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ここにあるのは、だれかが実際に調べ、考え、作ってきたことを集めたメモです。気になったら、ページの下の「参考にした情報源」から、もとの本や記事、それを生み出した人たちに、直接ふれてみてください。このメモには書ききれないおもしろさが、そこにあります。

ボートの オールは、水を 後ろへ おす だけで すすんで いるの?

ボートのオールは、水を後ろへ押すだけで進んでいるのか

ボートのオールは水を押すだけで進むのか ── 揚力と抗力から見る、オール・プロペラ・帆の共通点

分野:技術

ボートの オールの 先は、水を 後ろへ おす ものだと 思いますよね。でも 研究では、こぎ はじめと おわりごろの オールの 先は、ひこうきの つばさに にた はたらきを すると 考えられて います。

では、プロペラや ほも、同じ ような 考え方で 進むのでしょうか。この 記事を 読むと、水や 風の 流れを 曲げて、反対向きの 力を もらうと いう 考え方と、水を ふき出して 進む 船の とくいな ことが わかります。

ボートのオールは、水を後ろへ押す棒だと考えがちです。ところが競技ボートの研究では、こぎ始めと終わりごろ、オールの先が飛行機の翼のように「揚力」で船を進めると考えられています[1]。

では、プロペラや帆、水を噴き出す船も、同じ考え方で進むのでしょうか。この記事を読むと、流れの向きを曲げて反対向きの力をもらうという共通の見方と、方式ごとの得意・不得意が分かります。

ボートのオールは水を後ろへ押して船を進める、と説明されることが多い。しかし競技ボートの推進を整理した2010年の総説では、こぎ始めと終わりごろのブレードは翼のように揚力を生み、船が受ける力の主役は、ストロークの段階で揚力から抗力へ移ると考えられている[1]。

では、オール・プロペラ・帆・水の噴射という別々の方式に、共通の考え方はあるのか。この記事を読むと、流れの向きを曲げて反対向きの力を受けるという見方と、各方式の得意・不得意の理由が分かる。数値は出典ごとの掲載時点のもので、割合は固定できない。

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1. 水を 後ろへ おすと、なぜ 船は 前へ すすむの?

1. 水を後ろへ押すと、なぜ船は前へ進むのか

1. 水を後ろへ押した反動 ── 推進の基本と、それだけでは足りない点

池で ボートに のって、オールを ぐいっと 引きます。オールの 先は 水を 後ろへ おして います。すると、船は 前へ すすみます。

水を 後ろへ おすと、水から 前向きの 力が かえって きます。これを「はんどう」と いいます。プロペラの 船も、回って 水を 後ろへ おし、その はんどうで 進むと いわれます[4]。

ところが、きょうぎ用の ボートの 研究では、「おす」だけでは 足りないと 考えられて います[1]。オールの 先は、ひこうきの つばさのようにも はたらくのです。それは どういう ことでしょう。

池でボートに乗り、オールをぐいっと引くと、船はすっと前へ進みます。オールの先は水を後ろへ押し、その反動で前向きの力を受ける。これが推進の基本の考え方です。

プロペラも同じです。一般向けの辞典では、回転して水を後方へ押し、その反動で船を進めると説明されています[4]。

ただ、競技ボートの推進を整理した2010年の総説は、オールの先がただの「水を押す板」ではないと考えています[1]。押すだけでない働きとは何でしょうか。

オールを引くと船が前へ進むのは、水を後ろへ押した反動として、水から前向きの力を受けるからだ。この作用と反作用の見方は、プロペラの説明にも出てくる。一般向けの辞典は、プロペラが回転して水を後方へ送り、その反動で船を進めると述べる[4]。

ところが、競技ボートの推進研究を整理した2010年の総説は、ブレードを「水を押す板」とだけ見る考え方を、現在の理解としては採っていない[1]。では、押す以外に何が働いているのか。次の章でそれを見る。

2. オールの 先は、つばさの ように はたらく ことが あるの?

