1. きいろは、どこから きたの?
1. 黄色は、緑が消えたあとに見えてくる
1. 緑が減るのは確かだが、黄色は「見えてくる」のか「ふえる」のか
バナナの かわが みどりなのは、はっぱと おなじ みどりの 色素、クロロフィルが あるからです。うれて くると、この みどりが 分解されて、へって いきます[1]。
みどりが へると、かわに あった きいろが めだって きます。ベトナムで 2しゅるいの バナナを はかった けんきゅうでは、みどりの クロロフィルは へり、きいろの カロテノイドは ふえました[3]。カロテノイドは、にんじんにも ある きいろや だいだいの いろです。
ただし、「きいろが もとから かくれて いた だけ」と いう せつめいも あります。けんきゅうに よって、きいろの ふえかたは ちがいます。
では、みどりを けす「あいず」は、だれが だして いるのでしょう。
バナナの皮が緑なのは、葉と同じ緑の色素、クロロフィル(葉緑素)が含まれているからです。熟していくと、このクロロフィルが分解されて減っていきます[1]。
黄色のほうはどうでしょうか。ベトナムのバナナ2種の皮を熟す間に測った研究では、クロロフィルが減るのと反対向きに、黄色い色素のカロテノイドがふえたと報告されています[3]。カロテノイドはニンジンなどにもある、黄色から橙色の色素です。つまり、緑が消えて黄色が目立つようになる、というのが色の変わり方の大きな流れです。
ただし、「黄色はもともと皮にあって、緑が薄れて見えてくるだけ」という説明もよく見かけます。黄色の量の動きは研究によって同じではないので、「見えてくる面があり、ふえるという測定もある」くらいに受けとめるのが安全です。また、この測定はベトナムの2種の例で、日本に来るバナナと同じ品種かどうかは、使った資料からは分かりません。
緑を消す作業は、いつ、何をきっかけに始まるのでしょうか。
青いバナナを数日置くと、皮は緑から黄色に変わる。この変化は、色素の動きとして見ると2つの流れが重なっている。ひとつは、緑のもとであるクロロフィル(葉緑素)が分解されて減ること[1]。もうひとつは、黄〜橙色のカロテノイドが見えるようになり、量が増える場合もあることである。
ベトナムで栽培された2種のバナナの皮を熟す過程で測った報告では、クロロフィルとカロテノイドの含有量が反対の傾向を示した[3]。緑が減るのと並行して、黄色の色素の量はふえている。カロテノイドはニンジンなどにも含まれる、黄色から橙色の色素である。
ところが、「黄色はもともと皮にあり、クロロフィルが減って隠れていたものが見えてくるだけ」という説明も広く流通している。研究ごとにカロテノイドの量の動きはそろっておらず、どちらか一方に決めることはできない。本稿では、「緑が減ることは共通で、黄色は見えてくる面に加え、ふえるという測定もある」という幅のある言い方にとどめる。測定の対象もベトナムの2種で、日本向けのバナナと同じ品種かどうかは、使った資料の範囲では分からない。
緑を減らす反応は、何がきっかけで始まるのか。まずは熟しはじめの合図を見る。
2. うれる あいずは、バナナが だす ガス?
