1. ピカピカの めんと くもりの めん、うらおもては あるの?
1. ピカピカの面とくもった面は、使い分けが要るのか
1. 光沢面とつや消し面 ── 区別が要るタイプと要らないタイプ
おりょうりで ホイルを つかう とき、「ピカピカの ほうが ほんとうの おもての はず」と おもう ひとが います。でも、ふつうの ホイルでは、どちらの めんを つかっても だいじょうぶです[1]。
ただし、ひょうめんに とくべつな くふうを した ホイルは、べつです。たべものを のせる めんが きまって いる ものが あります[1]。はこの せつめいを よんで みましょう。
では、ふつうの ホイルなのに、どうして りょうめんの ようすが ちがうのでしょう。
2. ふたつの めんが ちがうのは、つくる とき ローラーに ふれたからと かんがえられて いる
2. 2枚重ねてのばす製造が、2つの面を作る
2. 2枚重ねの圧延 ── ロール面は鏡状、重なり面は凹凸になる
ホイルは、あつい アルミニウムの いたを、てつの ローラーで はさんで、なんども のばして つくります[1]。かていようの ホイルは、2まいを かさねて いっしょに のばして、あとで はがす ことが おおいと いわれます[1]。
てつの ローラーに じかに ふれた めんは、ぎゅっと おされて、かがみのように なめらかに なって、ピカピカに なると かんがえられて います。
ホイルどうしが かさなって いた めんは、おたがいに おしあって、こまかい でこぼこが できると かんがえられて います。でこぼこは ひかりを あちこちに はねかえすので、くもって 見えます[1]。
こんなに おして のばした ホイルは、どれくらい うすいのでしょう。
アルミホイルは、アルミニウムの板を、鉄でできた2本の円柱ではさみ、回転させて薄くのばす「圧延」を何度も繰り返して作られます。家庭用は、2枚の箔を重ねて圧延し、あとで分離する工程で作られることが多いとされます[1]。
この製法によって、鉄の円柱に直接触れていた面は、均一につぶされて鏡のように滑らかになり、光沢が出ると考えられています。一方、箔どうしが接していた面は、互いに押し合うために不規則な凹凸ができ、光を乱反射してつや消しになると考えられています[1]。この調査では、顕微鏡で500倍に拡大すると、片面は線状に、もう片面は不規則に波打つ凹凸が見えたと報告されています[1]。
百科事典のホイルの項目には、重ねた2枚をはがしやすくするために圧延油が使われ、そのため内側の面は油を介して自由に変形し、微小な凹凸ができるという説明もあります[8]。
こうして作られる箔は、どのくらい薄いのでしょうか。
製法が表裏の差を決める。アルミニウム箔は、鉄製の円柱でアルミ板を強くはさんで回転させる圧延を繰り返して作る。家庭用のホイルは、2枚の箔を重ねて圧延してから分離する工程で作られることが多い[1]。
この製法によって、ロールに直接触れた面は、均一につぶされて滑らかな鏡面状態になり、光沢を持つと考えられている。箔どうしが接した面は、互いに押し合うために不規則な凹凸が生じ、光を乱反射してつや消しになると考えられている。同じ報告では、500倍の顕微鏡観察で、片面は直線状の模様、もう片面は不規則な波状の凹凸が確認されている[1]。
百科事典の記述では、重ね圧延の間に圧延油が噴霧されて分離しやすくなる点も挙げられ、内側の面は油を介して自由に変形し、微小な凹凸になるという[8]。こちらは百科事典の説明で、福井県の報告ほど一次の資料ではない。
2枚重ねで強く圧延できるほど薄くのばせる。では、その薄さはどれほどか。
3. かみのように うすいのに、ひかりも みずも とおさないって ほんとう?
