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ここにあるのは、だれかが実際に調べ、考え、作ってきたことを集めたメモです。気になったら、ページの下の「参考にした情報源」から、もとの本や記事、それを生み出した人たちに、直接ふれてみてください。このメモには書ききれないおもしろさが、そこにあります。

はりを あてられない ふるい ろくおんは、どうやって きくの?

針を当てられない古い録音を、どうやって光で読んで鳴らすのか

再生を想定しない1860年の紙の録音は、なぜ光学走査で復元できたのか

分野:技術

むかしの 録音ろくおんに、針はりを あてると、こわれて しまう ことが あります。では、どうやって おとを とりだすのでしょうか。

こたえは「光ひかりで よむ」です。1860ねんの すすの かみが、148ねんあとに うたに なりました。さいしょは はやさが 2ばいで、おんなの ひとの こえに きこえました。この ぎじゅつが どう うまれたのかが わかります。

1860年にすすの紙へ引っかいた線が、148年後の2008年に、歌として鳴りました。しかも最初の再生は速さが2倍で、女性か子どもの声に聞こえていたといいます。

なぜそんなことが起きたのか。そして、針を当てると壊れてしまう古い録音を、どうやって聞くのか。この記事を読むと、光で溝を読む技術の生まれ方と、それが開いた古い声の世界が分かります。

1860年にすすで黒くした紙へ刻まれた線が、2008年にデジタル化されて歌になった。最初の再生は速度が2倍で、女性か子どもの声に聞こえていたが、のちに訂正されている[3]。

この記録は、もともと再生を想定していなかった。では、針を当てれば壊れる古い録音を、どのように音へ戻すのか。素粒子物理学者の光学技術が録音に転用された経緯と、復元された声から分かることを、理由と条件つきで読み解く。

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1. だれも きかない つもりの かみ

1. 聞くつもりのなかった「すすの紙」が歌になった

1. 1860年の記録は、なぜ148年後に音になったのか

1860ねん、フランスの スコットという ひとが ふしぎな きかいを つくりました。くうきの ふるえで うごく うすい まくが、ペンの かわりに せんを ひきます。

かみは、ランプの すすで まっくろに してあります。うたごえの ふるえが、くろい かみに しろい せんと して のこるのです。

この きかいは、おとを「めで みる」ための ものでした。ならして きく ことは、もともと かんがえて いません。

それから 148ねん。2008ねんに、がぞうを コンピューターで おとに かえると、うたが ながれました。

ところが、この うたは さいしょ、ほんとうの はやさと ちがって いました。

1860年、フランスのスコット・ド・マルタンヴィルは、フォノートグラフという装置で歌を記録しました。空気中の音で震える薄い膜が、ペンのように紙へ線を引きます。紙は、油ランプのすすで黒くしてありました[1][2]。

この装置は、音を「目で見る記録」にするためのものでした。鳴らして聞くことは、はじめから考えられていません。記録が残っていたのは、書かれた線が紙の上にあったからです。

転機は2008年です。紙の画像をデジタル化し、ソフトで音に変えたところ、『月の光に』が再生されました[2]。聞くつもりのなかった紙が、148年たって歌になったのです。

ただし、最初の再生は正しい速さではありませんでした。なぜ、そんなことが起きたのでしょうか。

スコット・ド・マルタンヴィルのフォノートグラフは、空気中の音で動く膜と、一定の高さで振動する音叉を、同時に紙へ記録する装置だった。「Au clair de la lune」の記録は1860年4月9日と示されている[1]。紙は油ランプのすすで黒くしてあり、音波が紙に線として引っかかれる方式である[2]。

この装置は、最初から再生を想定していない。目で見る記録だったからこそ、紙の線は、のちの時代の技術で読み直す余地を残した。2008年に、紙の画像をデジタル化して音に変換し、はじめて歌として聞かれた[2]。

注意したいのは、これが「最古の音の記録」ではなく、「聞き取れる人の声の最古の録音」という位置づけだという点である[3]。音を記録することと、のちに聞けることは別の問題なのだ。

しかも、2008年の最初の再生には誤りがあった。何が間違っていたのか。

2. なぜ おんなの ひとの こえに きこえたの?