2. 熟しはじめの合図は、バナナ自身が出すガス
2. エチレンの急増 ── 自分で自分を強める合図
バナナは、うれはじめる ときに、エチレンと いう ガスを たくさん だします。呼吸も きゅうに さかんに なります[4]。
このとき、エチレンが ふえると、もっと エチレンが ふえる と いう ふうに、じぶんで じぶんを つよめる しくみが あります[4]。ひとりが はくしゅを はじめると、まわりも つられて おおきく なる ようすに にて います。ただし、ほんとうの バナナの なかで おきて いるのは、はくしゅでは なく、ガスの ふえかたです。
だから、バナナを おくる ときは、はこんだ さきで エチレンを つかって、うれる じゅんびを させる ことが できます[4]。
では、うれる とき、かわには、どんな ふしぎが おきて いるのでしょう。
バナナは、熟しはじめるときにエチレンという気体が急に増え、呼吸も同時に急に活発になる果物です。しかもエチレンは、増えるとさらにエチレンの発生をうながすように、自分で自分を強める形で増えていきます[4]。このような熟し方は、クライマクテリック型とよばれます。
拍手にたとえるなら、ひとりが叩き始めるとまわりもつられて大きくなっていく様子に似ています。ただし、実際に起きているのは拍手ではなく、気体の濃度が急に上がる変化です。
この性質があるので、バナナは収穫して運んだあと、運んだ先でエチレンを使って熟すスイッチを入れる、という売り方ができます[4]。緑のまま運び、黄色にするのは売る側の仕事、ということです。
熟しはじめの合図が出て、緑が分解されていく。そのとき、分解された緑には、思いがけない行き先がありました。
熟しはじめの合図の正体は、エチレンという気体である。バナナはクライマクテリック型の果実で、熟しはじめにエチレンの発生と呼吸が自己触媒的に、つまりエチレンが次のエチレンの発生をうながす形で急に増える[4]。
この自己増幅があるため、収穫したあとでも外からエチレンを与えれば、熟しのスイッチを入れられる。実際、商品としてのバナナは、収穫したものを運んだ先でエチレン処理して熟させる流れで扱われている[4]。拍手がひとりから広がるように、一度始まると勢いがつく反応だが、実際に増えているのは拍手ではなく気体の量と呼吸の速さであり、たとえはイメージにとどめたい。
では、合図を受けて分解されたクロロフィルは、どこへ行くのか。ここに、熟したバナナが紫外線で青く光る理由がある。
3. みどりが きえた あとは、なにが ひかるの?
3. 緑が消えたあとに残る物質が、青く光る
3. 分解産物が示す青色蛍光 ── 緑が消えた「あと」が光る
うれた バナナの かわに 紫外線を あてると、あおく ひかります。ひかって いるのは、きえた みどりの クロロフィルが 分解されて できた、いろの ない ぶっしつです[1]。
この ひかりを しらべたのは、オーストリアの インスブルックだいがくの クレートラーさんたちです。2008ねんに はっぴょうしました[2]。
かわに できた ちゃいろい ぽつぽつの まわりは、とくに つよく ひかると ほうこくされて います[8]。
ふつうの ひかりの したでは みえません。みどりが きえた あとには、ひかる ものが かわに たまって いきます。
さて、この バナナは、にほんでは どこで きいろに されるのでしょう。
熟したバナナに紫外線を当てると、皮が青く光ります。光っているのは、クロロフィルが分解されてできた無色の物質(分解産物)で、熟すにつれて皮に増えていくものです[1]。緑が消える変化と、青く光る変化は、同じ出来事の表と裏といえます。
この研究を行ったのは、オーストリアのインスブルック大学のクレートラー(Bernhard Kräutler)たちで、2008年に化学の専門誌 Angewandte Chemie に発表されました[2]。見つかった分解産物のうち最も多いものには、クロロフィルの分解産物としては初めて見つかる構造が含まれていたと伝えられています。
熟した皮には、茶色の小さな斑点(シュガースポット)が出てきます。その斑点のまわりは、紫外線の下で青い光が特に強い、という報告もあります[8]。クロロフィルの分解がよく進んだ場所だと考えられます。
ふつうの明かりの下では、この物質は無色なので見えません。光ること自体が、バナナにとってどんな意味を持つのかは、ここで使った資料には書かれていません。
さて、この「熟す合図」は、日本に届くバナナでは、どこで、だれが出しているのでしょうか。
熟したバナナの皮は、紫外線の下で青く光る。ScienceDailyが紹介した研究は、この青い光がクロロフィルの分解と結びついていることを示した[1]。光っているのは、クロロフィルが分解されてできる無色の分解産物(カタボライト)で、熟すにつれて皮に増えていく。
研究を行ったのは、インスブルック大学(オーストリア)のクレートラー(Bernhard Kräutler)らで、2008年にAngewandte Chemie International Edition 47巻46号8954–8957ページに発表された[2]。最も多い分解産物には、プロピオン酸エステル基という、クロロフィルの分解産物では初めて見つかる構造があった、と紹介されている。
皮にできるシュガースポットの周りでは、青い光が特に強いという報告がある[8]。クロロフィルの分解が進んだ場所で、蛍光を出す分解産物が濃くなっているのかもしれない。ただしこれは観察に基づく見方で、光の強さは熟し方によって変わり、さらに熟すと弱まる報告もある。光る意味(バナナにとっての役割)についても、研究者は仮説を挙げているが、役割が確かめられたわけではない。
ここまでは、バナナの皮の中の話だった。では、日本の店先に並ぶ黄色いバナナは、いつ、どこで黄色くなっているのか。
4. にほんの バナナは、みどりの まま ふねで くるの?
