whという数字と、IEAが示した年間415兆Whという数字が、どれくらいのけたの差があるか計算してみよう。
  • 一次資料の測定方法を読む。Googleの技術文書やIEAの報告書では、何を測定に含め、何を含めていないかが明記されている。数字だけでなく、その前提条件にも注目してみてほしい。
メモのすすめ

気になった数字や単位を1つだけノートに記録しておこう。「推定値は2年で10分の1になった」という変化そのものでもかまわない。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

この記事は、下にあげた公開情報をもとに書いています。文章や図を無断で転載してはいません。もっと正確に知りたいときは、必ず下の出典にあたってください。リンク先の内容や、リンク先で起きたことについて、当サイトは責任を負いません。

出典について:Googleは自社の測定結果を公表した公式ブログ、IEAは国際エネルギー機関という政府間組織、Epoch AIはAIの動向を分析する研究機関、Microsoftは自社の取り組みを公表した公式ブログです。

  1. Google Cloud Blog, “Measuring the environmental impact of AI inference”(英語)。 https://cloud.google.com/blog/products/infrastructure/measuring-the-environmental-impact-of-ai-inference (2025年8月、Geminiアプリのテキストプロンプト1回あたりのエネルギー・CO2・水消費量の実測データ公表)
  2. Epoch AI, “How much energy does ChatGPT use?”(英語)。 https://epoch.ai/gradient-updates/how-much-energy-does-chatgpt-use (2025年の再推定と、2023年の推定値との比較、差が生まれた理由の解説)
  3. Scientific American, “AI Will Drive Doubling of Data Center Energy Demand by 2030”(英語。IEA「Energy and AI」報告書の内容を報じた記事)。 https://www.scientificamerican.com/article/ai-will-drive-doubling-of-data-center-energy-demand-by-2030/ (2025年4月10日発表のIEA報告書にもとづく、世界のデータセンターの電力消費量の実績と予測の報道。IEA公式サイトは自動アクセスを制限しており、直接リンクできないため報道記事を出典とした)
  4. Microsoft Cloud Blog, “Sustainable by design: Next-generation datacenters consume zero water for cooling”(英語)。 https://www.microsoft.com/en-us/microsoft-cloud/blog/2024/12/09/sustainable-by-design-next-generation-datacenters-consume-zero-water-for-cooling/ (2024年8月からのゼロウォーター冷却設計と、節水量・導入計画の公式発表)

なおした ところ

更新履歴

更新履歴(改版の記録)

  •  初版を公開。
  •  中学生むけの文章を、問いとつなぎのある書き方に直した(事実・数字・出典は変えていない)。
  •  「水を蒸発させない冷やし方」の章で、年間1億2500万リットルの節水は、新しい設計が動き出したあとの見込みであることが分かるように、低学年むけと高学年むけの書き方を直しました。ほかに、電気の量の説明、「自社インフラ」のことば、推定値が下がった理由の説明を分かりやすく直しました(先生の目での読み直しによる。数字は変えていません)。
  •  低学年むけの「水を蒸発させて冷やす」説明で、水が空気の中に広がることが分かるように直しました(先生の目での読み直しによる)。

このサイトでは、公開した記事の本文は原則として書き直しません。誤りが見つかったときや、内容が古くなったときだけ手を入れ、その理由をこの欄に残します。この記事で紹介した数字は、今後さらに更新される可能性が高い分野のものです。大きな改定があった場合は、このルールに沿って更新履歴に記録します。