2. こぎ始めと終わりごろ、オールの先は翼に似た働きをする

2. こぎ始めと終わりは揚力、中ほどは抗力 ── ブレードの二つの顔

むかしは、オールの 先が 水を ひきさく ように 進み、水の ていこうで 船を すすめると 考えられて いました[1]。

いまの 研究では、こぎ はじめと おわりごろは、つばさの ように「ようりょく」で 船を すすめると 考えられて います。オールが 船と 直角に なる まん中の あたりは、ていこうが 主な 力です[1]。

ようりょくは、水や 空気の 流れが ものに 当たって、向きを 曲げられた とき、はんたいの 向きに はたらく 力です[3]。つばさも、空気の 流れを 曲げて 力を もらいます。

水そうの じっけんや 計算でも、前半は ようりょく、まん中では ていこうの えいきょうが 大きく なる ことが 分かって います[2]。ただし、どれくらいの わりあいかは、こぎ方や オールの 形で かわります。

では、ぐるぐる 回る プロペラは、どんな 形を して いるのでしょう。

水を引き裂く板から、翼のような働きへ

かつて、競技ボートのオールの先(ブレード)は、水を引き裂くように進み、面に垂直な抵抗(抗力)で船を進めると考えられていました。現在の研究では、こぎ始めと終わりごろは翼のように揚力で船を進め、オールが船に対して直角になる中ほどでは、抗力が主な推進力だと考えられています[1]。

ブレードの模型を水槽で試した実験や、数値流体計算でも、前半は揚力が中心で、中ほどで抗力の影響が増すという結果が報告されています[2]。

揚力とは、流れを曲げられた反動

NASAは、揚力を「流れが固体に当たって向きを曲げられるときに生じる力」と説明しています。流れが一方向へ曲げられると、反対向きに力が働きます[3]。「水を押す」と「流れを曲げる」は、対立する説明ではなく、同じ反動を別の角度から見たものと読めます。

揚力と抗力の割合は、こぎ方やブレードの形、ストロークの段階で変わります。では、回り続けるプロペラの羽根は、どんな形をしているのでしょうか。

かつてブレードは、水を引き裂くように進み、面に垂直な抵抗(抗力)で船を進めると考えられていた。ところが、その後の研究では、こぎ始めと終わりごろのブレードが翼のように揚力を生んで船を進め、オールが船に対して直角になる中ほどでは抗力が主な推進力になる、と整理されている[1]。ブレードの模型を使った水槽実験や数値流体計算の報告も、前半は揚力が中心で、中ほどから抗力の影響が増す点で一致する[2]。

揚力は、NASAの説明では、流れが固体に当たって向きを曲げられるときに生じ、流れが一方向へ曲げられると反対向きに力が働く(作用・反作用)[3]。この見方に立つと、「水を後ろへ押す」と「水の流れを曲げる」は対立せず、同じ反動を別の角度から述べたものと読める。ただしこれは出典の説明を並べた読み方で、個々の漕ぎで両者が何割ずつかを示す根拠はない。

実際、揚力と抗力の割合はこぎ方・ブレードの形・ストロークの段階で変わるため、固定の比率は出典にない。そこで次の疑問が出る。回転して連続的に水へ力を与えるプロペラの羽根は、この考え方でどう作られているのか。

3. プロペラの はねは、どんな 形を して いるの?

3. プロペラの羽根の断面は、飛行機の翼に似ている

3. スクリュープロペラの羽根 ── 断面を翼形にして、揚力を大きく・抗力を小さく

船の プロペラは、まるい じくに はねを つけて、回す ものです。はねの 切り口は、ひこうきの つばさと にた 形を して います[4]。

この 形は、ようりょくが 大きく、ていこうが 小さく なる ように くふう されて います[4]。

回る はねが 水を かくと、回る じくの 向きに 力が 生まれ、船が 進みます[5]。つまり、プロペラは、回りながら 水の 流れを 曲げて、その はんどうを もらう 道具です。

では、この プロペラは、いつ 船に つかわれ はじめたのでしょう。

船のスクリュープロペラは、円筒形の軸(ボス)に羽根を付けて回し、軸の方向に力を生む装置です。羽根の断面は、飛行機の翼と同様な形をしていて、揚力が大きく抗力が小さくなるように工夫されています[4]。

回転する羽根が水をかくと、回転軸の方向に揚力が生まれ、船を進める力になります[5]。辞典の説明では、プロペラの推力は、羽根に生じる力の軸方向の成分から、抗力の前進方向の成分を引いたものです[4]。

羽根の形を、オールのブレードの動きと見比べると、プロペラは「回り続けるオール」のようにも見えてきます。この読み方は、記事の筆者の整理です。では、この形の推進器は、いつ船に使われ始めたのでしょうか。

スクリュープロペラは、円筒形のボスに羽根を付けて回し、回転軸方向の力を生む装置である。羽根の断面は飛行機の翼と同様な形で、揚力が大きく抗力が小さくなるよう工夫されている[4]。回転翼が水をかくことで、軸方向に揚力が生まれ、推進する力を得る[5]。

ここで推力の定義が重要になる。辞典によれば、プロペラの推力は、羽根に生じる力の軸方向の成分から、抗力の前進方向の成分を差し引いたものである[4]。羽根を翼形にするのは、揚力を稼ぐだけでなく、差し引かれる抗力を小さくするためだと読める。一般向けの「水を後ろへ押す反動」という説明と、揚力による説明は、見る角度の違う二つの表現にあたる。

羽根が回り続けるため、オールのように戻す動きがいらない。この連続性は、プロペラが広がった背景の一つとして考えられる。では、実際にどう広がったのか。

4. プロペラの 船と がいりんの 船が、つなで 引き合った?