4. 日本のバナナは、緑のまま着いて、日本の部屋で黄色にされる
4. 緑で収穫し、日本で追熟する ── 店先の黄色は着いたあとにつくられる
にほんに はいる バナナは、まだ うれる まえの みどりの うちに しゅうかくされる と せつめいされて います[5]。
にほんに ついて、わるい むしが いないかを たしかめて から、エチレン ガスを かけて、うれさせます。これを 追熟と いいます。そうして、きいろく なって から、おみせに ならびます[5]。
おみせで みる きいろは、はたけで ついた いろでは なく、にほんで 「うれる あいず」を だして つくられた いろなのです。
では、あいずを だせば、いつも きれいな きいろに なるのでしょうか。
店に並ぶ黄色いバナナは、畑で黄色くなったものではありません。日本に入るバナナは、熟す前の緑色の段階で収穫され、日本に着いたあとに害虫の有無を確認し、エチレンガスをかけて追熟(熟させる処理)して黄色にする、と説明されています[5]。
前の章で見たように、エチレンは熟しのスイッチを入れ、あとは自分で自分を強めて進んでいく気体です[4]。日本で売るバナナは、このスイッチを日本の部屋で、売る人の手で入れていることになります。
ただし、この説明は流通を解説した記事によるもので、工程の温度や時間までは示されていません。会社や産地によって細かいやり方は変わるはずなので、ここでは大きな流れとして受けとめてください。
ところで、熟す合図を出せば、いつでも黄色くなるのでしょうか。温度によっては、そうならないこともあります。
店に並ぶバナナの黄色は、畑でついた色ではない。日本に入るバナナは熟す前の緑色で収穫され、日本に着いてから害虫の有無を確認し、エチレンガスをかけて追熟して黄色にする、と流通の解説で説明されている[5]。
これは前章のしくみと対応している。バナナはエチレンの発生と呼吸が自己増幅的に高まる果実なので、外からのエチレンで熟しのスイッチを入れ、あとは果実自身の反応に任せられる[4]。商業的には、運んだ先でエチレン処理して熟させる扱いが一般的である、と国際誌のレビューも述べている。
ただし、日本向けの工程を説明した流通解説(二次資料)では、温度・エチレン濃度・時間といった条件の数値は確認できる形で示されていない。追熟室の条件の具体値は、会社や産地で変わりうる。ここでは、緑で収穫して日本で追熟するという大筋までを言える範囲とする。
では、エチレンさえ与えれば、いつでも緑は消えるのか。実験で、そうならない条件が報告されている。
5. あつすぎても さむすぎても、うまく いかないの?
5. 暑すぎると緑のまま、冷やしすぎると黒くなる
5. 温度の両側の限界 ── 30℃のグリーンライプと13℃以下の低温障害
バナナを 30どの へやに おいた じっけんが あります。エチレンを かけて 4にち たっても、かわが みどりの まま でした。なかみは うれて いたのに、かわだけ みどりの まま なのです[4]。
これは じっけんの じょうけんでの ことで、「なんどで かならず そうなる」と いう わけでは ありません。
では、つめたい ところは どうでしょう。バナナは あつい くにの くだものなので、れいぞうこの ように ひえすぎる ところが にがてです。13どより ひくいと、かわの さいぼうが こわれて、くろく なる ことが あります[7]。「ていおんしょうがい」と よばれます。
かわが くろくても、なかみが きれいなら たべられると されます。でも ここは ひとに よって せつめいが わかれる ところです。ちゃいろい ぽつぽつは うれた めじるしで、ていおんしょうがいとは べつです[7]。
では、かわの したの なかみでは、何が おきて いるのでしょう。
熟すには暖かいほうが早いように思えますが、暑すぎてもうまくいきません。ある実験では、24℃より高い温度で保存すると、緑色が消える変化が止まることがありました。30℃に置いたバナナは、エチレン処理から4日たっても皮が緑のままで、「グリーンライプ(熟したのに緑)」と呼ばれる状態になりました。呼吸やエチレンの放出は、20℃のときと同じように起きていました[4]。
中身は熟す反応が進んでいるのに、皮の緑を分解するところだけが進まなかったことになります。この24℃や30℃は実験の条件で、「何℃で必ず緑のままになる」という意味ではありません。
反対に、冷たすぎるのも苦手です。バナナは熱帯でできる果物で、13℃以下に置くと皮の細胞がこわれ、酵素がはたらいてポリフェノールができ、皮が黒く変わると解説されています(低温障害)。果肉がきれいなら食べられるとも説明されますが、13℃は目安で、資料によって基準は少しちがいます[7]。