2. 最初は女性の声に聞こえたのはなぜか

2. 女性か子どもの声に聞こえた再生は、なぜ速度が2倍だったのか

さいしょに ながれた うたは、10びょうほど でした。おんなの ひとか こどもが うたって いるように きこえました。

でも あとで、はやさが 2ばいだったと なおされました。ほんとうは 20びょうほどで、おとこの ひとが とても ゆっくり うたって いたのです。スコットさん ほんにんかも しれない、と いわれて います。

はやさを たしかめる てがかりは、かみに いっしょに のこった「おんさ」でした。おんさは、いつも おなじ たかさで ふるえます。

かみに のこった おんさの せんの かんかくを みれば、きろくした ときの はやさを たしかめられます。おんさは、むかしの とけいの ような やくめを したのです。

最初の再生は、約10秒で、女性か子どもが歌っているように聞こえました。ところが、のちに再生速度が訂正され、最初の再生は2倍の速さだったとされました。訂正後の長さは約20秒で、男性が、とてもゆっくり歌っていました。スコット本人かもしれない、とも考えられています[3]。

手がかりになったのは、音叉の記録です。音叉は、決まった高さで振動し続けます。紙に残った音叉の線の間隔から、記録したときの速さを確かめられます[1]。時計の代わりになる線が、紙に一緒に引かれていたわけです。

復元は、デイヴィッド・ジョヴァンノーニらが原本をデジタル化し、アール・コーネルがバークレー研のソフトで画像を音にし、パトリック・フィースターが時間のゆれを補正する分担でした[1]。

では、紙のように読める録音ばかりではない場合、どうするのでしょうか。

最初の再生は約10秒で、女性か子どもが歌っているように聞こえた。しかし、のちに再生速度が訂正され、最初の再生は2倍の速さだったとされた。訂正後は約20秒で、男性が非常にゆっくり歌っていると理解され、スコット本人かもしれないとされる[3]。10秒から20秒への変化は、単純に速度が半分になったという計算と一致する。

速度を決める根拠は、音叉の記録にある。音叉は一定の周波数で振動するため、紙に残った音叉の線の間隔から、記録したときの速さを確かめられる[1]。つまり、音叉の線は時計として働く。だから、記録の速さを推測でなく線で確かめられたのである。

復元の分担も、この考え方を反映している。デイヴィッド・ジョヴァンノーニが原本をデジタル化し、アール・コーネルがバークレー研の画像→音ソフトで変換し、パトリック・フィースターが時間のゆれを補正した[1]。ここで補正の根拠になるのも、音叉の記録だ。

ただし、音叉の線が紙に残っていることが前提である。線が残らない録音では、同じ方法は使えない。では、紙より傷みやすい録音は、どう読めばよいのか。

3. はりを あてると こわれる ろくおんは どうする?

3. 針を当てると壊れる録音は、どう読むのか

3. 針を当てると傷む録音は、なぜ光で読むのか

エジソンの ちくおんきには、すずの うすい かみ、はり、てで まわす ハンドルが ありました。はりが かみを へこませて、おとを きろくします。

なんじゅうねんも たった ろくおんに、もういちど はりを あてると どうなるでしょう。ハーバーさんは「かけるたびに すこし いたんだと おもいます」と はなして います。

だから、はりを つかわない ほうほうが ひつようでした。それが、光ひかりで みぞを よむ ことです。

この きかいは「アイリーン」と よばれます。ちいさな ひかりの ビームで みぞを よみ、コンピューターで おとに かえます。はりが ないので、きずが ある ろくおんでも、きずの えいきょうを ならして おとに できる ことが あります。