3. 紙のように薄いのに、光も水も通さない理由と、薄さの限界
3. 厚さ12μmの遮断性 ── 薄いほどピンホールが増える
かていようの ホイルの あつさは、0.012 ミリメートルくらいです[1]。1ミリメートルの あつさに、80まいくらい かさなる ほどの うすさです。
たて 1メートル よこ 1メートルの ホイルは、おもさが 32グラムくらいです(アルミニウムの おもさから けいさん しました)。1えんだまが 32こ ぶんです。
こんなに うすくても、ホイルは ひかりを とおしません。みずや ガスも とおしにくいと されます[2]。ひかりに かざして みても、すけて 見えないのが アルミの はくです[3]。
ただし、うすく しすぎると こまる ことも あります。うすいほど、はりで ついたような ちいさな あなが ふえて、みずや くうきを ふせぐ ちからが よわく なると いわれます[7]。
うすくて、そのうえ さびにくい、というのは どうしてでしょう。
家庭用の標準タイプは、厚さが0.012mm(12マイクロメートル)前後です[1]。日本産業規格(JIS)では、0.006mmから0.2mmに圧延したものを「はく(箔)」と決めています[1]。1mmの厚さに、約80枚重なる薄さです。
アルミニウムの密度から計算すると、12マイクロメートルのホイル1m²の重さは約32gです(密度を2.7g/cm³とした筆者の計算)。1円玉が32枚、といった重さになります。
それでも、日本アルミニウム協会は、アルミ箔は紫外線や赤外線を通さず、水分やガスも通しにくいと説明しています[2]。蒸着フィルムとの見分けは、光にかざして透けて見えないのがアルミ箔だそうです[3]。
ただし、薄ければ薄いほどよいわけではありません。特許の背景技術には、箔が薄くなるほど針で突いたような細かい穴(ピンホール)が増え、水分や空気を遮る性能が下がると書かれています[7]。ホイルの厚さは、薄さと遮る力の折り合いで決まると考えられます。
では、この薄い箔は、台所でなぜさびにくいのでしょうか。
家庭用の標準タイプは、厚さが0.012mm前後(20銘柄では、表示された厚さが10〜11μmの製品が多く)で[1]、JISは0.006〜0.2mmに圧延したアルミニウム及びその合金を「箔」と定義している[1]。日本アルミニウム協会は、箔の厚さは用途により6μmから100μm以上まで幅があると説明する[2]。1mmに約80枚重なる厚さである(1mm÷0.012mm≒83)。
密度2.7g/cm³として計算すると、12μmのホイル1m²の質量は約32gになる(筆者の計算値)。これほど薄い箔が、紫外線・赤外線を通さず、水分やガスの透過もきわめて少ないというのが協会の説明である[2]。協会のQ&Aは、アルミ蒸着フィルムとの見分け方として、光にかざして透けないものがアルミ箔だとする[3]。
薄くすれば遮断性が保たれるわけではない。特許公報の背景技術の記述では、薄箔になるほどピンホールが増え、水分や空気の遮断性が劣るという[7]。ただし、これは特許の背景説明であり、何μm以下で何が起きるという数値を一般に確かめたものではない。実用の厚さは、薄さとピンホールの増加の折り合いの中に置かれている、と読める。
遮断性は薄さだけで説明できない。箔の表面には、別の守りがある。
4. ホイルは、どうして さびにくいの?