皮にできる茶色の小さな斑点(シュガースポット)は熟した目印で、低温障害とは別のものです[7]。
バナナの皮は、暑すぎても冷たすぎても色が変わりにくくなることがあります。では、皮の下の中身では何が起きているのでしょうか。
エチレンを与えれば緑は必ず消える、というわけではない。ある実験では、24℃を超える温度で保存すると、通常のクロロフィルの分解(緑が消える過程)が途中で止まることがあった。30℃に置いたバナナでは、エチレン処理の4日後も皮が緑のままで、グリーンライプ(熟しているのに皮が緑)という現象が見られた。色合いを角度で表す色相角は、20℃で96°未満、30℃で105°を超えていた。呼吸とエチレンの放出は20℃の場合と同様に起きていたという[4]。
つまり、熟しのスイッチ(エチレンと呼吸)が入っても、皮のクロロフィルを分解する段階だけは温度の影響を受けて止まりうる。ただし24℃や30℃は実験条件であり、「何℃で必ず緑のまま」と読むことはできない。品種や熟度で変わる可能性もある。
冷えすぎも問題になる。バナナは熱帯性の果実で、13℃以下に置くと皮の細胞が壊れ、酵素がはたらいてポリフェノールが生成され、皮が黒く変色する(低温障害)と解説されている。果肉が傷んでいなければ食べられる、という説明もある[7]。一般向けの記事の整理で、13℃という基準は資料によって異なるため、目安として受けとめる。
皮にできる茶色の小さな斑点(シュガースポット)は熟した目印で、低温障害とは別の現象である[7]。青い蛍光が斑点の周りで強いこと[8]と合わせると、斑点は「熟しがよく進んだ場所」として読める。
皮の色が変わる間、中身では何が起きているのか。次にそこを見る。
6. なかみは、どうして あまく なるの?
6. 中身ではデンプンが糖に変わっていく
6. デンプンから糖へ ── 皮の色と並んで進む中身の変化
バナナの なかみの ひみつは、デンプンです。まだ うれて いない バナナには、デンプンが たくさん あります。うれると、この デンプンが へって、あまい とうが ふえます[6]。
ブラジルの けんきゅうでは、デンプンが 2わりほどから 1パーセントほどまで へりました。ショとうは 12から 15パーセントほどに ふえました。ひんしゅに よって かずは ちがいます[6]。
デンプンは 20ぶんの 1ほどまで へる ことに なります。あまさの もとが、かわの いろが かわる あいだに、できて いるのです。
黄色くなった皮の下では、果肉も大きく変わっています。ブラジルで栽培された数品種を調べた研究では、熟すとデンプンが約2割(22〜23%前後)から約1%まで減り、代わりにショ糖が12〜15%ほどにふえました[6]。たとえば、ある品種ではデンプンが22.0%から1.2%になり、割り算すると約18分の1です。熟した果実の糖の合計は、品種によって9.7〜20.6%と開きがありました。
デンプンは味がほとんどない成分で、糖は甘い成分です。緑の皮のバナナがあまり甘くないのは、中身がまだデンプンのままだからです。熟すにつれて、デンプンが糖に変わっていきます。
なお、品種や産地ごとに数値は変わります。この研究はブラジル産の数品種で、日本に来るバナナと同じ品種とは限りません。
皮の色が変わる間、果肉ではデンプンが糖に変わる。ブラジル産の数品種を調べた研究では、熟すとデンプンが約22〜23%から約1%にまで減り、ショ糖が12〜15%ほどにふえた。ある品種ではデンプンが22.0%から1.2%になっていて、割り算すると約18分の1に当たる[6]。
注意したいのは、熟した果実の糖の合計が品種によって9.7〜20.6%と2倍以上も開く点である[6]。「デンプンの2割が糖になる」という大づかみな話を、そのまま日本で食べるバナナの糖度に当てはめることはできない。数値は品種・産地・熟度で変わると考える。
皮の色素の動きと、果肉の糖の動きは、どちらも熟しの反応の一部である。ただし、使った資料は両者を同じ測定で結びつけてはいない。「皮が黄色になったから甘い」とまでは、この範囲では言い切れない。
7. かわの いろを、まいにち ならべて みよう
7. 1本のバナナを、毎日同じ場所で見る
7. 1本のバナナで確かめる ── 皮の色の移り変わりを記録する
すこし みどりの ところが のこって いる バナナを 1ぽん かって みましょう。ひあたりが つよすぎない、すずしい へやに おきます。れいぞうこには いれません[7]。
きいろく なるまで、まいにち おなじ じかんに かわの いろを みて、ノートに ぬるか、ことばで かいて みましょう。ちゃいろい ぽつぽつが でたら、いつかも メモします。さわった ときの かたさや、においも かいて おくと、おもしろい きろくに なります。