4. 1845年の綱引きと、短くなったスクリュー

4. 外輪船との綱引き ── 1845年の試験と、1836年のスクリュー特許

1845年4月3日、イギリスの かいぐんで、ふしぎな しけんが ありました。プロペラの 船と、水車のような がいりんの 船が、うしろどうしを 太い つなで つないで、引き合ったのです[10]。

プロペラの 船の ラトラー号が、がいりんの アルクト号を 引きました。ただし、ラトラー号の ほうが 強い エンジンでした。これだけで プロペラの 勝ちとは 言いきれません[10]。

むかしの じょうき船は がいりんが さかんでしたが、がいりんは 横に 大きな 車が 出る つくりでした[5]。そのあと プロペラが 広まって いきました。

プロペラの 形には、こんな 話も あります。1836年、イギリスの スミスという 人が、水中で 回る プロペラの とっきょを とりました。しけんの とちゅうで じこが あって、プロペラが 短く なると、かえって 船が 速く 進んだと されます[8]。同じ ころ、ほかにも プロペラを 考えた 人が いて、だれか 一人の はつめいとは いえません[9]。

船尾をつないだ、公開の綱引き

1845年4月3日、英国海軍の蒸気スループ、スクリュー式のラトラー号と外輪式のアルクト号が、船尾どうしを綱でつないで引き合う試験をしました。結果は、ラトラー号がアルクト号を引く形でした[10]。

ただし、ラトラー号のほうが強力なエンジンだったので、同じ出力での勝負ではありません。引いた速度も、資料によって約2〜2.8ノットとばらつきます[10]。

なぜ外輪はスクリューに代わっていったのか

蒸気船が登場したころは、外輪を使う外輪船がさかんでした。外輪式は動力源の位置が高く、側面に外輪が出るという特徴があり、やがてスクリュー式が広まりました[5]。

短くなったスクリューは、かえって速かった

1836年、イギリスのフランシス・ペティット・スミスは、船尾の水中で回転するスクリューで船を進める特許を取りました。試験中にスクリューが短くなったところ、かえって速く進んだとされ、1837年に1回転の金属スクリューが取り付けられました[8]。ジョン・エリクソンも同じころにスクリュープロペラの特許を出していて、年は資料で1836年と1837年に分かれます。だれか一人の発明とは言いきれません[9]。

プロペラ以前から、船は風でも進んでいました。帆はどうやって風から力をもらうのでしょうか。

1845年4月3日、英国海軍の蒸気スループ、スクリュー式のラトラー号と外輪式のアルクト号は、船尾どうしを綱でつないで引き合う試験をした。ラトラー号がアルクト号を引いたため、スクリューの優位を示す場面として語られる[10]。しかし、ラトラー号のほうが強力なエンジンを持っていたので、同じ出力での勝負とはいえず、引いたときの速度も資料により約2〜2.8ノットとばらつく[10]。

とはいえ、外輪には構造上の特徴があった。蒸気船の初期は外輪式が盛んだったが、動力源が高い位置にあり、側面に外輪が出る構造だった。その後、スクリュー式が広まった[5]。

スクリューの側では、1836年にイギリスのフランシス・ペティット・スミスが、船尾の水中で回転するスクリューで船を進める特許を取った。試験中にスクリューが短くなったところ、かえって速く進んだとされ、1837年に1回転の金属スクリューが取り付けられた[8]。ただし出典にあるのは「短くなったら速かった」という経緯までで、なぜ速くなったかの説明は、ここでは示せない。同じころにはジョン・エリクソンも特許を出願したとされ、年は資料により1836年・1837年に分かれる[9]。そのため、だれか一人の発明と断定はできない。

さて、スクリューが広がるよりずっと前から、船は風を使っていた。帆は、翼と同じ流体力学で説明できるという。次はその帆を見る。

5. 風が 向かって くる ほうへ、ほを はった 船は 進めるの?