エジソンの錫箔蓄音機は、錫箔のシート、針、手回しのクランクで音を記録しました[4]。再生にも針を当てます。

ところが、何十年もたった記録に針を当てると、壊れやすい媒体には負担です。カール・ハーバー博士は、錫箔は再生するたびに少し傷んだだろうと話しています[4]。

そこで、針を使わず光で溝を読む装置が作られました。「IRENE(アイリーン)」といいます。小さな光のビームで溝を読み、コンピューターでデジタル音声に変えます。針がないので、傷がある記録でも、傷の影響を補正して音にできる場合があります[6]。

顕微鏡で溝の形を読み、2次元か3次元のデジタル画像にして、針の動きを再現して音を作る仕組みです。対象は蝋管やシェラック盤で、2004年の資料では、米国議会図書館には、蝋管が約4.7万本、シェラック盤が約65万枚あると紹介されています[7]。

では、この技術を最初に作ったのは、録音の専門家だったのでしょうか。

エジソンの錫箔蓄音機は、錫箔のシート、針、手回しのクランクで音を記録する[4]。再生にも針を使う。ここに問題がある。数十年たった記録に針を当てると、再生のたびに表面が傷む。ハーバー博士は、錫箔は再生するたびに少し傷んだだろうと述べている[4]。壊れやすい媒体にとって、針は読む道具でありながら、削る道具にもなる。

この矛盾を避けるために作られたのが、IRENE(Image, Reconstruct, Erase Noise, Etc.)である。小さな光のビームで溝を読み、コンピューターでデジタル音声に変える。針がなく、傷がある記録でも、傷の影響を補正して音にできる場合がある[6]。光学顕微鏡で溝の形状を2次元または3次元の画像にし、針の動きを数値で再現して音を出す、というのが基本的な考え方だ[7]。

規模を示す数字もある。2004年の資料では、米国議会図書館には、蝋管が約4.7万本、シェラック盤が約65万枚あるとされる[7]。非接触で読めることは、これらを傷つけずに音に戻せる可能性を開く。ただし、これは対象の規模であり、すべてを復元したという意味ではない。

それでは、この技術は録音の専門家が考え出したのか。意外にも、そうではなかった。

4. ひかりの ぎじゅつを おもいついた ひとは?

4. 録音の専門家ではなく、素粒子の研究者が思いついた

4. なぜ素粒子物理学者の光学技術が、録音の復元に転用されたのか

この ぎじゅつを つくった カール・ハーバーさんは、おんがくの せんもんかでは ありません。そりゅうしを しらべる ぶつりがくしゃでした。

しごとは、そりゅうしを ぶつけあう おおきな そうちの なかで、ちいさな ぶひんの いちを ひかりで はかって あわせる ことでした。

ある日、ラジオで「ミュージアムに ある ろくおんが、くずれて いく」という はなしを ききました。ハーバーさんは、じぶんの ぎじゅつが つかえると おもいました。

なかまの ヴィタリー・ファデーエフさんと いっしょに、おなじ しくみで ろくおんを よむ そうちを つくりました。

ハーバーは、CERNで働く素粒子物理学者です。仕事は、衝突実験で使う検出器のシリコン検出器を、光学測定で正確な位置に合わせることでした[8]。

あるときハーバーは、博物館の録音コレクションが崩れていくという内容のラジオ番組を聞きました。そして、検出器の位置合わせに使っていた走査技術が、録音の溝を読む仕事にも使えるのではないかと考えます[8]。

同僚のヴィタリー・ファデーエフと開発したのが、IRENEのもとになった技術です[8]。素粒子の検出器と古い録音は、遠く離れた世界に見えますが、「小さな凹凸の位置を、光で正確に測る」という点でつながっていました。

では、この光の目が最初に読んだものの一つは、何だったのでしょうか。

ハーバーはCERNの素粒子物理学者で、衝突検出器のシリコン検出器を、光学測定で位置合わせする仕事をしていた[8]。この仕事は、ごく小さな物体の位置を、高い精度で測り続ける技術に支えられている。