かわが みどりから きいろに かわる まで、なにが へって、なにが ふえて いるのか、この きじを おもいだしながら そうぞう して みましょう。
少し緑が残っているバナナを1本買って、日の当たりすぎない涼しい部屋に置いてみましょう。冷蔵庫には入れません[7]。
全体が黄色くなるまで、毎日同じ時刻に、皮の色、茶色い斑点の数、さわったときの硬さ、においをノートに残します。色えんぴつで皮の色をぬっておくと、緑が消えていく速さがあとから見くらべられます。
記録をつけながら、緑のクロロフィルが減って、黄色のカロテノイドが目立つようになり、中身ではデンプンが糖に変わっていく様子を重ねて想像してみましょう。目に見えるのは皮の色だけですが、その下で起きていることは、熟した皮が紫外線で青く光るという形でも確かめられています。
自分で確かめるなら、少し緑の残るバナナを1本用意し、冷蔵庫に入れず涼しい室内に置く[7]。毎日同じ時刻に、皮の色、茶色い斑点の数、手ざわりの硬さを記録する。色は言葉でもよいし、色えんぴつの塗り分けでもよい。
その記録は、本文で見た3つの動き(クロロフィルの減少[1]、カロテノイドの増加という測定[3]、デンプンから糖への変化[6])が重なった結果である。自分の1本は一例にすぎない。同じ熟し具合の2本を用意し、片方だけ冷蔵庫に入れて皮の変化を比べれば、温度の影響を実感として確かめられる。
原典をたどるなら、青い蛍光の研究(Moser et al., Angew. Chem. Int. Ed. 2008)[2]と、温度とグリーンライプを扱った総説[4]が出発点になる。どちらも英語の資料だが、図表をながめるだけでも、この記事で省いた数値の細部が分かる。
しらべた もとの じょうほう
参考にした情報源
参考にした情報源と、その使い方
出典について:学術誌・大学・公的な資料を中心に使い、流通や家庭向けの解説(日本で追熟する流れ、低温障害)は一般向けの説明として補助的に使った。何に使ったかは、それぞれの項目に書いている。
- ScienceDaily "Blue Luminescence of Ripening Bananas"(2008)。https://www.sciencedaily.com/releases/2008/10/081020093454.htm (熟すとクロロフィルが分解され、紫外線で青く光ることについて)
- Moser S, et al. "Blue luminescence of ripening bananas." Angew Chem Int Ed 47(46):8954-7(2008)。https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/18850621/ (青い光の研究の書誌情報)
- Tat et al. 2022, HCMC Open Univ. J. Sci. Eng. Technol. 12(1):90-97。https://ideas.repec.org/a/bjw/techen/v12y2022i1p90-97.html (ベトナムのバナナ2種の皮で、クロロフィルとカロテノイドが反対向きに変わった測定)
- Du et al. 2016, Horticulture Research。https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC4846988/ (エチレンと呼吸の急な増加、運んだ先でのエチレン処理、高温でのグリーンライプについて)
- 輸入バナナの流通の解説(yomuno)。https://yomuno.jp/posts/120892 (日本に着いてからエチレンで追熟する流れ。一般向けの解説)
- da Mota et al. 1997, Food Science and Technology 17(2)。https://scielo.br/j/cta/a/VRBtWNXNHZbYfz5kwTCTzPh/abstract/?lang=en (ブラジル産数品種での、デンプンと糖の変化)
- ウェザーニュース記事。https://weathernews.jp/news/202508/060086/ (低温障害とシュガースポットのちがい。一般向けの解説)
- SAPS "Why do bananas fluoresce?"。https://saps.org.uk/secondary/teaching-resources/1306-why-do-bananas-fluoresce (斑点のまわりで青い光が強いことについて)
なおした ところ
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