4. 傷ついても、アルミニウムはなぜさびにくいのか
4. 酸化皮膜の自己修復 ── 約1nmの層と、変色の意味
アルミニウムは、くうきに ふれると、すぐに ひょうめんに うすい まくが できます。この まくが、ないぶを さびから まもります[6]。
まくの あつさは、1ナノメートルくらいと いわれます。1ナノメートルは、1ミリメートルの 100まんぶんの 1です。
この まくは、きずが ついても、すぐに あたらしく できると いわれます[6]。
それでも、ホイルが しめった ところに おいて あると、いろが かわる ことが あります。それは、さびと いうより、ひょうめんに できた ものの いろです。つかうのに もんだいは ないと いわれて います[3]。
ちゅういが ひつような ことも あります。さんや しおに ふれると、いろが かわったり、とけたり する ことが ある、と はこに かかれて います[4]。
では、ホイルを つかう ときに、ほかに きを つける ことは あるでしょうか。
アルミニウムは、空気中ですぐ表面に緻密な酸化皮膜ができ、これが腐食を自然に防ぎます。乾いた室温の大気中でできる皮膜は、約1ナノメートルの「バリヤー層」でできていて、傷ついてもすぐに再生されると、日本アルミニウム協会の材料データベースにあります[6]。冊子では「数ナノメートル」と書かれていて、資料によって厚さの表現に幅があります[5]。1ナノメートルは、1mmの100万分の1です。
それでも、ホイルが湿気の多い所に置かれると、変色することがあります。協会のQ&Aは、この変色は酸化物や水酸化物で、使用に問題はないと説明しています[3]。
家庭用品品質表示法に関わる規程でも、酸分や塩分で変色や浸食が生じることがあること、直火で溶けることがあること、湿度で変色することがあることを表示するよう定められています[4]。
では、台所のもう1つの場面、電子レンジではどうでしょうか。
アルミニウムは、空気中ですぐ表面に緻密な酸化皮膜ができ、腐食を自然に防ぐ。日本アルミニウム協会の材料データベースによれば、乾いた室温の大気中の皮膜は約1nmのバリヤー層であり、傷ついてもすぐに再生される[6]。同協会の冊子は同じ皮膜を「数nm」と記しており、資料により厚さの表現に幅がある[5]。そのため、記事では約1〜数nmとみておく。
この自己修復があるため、薄い箔でもすぐに腐食が進むわけではない。ただし、湿気を含む環境では変色することがある。協会のQ&Aでは、変色の正体は酸化物・水酸化物で、使用上は問題ないとされる[3]。データベースは、水分があると水和酸化物が厚く育って光沢が失われる、とも述べる[6]。
消費者庁が示す雑貨工業品品質表示規程(アルミニウムはく)では、酸分・塩分による変色や浸食、直火による溶解、湿度による変色の可能性を表示する旨が定められている[4]。つまり「さびにくい」は「何をしても変わらない」とは違う。
台所には、もう1つ、ホイルの扱いで注意されることがある。電子レンジだ。
5. ホイルを でんしレンジに いれても いいの?
5. 電子レンジにホイルを入れないほうがよい理由と、熱の伝わり方
5. マイクロ波の反射と熱伝導 ── 電子レンジで向かない理由
ホイルを でんしレンジに いれる ことは、おすすめ できません。ホイルは きんぞくで、でんしレンジの でんぱ(マイクロは)を はねかえして しまうので、たべものが あたたまりにくく なります[3]。
また、レンジの かべに ふれると、ひばなが でる ことが あります[3]。まちがえて いれないように、しましょう。
アルミニウムは、ねつを つたえやすい きんぞくでも あります。てつの 3ばいくらい ねつを つたえると いわれます[5]。まわりと ねつを よく やりとりするので、じょうけんに よっては はやく ひえる ことが あります[5]。
うすくて、かるくて、ひかりも みずも ふせぐ ホイル。ホイルの うすさや、ひかりを とおしにくい ことを、おうちで たしかめて みましょう。
日本アルミニウム協会のQ&Aは、アルミホイルは金属なので電子レンジのマイクロ波を反射し、内容物が加熱されず、電子レンジには向かないと説明しています。さらに、庫内の壁に触れるとスパークを起こす場合があるとしています[3]。福井県の調査でも、市販20銘柄の多くが電子レンジ不可の表示をしていました[1]。
アルミニウムは、熱をよく伝える金属でもあります。熱伝導率は鉄の約3倍で、周囲と熱をよくやりとりするため、条件によっては早く冷えることがあると、協会の冊子は説明しています。また、同じ大きさの鉄の重さを1とすると、アルミニウムは約3分の1です[5]。
薄くて軽く、光や水分を通しにくく、さびにくく、熱をよく伝える。ホイルの便利さは、こうした性質が重なってできています。身近な性質を、自分の目で確かめられないでしょうか。