5. 帆も翼と同じ ── 風上へはジグザグに進む

5. 帆と翼は同じ流体力学 ── 風上へのタッキングと、キールの役目

ほも、つばさと よく にて います。ほと ひこうきの しゅよくは、水や 空気の 流れの 問題としては 同じだと いわれます[6]。

ほは、風に 少し ななめに 向けて、まるい 面で 風を 受けます。すると、前向きの 力と、横向きの 力が 生まれます[6]。

横向きの 力で 船が 横へ 流されないように、ヨットには センターボードや キールが ついて います[7]。

風が 向かって くる ほうへは、まっすぐ 進めません。そこで 風に 近い 向きで、風を 受ける がわを 左右に 入れかえながら、ジグザグに 進みます[7]。

帆は、風の中の翼

帆と飛行機の主翼はよく似ていて、流体力学の問題としては同じだと説明されます[7]。帆はほとんどの場合、曲がった面を風に対して角度(迎え角)をつけて向けます[6]。そうして受けた風の力が、前向きの力と横向きの力になります。

横流れを止めるキール

横向きの力が強いと、船が横へ流されます。ヨットは、横方向の抵抗を大きくするために、センターボードやフィンキールを付けています。キールは、船の進む向きが船首の向きと少しずれて、横滑りが起きるときに働きます[7][6]。

風上へはジグザグに進む

ヨットは風上へまっすぐ進めません。風に近い針路をとり、風を受ける舷を左右に切り替えるジグザグ航行(タッキング)で、風上へ進みます[7]。風にどこまで近づけるかは、船や風の状況で異なります。

ここまでの方式は、羽根や帆で流れを曲げる方式でした。水を直接噴き出す方式はどうでしょうか。

帆と飛行機の主翼はよく似ていて、流体力学の問題としては同じことになる[7]。帆はほぼ常に曲面で、風に対して迎え角をつけて向けられ[6]、前向きの力と横向きの力を生む。この横向きの力が船を流すため、ヨットには横方向の抵抗を大きくするセンターボードやフィンキールが付く[7]。キールは、船の進む向きが船首の向きと少しずれて横滑りが起きるときに働く[6]。

ここから、風上へ進む理由も読み取れる。帆の力は前向きの成分を含み、横向きの成分はキールが受けるため、風に近い針路でも前へ進む。それでもヨットは風上へまっすぐは進めないので、風を受ける舷を左から右、右から左へ切り替えるジグザグの針路をとる[7]。風にどこまで近づけるかは、船や風で異なり、固定の角度は示せない。

羽根と帆はどちらも、流れを曲げる形をした固体だった。では、固体を使わず水そのものを噴き出す方式は、何が得意で、何が苦手なのか。

6. 水を ふき出して 進む 船も あるの?

6. 水を噴き出して進む船は、何が得意で何が苦手か

6. ウォータージェット推進 ── 噴射の反動で進む方式の得意と限界

水を 取りこんで、いきおいよく 後ろへ ふき出し、その はんどうで 進む やり方も あります。「ウォータージェット」と よばれます[11]。

ノズルの 向きを かえて、船の 向きも かえられます。はやく 走る ときや、あさい 水の ところに 向いて います[11]。

エネルギーの つかい方や、ゆっくり 走る ときの 動かし方は、しくみや 船の つかい方で かわる と されます。水上オートバイや、見回りの 船などに つかわれます[11]。

オールも、プロペラも、ほも、水の ふき出しも、流れの 向きを かえて、反対向きの 力を もらう 考え方は 同じです。

ウォータージェット推進は、取り込んだ水を加速して後ろへ噴射し、その反動で進む方式です。高速航行や浅い水域に向いていて、ノズルの向きを変えれば操舵もできます[11]。

一方で、エネルギー効率や低速時の操縦性は、推進器の設計や船の使い方で変わります。水上オートバイや巡視艇などで使われます[11]。

オール、プロペラ、帆、水の噴射。羽根や帆のように固体で流れを曲げる方式も、水を直接噴き出す方式も、水や空気の流れを一方向へ動かして、反対向きの力を受けるという点は共通しています。得意・不得意があるので、使われる場面が分かれているのだと考えられます。

ウォータージェット推進は、取り込んだ水を加速して後方へ噴射し、その反動で進む方式である。高速航行や浅い水域に向き、ノズルの向きを変えて操舵もできる。一方、エネルギー効率や低速時の操縦性は、推進器の設計や船の使い方で変わる。水上オートバイや巡視艇などで使われる[11]。

固体の羽根や帆が流れを曲げて揚力を得るのに対し、この方式は水そのものを加速して後ろへ送る。しかし、水の流れを一方向へ動かし、反対向きの力を受け取る点では共通している。得意・不得意の違いが、使われる場面の違いに結びついていると考えられる。