ある日、博物館の音声コレクションが崩れていくというラジオ番組を聞いた彼は、同じ走査技術を録音の溝の読み取りに使えると考えた。そして同僚のヴィタリー・ファデーエフと開発を進めた[8]。

なぜ転用できたのか。録音の溝は、針が揺れるように作られた微小な凹凸である。凹凸の形を非接触で測れれば、針の動きは計算で再現できる[7]。素粒子の検出器と古い録音という離れた分野が、「小さな形を光で正確に測る」という共通の課題でつながったのだ。ただし、この経緯は紹介記事の記述に基づくもので、開発の詳細はここからは分からない。

この光の目は、どのような録音を読んだのか。いちばん有名な例が、電話の発明者の声である。

5. ベルの こえには なにが はいって いたの?

5. 光で読まれたベルの声は、何を語ったのか

5. 1885年のベルの録音には、何が収められていたのか

でんわを はつめいした ベルの こえも、光ひかりで よまれたと つたえられて います。1885ねん4がつ15にちに、ろうを ぬった いたの えんばんに ろくおんしたものです。

おわりの ことばは「ここに その あかしとして、わたしの こえを ききなさい。アレクサンダー・グラハム・ベル」でした。

2013ねんに、アメリカの としょかんで、デジタルに もどされました。ベルの おとうさんの 1881ねんの ろくおんも、ふっかつして います。

おとが、ひとの なまえで おわる。むかしの ひとの こえが、いま きこえて くるようです。

1885年4月15日に、ワックスを塗った板の円盤へ録音されたベルの声があります。終わりの言葉は「in witness whereof, hear my voice, Alexander Graham Bell」でした[9]。

この録音は、2013年にアメリカ議会図書館でデジタルに復元されたと伝えられています。ベルの父が1881年9月に残した、ワックスを塗った円筒も、あわせて復元されました[9]。光で溝を読む技術が関わったと報じられています[8]。

「どうか私の声を聞いてください」と呼びかけて名乗る。復元された声が、聞き手に向けた言葉で終わっていたのは、印象的です。

一方、エジソンの錫箔にも復元された例があります。2012年にバークレー研が復元した1878年のセントルイスでの録音は、約78秒です。23秒のコルネット独奏と、「Mary Had a Little Lamb」「Old Mother Hubbard」の朗読、笑い声が入っていました[5]。

ベルの録音は、1885年4月15日に、ワックスを塗った板(wax-on-binder-board)の円盤に録られた。末尾は「in witness whereof, hear my voice, Alexander Graham Bell」である。2013年に米国議会図書館でデジタル復元されたと伝えられ、ベルの父が1881年9月に作ったワックス塗りの円筒も復元された[9]。復元の方法には光で溝を読む技術が関わったと報じられている[8]。なお、復元がいつ行われたかの細部は、原文で確かめたい。

エジソンの錫箔にも、復元例がある。バークレー研は2012年、1878年のセントルイスのエジソン錫箔録音を復元した。約78秒で、23秒のコルネット独奏、「Mary Had a Little Lamb」と「Old Mother Hubbard」の朗読、笑いが入っている[5]。再生された唯一の1878年の錫箔録音とされ、「アメリカ人の声で再生できる最古の録音」と紹介された。世界最古ではない点に注意が必要だ。フォノートグラフは別物だからである[5]。

ここで、これまでの録音を並べてみる。紙は聞く前提のない記録、錫箔は針で作り針で読むが壊れやすい記録、ワックス円盤は呼びかけで終わる記録。素材が違えば、読み方も違う。光で溝の形を測る方法は、そのどれにも使える可能性を持つ。

では、この技術は海外だけの話なのか。日本の古い音はどうなっているのか。

6. にほんの ふるい おとは どうなって いるの?