日本アルミニウム協会のQ&Aは、アルミホイルは金属でマイクロ波を反射するため、電子レンジでは内容物が加熱されず向かない、庫内壁に触れるとスパークを起こす場合があると説明する[3]。福井県の調査でも、市販20銘柄の多くが電子レンジ不可の表示をしていた[1]。
金属は熱を伝えやすい。協会の冊子によれば、アルミニウムの熱伝導率は鉄の約3倍で、周囲と熱をよくやりとりするため、条件によっては早く冷えることがある。また、同じ大きさの鉄の重さを1とすると、アルミニウムは約3分の1である[5]。
同じ冊子には、純度99.8%以上のアルミニウムは放射エネルギーの90%以上を反射するとあるが、これは高純度素材の値で、台所のホイルの反射率ではない[5]。
薄さ・遮断性・耐食性・熱の伝わりやすさは、それぞれ別の理由で説明される。表裏の差は圧延で生まれ、さびにくさには酸化皮膜が関わる。ホイルの性質は、それぞれ別の仕組みで説明できる。
自分でも しらべて みたく なったら
自分でも調べてみたくなったら
自分でも調べてみたくなったら
うちで やって みよう
ホイルを ちいさく ちぎって、でんきの あかりや まどの ひかりに かざして みましょう。すけて 見えるでしょうか。つぎに、おなじ ホイルを ピカピカの めんと くもりの めんで、ゆびで そっと さわって みましょう。さわりごこちは ちがうでしょうか。ホイルの ふちで ゆびを きらないように きを つけて ください。
よんで みたい もの
にほんアルミニウムきょうかいの ホームページに、アルミの はくの せつめいが あります。
家でやってみる
ホイルを小さく切り、電灯や窓の光にかざして、透けるかどうかを見てみましょう。続けて、ピカピカの面とくもった面を、指先でそっと触り比べます。ふちで指を切らないように注意してください。
読んでみたい資料
日本アルミニウム協会の「アルミ箔とは」と、福井県消費生活センターの試買テスト報告書(令和3年度)に、薄さ・表裏・製法のくわしい説明があります。
見る・触る
ホイルの切れ端を光にかざして透過を見る。光沢面とつや消し面の手ざわりを比べ、表面加工の有無で箔の扱いが変わるかを、箱の表示で調べる。切り口で指を切らないよう注意する。
原典にあたる
福井県消費生活センターの令和3年度試買テスト報告書(アルミホイル)は、製造工程・顕微鏡観察・表示の比較が一続きに読める。日本アルミニウム協会の「アルミ箔とは」とQ&A、材料データベースの「化学的性質」の項で、定義・見分け方・酸化皮膜の説明を確かめられる。
しらべた もとの じょうほう
参考にした情報源
参考にした情報源と、その使い方
今回は、表裏と製法は福井県消費生活センターの調査報告、箔の定義と性質は日本アルミニウム協会の資料、品質表示は消費者庁の規程を突き合わせた。ピンホールの記述は特許の背景技術と百科事典によるため、強く言い切らないで書いた。
- 福井県消費生活センター「令和3年度 試買テスト報告書(アルミホイル)」 https://www.pref.fukui.lg.jp/doc/shohic/shibai_d/fil/R03-02.pdf (厚さ・製造工程・表裏・表示)
- 日本アルミニウム協会「アルミ箔とは」 https://www.aluminum.or.jp/haku/what/index.html (箔の定義・光や水分を通さない性質)
- 日本アルミニウム協会「アルミホイルQ&A」 https://www.aluminum.or.jp/haku/faq/index.html (蒸着との見分け・変色・電子レンジ)
- 消費者庁「雑貨工業品品質表示規程(アルミニウムはく)」 https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/household_goods/guide/zakka/zakka_26.html (表示の定め)
- 日本アルミニウム協会『アルミニウムとは』 https://www.aluminum.or.jp/wp-content/themes/dp-colors/img/AboutAluminum.pdf (熱伝導・重さ・反射)
- 日本アルミニウム協会 材料データベース「化学的性質」 https://www.aluminum.or.jp/use/materialdb/e/ (酸化皮膜)
- 特許公報 JPH03120332A(背景技術) https://patents.google.com/patent/JPH03120332A/ja (薄い箔とピンホール)
- Wikipedia日本語版「アルミ箔」 https://ja.wikipedia.org/wiki/アルミ箔 (圧延油と面のちがい。補助的な資料)
なおした ところ
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