ここまでの四つの方式を、自分の手で確かめられる範囲に落とすと、何ができるか。

7. 水の 中で、手のひらを 動かして みよう

7. 手のひらで水をかいて、向きを変えてみる

7. 手のひらでの観察と、資料の読みどころ

おふろや せんめんきの 水で、手のひらを 動かして みましょう。かならず 大人と いっしょに、あぶなく ない ように します。

手のひらを 立てて 水を 後ろへ かく ときと、ななめに して かく とき、手ごたえは どう かわるでしょうか。手の 向きを かえて、くらべて みます。

もし ボートに のる ときが あれば、大人と いっしょに、ライフジャケットを つけて、オールが 水に 入る ところと、水から 出る ところを 見て みましょう。

洗面器やお風呂の水に手のひらを入れて、向きを変えながら水をかいてみます。手のひらを立てたときと、斜めにしたときで、手ごたえがどう変わるでしょうか。必ず大人と一緒に、水のそばで危なくないようにして試します。

もしボートに乗る機会があれば、大人と一緒に、ライフジャケットをつけて、オールが水に入る場面と水から出る場面を見比べてみてください。こぎ始めと終わりに、水がどう動くかが手がかりになります。観察で揚力かどうかが分かるわけではありませんが、問いを持って見る入口になります。

Caplanらの2010年の総説は英語ですが、帆とプロペラの説明は日本語の百科事典[7][4]でも読めます。

家で試すなら、洗面器や浴槽の水の中で手のひらを動かし、向きを変えたときの手ごたえの差を比べる。必ず大人と一緒に、水のそばで危なくない状況で行う。これは揚力と抗力の区別を確かめる実験ではなく、「向きを変えると力が変わる」ことを体で意識するための入口である。

資料を読むなら、オールの推進はCaplanらの2010年の総説[1]、揚力の考え方はNASA Glennの入門ページ[3]、帆とキールはPhysics Todayの記事[6]が出発点になる。英語の資料が多いので、日本語では百科事典[4][7]が読める。

「オールやプロペラの効率を決めるものは何か」は、読んだあとにまだ残る問いである。

しらべた もとの じょうほう

参考にした情報源

参考にした情報源と、その使い方

出典について:研究論文・大学の学位論文・NASA・百科事典・技術史サイトを使った。何に使ったかは、それぞれの項目に書いている。

  1. Caplan, N., Coppel, A. & Gardner, T. N. (2010) A review of propulsive mechanisms in rowing. Journal of Sports Engineering and Technology 224(1). https://researchportal.northumbria.ac.uk/en/publications/a-review-of-propulsive-mechanisms-in-rowing/ (オールの揚力と抗力について。論文)
  2. McMaster University 学位論文(ブレードの水槽実験・数値流体計算)。https://macsphere.mcmaster.ca/bitstream/11375/8907/1/fulltext.pdf (ストロークの前半は揚力が中心という報告について。学位論文)
  3. NASA Glenn Research Center, Beginner's Guide to Aeronautics: Lift. https://www.grc.nasa.gov/www/k-12/VirtualAero/BottleRocket/airplane/lift1.html (揚力が流れの向きの変化で生じることについて)
  4. 改訂新版 世界大百科事典「プロペラ」(コトバンク)。https://kotobank.jp/word/%E3%83%97%E3%83%AD%E3%83%9A%E3%83%A9 (羽根の断面と推力の定義について。辞典)
  5. Wikipedia日本語版「スクリュープロペラ」。https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%97%E3%83%AD%E3%83%9A%E3%83%A9 (回転翼と外輪船について)
  6. Physics Today, "The physics of sailing" (2008). https://physicstoday.aip.org/features/the-physics-of-sailing (帆とキールについて)
  7. 改訂新版 世界大百科事典・日本大百科全書「ヨット」(コトバンク)。https://kotobank.jp/word/%E3%83%A8%E3%83%83%E3%83%88 (帆と主翼、キール、ジグザグ航行について。辞典)
  8. Grace's Guide「Francis Pettit Smith」。https://www.gracesguide.co.uk/Francis_Pettit_Smith (スクリュー特許と短くなったスクリューの話について)
  9. Scientific American (1853) "The Inventors of Propellers". https://www.scientificamerican.com/article/the-inventors-of-propellers/ (スクリュープロペラの複数の発明者について)
  10. Royal Museums Greenwich 所蔵版画(ラトラー号がアルクト号を引く場面)。https://www.rmg.co.uk/collections/objects/rmgc-object-140870 (1845年の綱引き試験について)
  11. Wikipedia「ウォータージェット推進」(Weblio)。https://www.weblio.jp/content/Waterjet (水を噴射する方式の特徴について)

なおした ところ

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