6. 日本の古い音は、いまどう残されているのか

6. 日本の歴史的音源は、どのような規模で公開されたのか

にほんでも、ふるい おとを のこす とりくみが あります。国立国会図書館としょかんでは、2011ねん5がつ31にちから、ふるい レコードを デジタルに した おとの こうかいが はじまりました。

1900ねんの はじめから、1950ねんごろまでに、にほんで つくられた SPばんなどの おとです。さいしょは 2500ほどでした。さいごは 5まん ほどに なる よていです。

らくごや ながうた、かよう、こうえんなども はいって います。むかしの ひとの こえが、いまでも きけるのです。

アメリカでは、デューク大学だいがくの としょかんも、1920〜30ねんだいの みんようを、光ひかりで よむ ほうほうで デジタルに しました。

日本では、国立国会図書館が2011年5月31日から、歴史的音盤アーカイブ推進協議会(HiRAC)がデジタル化した歴史的音源を、館内で公開し始めました。1900年初頭から1950年前後に国内で作られたSP盤などで、最初は約2,500、最終的には約5万の音源が対象になる予定でした[10]。

中身は、落語、長唄、歌謡曲、講演などです。新しい録音とは違い、100年ほど前の声や音楽が、デジタルの形で残されています[10]。

アメリカでは、デューク大学図書館が、1920〜30年代のノースカロライナの民謡が入った蝋管やアルミ円盤計1,367点を、溝を非接触で高解像度に読むIRENEでデジタル化したと紹介されています[11]。

古い録音を聞くことは、昔の暮らしの音を聞くことでもあります。では、読者は、まず何から始められるでしょうか。

国立国会図書館は、2011年5月31日から、歴史的音盤アーカイブ推進協議会(HiRAC)がデジタル化した歴史的音源約2,500を館内公開した。1900年初頭から1950年前後に国内で製造されたSP盤などが対象で、最終的に約5万音源が公開対象となる計画だった[10]。内容には、落語、長唄、歌謡曲、講演などが含まれる。

この例は、紙や錫箔のような一点ものの復元とは性格が違う。大量の盤をデジタル化し、まとめて公開する取り組みである。一方、傷みやすい蝋管などでは、非接触の方法が重要になる。デューク大学図書館は、1920〜30年代のノースカロライナの民謡の蝋管とアルミ円盤、計1,367点を、溝を高解像度で走査するIRENEでデジタル化した(2016年夏に開始)[11]。

海外の取り組みと日本の取り組みを並べて見ると、古い音を残す方法は一つではないと分かる。壊れにくい盤は大量にデジタル化し、壊れやすい媒体には光を使う。媒体の状態に合わせて方法を選んでいる、と整理できる。

では、自分は何から確かめられるだろうか。

7. じぶんで ためして みよう

7. 声の速さと高さを、自分の耳で確かめる

7. 速度と音の高さの関係を、手元で確かめる

おとの はやさを かえると、こえは どう きこえるでしょう。

スマートフォンなどで、じぶんの こえを ろくおんします。「あいうえお」と ゆっくり いって、ろくおんしてください。おとなの ひとと いっしょに してください。

はやさを かえて さいせいできる きのうが あれば、2ばいの はやさで きいて みましょう。こえが たかく なって、べつの ひとの ように きこえる ことが あります。

きのうが なければ、アプリは いりません。ろくおんした じぶんの こえを ふつうに きいて、ろくおんする まえに きいていた こえと、どう ちがうかを くらべて みましょう。

はやさを もとに もどすと、いつもの こえです。スコットさんの うたが さいしょ おんなの ひとの こえに きこえた りゆうが、すこし わかります。

おとなの ひとと いっしょに、国立国会図書館としょかんの ホームページで、ふるい おとの きき かたを しらべて みましょう。

最初に再生がなぜ女性の声に聞こえたのかは、手元でも体験できます。

スマートフォンなどで自分の声を録音し、再生速度を変えられる機能があれば、2倍の速さで聞いてみてください。声が高くなり、別の人の声のように聞こえることがあります。元の速さに戻すと、いつもの声です。機能がなければ、録音した自分の声を聞いて、普段自分で聞いている声との違いを感じるだけでも観察になります。

