1. かわは、なにを して いるの?
1. 皮は、やわらかい茎を守っている
1. 稈鞘の基本 ── 稈を保護し、節の成長を助ける
たけのこの かわは かたくて、なかに やわらかい ぶぶんが あります。かわは、その やわらかい ところを まもって います[1]。
たけのこは、まるで じぶんで かわの ふくを きて いる ようです。ただし かわは ふくと ちがって、せいちょうを たすける はたらきも あるとされます[1]。
2. かわを むくと、たけが まがる?
2. 皮を1列はがすと、一晩で曲がった
2. 剥皮実験 ── 一夜で剥いだ側へ曲がる(Fargesia yunnanensis)
ある けんきゅうでは、わかい たけの かわを、たてに 1れつだけ はがしました。すると、たけは ひとばんで、はがした ほうへ まがった そうです[2]。
かわを ぜんぶ とると、たけが のびにくく なったり、まがって のびたり した と ほうこくされて います[2]。
ただし これは、ひとつの しゅるいの たけの けんきゅうです。ぜんぶの たけが おなじとは、いえません。
一晩で起きた変化
中国南西部などに生えるタケの仲間、Fargesia yunnanensisを使った研究があります。若い稈の稈鞘を縦に1列だけはがしたところ、稈は一晩で、皮をはがした側へ急に曲がりました[2]。
稈鞘を切り取ると、急な成長が妨げられるか、曲がって成長したとも報告されています[2]。
この結果の読み方
これは1種類のタケでの実験です。すべてのタケで同じことが起きると言い切ることはできません。また、研究のための実験なので、竹林で試すものではありません。
Fargesia yunnanensisの若い稈から稈鞘を縦に1列剥離すると、稈は一夜のうちに、剥いだ側へ急速に湾曲したと報告されている。稈鞘を切除した場合は、急成長が阻害されるか、湾曲して成長した[2]。
これは1種での結果であり、全種に一般化はできない。また研究用の操作であって、野外や家庭で再現するものではない。
3. かわは、みずと えいようの みちを ととのえる?
3. 水と養分の流れを整えているらしい
3. 水ポテンシャル差と同化産物の輸送 ── 稈鞘は調節役
べつの けんきゅうでは、かわを むいた あと、たけの なかと そとで、みずを ひっぱる ちからの ちがいが ちいさく なりました[6]。
かわは、みずと、はっぱが つくる えいようが とおる ようすを、ととのえて いると かんがえられて います[6]。
ひとつの がわだけ かわが ないと、そこだけ ようすが かわり、たけが かたむく のかも しれません。ただ、これは かんがえで、かくにんされた こたえでは ありません。
4. たけのこは、どれくらい はやく のびるの?
4. 節ごとに伸びる竹と、落ちていく皮
4. すべての節の成長点と、稈鞘の自然脱落
たけは、ふしの ひとつひとつに、のびる ところが あります[3]。たとえば ふしが 40こ あって、それぞれが 1日に 1センチ のびれば、1日で 40センチ のびる ことに なります。これは かんがえやすい ための たとえの すうじです。
ちじょうに でた ころは 1日 すうセンチでも、10日め ごろには、すうじゅうセンチ、ときには 1メートルを こえる といわれます[1]。
そして のびる うちに、かわは ひとりでに おちて いきます[3]。はんとしほどで、りっぱな わかたけに なります[3]。
5. かわは、はっぱなの? えだなの?
5. 皮の正体は、葉か枝か
5. 稈鞘の形態学的解釈 ── 変形した葉か、変形した枝か
たけのこの かわは、「かわった はっぱ」と かかれた ほんも あります。でも、「かわった えだ」だと いう けんきゅうも あります[5]。
この けんきゅうでは、かわの なかを とおる ほそい すじの ならびが、えだに ちかく、はっぱの まんなかの すじも なかった そうです[5]。
はっぱか、えだか。どちらが ただしいのか、いまも みかたが わかれて います。
見方が分かれている
稈鞘は「変形した葉」と書かれることが多い一方、Fargesia yunnanensisの解剖学的な研究では「変形した枝」と結論されています。水や養分を運ぶ管の束が枝に近く、葉の中心にある太い筋(中肋)がなかったためです[5]。
どちらが正しいか、どのタケにもあてはまるかは、ここでは決められません。葉か枝か、資料によって見方が分かれています。
稈鞘は一般に「変形した葉」とされることが多いが、Wang(2017, Scientific Reports)はFargesia yunnanensisの解剖学的検討から、維管束の配置が枝に近く中肋を欠くことを根拠に、稈鞘は「変形した枝」であって変形した葉ではないと結論した[5]。
資料により記述が分かれており、種を超えた一般化も未検証である。本メモでは、稈鞘の正体については断定せず、両説があることを示すにとどめる。
6. たけのこの かわを、みかけたら
6. 皮つきのたけのこを見かけたら
6. 自分でも調べてみたくなったら
今日できること
かわつきの たけのこを みかけたら、かわの かさなりかたと、ねもとの ぶつぶつを、みて みましょう。かわを むくときは、おうちの 人と いっしょに して ください。
出かけてできること
たけばやしで、かわが おちて いる わかたけや、おちて いる かわを さがして みましょう。かわを むく じっけんは しないで ください。
おおやけの しりょう
のうりんすいさんしょうの しりょうに、たけの せいちょうが のって います[3]。
しらべた もとの じょうほう
参考にした情報源
参考にした情報源と、その使い方
本文の各記述は、下の資料を突き合わせて書いた。
- Wikipedia「タケノコ」 https://ja.wikipedia.org/wiki/タケノコ (皮の役割、成長の速さ、食材としての見方)
- Frontiers in Plant Science 2020(Fargesia yunnanensis の稈鞘の研究) https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fpls.2020.00418/full (皮をはがす実験)
- 農林水産省 aff 2021年3月号 https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/2103/spe1_01.html (成長点、皮の自然な脱落)
- Plants 2022(モウソウチクの稈鞘) https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC9655093/ (皮が成長に重要かもしれないという指摘)
- Wang ほか, Scientific Reports 2017 https://www.nature.com/articles/s41598-017-16470-7 (皮が葉か枝かの解剖学的検討)
- Wang ほか, Brazilian Journal of Botany 2018 https://link.springer.com/article/10.1007/s40415-018-0446-z (水と養分の輸送の調節、剥皮後の水ポテンシャルの勾配)
なおした ところ
更新履歴
更新履歴(改版の記録)
- 初版を公開。
このサイトでは、公開した記事の本文は原則として書き直しません。誤りが見つかったときや、内容が古くなったときだけ手を入れ、その理由をこの欄に残します。