同じ人の声でも、速さが変わると高さや印象が変わることがあります。1860年の紙の再生が、最初は別人のように聞こえたことと、重なって見えるかもしれません。

もう一つ、国立国会図書館の歴史的音源は、公開が始まった2011年の時点では館内公開でした[10]。今の聞き方は、公式サイトで確認してください。落語や長唄の録音が、100年前の人の話し方や間の取り方を伝えてくれます。

音の記録は、紙・錫箔・蝋・ワックスと姿を変え、光で読まれるようになりました。次に気になるのは、いま身のまわりにある録音が、100年後にどう聞かれるのか、という問いかもしれません。

再生速度が2倍になると、声の高さが変わり、印象まで変わることがある。この現象は、手元で確かめられる。スマートフォンなどで自分の声を録音し、再生速度を変えられる機能があれば、2倍速で聞いてみる。声が高くなり、別の人のように聞こえることがある。元に戻せば、いつもの声である。機能がなければ、録音した自分の声を聞き、普段自分で聞いている声との違いを観察するだけでもよい。1860年の紙の再生が、最初は女性か子どもの声に聞こえた理由を、体感する一例になる。

資料に当たるなら、まず出典の[1]のFirst Soundsのページで、復元のチームと音叉の役割を読みたい。次に、国立国会図書館のカレントアウェアネス[7][10][11]を読むと、復元の仕組みと音源公開の規模を日本語で比べられる。海外の資料としては、バークレー研のニュースやIEEE Spectrumの記事がある[5][8]。

国立国会図書館の歴史的音源は、2011年の開始時には館内公開だった。現在の公開方法は、公式サイトで確認してほしい。

残る問いは、媒体が違えば読み方も違うという点である。紙、錫箔、蝋、ワックス、シェラック盤と、それぞれ最適な読み方がある。いま私たちが使っている録音の方式が、将来どのように読まれるのかは、まだ誰も知らない。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

本文の数字・年号は次の資料から。どの資料も、検索結果の要約や紹介記事を含み、数字の細部(特に復元年月)は原文で確かめるのがよい。

  1. First Sounds. Approach. https://firstsounds.org/sounds/approach.php (フォノートグラフの記録と復元の分担)
  2. TechCrunch (2008). Here's the first sound ever recorded, circa 1860. https://techcrunch.com/2008/03/27/heres-the-first-sound-ever-recorded-circa-1860/ (すすの紙と2008年の再生)
  3. Wikipedia. Phonautograph. https://en.wikipedia.org/wiki/Phonautograph (速度2倍の訂正。補助的な出典)
  4. ABC News (2012). America's oldest voice recording restored. https://abcnews.com/blogs/technology/2012/10/americas-oldest-voice-recording-restored (錫箔蓄音機と、針による傷み)
  5. Lawrence Berkeley National Laboratory News Center. https://newscenter.lbl.gov/?p=27663 (1878年の錫箔録音の復元)
  6. UC Berkeley Engineering News (2008). Play it again, IRENE. https://engineering.berkeley.edu/news/2008/01/play-it-again-irene/ (IRENEの名前と仕組み)
  7. 国立国会図書館 カレントアウェアネス E205. https://current.ndl.go.jp/e205 (IRENEの仕組みと米国議会図書館の収蔵数)
  8. IEEE Spectrum. Particle physics resurrects Alexander Graham Bell's voice. https://spectrum.ieee.org/particle-physics-resurrects-alexander-graham-bells-voice (ハーバーの経歴と転用の経緯)
  9. Berkeley Lab News Center (2013). Alexander Graham Bell. https://newscenter.lbl.gov/2013/04/25/alexander-graham-bell/ (ベルの録音)
  10. 国立国会図書館 カレントアウェアネス 18307. https://current.ndl.go.jp/car/18307 (歴史的音源の館内公開)
  11. 国立国会図書館 カレントアウェアネス 30420. https://current.ndl.go.jp/car/30420 (デューク大学図書館のIRENE利用)

なおした ところ

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